善子「別に。まあ、すぐキレるところは料理の腕みたく直して──」
 
梨子「よっちゃんっ!」クワッ
 
善子「そういうとこよっ! とにかく、今時お裁縫とか苦手な女子だって珍しくもないんだし、気にすることないでしょ」
 
梨子「ありがと。でもあくまでこれは私自身の問題。やっぱりみんなが当たり前に出来てることを、私だけ出来ないのって悔しいから」
 
善子「リリー……アンタ、やっぱりずら丸と似た者同士なのかもね」
 
梨子「そういう話したの? 花丸ちゃんと」
 
善子「ええ。『aqoursの中で自分だけ特別な賞を取れてないのが悔しい』って」
 
梨子「そうなんだ。専門バカの私とは逆なんだね」
 
善子「一芸特化か、器用貧乏か。どっちが正しいとか有利かなんてわからないものね」
 
梨子「私と花丸ちゃんのこと?」
 
善子「一応そのつもり」
 
まあ中には他人には真似できない一芸を持ちつつ、何でも平均以上にそつなくこなせる天才の知り合いもいるが……アレは例外中の例外よね
残念ながら誰もが彼女のようにはなれない