ダイヤ「催眠術、ですか?」善子「できるようになったの!」
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ダイヤ「はぁ、それはよかったですわね」ペラッ
善子「なによその興味なさそうな反応!」
ダイヤ「興味がなさそうなのではなくて本当に興味がないんですのよ」ペラッ
ダイヤ「催眠術なんて非現実的なもの――」ペラッ
善子「……ぼっしゅー」バッ
ダイヤ「あっ、ちょっと何するんですの!?」
善子「ヨハネの話を聞かないで本ばっかり読んでるからよ」フンッ
ダイヤ「返しなさい!」
善子「ちゃんと話聞かないと返さない!」 ダイヤ「……仕方ないですわね、話くらいは聞いて差し上げますわ」
善子「最初から素直に聞いてればいいのよ」
ダイヤ「それで? 催眠術ができるとかできないとか」
善子「そう! すごいでしょ?」
ダイヤ「……そんなことをしている暇があったら勉強をした方が有意義ですわよ?」
善子「ヨハネって地頭がいいからちょっとやればそれなりにできちゃうのよ」ドヤァ
ダイヤ「……あなたが地頭がいいなんて癪に障りますわね」
善子「どういう意味よ!」 ダイヤ「それで、わたくしはその催眠術ができるという妄言を聞いてどうすればいいんですの?」
善子「あ、そうよ! ダイヤ……」ジリジリ
ダイヤ「な、なんですの?」ズリズリ
善子「催眠術、かけてもいい?」
ダイヤ「嫌に決まっているでしょう!?」
善子「でも信じてないんでしょ?」
ダイヤ「信じていないから時間の無駄だと言っているんです!」 善子「あ、もしかして」クスクス
ダイヤ「なんですの? その人を小馬鹿にしたような笑いは……」
善子「信じてないとか言って本当は催眠術にかかっちゃうのが怖いんでしょ?」プークスクス
ダイヤ「そんなわけないでしょう!?」
ダイヤ「わかりましたわ、そこまで言うのならわたくしに試してご覧なさい」
ダイヤ「催眠術などないと証明して差し上げますわ!」
善子(ダイヤちょっろ)クスクス 善子「じゃあ、この糸にぶら下がった5円玉をじっと見ててね」
ダイヤ「これはまた古典的ですわね」ジッ
善子「あなたは段々猫になる」ブラブラ
ダイヤ「……はあ?」
善子「ほら、ダイヤ。あなたはかわいい猫さんよ?」ブラブラ
善子「ヨハネに懐いたかわいい猫さん」ブラブラ
ダイヤ「わたくしは猫ではなく人間で――」ガクリ
善子「かかった!」 善子「ダイヤ、気分はどーお?」
ダイヤ「……にゃー」
善子「っ!」
ダイヤ「にゃあ?」スリスリ
善子「さ、さすがダイヤ。かわいい……」
ダイヤ「にゃーにゃー」ペロペロ
善子「もー! 顔舐めちゃダメ!」
ダイヤ「ふにゃあ」ペロペロ 善子「あぁ、これはダメだわ。何言っても聞かなそう」
ダイヤ「にゃあ」ペロペロ
善子「ヨハネが手を叩いたら戻るわよ、せーのっ」パンッ
ダイヤ「にゃ――はっ」
ダイヤ「な、なな、なんでわたくしがあなたの顔を舐めてますの!?」
善子「ヨハネの催眠にかかってたからよ」
ダイヤ「……信じがたいですわね」
善子「実際にかかってたんだから信じなさいよ!」 ダイヤ(しかしわたくしが記憶がないうちに善子さんの顔を舐めていたのは事実)
ダイヤ(確かに催眠術にかかっていたのかもしれない)
ダイヤ(でも、それを認めるのは癪ですわ)
善子「じゃあもう一回かけてあげる! これで信じなさいよ!」
善子「あなたはヨハネの妹よ、ヨハネはあなたの姉よ」ブラブラ
ダイヤ「……あなたが姉というのはそこはかとなく嫌ですわね」
善子「妹になるの!」ブラブラ ダイヤ「大体わたくしはあなたの年上で――」ガクリ
善子「きた!」
ダイヤ「……。お姉さま?」
善子「っ!」キュンッ
ダイヤ「どうしましたのお姉さま?」
善子「ダイヤ、あなたはヨハネの妹よね?」
ダイヤ「何を言っていますの? わたくしは善子お姉さまの妹ですわ」
ダイヤ「普段からおかしいとはおもっていましたが、ついに本格的に――」
善子「……」 ダイヤ「大体、わたくしのお姉さまなのですからもう少ししっかりしていただかないと妹のわたくしも恥ずかしいんですのよ?」
善子「………」
ダイヤ「日頃からわたくしの姉としての自覚をもっていただかないと――」クドクド
善子「ヨハネが望んでたのはこうじゃなーい!」パンッ
ダイヤ「はっ!」
ダイヤ「確かに今わたくしはあなたのことを姉だと――」
善子「なんで!? なんで妹なのにヨハネを責めるの!?」
ダイヤ「あなたが変なことばっかり言うからでしょう?」
善子「ヨハネが望んでたのは、もっと甘えてくるような妹なのに!」 善子「もう妹はいいわ!」
善子「次は、そうね、ヨハネを甘やかすようになりなさい!」ブラブラ
ダイヤ「はあ? 甘やかすのはあなたのためにならな――」カクリ
善子「よっし!」
ダイヤ「……。ヨハネちゃん?」
善子「よ、ヨハネちゃん!?」
ダイヤ「あら、いけなかった? そう呼ばれたいようでしたので」
善子「や、やっとヨハネって呼んでくれた!」パアアアアアアアアア ダイヤ「もう、それくらいで喜んでくださるのでしたらいくらでも呼びますわよ?」ナデナデ
善子「はぁ♡ あのダイヤがヨハネに甘い♡」
ダイヤ「今日も一日授業を受けて疲れたでしょう?」
善子「ん? まあ、疲れてないといえば嘘になるけど」
ダイヤ「きちんと授業を受けて偉いですわ♡」ギューッ
善子「わっぷ、ちょ、ちょっと急に抱きしめないでよ!」
ダイヤ「ふふ、疲れを癒してあげますわね♡」ナデナデ
善子「ふわぁ……♡」 ダイヤ「ふふ、甘えるヨハネちゃんもかわいいですわ♡」ナデナデ
善子「き、気持ちいいけど恥ずかしいからやめっ!」パンッ
ダイヤ「……なんでわたくしはあなたを抱きしめて頭をなでていますの?」
善子「あなたの甘えさせるって度を越してるのよ!」
善子「ま、まあ悪くはなかったけど!」
善子「次はヨハネのことが好きでたまらなくさせてやるわ!」
ダイヤ「まだやりますの?」
善子「まだヨハネは満足してないんだから!」
善子「ヨハネが好きでたまらなくなれ!」ブラブラ
ダイヤ「……」ガクリ 善子「ふふ、ヨハネのことが大好きなダイヤ、最高に面白そうよね」クスクス
善子「んー、でもさっきの甘やかしダイヤみたいになるような気もするし……」
ダイヤ「善子さん?」
善子「っ! どう? ヨハネを見てどんな感じ?」ワクワク
ダイヤ「いえ、特に何も」キョトン
善子「え? うそ、失敗……?」
ダイヤ「わたくしが何も変わっていない以上そういうことですわね」
善子「えー……。ヨハネのこと大好きでたまらないダイヤ、結構見たかったのにぃ……」 善子「もし、催眠状態が続いてると暗示にかかりやすくて危ないから一応解いておくわね」パンッ
ダイヤ「んっ……」
善子「あーあ、最後の最後で失敗しちゃうなんてやっぱりヨハネって不幸ね……」
ダイヤ「ふふ、実は意外と成功していたかもしれませんよ?」
善子「でもダイヤ何も変わらなかったしー」
ダイヤ「善子さん」
善子「なによ?」
ダイヤ「何も変わらないことが失敗だとは限らないんですのよ?」クスッ
善子「そういう気休めはいいの! 意味分からないし!」 善子「もう! 催眠術の精度を高めてやるんだから!」
ダイヤ「精度を高めるって一体どうやって?」
善子「とりあえず魔導書を読み返してみる!」ペラペラッ
ダイヤ「またそんなものを学校に持ってきて……」ハァ
善子「絶対ダイヤをヨハネのトリコにしてやるんだから!」
ダイヤ「楽しみにしていますわ」クスクス
善子「笑ってられるのも今のうちなんだから!」
おわり / /
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___,,-´-- ー-y / よしよし
/::::::::::::::::::⊂二___ ィ´ )) 良く頑張ったねー偉いねー
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l/l u" _ ""u l::::lヽ::l
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