ここは私の部屋、薄暗くて怪しげな本とか不気味なオブジェクトが点在していて、
明るさとか可愛いさとは無縁な部屋よ。

でも、今はそこに似つかわしくない可憐な少女が一人いるの。


ルビィ「善子ちゃん、大丈夫?」

善子「えぇ……平気よ………へっ…へっくしゅん!」


大丈夫、そう答えたそばから大きなくしゃみをしてしまう。


ルビィ「善子ちゃん……」

善子「へーきだってば……」


鼻をすすりながら、もう一度大丈夫と言い、
私を心配してくれている、可愛い彼女の頭を撫でる。


季節は寒い冬を終え、春へと向かっていた。

木々には雪の残りのような、真っ白い蕾が出来ていて、
その蕾が綻ぶ時、春が来るんでしょうね。