真姫「アイドル先輩と撮影会」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
追試でお泊り合宿に行けなかった星空凛です
前回までのあらすじは
凛が追試のテストを受けている間に、真姫ちゃんと希先輩は二人で山にお泊り合宿へ
合宿を満喫して戻ってきた二人を待っていたのは無人と化した音ノ木坂、しかも二人共、その無人になった音ノ木坂の中に閉じ込められちゃったの
そして、夜になって、真姫ちゃん達は謎の人物に襲撃をされちゃうの
隙を見て、なんとか逃げ出した二人の目の前に現れたのはなんと凛だったんだって
話によると街の人達は皆、鬼?に精神を乗っ取られたの!もちろん凛も
でも、ピンチを聞いて駆けつけてくれた生徒会長の絢瀬先輩が救援にきてくれたんだにゃ!
そして、真姫ちゃん達は豆撒きをして無事なんとか皆を正気に戻して、街も元に戻ったの!
まぁ、凛はよく覚えてないんだけどね?あと、豆撒きの掃除がちょっと大変だったにゃ #6
真姫「絢瀬先輩が私に頼みごとですか?」
絵里「絵里でいいわよ、なんか私だけ苗字だと他人行儀みたいで寂しいわ」
真姫「はぁ...それで私に頼みごとってなんですか?」
絵里「実は知り合いの子に頼み事をされてちゃってね?」
真姫「?絵里先輩の知り合いの方が私に頼みごとがあるってことですか?」
絵里「えぇ、ちょっとね...」
真姫「??」 「貴方が噂の霊能力者のお嬢様ね」
真姫「!...この人が、絵里先輩が話していた方ですか?」
絵里「そうよ」
にこ「矢澤にこよ、にこにーって呼んでね?」
真姫「は、はぁ....」
にこ「にこっ!」
真姫「それで、その矢澤先輩が私になんの用ですか?多分、お会いしたのも初めてですよね?」
にこ「....意外と容姿はいいわね、まぁ、にこには敵わないけど〜」
真姫「....は?」
絵里「あー...また、はじまったわね」 にこ「でも、霊感があるっていうのは大きいわね、キャラ設定だとしてもインパクトがあるわね」
真姫「キャラ設定?」
にこ「アイドルにはキャラ設定は大事なの」
真姫「アイドル?」
にこ「私はアイドル研究部の部長なのよ」
真姫「へぇ...そんな部があったのね」
絵里「部って言ってもにこしかいない部なんだけどね」
にこ「絵里ちゃんがー入ってくれれば二人になるよー?」
絵里「私は入らないわよ」
にこ「...っち」 真姫「えっと、先輩がなんで私に用があるのかがよくわからないんですけど」
にこ「部員は諦めたけど、にこはアイドルを諦めた訳ではないのよ」
真姫「それと私になんの関係が?」
にこ「まぁ、話は最後まで聞きなさいよ」
真姫「........」
にこ「駆け出しのアイドルとかがやることって言ったらどんなことを想像する?」
真姫「...は?」
にこ「アイドルとしての可愛さも出せて、アイドルを見る以外の人にも見てもらえる番組」
真姫「番組ですか?私、TVとかはあんまり見ないので」
にこ「ようは心霊番組よ!アイドルの心霊番組!」
真姫「!」
絵里「.........」 真姫「絵里先輩」
絵里「なに?」
真姫「あえて突っ込んでいなかったですけど」
絵里「........」
真姫「なんでこの矢澤先輩に私のことを喋っちゃったんですか?」
絵里「ごめんなさい」
真姫「...はぁ....」
にこ「絵里を庇うようであれだけど、貴方、学校では有名人なのよ」
真姫「有名人?」
にこ「えぇ、あの”東條希”と一緒にいる時点で注目はされてるのよ」
真姫「希?希がなんなのよ」
にこ「ようは変人、有名な電波ちゃんってことで有名なのよ」
真姫「あー....成程」
希「成程って...どういう意味?真姫ちゃん?」
真姫「!!」ビクッ 真姫「希...」
希「ふふふ...なーに?うちの悪口でも言ってたの?」
真姫「別に言ってないわよ、というかなんでここに来たのよ」
希「いやー真姫ちゃんを探しにいったらどこにもいないんだもん」
真姫「私になにか用があったの?」
希「いや、別に」
真姫「.......」
希「そしたら生徒会室にエリチとにこっちが真姫ちゃんを拉致してるんだもん」
にこ「人聞きが悪いわね、ちょっと用事があって話をしてたのよ」
希「ふーん...」 にこ「話がずれたけど、今度とある場所に一緒に着いてきてほしいのよ」
真姫「とある場所?」
にこ「詳しくはまた今度話すわ」
真姫「私はまだやるなんて一言も」
にこ「落花生、役に立ったんでしょ?」
真姫「!...もしかして、絵里先輩のあの時の知り合いって」
絵里「そう、にこのことよ」
真姫「成程、そういうことね」
にこ「じゃあ、また今度ね」
バタン 真姫「矢澤先輩はなにを考えているのかしら?」
絵里「さぁね?」
希「全く!うちの真姫ちゃんをそう簡単には貸し出しをさせないよ!」
真姫「貸し出しって...」
希「真姫ちゃんはうちの子です!」
絵里「まぁまぁ、ほら?一応、貸しはある訳だし」
真姫「なんでこの学校の上級生は変わり者ばかりなのよ」
絵里「ちょっと!それって私も含まれてない!?」
希「ま〜き〜ちゃーん?」
真姫「ふふ........」 真姫「それにしても希が校内でちょっとした有名人だったなんてね」
希「ふふふー」
絵里「希、そんな威張っていられるような有名な感じではないでしょ」
希「むっ...」
真姫「絵里先輩、なんで私の霊感の話をなんで矢澤先輩にしたんですか?」
絵里「きっかけはこれよ」スッ
真姫「なにこれ?」
希「これって...匿名掲示板?」
絵里「簡単にいえば、ちょっと前まで流行った裏サイトってやつね」 真姫「また、物騒な...これって危険なんじゃないですか?」
絵里「そうね、まぁ、このサイトは理事長に報告はして対処はしてもらってるわ」
希「それでこのサイトがどうしたん?」
絵里「このサイトで西木野さんと希達が前に事件があったマンションと関係があるって書き込みとかがされてたのよ」
希「!それって...」
真姫「そういうことね...意外と見られているものなのね」
絵里「え、それって本当の話なの?」
希「あれ?エリチ聞いてなかったっけ?」
絵里「聞いてないわよ!」 オカルト新作か
にこえりが仲良いの微笑ましくなるから好き 真姫「あの時は必至だったし、周りの目を気にしてる余裕もなったし、血相を変えて希のところに行くところでも見られてたりしてたのかしら?」
希「詳しくは#1を見てね」
真姫「なにを言ってるの?希」
希「なんでもないよー」
絵里「まぁ、噂が色々と尾を引いてね、このサイトではそういうことになってるのよ」
真姫「皆、意外と鋭いのか、ただふざけてるだけなのか」
希「うちはなんて書かれてたー?」
絵里「希はちょっと変わった電波さんだって」
希「えー....」 絵里「って言ってもただの噂話だから、皆が皆、信じてる訳ではないし」
真姫「たしかに皆が皆、それを信じてればその話題で声をかけられそうだものね」
絵里「その感じだとその話題で声をかけられたことはなさそうみたいね」
真姫「そうね」
希「うちもないよー」
絵里「まぁ、西木野さんの場合は地元の病院の一人娘でしかも成績優秀...ぱっと見では声をかけづらい雰囲気だし」
希「うん、なんかわかる」
真姫「...そうかしら?」
絵里「しかも、違う意味で声をかけづらい希とつるんでるのよ」
希「それはどういう意味かなー?エリチー?」
絵里「知りたい?」
希「いいよー、どうせ電波だって言いたんでしょ?」
絵里「ふふふ...さて、どうかしらね?」 絵里「成績優秀な1年生とそんな希が絡んでれば嫌でも目立つってことよ」
希「ふーん...」
真姫「希も奇行は程々にね」
希「してないよー、普通だって」
絵里「普通の女子高生は学校に水晶玉とかタロットカードを持ってきたりしないっての」
希「いや、それはうちの趣味っていうか...ほら?キャラ設定?」
真姫「キャラ設定だとしても普通ではないわね」
希「二人共なんか今日はうちに厳しくない?」 凛「えー!真姫ちゃんのシックスセンスのことが!?」
花陽「皆にバレチャッタノォ!?」
真姫「あくまで噂程度らしいけどね」
希「まぁ、うちらも有名人になったってことやね!」
花陽「ゆ、有名人...」
凛「サインとか練習したほうがいいのかな!?」
真姫「なに馬鹿なことを言ってるのよ」
希「いくらくらいで販売する?」
真姫「そこ!商売をしようとしないの!」 希「っという訳でこんなものを作ってみました」スッ
真姫「これは...ポスター?」
凛「えーっと...オカルトに興味がある方、もしくは超常現象でお困りの方、是非ともオカルト研究部へ」
花陽「新入部員も絶賛募集中です...依頼料は時価!....」
真姫「って!なんでお金を取ろうとしてるのよ!そもそもこれはなによ!」
希「インパクトあるでしょ?」
凛「たしかにインパクトはあるにゃー」
花陽「さすがにこれはまずいんじゃあ....」
真姫「まずいじゃないわよ!却下よ!却下!!」 希「で?にこっちの件はどうするの?」
花陽「にこっち?」
凛「なんかの新キャラ?」
真姫「どうするのなにも、あんな一方的に言われただけだし」
希「なら適当に濁せばいいかんじ?」
真姫「でも借りがあるみたいよ、矢澤先輩には」
希「借り?にこっちに?」
凛「あ、なんだ先輩の話だったんだね」
花陽「矢澤先輩....」 希「あー!あの時、エリチの家にあった落花生ってにこっちがエリチにあげたやつだったんだね」
花陽「落花生?」
真姫「ほら、あの節分の時のあれよ...って、花陽達はあの時は正気じゃなかったか...」
花陽「あー...あの時のあれかな?」
凛「凛とかよちん、真姫ちゃん達が撒いた豆を掃除したんだからね!」
真姫「その件は謝ったじゃない、こっちも不眠不休だったのよ!」
花陽「まぁまぁ」 凛「矢澤先輩か...どんな先輩なんだろ?」
真姫「そうね、小柄で黒髪のツインテールの先輩よ」
花陽「なんか可愛らしい先輩っぽいですね」
真姫「まぁ、そうね」
希「にこっちはアイドルを目指してるらしいからね」
花陽「!あ、アイドル....?」
希「そうそう、だからアイドル研究部なんて部活を作ったんだから」
花陽「アイドル研究部?」
真姫「?花陽?」
凛「あー...多分、かよちんのスイッチが入ったにゃ」
希「スイッチ?」 花陽「希先輩」
希「ん?なぁに?花陽ちゃん?」
花陽「アイドル研究部はどこにあるんですか?」
希「部室?あー、えっとね...」
真姫「そういえば、花陽ってたしか...」
凛「うん、アイドルのことが大好きなんだよねー」
真姫「目の色が変わってるわね」
凛「凛はこっちのかよちんも大好きにゃー」 花陽「真姫ちゃん!」
真姫「!な、なに?」
花陽「ちょっと一緒に来て!」グイッ
真姫「へ?」
花陽「.........」ダッ!
真姫「っ!ちょ!!引っ張らないでよ!!」
希「ちょ!ちょっと!どこ行くんよ!二人共!」
凛「かよちん待ってよー!」 コンコン
にこ「!?...誰かしら?...絵里?」
コンコン
にこ「どうぞ」
ガチャ
花陽「.......」
にこ「え?誰?」
花陽「....!?」
にこ「え、え?な、なに?」
花陽「これは...すごいです!!!!」
にこ「!?」ビクッ 真姫「花陽...一体、どこにそんな力が...」
にこ「!あんたは...れいの....」
花陽「このポスターは!!このCDは!!」
にこ「って!!さっきからこの子はなんなのよ!!」
花陽「宝の山です!!」
凛「かよちんが生き生きしてるにゃー」
希「あんな花陽ちゃん、初めてみたわ」
にこ「なっ!ぞろぞろとなんなのよ!一体!」 にこ「...で?なんの用?」
真姫「いえ...特には?」
にこ「じゃあ!なんで来たのよ!!」
花陽「これは...!!で、で、で、伝説のアイドル伝説DVDの全巻BOX!!!」
にこ「勝手に触ってんじゃないわよ!!」
花陽「本物を初めてみました...先輩は一体何者なんですか!」
にこ「!...ふふふ...それの価値がわかるとは...あんた意外とガチみたいね」
花陽「ネットも店頭も瞬殺で私は変えなかったから...まさかこんなところで姿を見ることができるなんて」
にこ「まぁ?にこは3セット持ってるけどね」
花陽「!!尊敬です!!!」
真姫「なんかフルスロットルね、花陽」
凛「凛はこっちのかよちんも大好きにゃー」 にこ「成程、1年生にも少しは骨があるやつがいたのね」
花陽「えへへ...」
にこ「まぁ、それはおいていて...えっと...」
真姫「真姫、西木野真姫よ」
にこ「じゃあ、とりあえず真姫ちゃんでいいか...せっかくだから、さっきの件なんだけど」
真姫「はい」
にこ「明後日の夕方、ここに来て」
真姫「明後日ですか?」
にこ「えぇ、その時に詳細は話すわ」
真姫「わかりました」 にこ「じゃあ、にこはこれから用事があって帰るから、皆、出てって」
希「はーい」
花陽「.......」キョロキョロ
凛「ほら、かよちん帰るよー」グイッ
花陽「あー!まだ、もう少しだけ!」
にこ「....この子、ガチね」
真姫「...失礼しました」
バタン
にこ「...........」 花陽「また、あの部室にお邪魔してもいいのかな?」
凛「かよちん、あの部室を気に入ったみたいだね」
花陽「お宝の山だよ?矢澤先輩、すごいよ」
凛「ふーん....」
希「..........」
真姫「希?」
凛「じゃあ、凛とかよちんはちょっと用事があるからここで」
真姫「じゃあ、また明日」
花陽「またねー」
凛「バイバーイ」
希「うん、またね」
真姫「.........」 真姫「で?なんでそんなにテンションが下がってんのよ」
希「え?そんなことはないよ?」
真姫「嘘つかないの、二人は騙せたとしても私は騙せないわよ」
希「別に、大したことじゃないよ」
真姫「ふーん....」
希「........」
真姫「もう...なに拗ねてるのよ」
希「別に...拗ねてないもん」
真姫「.......」 真姫「もう、黙っててもなにもわからないわよ、それとも私じゃ話せない?」
希「そんなことはないけど」
真姫「じゃあ、話してよ、言わなきゃ気持ちは伝わらないわよ」
希「その...自分でも恥ずかしい話なんだけど...」
真姫「うん....」
希「さっき、にこっちの部室で楽しそうにしてる花陽ちゃんを見てて、なんかその....」
真姫「あー...花陽を取られたかんじになっちゃって、嫌だったってこと?」
希「それもない訳ではないんだけど...」
真姫「じゃあ、なによ」
希「花陽ちゃん、うちの部活によりもにこっちの部に入ったほうがよかったのかなって思って」
真姫「...成程、そういうことね」 真姫「花陽は好きでこの部に入ったのよ、だから気にしなくていいのに」
希「でも....」
真姫「気にするだけ無駄よ、無駄」
希「うん....」
真姫「それに私がいるじゃない?それじゃあ不満?」
希「そんな....ことない」
真姫「あ....あと凛もいるわ」
希「ちょっと!凛ちゃんの扱い!」
真姫「冗談よ」
希「もう....」
真姫「でも、少しは元気が出たでしょ?」
希「....うん!ありがと...」 にこ「来たわね!」
真姫「で?どこに行くんですか?」
にこ「それは着いてからのお楽しみー」
真姫「はあ....」
にこ「それにしても真姫ちゃんだけでもよかったのに、フルメンバーで来るなんて」
希「付添人です」
凛「付添人2です!」
花陽「え、えっとさ、3です!!」
絵里「まぁ、私もお願いした以上、参加しないもの気が引けるし...」
にこ「まぁ、いいわ...さぁ!行くわよ!」 凛「え...ここって...」
花陽「は、廃墟?なんか怖い...」
にこ「そうよ!ここらではちょっと有名な廃病院ってやつね」
真姫「...まさか、ここで?」
にこ「そう!中を散策するのよ!それをネットにアップするの!」
絵里「にこ?それって危ないんじゃ...」
にこ「大丈夫、大丈夫」
希「うーん...真姫ちゃん的にはどう?」
真姫「........」
希「真姫ちゃん?」 真姫「先輩...やっぱり、撮影はやめたほうがいいと思います」
にこ「なんで?」
真姫「それは....」
にこ「?...!もしかして!いるの?」
真姫「...なんでテンションがあがるんですか?」
にこ「だって!本当にいて、カメラに映ったら話題性間違いなしよ!」
真姫「...呆れた」
にこ「で?なにがいるの?なんの幽霊?」
絵里「にこ....」 真姫「なにがいるかは私にもわからないわ、でも...」
凛「でも?」
真姫「なにかは確実にいるわ...嫌な気配がするし」
にこ「ならそれを確かめにいくまでね」
絵里「にこ!」
にこ「うるさいわね...なに?じゃあ、絵里がついてきてくれるの?」
絵里「!そ、それは....」チラッ
にこ「.......」
絵里「えっと、もう...日が暮れる時間よね...」
にこ「そうよ、その方が気分も出るでしょ?」
絵里「っ.......」
真姫「........」 真姫「諦めるっていう選択肢はなさそうね」
にこ「ないわよ、だったらここまで来てないわよ」
絵里「.......」
真姫「絵里先輩、どうやらこっちが諦めるしかないみたいですね」
希「にこっちはわがままなんだからー」
にこ「あんたには言われたくないわ」
真姫「...じゃあ、始めに言っておきますよ」
にこ「なに?」
真姫「たしかに私は霊感はあります、けど...除霊はできません、だからどうなっても知りませんよ?」
にこ「またまたー御冗談を」
真姫「冗談ではないです」
にこ「噂だとマンションの時は上手くいったみたいじゃない」
真姫「あ、あれは...たまたまで」
にこ「謙遜しなくていいわよ、真姫ちゃん」 にこ「さぁ!潜入よ!!」
真姫「はぁ.....凛、花陽」
凛「なに?真姫ちゃん?」
真姫「万が一の場合に備えてここで貴方達は待機してて」
花陽「待機?」
凛「え!ここでお留守番ってこと!?」
真姫「建物をよく見て、結構大きいでしょ?」
花陽「う、うん....なんか不気味だね」
真姫「大人数で入って離れ離れになっても困るし、いざって時はお願い」
凛「えー!凛も一緒に行くよ!」
真姫「ダメよ、万が一って時は貴方が頼りなんだから」
凛「え?凛が頼り?」
真姫「そうよ」 真姫「おそらく肉体能力的には絵里先輩と凛がこの中では高いわ」
凛「えへへ?そうかな?」
真姫「花陽も若干だけど、霊感があるから感知が多少はできるだろうし」
花陽「ちょっとだよ?そんな霊感なんて大それたもんじゃないよ」
真姫「監督役は絵里先輩で」
絵里「え?私?」
真姫「まぁ、これはあくまで保険だけどね」
希「あれ?うちは?」
真姫「貴方は私と一緒に行くわよ」
希「お!真姫ちゃんからご指名なんて嬉しいやん♪」
真姫「........」
真姫(どうせ残れって言っても言う事を一番聞かなそうだし、連れていったほうが無難よね?多分) にこ「あれ?真姫ちゃんと希だけ?」
真姫「残りは邪魔が入らないように見張りよ」
にこ「あ、成程...そうね、気が利くわね」
真姫「...どうも」
希「にこっち、カメラは持ってたの?」
にこ「もちろんよ!高性能のやつよ!」スッ
希「じゃあ、うちが撮ってあげるよ!にこっちが映らないと意味ないだろうし」
にこ「そうね、じゃあ...お願いするわ」
希「OKー」
真姫「.......」
真姫(呑気ね、さてと、厄介なことにならなければいいんだけど) にこ「じゃあ、入るわよ」
希「はーい」
真姫「落書きがひどいわね....」
希「廃墟での定番やね」
真姫「館内図があるわね....」
にこ「とりあえず、1階から探索しましょう」
希「うわぁ...物も散乱してるなぁ...」
にこ「中々、いい雰囲気じゃない」
真姫「...........」 にこ「それにしても本当に落書きがひどいわね」
真姫「そうね、霊よりも変な奴とかに絡まれなければいいわね」
希「そうやね」
にこ「安心しなさい、手は打ってあるから」
希「手?」
にこ「これよ」バチッバチッ
真姫「うわっ...本物を初めて見たわ」
希「スタンガンやん、どこでこれを」
にこ「にこはーアイドルだからー?自分の身は自分でも守らないといけないからね」
真姫「...まぁ、幽霊には効かないけどね」 にこ「うーん...特にはなにもないわね、1階は」
希「ただの廃墟ってかんじやね」
真姫「なら、諦めて帰る?」
にこ「まさか!5階まであるみたいだし」
希「じゃあ、上に行く?」
にこ「もちろん」
真姫「怖いモノ知らずね」
希「じゃあ!レッツゴー!!」
真姫「なんで貴方までテンションが高いのよ」 真姫「これは....」スッ
希「これって...あれだよね?あれ」
にこ「カルテね、こんなものが普通に放置されてるのね」
真姫「いくら廃業したと言っても管理がずさんすぎるわね」
にこ「さすがにちょっと不気味ね」
希「写真とかも痛んでてたしかに怖いね...」
真姫「埃っぽいし、マスクでもつけてくればよかったわ」 ヒュー
にこ「!!」ゾクッ
希「どうしたん?にこっち?」
にこ「いや、なんか急に風というか、寒気が」
希「寒気?」
真姫「.........」
にこ「うーん...気のせいかしら?」
希「あー多分、これやない?」
ヒュー
にこ「あ、窓が割れてるのね」
希「足元に硝子が落ちてるかもしれないから、二人共気をつけてなー」
真姫「........」 にこ「2階も特にはなにもなかったし、なにも起きなかったわね」
希「そういえば、にこっち、カメラのバッテリーはとかは大丈夫なの?」
にこ「ぬかりないわよ、予備を3つ持ってきてるわ」
希「3つ?そんなにいる?」
にこ「備えあれば嬉しいなよ」
真姫「憂いなしでしょ?先輩」
にこ「ま、まぁ、そうとも言うわね」 真姫「昭和...年....」
希「中々の年季みたいやね、その新聞も」
にこ「ちょっと!カメラマン!こっちをちゃんと撮る!」
希「あ!ごめん!ごめん!」
にこ「もう....」
にこ「にこはー今、廃病院に潜入してまーす♡」
希「......」ジッー
にこ「うわぁ...部屋が散乱してる...それに薄暗くてこーわーいー」
希「うわ」
にこ「ちょっと、うわってなによ」
真姫「...根性というかプロ精神というか...そこだけはすごいと思うわ」 にこ「これを見てください」ペラッ
希「あ、あれって...」
真姫「!まさか!さっきのカルテを持ってきちゃったの!?駄目よ、無断で持ってきたりしたら!」
にこ「これは...おそらく、この病院にいた人のカルテですね」
希「まぁまぁ、後で戻せばええやん?」
真姫「っ....どうなっても知らないわよ...」
にこ「この病院はまるで時間が止まってるみたいですね」
「して......」
にこ「へ?」 にこ「なにか言った?希?」
希「え?なんも言っとらんよ?」
にこ「じゃあ、真姫ちゃん?」
真姫「私は別に何も言ってないわよ」
にこ「あれ?気のせいかしら?」
真姫「.......」
にこ「!!あー!そういうことね!納得、納得」
希「?」
真姫「何が納得なんですか?」
にこ「あんた達、にこを怖がらせようとしてるわね」
真姫「は?」 にこ「いい演出をしようとしてくれてるのは嬉しいけど、あからさますぎるわよ」
希「?何を言ってるの?にこっち」
にこ「あー、とぼけなくてもいいわよ、まぁ、お約束ってやつよね」
真姫「何を言ってるの先輩?」
にこ「だからー」
「かえして....」
にこ「!!」ビクッ
にこ「もう!それはもう言ったら!びっくりするから耳元で言わないで....よ....え...え?」
真姫「.......」 希「ん?」
にこ「希はにこの正面にいて....」
真姫「......」
にこ「真姫ちゃんは希の後ろにいて.....」
希「どうしたん?にこっち?」
にこ「え、えっと...あれ?....」
「カルテをかえして」
にこ「!!!!」
希「おーい」
にこ「きゃああああ!!!!!!!!」ダッ
希「!?に、にこっち?」
真姫「だから言ったのに....」 にこ「はぁ...はぁ....」
にこ「....びっくりした...まさか、本当にいきなり出るなんて」
にこ「でも...今のはインパクトあるわね!この調子でどんどんやっていくわよ!!希!真姫ちゃん!」クルッ
にこ「...あれ?もしかして二人とはぐれちゃった?というか、ここはどこ....?」
真姫「矢澤先輩ー!」
希「うーん、携帯にも繋がらないなぁ...」
真姫「よく見て、圏外よ...」
希「あ、本当だ」
真姫「希、離れないでね」
希「OK、わかった」 花陽「さっきの声って矢澤先輩の声だよね」
凛「なにかあったのかな?」
絵里「にこ!!」ダッ
花陽「あ!絢瀬先輩!!」
絵里「絵里って呼んで!ちょっと行ってくるわ!!」
凛「あ、ちょっと!待ってよ!!絵里先輩!!」ダッ
花陽「ふ、二人共勝手に入ってちゃだめだよ!!」
花陽「..う...うぅ!!.....二人共置いていかないでよ!!」 にこ「えっと...うわっ...スマホも圏外...」
にこ「............」
にこ「べ、別に怖くないし!!えっと...とりあえず、一回外に出て絵里達と合流をしましょう」
にこ「ここは...ここの病室の番号がえっと、多分416だから、4階みたいね...」
にこ「...っ...もう!!肝心な時に誰もいないんだから!」
真姫「先輩、地下に行ってなければいいんだけど」
希「地下?」
真姫「えぇ、そこが一番やばそうな気配がしたのよね」
希「あれ?でも地下なんてあったけ?たしか館内図にはなかったよね?」
真姫「.......」 希「あ、やっぱり!ほら!さっき、館内図の写真を撮っておいたんだけど」
真姫「えぇ」
希「地下があるなんて書いてないよ」
真姫「そう....」
希「それに、ほら!」スッ
真姫「なによ」
希「このエレベーターだって、地下の表示がないよ!1階から5階までしかないよ」
真姫「.......」
希「もしかして真姫ちゃん、うちを怖がらせようとしてる?」
真姫「別にしてないわよ」 にこ「はぁ...せめて、ちゃんとしたカメラがあれば、少しはテンションがあがるのに」
にこ「スマホの動画じゃ、ちゃんと撮れないわよね」
絵里「にこ!!」
にこ「うわぁ!!!」
絵里「!!」
にこ「な、なんだ絵里か...もう!!いきなり出てこないでよ!!びっくりするじゃない!!」
絵里「ご、ごめんなさい....」
にこ「もう....って、なんでここにあんたがいるのよ」
絵里「にこの叫び声が聞こえたから、心配になって」
にこ「!あ、あれは!演出よ!!」
絵里「演出?」
にこ「そう!演出よ!!!」 絵里「演出って...もう!心配したのよ!!」
にこ「まぁまぁ、怒らないでよ」
絵里「でも、にこが無事でよかった....」ガクッ
にこ「え、絵里!?」
絵里「あ、あはは...安心して腰が抜けちゃったみたい....」プルプル
にこ「...もう、あんた怖がりなのに...でも、ありがとう」
絵里「にこ....」
にこ「ほら!手を貸すから!行くわよ」
絵里「えぇ、ありがとう」 にこ「........」
絵里「っ.........」プルプル
にこ「そんなにひっつかないでよ、歩きずらいじゃない」
絵里「だってぇ....」
にこ「あんた、にこを助けに来たんじゃないの?」
絵里「そのつもりだったけど...ごめんなさい」
にこ「むしろ足手まといになってない?」
絵里「....にこが心配できたのに、そんな言い方ひどくない?」
にこ「.......」
絵里「そうね、役に立たないポンコツでごめんなさいね」
にこ「そこまでは言ってないでしょうが」 絵里「.........」ムスッ
にこ「悪かったって、絵里」
絵里「別に怒ってないわよ」
にこ「怒ってるじゃない」
絵里「怒ってないわよ」
にこ「はぁ...たしかあんた、暗いのがだめよね」
絵里「そうよ、今だって怖いわよ...」
にこ「ありがとう...今更だけど」
絵里「にこ....」 絵里「....じゃあ、チョコレートケーキ」
にこ「え?」
絵里「チョコレートケーキをおごってくれたら許すわ」
にこ「はぁ...しかたないわね」
絵里「よし、なら許すわ!」
にこ「はいはい....」
絵里「さて...1階に着いたけど、誰とも会わないわね」
にこ「そうね、真姫ちゃんや希と会わないわね」
絵里「あ、そうだ!あの二人も置いてきちゃったんだわ!」
にこ「あの二人?...あぁ!真姫ちゃんの同級生の二人ね」 絵里「外にいないわね...二人共中に入っちゃってるみたい」
にこ「皆バラバラって訳ね...これは探して合流するしかないわね」
絵里「ここってなんか携帯が圏外だし、足で探すしかないわね」
\ダレカタスケテー!!!/
絵里「!!」
にこ「今の声って...」
絵里「向こうから聞こえてきたわ!行ってみましょう!」 絵里「これって....」
にこ「地下への階段?」
ヒュー....
絵里「っ.......」
にこ「たしか、声はこっちから聞こえたわよね」
絵里「え、えぇ....」
にこ「誰かいるのー!!!」
絵里「........」
にこ「さてと、どうしたもんかしら?」 絵里「........」
にこ「.........」
「いくわよ」
にこ「...行くしかないわね、私が原因な訳だし...」
絵里「い、行くの?」
にこ「今更、なに怖気づいてるのよ!行くわよ!」
絵里「うぅ...わかったわ!」
にこ「よし...行くわよ...」 希「ねぇ、真姫ちゃん、なんで地下がやばいの?」
真姫「地下は多分、霊安室があるのよ」
希「霊安室?」
真姫「えぇ、1階や2階になくて、館内図にもないところを見ると可能性は高いわ」
希「でも地下があるかなんてわからないやん?なんである思うの?」
真姫「まぁ、あくまでこれまでの資料と照らしあわせての可能性とあとは....」
希「あとは?」
真姫「私の直感よ!!」 希「直感?」
真姫「そうよ!」ドヤッ
希「なんでそんなドヤ顔なん?」
真姫「私は直感力もすぐれているのよ」
希「....あ!たしか、霊感以外も直感力もあるって言ってたような...」
真姫「まぁ...あくまで勘だけどね、でも...病院に霊安室がないのはおかしいから」
希「成程ね」
真姫「まぁ...元々、地下から嫌な気配がしてたから気が付いたんだけどね」ボソッ
希「え?」
真姫「なんでもないわ、早く皆を探すわよ」 絵里「な、なんか寒くない?ここ」
にこ「地下だからじゃない?」
絵里「うぅ....」
にこ「おーい!えっと、名前はなんだったっけ?」
絵里「え?」
にこ「真姫ちゃんと一緒にいた一年生よ」
絵里「あぁ、小泉花陽さんと星空凛さんよ」
にこ「じゃあ、花陽ちゃんに凛ちゃん?いるのー?」
絵里「小泉さーん!星空さーん!!」 にこ「さっきは声がこっちから聞こえてきたような気がしてたんだけどなぁ」
絵里「気のせいだったのかしら?」
にこ「うーん...あ!」
絵里「どうしたの?にこ?」
にこ「見てよ絵里、この部屋の看板」
絵里「え?...!!れ、霊安室!?」
にこ「うーん、これはいい絵が撮れそうね」
絵里「!!ま、まさか!!ここに入るの?」
にこ「当然!!」 希「それにしても霊安室なんて、病院の中でもかなり不気味な場所やん」
真姫「そうね、霊安室は別名で遺体安置所とも言われてるわ」
希「へー」
真姫「あと、世間的には遺体がずっと置かれているところかと思われているけど、実際はそんな長い間は遺体は置けない場所なの」
真姫「すぐに次の遺体が来たりするからね、場所も限られているから」
希「想像するとちょっと怖いね」
真姫「まぁ、人はいずれは死ぬものだし、仕方ないわ」
希「さすが医者の娘やね、よく知ってるね」
真姫「まぁね?それで霊安室に運ばれた遺体は最終的には業者とかが運んだりするのよ」
希「業者?」
真姫「まぁ、葬儀屋っていったところかしら」 真姫「あと、一般的に霊安室はご遺族とかに配慮をして目立たないように作られているの」
希「目立たないように....じゃあ、エレベータに地下の表示がなかったのって!」
真姫「間違って関係者じゃない人達が入れないようにされてるって可能性は充分に考えられるわよね?」
希「成程...勉強になったよ、真姫ちゃん」
真姫「貴方はもう少し学業をしっかり学んでほしいわ」
希「それは今、関係ないやん!!」
キー....
にこ「.......」
絵里「失礼しまーす....」
にこ「っ....ここ、寒いわね」
絵里「そうね...なんか空気も淀んでいるというか、なんか重いわね」 にこ「..........」ジッー
絵里「?にこ、何をしてるの?」
にこ「いや、せっかくだから部屋の様子を撮影を」
絵里「...呆れた」
にこ「まぁまぁ、ほら!絵里!笑って!笑って!!」
絵里「!ちょ!映さないでよ!!」
にこ「うーん...にこほどではないけど、絵里も中々可愛いわね」
絵里「ふざけないで!!」
にこ「ふふふー怒ってもそんな涙目じゃ、怖くなーい怖くなーい」
絵里「もう!!」 ガタン!!
にこ 絵里「!!」
絵里「い、今の音...な、な、なに?」
にこ「もしかしてあの二人がいるのかも....」
絵里「ほ、本当?」
にこ「さぁね?でも確かめないと、もしかしたら二人が怖がって隠れてるのかもしれないし」
絵里「そ、そうね」
にこ「花陽ちゃんー凛ちゃんー?」 絵里「..........」
にこ「誰もいない?」
絵里「気のせいだったのかしら?」
にこ「..........」
ペタ...
にこ「え?」
ペタ...ペタ...
絵里「どうしたの?にこ?」
にこ「今、なんか音がしなかった?」
絵里「音?」 ペタ...ペタ....
にこ「ほら!なんか、その!歩いているみたいな音が!!」
絵里「...聞こえないわよ?」
ペタ...ペタ...
絵里「もう!!にこ!私を脅かそうとしてるでしょ!!」
にこ「なんで聞こえないのよ!!」
にこ(なんで絵里には聞こえてないのよ)
ペタ...ペタ...
にこ(気のせいじゃないわ、まるで裸足で歩いてるみたいな....)
にこ「っ.....」
絵里「にこ?」 ザワ...ザワ...
にこ「!!」
絵里「どうしたの?にこ?」
にこ「な、なんか聞こえない?」
絵里「もう!怒るわよ!!本当に!!」
にこ「で、でも!!」
ザワ...ザワ....
にこ「..........」
にこ(周りで何人かで喋ってるような声が聞こえるんだけど...)
絵里「.......」 ガヤ....ガヤ....
にこ「.......」
絵里「......」
にこ「え、絵里、上に戻りましょう?」
絵里「え?でも...あの二人は?」
にこ「多分いないわよ、もう一度一階に戻りましょう?」
「もう...カエルノ?」ボソッ
にこ「ひぃ!!」
にこ「きゃあああああああ!!!!」ダッ
絵里「ちょっと!!にこ!!!」 にこ「はぁ...はぁ...やばい、やばい!!」タッタッタッ
ドン!!
真姫「きゃあ!!」ドシン!
にこ「うわぁ!!」ドン!!
真姫「痛たた...お尻をぶつけちゃったじゃない!」
希「あ、にこっち!!」
にこ「希...真姫ちゃん....」
真姫「もう...探したんですよ?」
にこ「で、出たのよ!!」
希「出た?」
真姫「........」 希「出たって幽霊?」
にこ「そうよ!!地下の霊安室に行ったら...あれ?」キョロキョロ
真姫「どうしたんですか?」
にこ「絵里がいない...置いてきちゃった...どうしよう!」
希「エリチ、ここに入ってきちゃったの!?」
にこ「そうみたい、あと花陽ちゃんと凛ちゃんも」
真姫「まずいわね...とにかくまずは絵里先輩を探しに行きましょう」
希「OK!」
にこ「ごめん、絵里...今、戻るから!」 にこ「こっちよ!こっちに地下への階段が!」
真姫「.........」
希「って...なにもないやん?」
にこ「あれ?道を間違えた?」
真姫「その可能性は低いですね、ここまでほぼ一本道だったじゃないですか」
にこ「でもたしかに、ここに階段が!!」
希「うーん...」
にこ「だって!!絵里が取り残されているのよ!!絵里が!!」
真姫「落ち着いてください、先輩」
にこ「でも!!」 凛「あ!真姫ちゃん!!」
真姫「凛!貴方、ダメじゃないの勝手に入ってきたら」
凛「だって、絢瀬先輩がにこ先輩の悲鳴を聞いて飛び込んでいっちゃうんだもん!」
真姫「成程、そういうことだったのね」
にこ「絵里ぃ....」グスッ
凛「矢澤先輩はなんで泣いてるの?」
希「どうやら、エリチが地下に閉じ込められちゃったみたいなんよ」
凛「え!?」
真姫「他にその階段がある道があるか、早く調べるわよ」
凛「ちょっと待って!真姫ちゃん」
真姫「なによ、凛」 凛「えっと...絢瀬先輩のことなんだけど」
真姫「なによ」
凛「実は....」
真姫「だから、なによ」
絵里「離さないで!離さないで!!小泉さん!!」
花陽「うぅ...先輩、苦しいです...」
絵里「だって...だって!!」
花陽「ダレカタスケテ....」
希「...え?エリチ、おるやん」
真姫「..........」 希「なんだ、エリチも上まで戻ってたんやね」
絵里「え?あ、希に西木野さん、にこ!!」
にこ「絵里!!無事だったのね!!よかった...」
絵里「にこも無事でよかったわ...」
にこ「ごめんなさい、置いていっちゃって」
絵里「いいのよ、皆が無事ならそれで」
凛「.........」
真姫「凛?」
凛「とりあえず、皆そろったし、一回外に出ない?」
希「そうやね、時間も遅くなってきてるし」
絵里「にこぉ.....」
にこ「だぁ!!くっつくなっての!!歩きづらい!!」 希「ふぅ...まぁ、色々あったけど、いい動画は撮れた?にこっち?」
にこ「そうね...インパクトはあるわね、特に地下のやつは」
絵里「地下?地下なんてあったの?この病院?」
にこ「は?あんた、なに言ってるの?あんたも一緒にいったじゃない」
絵里「え?私が?」
にこ「ちょっと!置いていった仕返しのつもり?にこを怖がらせようと思ってるの?」
絵里「そ、そんなことしてないわよ!」
希「こらこら喧嘩はあかんよー」
真姫「.........」
凛「真姫ちゃん」
真姫「凛、なにか知ってるのね、教えて頂戴」 凛「矢澤先輩の叫び声が聞こえてきた時、絢瀬先輩が飛び出していったんだけど」
真姫「えぇ」
凛「先輩、暗いのが駄目みたいですぐに中で動けなくなっちゃって」
花陽「ずっと、花陽にしがみついちゃってたんですよ」
にこ「はぁ!?それって...嘘でしょ?」
絵里「嘘じゃないわよ、ずっと二人と一緒にいたわよ」
真姫「ということは...絵里先輩は凛と花陽と一緒にいたっこと?」
凛「そうにゃ!だから地下にいくもなにも凛達とずっといたんだから行けるはずがないの」
花陽「だから矢澤先輩といた絢瀬先輩は....」
にこ「っ........」
にこ「そうだ!!動画!!動画を撮ってあるはずだわ!!」 にこ『スマホの動画じゃ、ちゃんと撮れないわよね』
にこ『うわぁ!!!な、なんだ絵里か...もう!!いきなり出てこないでよ!!びっくりするじゃない!!』
にこ『もう....って、なんでここにあんたがいるのよ』
にこ「なによ、これ....」
凛「矢澤先輩しか喋ってないし...他に誰も映ってないにゃ」
希「これは....」
にこ『地下への階段?』
『はやく』
にこ「え?」
にこ『たしか、声はこっちから聞こえたわよね...誰かいるのー!!!』
『こっちよ』
花陽「な、なんか変な声が聞こえませんか?」 にこ『さてと、どうしたもんかしら?』
『いくわよ』
にこ『...行くしかないわね、私が原因な訳だし...』
希「にこっちが延々と一人で喋ってるけど、誰かいたの?」
花陽「でもカメラには誰も映ってないですよ」
にこ「...にこは一体、誰と喋ってたの?」
ペタ...ペタ...
凛「なんか変な音聞こえない?」
絵里「まるで裸足で歩いてる音みたいね」
にこ「っ!!」
『....の...た』
希「待って、なんか他にもなにか聞こえない?」 にこ『な、なんか聞こえない?』
『あたらしい....きた....』
にこ『で、でも!!』
『つれて...きた』
にこ『..........』
『なかま....しよ....』
にこ『え、絵里、上に戻りましょう?』
『にがすな...』
『つかまえろ』
にこ『多分いないわよ、もう一度一階に戻りましょう?』
「もう...カエルノ?」
にこ『きゃあああああああああ!!!!』 絵里「これは...」
希「完全に心霊ビデオってやつやね」
花陽「こ、怖すぎます!!!」
にこ「だ、だ...だ...」
凛「先輩?」
にこ「だ、大成功じゃない!!こ、これなら!わ、わ、わ、話題性もバッチリよ!!」
真姫「.........」
希「真姫ちゃん?」
にこ「これをネットにアップしたらにこは一躍有名人に!!」 真姫「先輩、悪いことは言いません、お祓いしたほうがいいですよ」
にこ「へ?」
真姫「この動画も消した方がいいです、お祓いをした後に」
にこ「なんでよ!!こんな傑作を撮れたのに!」
真姫「悪いことは言いません、連れていかれる前に」
にこ「連れていかれる?」
真姫「もう、何人かに引っ張られてますよ」
にこ「!!」
真姫「信じるか信じないかは先輩次第ですけどね」 希「やるやん、真姫ちゃん」
真姫「なにが?」
希「いや、あーでも言わないとにこっちがデータを消さないかなって思って」
真姫「...まぁね」
絵里「にこ!!早く消しなさい!!」
にこ「うぅ...消すからちょっと待ってなさいよ!!!」
希「もう...あの二人は...こーら、喧嘩しないのー」
花陽「真姫ちゃん」コソコソ
真姫「なに?花陽?」
花陽「やっぱり、憑いてたんだね」
真姫「花陽、わかってたの?」
花陽「なんとなくだけど、先輩から冷たい感じがしたから」
真姫「...だから言ったのよ、やめときなさいって」 凛「結局、矢澤先輩が言っていた地下の霊安室は本当にあったのかな?」
真姫「さぁね?」
花陽「でも、見せてもらった館内図の写真には書いてなかったよね?」
真姫「元々、霊安室は目立つようにはされてないから書かれてないだけか...」
凛「本当になかったのか」
花陽「じゃあ、先輩の動画に映っていた霊安室は?」
真姫「扉を開けたら違う世界に繋がっていたそんな感じかしら?」
凛「怖いよ!!ドアとか開けられなくなっちゃうよ!!」
真姫「ふふ...そうそうはないから安心しなさい」
凛「そうそうあったら困るよ...」 真姫「じゃあ、そろそろ帰りましょうか?」
花陽「え、えっと!!花陽達は大丈夫だよね?」
凛「!も、もしかして...凛達にも?」
真姫「........」
花陽「真姫ちゃん!!」
凛「嘘だよね?真姫ちゃん!!!」
真姫「大丈夫よ」
花陽「はぁ...よかった」
凛「もう!!変に溜めないでよ!!怖いじゃん!!」
真姫「ごめんごめん、にこ先輩以外は大丈夫よ」
凛「よかった....」
真姫「さぁ、帰るわよ?」 希「昨日、お寺に行ってにこっちのお祓い終わったみたいだよー」
真姫「そうみたいね、さっき先輩を見かけたけどなにも憑いてなかったから」
希「エリチが引っ張って連れていったみたい」
真姫「絵里先輩も大変ね」
希「そうやね」
真姫「データはちゃんと消したのかしら?」
希「消してたよ」
真姫「意外...ではないわね、あんなことがあったんだし」
希「あ!でも、怪談話のネタはできたって言ったよ」
真姫「ただでは起き上がらない人みたいね、にこ先輩って」
希「まぁ、にこっちはあー見えてしぶといから」 真姫「...それにしても裏サイトねぇ」
希「うちらも有名人になっちゃったね」
真姫「いい迷惑よ、こっちは有名になるつもりはないし」
希「まぁまぁ」
バタン!
凛「真姫ちゃーん!!希先輩ー!!」
真姫「凛、扉は静かに開けなさいよ」
凛「仕事の依頼にゃ!」
真姫「は?依頼?なによそれ」 花陽「貼ってからまさかこんなにすぐに来るなんて」
真姫「花陽...まさか!あのポスターを貼ったの!?」
希「もちろん!!」
真姫「なにしてんのよ!!」
希「困ってる人のお助け兼オカルト研究?」
真姫「貴方ねぇ...」
希「文句は後!!困ってる人がいるんだから!助けにいくよ!!」グイッ
真姫「ちょっと!!引っ張らないでよ!!」
凛「凛達も行こう?かよちん?」
花陽「う、うん!!!」
花陽「!!」ピタッ
花陽「今回はここでおしまいです!」
凛「かよちーん?」
花陽「今行くよー!!」
おしまい これでおしまいです
最後までお付き合いいただきありがとうございました おつおつ
絵里ちゃんが閉じ込められたかと思って結構焦ったぞ 乙でした
のぞにこはダメな子
>>80-81
吹いたわw ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています