善子「恵まれし子らの学園!?」
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善子「小さい時から私は普通の人間とは違っていたの」
善子「黒い羽を生やすことができて、火を自在に操って、その気になればサイコキネシスも使えた」
善子「あと…何かと運が悪かったり……」
善子「そ、ミュータントってやつ」
善子「でもね、私はずっと思ってきたの」
善子「私は神様に恨まれて下界に舞い降りた堕天使ヨハネなんだってねーー」
ーーーーーー
ーーーー
ーー 善子「え!?ママの高校に通えるんじゃなかったの!?!?」
善子ママ「ゴメンね…じっくり考えたんだけど、やっぱり善子に合う学校はここなんじゃないかって」
善子「恵まれし子らの学園!?」
善子ママ「ほら、あの車椅子でウチに来てたあの人覚えてる?実はあの人が創設した人なんだけど、是非通いませんかってね、私も色々調べていったら善子にはここで生活する方が伸び伸びできるんじゃないかなって」
善子「だからって相談もなく、入学手続まで済ませてるなんて…一言あっても良かったんじゃ」
善子ママ「寮生活とか色々不安になる部分もありそうだから中々言い出せなくて…ただ、本当に嫌と感じたらすぐに転校する形でこっちに戻ってきていいからね。だから1度だけ行ってみない?」 善子(別に今までもそれとなく学校生活は不自由なく過ごせたし…まぁ強いて言えば皆にヨハネって呼ばれたかったけど、学校じゃ名前も筒抜けだからそこは断念してたけど)
善子(私の"能力"だって制御可能で暴走するころだってなかったし、知ってるのは今のところ家族だけだ…多分)
善子(家にいてもそれこそ伸び伸びと自由にできたし、学校の先生を親に持ったおかげか勉強もそれなりにはできてるし、それなりには)
善子(逆にそんなママがここまで強行的な手段を使ってきたんだから、何か理由があるのも確かで)
善子(不思議とその理由が見たいという思い1つでだけ、既に学園の目の前まで来ている) 善子「ここね…随分立派な建物だこと」
善子「えぇと…正門のチャイム…」
善子(なんだろう…このボタンを押すと同時に新しい生活が始まると思うと…中々…次の1歩が…)
???「やぁ、君が津島さんだね」
善子「は、はい!」
善子(急に話しかけないでよ!同様したじゃない…)
???「脅かせてすまない。さぁ入りたまえ、ドアは既に開いている。君が来るのを感じたんでね」
善子「あ、ありがとうございます」
善子(この人…見覚えあると思ったらママが言ってたウチに来てた人だ)
???「私はチャールズ・エグゼビア、ここの創設者だ。皆は私をプロフェッサーとも呼んでいる」
チャールズ「歓迎するよ、津島さん。いや、堕天使ヨハネと呼ぶべきかな?」 善子「そう…既に色々聞いてるみたいね」
チャールズ「あぁ、なんと素晴らしい人間なんだ心から思っていたよ」
善子「え?は、はい」
チャールズ「君は自身の能力に怯えることもなく全てを受け入れ、また力に溺れることもなく、自らの存在意義を堕天使として切り開いた」
善子「そんな風に言われるとは思ってもいなかったです…」
チャールズ「ここでは、君のような素晴らしい力を持った子が多くいる」
チャールズ「もう自分を押さえておく必要はない。ここでは伸び伸びと自分の可能性を広げて欲しい」
チャールズ「"堕天使"として与えられた力の意味をもう1度考えよう」
チャールズ「改めて、歓迎しよう"ヨハネ"」
善子「よ、よろしくお願いします!」
善子(なんだか、頭が追いつかないけど…どうやら思っていた以上に、普通の学校ではないみたいね…) ー学園内ー
チャールズ「ここからは彼女達に案内をしてもらってくれ」
チャールズ「津島さんの案内をよろしく頼むよ」
ちかようりこ「はい!」
善子(赤髪の子はまだしも、他の2人はなんだか元気の塊って感じね…)
千歌「ねぇねぇ!!あなたはどんな能力が使えるの!?」
善子「え!?えぇと…その…」
梨子「千歌ちゃん…急にそんな距離感じゃ津島さんも困っちゃうよ」
千歌「え?あーゴメンゴメン。やっぱ新しい仲間が増えるときってテンション上がっちゃって」
曜「梨子ちゃんが来たときもすごい困らせてたよねぇ、懐かしいなぁ」
梨子「ゴメンね、津島さん。私は桜内梨子、よろしくね」
千歌「私は千歌!千歌でもいいしちかっちでもいいし好きに呼んでね!」
曜「私は渡辺曜!困ったことがあったらすぐに私を呼んでね!」
善子「私は津島…」
(善子ママ「伸び伸びできるんじゃないかなって」)
(チャールズ「伸び伸びと自分の可能性を広げて欲しい」)
善子「私はヨハネって言うの、よろしくね!」 千歌「ヨハネちゃんかぁ、いやぁベッピンさんだね!」
曜「ねぇ!どんな能力があるの!」
善子「そ、それは… 」ジャンバーヌギヌギ
梨子(わ…露出の多い服)
善子 ツバサ バサーッ
善子「黒い羽が生えるの、一応空も飛べるわ」
千歌「おぉぉぉぉ!カッコイイ!」
曜「すごいよ!ヨハネちゃん!!今度空まで連れてって!」
善子「誰かと飛んだことはないけど…まぁいいわ」
…スゴーイ! …カッコイイー!
梨子「周りの人も感動しちゃったみたいね」
千歌「とりあえず、部屋まで荷物置こ!その後に学園内とか色々案内するから!」 善子「皆も何か特別な力があるの?」
千歌「私はねぇ、1度見たものなら何でも変身できるの!」
千歌「例えば…ほら!」
善子「わっ!?わわわ私??」
千歌(善子)「ね!すごいでしょ。声とか指紋とかぜーんぶ変身できるの」
曜「でも、イタズラしようとしても笑顔と喋り方ですぐにバレちゃうんだよねー!」
千歌「もう、それはいいの!変身できることに意味があるだから」
曜「私はね…」ガシッ
善子「え?」
曜「全速前進…ヨォォソロォォォォォ!!!!」
善子「わあああああ手繋いだままダッシュしないでええええ」
善子「ドドドドドアにぶつかるぅぅぅぅぅぅぅ><」
善子「……………ってあれ?」
曜「へへーん、すごいでしょ」
曜「そう、私の能力は壁を擦り抜けることであります!」 曜「ってことで、ここがヨハネちゃんの部屋だよ」
善子「ハァハァ…自分だけじゃなくて他の人もすり抜けられるなんてすごいわね…」
曜「まぁ全力疾走が大好きな身としてはありがたい能力だね」
千歌「もーう、待ってよ〜」
梨子「急に…急に走らないで〜」
曜「もーそんなんじゃX-MENとして闘っていけないぞ!」
善子「X-MEN?」
曜「そう、この学園にはねX-MENっていう私たちみたいなミュータントが集まったチームがあって」
千歌「世界で悪いことを企む人ととか力を良くないことに使う人たちを止めたりしてるの」
梨子「もちろん、皆が皆入るわけじゃなくて、私なんかは全然闘うとかそういう向きじゃないし…」
梨子「それにチームには入らなくても卒業してから、ここで先生もやってる人もいればそのまま社会で働く人もいるの。もちろんX-MENやりながら先生をやる人だってね」
善子「へぇ…なるほどね」
千歌「すごいんだよ!たまに外にあるバスケコートがドーン!って開いたと思ったらジェット機が出てくるんだもん!」
善子(なんか…ますますとんでもないところに来てしまった気がしてくるわね…)
善子(……でもカッコいいかも) 保守どうもです
善子「ところで…あなたの能力は?」
梨子「私?そうね…」
(…聞こえますかー?)
善子「!?」
(今ね…ヨハネちゃんの脳内に直接話し掛けてるの…)
善子「す、すごい」
千歌「すごいよねーテレパシー。成長すればプロフェッサーぐらいになれるなんて言われてるし」
梨子「流石にそれは言い過ぎだけど…」
曜「あとは簡単なサイコキネシスとかも使えるんだよねー梨子ちゃん」
梨子「一応…後は…」スッ
善子「?」
梨子「こうやって頭に手を当てればあなたの記憶を少し…」
善子「ん!」
梨子「!?」
梨子「……」
梨子(あ、あなた、本名はヨハネじゃなくて善子って言うの!?) 善子「ヨヨヨヨヨハネよ!!」
ちかよう「!?」
善子「あ、いやその…えっと…」
ちかよう「??」
梨子「…クスッ」
梨子「なんでもないわ」
梨子「ね、"よ"っちゃん」
ちかよう「よっちゃん?」
善子「あー!そのままヨハネって呼べばいいの!」
千歌「なんかよく分からないけど…よっちゃんじゃ"ようちゃん"と紛らわしいね」
曜「そうだね。一瞬振り向いちゃいそう」
善子「そうそう、だからそのままでね、そのままで」
善子(変な汗かいたわ…)
善子(どうせなら私も後で梨子ちゃんにだけあだ名を付けてやるんだから!)
梨子(こんな学園で言うのも今更だけど……これまた変わった娘だなぁ) 書き留めてないなら最初からたてんなよ
人に迷惑かけるな スマンね…スレタイだけ思いついて勢いだけで書いてしまってた
千歌「じゃあ荷物を置いたことだし、次は学園内を案内していくね」
善子「お願いするわ」
善子「それにしても賑やかな学園ね」
曜「今は日中の授業も終わって遊びの時間だからね」
千歌「この時間でどれだけ遊べるかこそ、この学園で過ごす時間をより良い時間にできるかの分かれ目だからね」
梨子「プロフェッサーには絶対聞かれたくない言葉ね…」
善子「授業を受けるメンバーは皆一緒なの?」
曜「私たち3人は一緒になることが多いけど、ヨハネちゃんはいわゆる学年が違うから」
梨子「ルビィちゃんとか花丸ちゃん達と一緒が多くなるのかな」
千歌「じゃあ、挨拶がてら図書室行こっか!多分今日もいるだろうし」
善子(ルビィに花丸…か) ー図書室ー
千歌「こんちかー!!!!」
ルビィ「ぴぎぃ!?!?」
梨子「ちち千歌ちゃん!図書室は静かにしないと!」
ルビィ「あ…みっ皆さんどどうも…」
善子(顔が青ざめてる…)
曜「ハハハ、ダイヤさんがいたら丸焦げにされてたね」
善子「丸焦げ!?」
千歌「驚かせてゴメンね〜新入生が来たからテンション上がったままで〜」
ルビィ「新入生が来たって噂は聞いてました、ルビィ達と同じ学年になりますね」
善子「どうも、私はヨハネ」
ルビィ「ルビィです、よろしくね!ヨハネちゃん」 寝ます…
残っていれば明日の夜に再開予定ですが、
次はもう少し書き留めます アメコミ調イラストで目からビームの善子想像して吹いた 面白そう、期待してる
関係ないけどアメコミ詳しいやつってなんかオシャレ感あるよな、密かに憧れる ちょっと区切り良いとこまで
善子「それにしても、随分立派な図書室ね…」
曜「武道の本とか制服写真集とかもあってね、何かと品揃え良いんだよねぇここ」
善子「それにしても自由時間の殆どを図書室で過ごすなんて、私もインドア派だけどすごいわね」
ルビィ「ハハハ…ここは静かだから時間もゆっくりに感じるけど安心できるから…」
ルビィ「それに花丸ちゃんもいつも一緒だし!」
梨子「安心…か」
曜「あれ、そういえば花丸ちゃんは?」
ルビィ「花丸ちゃんなら奥の方で本を…」
花丸(………)
曜「ハハハ…相変わらずの集中力だね」 善子「初めまして、ヨハネよ。よろしくね」
花丸(………)
善子「…」
善子「聞こえてない??」
善子「おーい」テフリフリ
ピタッ
花丸「!!」
ルビィ「あ!」
花丸「ごごごごごごごごめんなさい!!」
善子「え、え??」
善子「わ、私の指があなたの顔に少し当たっただけじゃない…むしろ謝るのはこっちの方よ…」
ルビィ「は、花丸ちゃんはね!…触れた相手の力を奪っちゃうの」
善子「力を?」
花丸「…もっとはっきりいえば命そのものを吸い取っちゃうずら」
善子「命を…吸い取る…ずら」
梨子「だから、花丸ちゃんは大切な人と触れ合うことも許されないの」
善子(だから手袋までして肌の露出を減らした格好を…) 花丸「どんなに手を隠しても万が一なことも考えちゃうし、外に出ても楽しくする皆を見てるとやっぱり羨ましく思えちゃうずら」
花丸「だから、こうやってね、色々な本を読んで空想の世界に浸るのが…まるにはお似合いなの」
花丸「で、でも!たまにこうやって千歌ちゃん達が来てくれたときにお話するのが楽しいし、ルビィちゃんもいつも一緒にいてくれるずら!だから今は十分幸せで…」
善子(人間たちの中で暮らすよりは、こうやって力に理解を示してくれる人が多い方がマシなんでしょうけど…)
善子(それでも"伸び伸び"とすることを許されない能力も中にはあるなんてね…) 善子「ま、状況は分かったわ」
善子「とりあえず、ここに新たな仲間が降臨したわけなんだし、元気出しなさいずら丸ちゃん」
スッ
花丸「……怖くないずらか」
善子「手袋越しに触る分には大丈夫なんでしょ?」
花丸「そうだけど…あ、あと名前は花丸ずら」
善子「え!?あー…ごめんなさい。ずらが印象に残りすぎて」
花丸「うぅん、ありがとう」アクシュ
千歌「優しいねぇ〜ヨハネちゃん」
梨子「私がここに入ってきたときの千歌ちゃんや曜ちゃんを思い出すなぁ」
ルビィ(花丸ちゃん…素敵な仲間がまた増えてほんと良かった…)
善子「そういえば」
ルビィ「?」
善子「あなたの能力は何なの?」 ルビィ「それは…ルビィにも分からないの」
善子「え?でもこの学園にいるってことは何か能力があるんじゃ…」
花丸「それでも、まだ分からないずら…」
曜「ルビィちゃんにはね、ダイヤさんっていうお姉ちゃんがいるの」
曜「そのお姉ちゃんもこの学園にいて…まぁつまりミュータントなんだけど」
梨子「強大な力でね。今はプロフェッサーたちの協力もあって力を制御できているし、暴走する心配もないんだけど…」
ルビィ「お姉ちゃんはねっ!突然力が解放されちゃったの」
ルビィ「そう…ルビィの目の前で…」
善子(何か複雑そうね…) 花丸「ルビィちゃん…話すのが辛いならまるたちが代わりに…」
ルビィ「いいの。私は私自身に向き合い続けたいから」
ルビィ「お姉ちゃんの能力はいわゆるビームというか破壊光線が身体中から出る能力だったの」
ルビィ「解放したばかりのときは威力こそ弱かったけど…それでも部屋の中はぐちゃぐちゃで…炎もすごくて…」
ルビィ「ルビィはなんとか軽い怪我で済んだんだけどね…」
ルビィ「お姉ちゃんは違った…突然目の前に起こった出来事にパニックに落ちて…なにより…ルビィを…妹を傷つけたことへのショックで……あんなお姉ちゃん見たことなかった…」
ルビィ「結局、お母さんたちはお姉ちゃんをこの学園に入れることにして」
ルビィ「ルビィも妹だからって危険性はあると判断されて…それと周りの目もあるから姉妹一緒に行こうって…」
ルビィ「お姉ちゃんは…しばらくルビィと向き合ってくれなかったけど」
梨子「ルビィちゃんたち黒澤家は地元じゃ結構有名な家系でね、一連のことも事故で処理してて、ダイヤさんのことも明かしていないの」
善子「姉妹のうち姉だけ突然姿を消すなら妹も一緒の方が怪しまれることも減るってことね」 ルビィ「それでも…少しずつ何か力が込み上げているのは感じてるの…」
ルビィ「ルビィ…泣き虫だから泣きすぎて目が腫れちゃったのかなって思ったけど特に異常はなくて…
ルビィ「それでも違和感が続くときもあって…」
ルビィ「本当に何かの力が解放されて誰かを傷つけるぐらいなら…ここにいる方がいいかなって…」
ルビィ「ルビィはお姉ちゃんみたいに強くないから、解放した力の制御だってできないだろうし」
善子「…」
善子(よっぽど怖かったのね…傷つけられたこと以上に憧れのお姉ちゃんが傷ついた姿を見たことが)
善子(だから花丸と同じように人の少ない図書室に篭って…) ルビィ「それにね!ここなら花丸ちゃんがいるから……もしもの…もしものときはー」
花丸「ルビィちゃん!何度言ったら分かるずら!そんなこといくらお願いされても絶対…」
千歌「もーう!!!何回言ったら分かるの」
善子「!?」
千歌「仲間は助けあって支え合うためにいるの!」
千歌「そりゃ連帯責任とかあるかもだけど…その…」
千歌「お互いに傷つけ合うためにいる仲間なんて間違ってるの!」
千歌「私、知ってるんだから、花丸ちゃんと一緒に会話するルビィちゃんが心から楽しんでること、そのときは力のことなんて忘れて夢中で好きなものを熱く語ってること!」
ルビィ「千歌ちゃん…ごめんね…ちょっと不安な気持ちが…」
梨子「ごめんね…2人とも…そんな何度も話したいことじゃないものね…」
善子(…)
善子(千歌ちゃんって正直1番能天気な印象があったけど、仲間をしっかり見て、優しいけど熱い人なのね…)
善子(皆、力だけじゃなくて色々なものを抱えているわけね…) 曜「はい!はーい!重い話はここまで!!」
曜「次はヨハネちゃんのこともっと教えてもらいたいな!」
花丸「そうずら!ヨハネちゃんはどんな力を持ってるの?」
善子「ふふ…よくぞ聞いてくれたわね…」
曜「でもね、ヨハネちゃんってなんか不思議な力があるというか…さっき手を握って走った時もなんかいつもよりパワーがみなぎるのを感じたというか」
千歌「えぇ!私もパワー欲しい!」
??&??「!!」
善子「もう話があっちいったりこっちいったり忙しすぎよ!」
ワイワイ ガヤガヤ
「……」
「姉様…あれってもしかして」
「そうね…マークしておきましょう」
「任せて、授業は殆ど一緒だしね」
聖良&理亞(今度こそ……見つけてみせる) 善子(あれから色々なことを話した)
善子(別に今までだって友達に困ってたわけじゃ…まぁ決して多いわけじゃなかったけど)
善子(それでもあんなに伸び伸びと話をしたのはいつぶりだろう)
善子(不思議なものね…仲間意識なんて今まで意識したことなかったけど)
善子(あの娘たちと一緒ならこれからの生活に不安は無いわ)
善子「ママにライン入れとくか…気遣ってるのかあっちから何も送ってきやしないし」
善子「いや…でも寂しがりと思われても…」
善子「ま、今日は疲れたから寝ましょっと…」
善子「…」
チャールズ「…」
チャールズ(きっと、きっとあの娘なら…) ー翌日ー
善子「はぁ〜眠い…」
善子(今日から授業開始ね)
ルビィ「おはよう、ヨハネちゃん」
善子「あら、ルビィおはよう」
ルビィ「昨日は眠れた?」
善子「まぁ…ボチボチね。いつもと違ってゲームもせずに寝たし」
ルビィ「今度…ヨハネちゃんの部屋でゲームしたいなぁ」
善子「それならいつでも好きな時に来なさいよ。まぁ対戦系とか協力的なゲームはあまり持ってないけど」
ルビィ(何も嫌がらずに受け入れてくれる…本当に優しいんだねヨハネちゃん)
理亞「……チラッ」
スッ…バタンッッ 善子「あ!ちょっと筆入れ落としたわよ!」
理亞「あ…どうも」
ギュ…
善子(冷たっ!?)
理亞「それじゃ…」
ルビィ「待って!理亞ちゃんも一緒の教室でしょ。一緒に行こうよ!」
理亞「ごめんなさい…ちょっと寄るとこがあるから」
ルビィ「あぁ…行っちゃった。これで振られたの何回目だろう…」
善子(筆入れを渡す瞬間、その一瞬だけ触れた手があそこまで冷たいだなんて)
善子「ねぇルビィ、今の娘…」
ルビィ「同じ学年の理亞ちゃんだよ。理亞ちゃんにもお姉ちゃんがいて一緒にこの学園に来たんだけどね、姉妹で使える能力が一緒で冷気を操れるの」
ルビィ「厳密には空気にある水分を凍らせるんだったかな?お姉ちゃんは自分の身体そのものを氷にすることもできるんだけど、理亞ちゃんはまだ力が不完全みたいで」
善子「そう…それであんなに冷たい手をしていたのね」
ルビィ「うーん…でも普段は体温が低いわけじゃないし理亞ちゃんは身体を変えることまでできないはずだけどね…」
ルビィ「もしかして、パワーアップしたのかな」
善子「まぁとりあえず、ぬるい飲み物を冷たくしたいときは役立ちそうね」
ルビィ「そんな使い道で力貸してくれるのかなぁ…」 花丸「おーい!ルビィちゃーん!ヨハネちゃーん!」
ルビィ「あ!花丸ちゃん!おはよー!」
善子「意外と寝坊体質なのね」
花丸「うーん…早起きはしてるんだけど、ついつい本を読み始めたら時間を忘れて…」
善子「相変わらずの集中力ね、それも特殊能力なんじゃない?」
ルビィ「ハハハ…朝の読書も日課だもんねぇ」
善子「そのうちあの図書室の本も全部読み終わりそうなね…」
花丸「言いたい放題はやめるずらー!!」
ワイワイワクワク
理亞(とりあえず、姉様にやはり彼女はほぼ当たりよと連絡を入れて)
理亞(これで…いいんだよね…) ー教室ー
善子(…それにしても)
善子(ここにいる全員が何か力を持ってるだなんて改めて考えても信じられないわね)
善子(授業は思ったよりフツーの内容だし)
善子(外から見たらただの私服高校の授業風景よね)
善子(ま、その方が)
グスッ…
善子(落ち着くからいいんだけど)
グスッ…グスッ…
善子(って、、)
善子(えぇぇ!?ルビィが泣いてるぅ!?)
善子(は、花丸ぅ!)
花丸「…」
善子(だ、ダメね。真面目なだけあって授業に集中してるし席の場所もルビィに気付きにくそうだし)
善子(やむを得ないか…)
善子「せ、せんせー!」 ルビィ「グス…ゴメンね…ヨハネちゃん…」
善子「いいわ…落ち着いたら教室戻りましょ」
善子(ルビィは感情的になって泣いてたのではなく、例の目の違和感がいつもより酷くて涙が止まらなかったらしい)
善子(流石にこんな学園の先生だけあってこういう自体への理解はすぐにしてくれて、今は建物の外にある湖のほとりに座ってる)
善子(花丸には教室を出る瞬間にアイキャッチで任せてと送ったのが伝わったかな)
ルビィ「なんかね…ヨハネちゃんに折角連れて来てもらったのに目の違和感が増すばかりなの…」
善子「うーん…ちょっと見せてみなさい」カオクイッ
ルビィ(え!?か、顔が近い!) 善子(僅かにだけ開いたルビィの目は綺麗な赤色で…)
善子「え…赤色?」
善子「ってどんどんルビィの目が眩しくなるような…」
ルビィ「よ、ヨハネちゃんッゴメン!!!!手離して!!」
善子(そう言われてルビィの頬を支えていた私の手が振りほどかれたかと思うと…)
ルビィ「ぴ、ぴぎぃ!!!!!!」
ボガァァァァン!!
善子(私の目の前でルビィが目からレーザーを出していた)
善子「ルルルルルビィィィィィ!?!?」 善子(とりあえずルビィは目を瞑って2人が持ってたハンカチを繋いで目を塞いでる)
善子「しかし、目を開ければビームが出るんじゃどうしようもないわね…とりあえず誰かに助けを求めましょうか」
善子(昨日…ルビィの話を聞いてたおかげか不思議とこの状況を受け入れている私)
善子(ルビィも何とかパニックはならずにいる)
ルビィ「ルビィ…一生目を開けられないのかな…」
善子「そ、そんなわけないでしょ、制御すれば大丈夫よ!」
ルビィ「まぁ最後に見た光景が間近で見るヨハネちゃんの顔だったから悔いはないかな…」
善子「ちょ///…何よ言いだすのよいきなり」
???「ワーオ!プリティボンバヘェェド」
???「ハハハ…これまたド派手にやったね」
ルビィ「今の声……鞠莉ちゃん?果南ちゃん?」
鞠莉「どうやら力を解放したみたいねルビィ」
果南「お姉ちゃんに負けずとも劣らずな力みたいだね!」 果南「まぁ…確かあの木はプロフェッサーのお気に入りだった気がするけど」
鞠莉「ま、太っ腹つるっぱげなあの人なら許してくれるわよ」
善子「ねぇルビィ、あの2人は声で分かるぐらいルビィと仲良い感じなの?」
ルビィ「うん!2人はお姉ちゃんの親友でね、学園には入ってから一緒に遊んだことも結構あるんだ」
鞠莉「あなたは噂の新入り堕天使さんかしら?」
善子「え?は、はい」
善子「ヨハネって言います。よろしくお願いします。」
鞠莉「私は鞠莉よ。年は違うかもしれないけど気軽に鞠莉って呼んでちょうだい」
果南「私は松浦果南。昔は結構ブラブラしてたけど今はこの学園で伸び伸びとやらせてもらってるんだ」
鞠莉「ブラブラって言うけど昔の記憶は殆どないんだけどね〜」
果南「それはいいの!そう言った方がカッコイイんだから」
鞠莉「とりあえず、ルビィをハンク先生のとこに連れて行きましょうか」
鞠莉「ようやくダイヤのときの苦労が生かされそうね」
果南「ルビィは私がおんぶしていくよ。何も見えない中じゃ危ないしね」
ルビィ「ありがとう…果南ちゃん、鞠莉ちゃん」 善子「ねぇ、ハンク先生って?」
鞠莉「この学園ができたキッカケはあなたも知っての通りプロフェッサーのおかげなんだけどね、学園内の技術的な部分は殆どハンク先生のおかげといっても過言ではないわ」
鞠莉「一時は学園を離れて、人間の政治の世界でミュータントが安心して暮らせるための活動をしていたんだけどね」
鞠莉「今は活発化してきたミュータントの面倒を見るためにここに先生として戻ってきたのよ」
鞠莉「実際、技術者を後世に残さなきゃいけないのも事実だしね」
善子「へぇ…」
鞠莉「ダイヤの…ルビィのお姉ちゃんの話は聞いてる?」
善子「一応、覚醒した話はルビィから」
鞠莉「ダイヤが力を自由に使えるようになったのはプロフェッサーとハンク先生のおかげよ。彼らが力を全力で解放できる場所を作って、光線を撃つ精度を高める練習をしたの」
鞠莉「別にX-MENとして闘わせるためとかじゃないけど、おかげで力を自由に使えるようになったわ」
鞠莉「昔は私に怒鳴ってくる度に黒焦げにされるんじゃないかってヒヤヒヤしたけどね!」
果南「私たちの身体がこうだから良かったけど、違ってたら今頃どうなってたか…なーんてね」 鞠莉「ま、その時のノウハウが残ってるってわけ。ルビィの能力がダイヤに似ることは想定済みで光線の性質は似たものだろうし」
鞠莉「ダイヤが一時着てた光線の出力を抑える服とか作ってたし、そこらの技術が役に立つはずよ」
ルビィ「ルビィ…また目を開けられるかな…」
果南「大丈夫だって!なんなら無理にでも開けさせてあげるから」
善子(無理にでもって…)
善子「戦闘チームがいるだけあって設備もすごいのね」
善子「ところで…さっきから話を聞いてて思うんだけど、レーザーを食らっても大丈夫そうなあなたたちの能力って…」
果南「私は、治癒能力って言うのかな?傷ついてもね痛みは感じるけどすぐに治っちゃうんだよね」
果南「あとは訳あってね、身体中にアダマンチウムっていう金属が入ってたりして、元々手から爪も出せちゃうんだけど今じゃ切れ味抜群!いい感じでしょ?」
善子「そんなにこやかに語る能力でもないような…」 鞠莉「私は身体がね…」ギラギラギラギラ…
善子「だ、だだ、ダイヤモンド!?」
鞠莉「そ!だから防御力は凄いんだからね」
鞠莉「こんな能力、もっとお似合いの名前を持った人が身近にいるのにねぇ〜」
果南「名前はそうだけど、金持ちの娘らしい能力だし、必然だね」
鞠莉「それは褒め言葉なのかしら??」
果南「こう見えて…じゃなくて見たまんま、鞠莉の家は大金持ちでこの学園にも資金提供してるんだよね」
善子「まぁこれだけの設備と活動じゃ、学費だけでやっていけるわけないわよね」
鞠莉「パパもママも最初は私の力に驚いたんだけどね、すぐに理解してくれて」
鞠莉「すぐに学園のことを知って資金援助までしていくことになったのよ」
善子「素敵なご家族ね」
果南「さ!そんなこんなでハンク先生のところに着いたよ!」 ハンク「さ、これでどうかな」
ハンク「緊急で作ったから、女の子が掛けるには見た目がパッとしないが、目を開けることはこれでできるだろう」
鞠莉「確かにこれじゃX星人かロボコップみたいね」
ハンク「ハッキリと言うね…」
善子(……)
善子(どうしても、目の前の技術者が青い毛むくじゃらの野獣である光景に慣れない…)
善子(人の言葉を話すだけでも驚きなのに、メガネを掛けて、手先も器用で…)
ルビィ「目を開けても…いいの?」
鞠莉「念のため、外で開けた方がいいんじゃない?」
果南「大丈夫だよ、いざってときは盾になるからさ」
ハンク「心配は無用。それに君が盾になっても外に吹き飛ぶだけだ」
ハンク「ダイヤちゃんに散々苦労させられたんだ、今日ぐらい何事もないよ」
ハンク「お、噂をすれば…」
ダダダダダダダダッバーン!
ダイヤ「ルビィ!!!!」
ルビィ「お姉ちゃん?」 ダイヤ「ルビィ、大丈夫ですの?怪我は?」
鞠莉「心配ないわ、被害はプロフェッサーの木だけよ」
ダイヤ「はぁ…本当に安心した…」
ダイヤ「でも急に力が解放されるだなんて」
ハンク「まぁ、聞くところによると目に違和感は続いていて、今朝からそれがピークになったらしい。来たるべき覚醒が来たのだろう」
ダイヤ「そうですか…まぁ誰も傷つかず、何よりルビィがルビィのままでいることに安心しました」
ルビィ「お姉ちゃん…」
善子(ルビィがルビィのままでいることか…)
ダイヤ「しかし、ルビィの瞳が見えないのは少し寂しくなりますわね…」
ルビィ「もう…お姉ちゃんったら」
鞠莉「鏡を見れば同じ目を見れるじゃない」 聖良「すごいパワーね」
理亞「ルビィとあの新入りが外に出て行ったと思ったらこの騒ぎよ」
聖良「これだけ証拠が揃った以上、あの人に連絡するときが来たようね」
理亞「私たち…これでいいんだよね…」
聖良「…もう、後戻りはできないのよ…」
『ボス、あの姉妹から連絡です』
「ようやくか…目的を忘れて青春を楽しんでるのかと思ってたよ…」
「次の日曜日だ。例の場所に連れてくるよう言っとけ」
「待ってろよ…マイエンジェル…」
『フランシスさん!また新しい被験者がー』
「……イラッ」
フランシス「俺様のことはエイジャックスと呼べ!!」
フランシス「チ…」 理亞「……ドキドキ」
よしまるびぃ(ワイワイワクワク)
理亞(こ、これは任務のため…任務のためなんだから…)
テクテクテクテク…
理亞「ね、ねぇ、よ…ヨハネ、ちゃん!」
よしまるびぃ「!?」
理亞「こ、今度の日曜日空いてる?」
よしまるびぃ「!!」
花丸「理亞ちゃん…まるたちと同じインドア派で奥手だと思ってたけど、結構大胆ずらね…」
ルビィ「モテモテだね…一体これまで何人泣かせたのか…」
善子「はぁ…これだから人を惹きつける堕天使は困るわ…」
花丸「そして、まんざらでもなさそうずらね」 理亞(…)
理亞(…これだから嫌だったのよ!!)
理亞(1人になったタイミングを狙いたかったのに、いつも一緒にいるし、寝るかと思ったら皆で部屋に集まってゲームしてるし)
善子「でも…ゴメンね理亞ちゃん」
理亞「!?」
善子「次の日曜はここに来て初めての日曜だから、最初に出会った皆と遊びに行く約束をしてて…」
善子「もしよければ理亞ちゃんも一緒に来ない?」
理亞「え?」
理亞(うーん…本当は1人だけ連れて行く方が都合がいいけど…)
理亞(ミュータントが多い方が向こうも喜ぶのかな…)
理亞(危険なミュータントとはいえ、まだ子供。向こうだってプロ揃いだしね…)
理亞「ちなみにどこへ行く予定なの?」
ルビィ「ここから2駅の街中に行ってね、ショッピングとか、映画とか見ようかななんて予定してるの!」
理亞(場所も都合は良いわね…)
理亞「分かった、私も行くわ」
理亞「それじゃよろしく」
善子「なんだか嬉しいんだか悲しいんだか分からない顔してたわね」
ルビィ「え?ルビィには楽しそうに見えたけど」
花丸「ヨハネちゃんも人の心を読み取れるずらか?」
善子「いや…そういうのじゃなくて…」
善子「ま、堕天使の勘ってやつよ…」 ー土曜日の夜ー
理亞(…ドキドキ)
理亞(これはいよいよ任務達成を前にした武者震いの緊張ね…)
理亞(断じて、明日のショッピングが楽しみってわけじゃないわ…)
理亞(…ドキドキ)
理亞(なんで自分に言い聞かせてるんだろ…)
理亞(…グスン)
理亞(私たち…人工ミュータントだって人生を楽しむ権利はあるはずよね…少しぐらい…) ー日曜日ー
千歌「うおおお日曜日だああああああ」
曜「休みだあああああああ」
善子「いつもに増して元気爆発ね」
梨子「よっちゃんは学園生活慣れた?」
善子「まぁね、堕天使として不自由なく生きられるわよリリー」
梨子「そっか、良かったわ…」
梨子「うん?リ、リー?」
梨子「リリー!?」
善子「何よ…お互い様じゃない。それに私がつけた名前はカッコイイんだから感謝すべきよ」
梨子「いや…カッコ良さは求めてないよ…」 千歌「それにしてもルビィちゃん、そのサングラス似合ってるよ!」
ルビィ「ハンク先生がね、お洒落なデザインで作ってくれたの!」
花丸「流石にあんなメカメカしいもの付けて外は行けないもんね…」
曜「花丸ちゃんも外に出るの珍しいよね」
花丸「なんか…ルビィちゃんとヨハネちゃんが、それに皆も一緒なら安心だなぁなんて」
曜「そっか!今度は2人でデートしようね〜」
花丸「デデデ、デートずらか/// !?」
理亞(……)
ルビィ「ね、理亞ちゃん」
理亞「なに?」
ルビィ「今日は楽しもうね!」
理亞「え、えぇ…」
千歌「ねぇ!理亞ちゃん!」
理亞「?」
千歌「このジュース冷やすの忘れてて…そのぉ…」
理亞「…貸して」レイキシュー
千歌「うわ!ありがと!」
梨子「もう!理亞ちゃんをそんなことに使って!」
善子「千歌ちゃんと同じ発想を前にしたのが恥ずかしくなってきたわ…」
理亞「別に…人の役に立つことなんて早々ないから…」
ルビィ(理亞ちゃん…) ルビィ(この後は…皆でショッピングしたり、ゲームセンターに行ったり、お洒落なカフェに行ったり、それからそれから…街の上にある観覧車に乗ったり…)
ルビィ(1つ1つの瞬間が輝いてて、それでも時間はあっという間で…)
ルビィ(ヨハネちゃんもこの前来ただなんて思えないぐらい皆と楽しんで、花丸ちゃんも自分に怯えずに楽しんで、ルビィももちろんこんなに笑ったのは久々かもってぐらい笑い疲れちゃった)
ルビィ(理亞ちゃんも最初は緊張してたみたいだけど、途中からはすごい眩しくて可愛い笑顔を見せてくれて)
ルビィ(ありきたりだけど、もっと今日の時間が延びたらなんて…)
ルビィ(でも、ありきたりな気持ちを感じられるってこんなに幸せなんだね…) 理亞(結局その後は…皆でショッピングして、ゲームセンター行って…初めて姉様以外とプリクラを撮ったわ…後は可愛いカフェと観覧車にも乗って…)
理亞(最初は早く終わらないかななんて強がってた気持ちもドンドン変わっていって…いつの間にか長く感じてた時間はあっという間に過ぎ去ってて…)
理亞(あまり関わりのない1個上の学年の人たちも変な気遣いなく接してくれて…ルビィと花丸とヨハネもいつも一緒にいるかのように仲良くなれて…こんなに笑ったのは初めてかも…)
\ダンスナウ!/
理亞(姉様から…)
「そろそろ時間よ」
理亞(……皆、ごめんなさい…) 理亞「ねぇ!ちょっと行きたいところがあるんだけど…」
善子「あら、私と2人で行きたかったところかしら」
曜「え!?デートするつもりだったの??」
花丸「ものの数秒で喋りづらい空気を作るだなんてある意味才能ずら…」
理亞「その…星空が綺麗なスポットがあってね。皆で行かない?」
千歌「いいね!行こー!行こー!」
理亞(もう、後戻りはできない…)
梨子「こんな街中でも星が見れる場所なんてあるのね」
理亞(生まれたときから、いやこの力が与えられた時点で決まってたんだ)
曜「流れ星見れたりして…願い事考えとかないとね!」
理亞(束の間の幸せをありがとうね…)
梨子「……」
梨子(気のせいだといいけど) 善子「かれこれ20分は理亞に着いて行ってるけど」
花丸「目的地はまだずらか?」
理亞「もう着くわ」
ルビィ(星を見るのにドンドン地下に行ってるような)
よーーーうこそ!!
一同「!?」
フランシス「いやいや、若いミュータントの皆さん」
ゾロゾロゾロゾロ…
善子(あっという間に大勢の人間に後ろ囲まれた!?)
フランシス「ひとまず、こっちへ戻ってこい理亞」
ルビィ「理亞ちゃん!?」
理亞「…はい」
聖良「よくやったわ…理亞」
ルビィ「聖良さんまで!?何がどうなってるの?」 フランシス「面倒だから簡単に状況だけ伝える」
フランシス「まず、お前らは抵抗するな、すれば命は無い。言っとくが脅しなんかじゃない」
フランシス「お前らを囲んでるそいつらは見ての通り銃を持ってるし、数も多い。」
フランシス「お前らの能力は既にコイツらからリサーチ済で対策も済んでいる。皆、テレパシーを遮断するヘルメットを被り、肌も露出してない、この地下も壁を抜け出して外に出れるような単純な構造じゃない」
フランシス「歩くレーザー砲も力を制御できないんじゃ仲間に暴発するかもしれない以上使えないよなぁ」
フランシス「まぁ数人だけでも上に向かってすり抜けて飛んでくってなら、連れて行けなかった置き去りのやつから蜂の巣にするがな」
フランシス「あと、一応俺もお前らと同じミュータントだ」
フランシス「どうだ?5人のガキどもにも分かりやすく今の状況を説明したつもりだが、きちんと理解してもらえたかな?」 梨子(くっ…理亞ちゃんへの警戒を解くんじゃなかったわね)
善子「あなた方の狙いは私…そうね」
ルビィ「ヨハネちゃん!?」
善子「理亞は…最初に私だけを誘ったしね」
善子「これだから魅力ある堕天使は困るわね…」
フランシス「つまらんことを喋る余裕があるか、まぁその通り、狙いはお前だ」
フランシス「ずっと探し求めてたよ、おかげでコイツら姉妹もやっと役立った」
善子「何よ!アンタは黒い羽が欲しいっていうの!」
フランシス「フン…やはり自分の価値に気づいてないか、お前のミュータントを完全に覚醒させる力に」
善子「完全に…覚醒!?」 聖良「まず、図書室でのあなた達の会話…あそこでヒントを得た」
〜でも、ヨハネちゃんってなんか不思議な力があるというか…さっき手を握って走った時もなんかいつもよりパワーがみなぎるのを感じたというか〜
理亞「これを聞いた私たちはまずあなたに直接近づいた。あなたと一瞬でも手を触れ合うことで自分の力が増強するかを確認するために」
聖良「理亞は案の定、空気中の水分を凍らせるので精一杯だった中、私のように自身を氷に変える力を手に入れたわ…まぁあの一瞬じゃ完全には覚醒しなかったようだけど結果は十分」
理亞「そしてルビィ、あなたの覚醒で確信したわ。ルビィの症状が悪化したのはおそらく一瞬でもヨハネと触れ合いが多発したせい…そしてヨハネがルビィの顔に手を思いっきり触れたとき覚醒は始まった」
善子「わ、私にそんな力が…」 フランシス「俺はな人工的にミュータントを作ってるんだ」
フランシス「そいつらを兵器として売り捌けば俺は儲かり、力を欲するやつは力を手に入れ、兵士が欲しいやつも手数が増えるwin-win-winだ」
フランシス「だが、苦労して痛ぶって力を覚醒させることができても、中には弱っちいのがいてな」
フランシス「そいつらをお前がちょちょい覚醒させれば、どどんと兵器の質が上がるってこと」
フランシス「ちなみにコイツら姉妹も俺が作ったんだぜ?」
フランシス「不幸にも身寄りのないコイツらを引き取ってミュータントにしてな」
花丸「子供にまで手を掛けるなんて…最低ずら…」 フランシス「お前みたいな能力を持ったミュータントを探したいとずっと思っていたとき、その名も有名な黒澤家の姉妹がミュータント動物園に入園すると情報が入った」
フランシス「それも片方は力の覚醒がまだって聞くじゃないか、こんなチャンスはないと思い賭博のつもりでコイツら姉妹を送った」
フランシス「しばらくは当たりの報告もないし、正直期待もしてなかった。とは言ってもガキのミュータントじゃ売値も低いんで、すっかり放置してたが、そんな時にお前が現れた」
フランシス「まさに俺にとっての天使さ…」
善子「つくづく最低ね…」
フランシス「お前を拘束できれば他は皆、解放してやるよ。もちろんこの姉妹もな」
フランシス「ま、お前らと友達ごっこしてたコイツらは解放した途端にやられちまうかもしれないがな!」
理亞「…」
ルビィ「……」
ルビィ「ごっこなんかじゃないもん!!」 理亞「!?」
ルビィ「理亞ちゃんが今日見せた笑顔…あれは本当に心から笑った人じゃないとできない笑顔だった!」
理亞「ルビィ…」
ルビィ「そんな笑顔、ごっこで見せられるはずないもん!理亞ちゃんは…理亞ちゃんは…」
ルビィ「ルビィたちの大切な仲間なの!だから理亞ちゃんに謝って!!」
フランシス「どうでもいいんだよそんなこと…もういいからさっさと来い!堕天使もどき」
理亞(ルビィが、あのルビィが勇気を出して想いをぶつけている…)
理亞(私は…私は…)
理亞「私はね!ずっと憧れてた!」
理亞「学園内で遊ぶ皆を見て、私も一緒に遊びたい、一緒に笑いたい、一緒にゲームをしたい、いっぱい思ってきた」
理亞「この先の人生、仲間と一緒に過ごしていきたいと思った!」
理亞「1人も欠けちゃダメなの!だから皆であの学園に帰りたい…だから…グス」
理亞「だから…お願いします…やめてください…」
フランシス「おいおい、此の期に及んで俺たちに命乞い?裏切るつもりか?言ったよな?そんなことすればあの学園を人工ミュータント供で総攻撃で潰すって」 聖良「…機は熟したってところね」
聖良「……立ちなさい、理亞」
理亞「姉様?」
聖良「随分とのんびりと話すもんで、敵の数の把握から最も有効な戦闘体制の構成もできたし、そろそろ行きますよ」
聖良「感謝すべきは学園の戦闘訓練の授業に出たことね」
フランシス「あぁ?」
聖良「まず、私が今日、数十分間だけあなたの元に戻って気づいたけど、クライアントに兵士不足で完成を待ってもらうような電話をしてる中で、
ミュータントだらけの学園を総攻撃?そんなのできっこないし、できても銃を持ったただの人間が束になって来るだけ、どちらが勝つかは目に見えます」
聖良「自分に嘘を言い聞かせてきた理亞がここまで正直に気持ちを言える強い心を持ったこと、そのキッカケができたことだけは感謝しましょう」
聖良「あと、対策?でしたっけ?」
聖良「氷の対策はお済み?フ・ラ・ン・シ・スさん?」
フランシス「テ、テメェ…今なんて」
聖良「理亞!」
理亞「はい!」
レイキブシュウウウウウ フランシス「うお、こいつらいつの間にここまで力を」
花丸「まるたちが氷の壁に囲まれたずら!…寒いかも…」
聖良「それに彼女たちは5人じゃなくて6人よ!」
聖良「千歌さん!!」
千歌(兵士)「オッケー!変身!」
千歌(フランシス)「フフフ…」
アレ?フランシスサンドウナッテ…
ウワアアナニスルンデスカアアア
アレハニセモノダアアア
善子「だいぶ混乱させてるみたいね…それでも銃の弾からは私たちは氷に守られてる」 千歌(兵士)(いやぁ曜ちゃんとX-MEN入るために武術の授業取ってて正解だったなぁ)
千歌(兵士)「ハッ!トォ!!」
聖良「曜さんは頃合いを見て氷を通って千歌さんや理亞を救ってください!」
曜「分かったよ!」
梨子「よっちゃん!私の身体に触れて!」
善子「え!?」
梨子「テレパシーはダメでもサイコキネシスを最大級にすれば」
善子「で、でもあなたの力って強大すぎるとかどうとか」
梨子「今はそんなこと気にしてられない!」
梨子「聖良さんに理亞ちゃん、千歌ちゃんだけじゃなくて私も力になりたいの!」
梨子「今やらなかったら、絶対後悔する…そんな気がするの」
善子「…分かったわ」テニギリ
梨子「……」
梨子「!!!!!」
善子「!?何…この一瞬でものすごく強大な力を…」
善子(って…あれ…目の前が…真っ暗に…)
梨子(?)「…」 聖良「くっ…敵が多すぎてフランシスを見逃したわ」
理亞「今は皆で生きて帰ることだけ考えましょ」
聖良「そうね…」
ルビィ「うゅ…ルビィたちが出る幕じゃないね…」
花丸「いいんだよ…ルビィちゃんはきちんと役目を果たしたんだからね」
ルビィ「あれ?あそこに倒れてるのって…」
花丸&ルビィ「ヨハネちゃん!」
フランシス「く、クソ!!ガキどもにめちゃくちゃにされるなんて…」
フランシス「ここは引くしかない」
梨子(?)「待ちなさい…」
フランシス「!?」
フランシス「な、なんだ、お前…こんな能力を持つやつがいるなんて聞いてないぞ…」
フランシス(なんだ…炎を纏った鳥…不死鳥の姿とでも言うのか?)
梨子(?)「消炭になりなさい…」
フランシス「う、うわああああああ!!!!!」 善子「う、うーん…」
善子「ここは…」
花丸「ヨハネちゃん!起きたずらね!」
ルビィ「良かったぁ…息はあったけど中々起きないから心配したよ」
善子「あ、あいつらは!?」
聖良「皆さんのおかげでどうにかなりましたわ」
千歌「ヨハネちゃんにも見せたかったなぁ…私の高海拳法!」
聖良「大人のハッタリに、大人のやり方に騙され、皆さんを命の危機まで巻き込んでしまった…」
聖良「きっちりとプロフェッサーには報告して、私たち姉妹は学園を去りますわ」
曜「え!そ、そんなぁ…」 善子「私はね、根っからの一人っ子なの」
聖良「え?」
善子「だから姉の気持ちとk妹の気持ちとか責任感みたいなにも分からないけどさ、お姉ちゃんなら妹の想いを尊重すべきなんじゃない?」
善子「あんなにハッキリと大きい声で言われたんじゃ私たちだってそのまま見送るわけにもいかないわよ」
理亞「ヨハネ…」
善子「理亞は私たちの友達なの。そんな友達の中を引き裂こうなんていくら理亞のお姉ちゃんでも許さないわ」
聖良「…グスッ、そうですね」
曜「プロフェッサーも皆も許してくれるって!だいじょーぶ!」
曜「ね!梨子ちゃん!」
梨子「えぇ…そうね」
善子「!」
善子(…そうよ、リリーの手を握ってそのあと急に目の前が…)
善子(それでも一瞬だけ見えたあの顔、そして今のリリーの目…間違いないわ…)
善子(あれはリリーであってリリーじゃない…)
善子(一体…) 善子(それからは学園に戻ったあと先生たちに全てを話した)
善子(ミュータントを兵器として作るなんて恐ろしい話だけど、世の中にはミュータントを人体実験に利用する卑劣な人間は少なくないらしい)
善子(あまり噂は好きじゃないけど…なんでもあの果南もそうだとか)
善子(ちなみにX-MENチームがあの最低男を探したけど形跡が全く分からなくて…)
善子(と、思いきや私たちがいた地下から少し離れた場所にあった焦げのような炭のようなものから最低男のDNAと一致する反応が出たらしいわ)
善子(何か恐ろしいことがあったのは確かね…)
善子(先生たちと仲間たちの間では瞬く間に私たちの活躍が広まって、未来のX-MENチームだ!なんて言われ続けたわ)
善子(そんなこんなで私たちは、いつも通りの生活に戻った)
善子(理亞ちゃんは私たちとくだらないお喋りをしてはよく笑う元気な子になって、今じゃ4人で移動することが殆ど)
善子(ルビィも花丸もすごく伸び伸びとしててこっちまで嬉しくなるわ。図書室に行く頻度も減ったみたい)
善子(ただ…堕天使の勘が告げている…何か悪いことが起きるって…) すみません、名古屋ファンミのLV参加で夜の書き留めができなかったので明日更新目指します ーーー
ーー
ー
善子(私が学園に入って半年)
善子(あの一件以来、平和な生活が続いてる)
善子(って、まぁ何か事件があっても担当するのはX-MENだから、よっぽどじゃないと私達が巻き込まれることは殆どないんだけど)
善子(リリーはあれから注意して見てたけど、結局いつものリリーだった)
善子(ただ…ふとした瞬間に、あのとき見た別の誰かとしか思えない目を見ることがある)
善子(そして…心なしか、最近のリリーは何かに怯えているように見える)
善子(遠回しに聞いてみても大丈夫としか言わないし…)
善子(私は友達もそこそこ増えて、勉強もそれなりにできてるし、可もなく不可もなくJKやってるって感じ)
善子(プロフェッサーから、私の能力覚醒の力は誰かに急激な変化を与えかねないと注意するようにだけ言われた)
善子(あ、友達が増えたと言ってもいわゆる"いつメン"ってやつは花丸にルビィと千歌ちゃんリリー曜ちゃん。一緒にピンチを切り抜けたこともあって仲はより深まったみたい)
善子(理亞ちゃん聖良ちゃんとは全然遊んだりもするけど、彼女たちは彼女たちで元々仲良くしたがってた人がいっぱいいたみたいで、今じゃ人気者ね)
善子(何か取られてしまった寂しさが正直あるけど。まんざらでもなさそうな理亞ちゃんが可愛いから許すわ) 善子(あとルビィの一件で知り合った鞠莉ちゃん果南ちゃんダイヤちゃんともなんやかんやで一緒になることが多くなった)
善子(しかも、聞くところによると果南ちゃんなんて千歌ちゃん曜ちゃんと幼馴染らしいじゃない!世界は狭いわ)
善子(…世界ね)
善子(…世界と言えば、授業の中でミュータントについても学んだ)
善子(想像以上に人間たちからあまり良い目で見られていない現実。力を持った方だって怖がるぐらいなんだから気持ちは分かるけど、いざ話を聞くとショックは大きかった…)
善子(そして、授業以外じゃ色々な噂も聞いたわ。ミュータントを使った人体実験、ミュータントを倒すためだけの軍事兵器の開発、ミュータントを生まないための薬物研究…所詮は噂だけどね)
善子(何が誰をそこまでさせるかは知らないけど…人間の方がよっぽど恐ろしいのは確かよ…) ーある日の学園ー
善子「将来の夢?」
果南「そうそう!私達上級生は一応卒業が近いから皆本格的に考えてるんだよね」
鞠莉「まぁ、ここで先生をやるか、X-MENに入るか、もしくはその両方をやるか、もしくは人間社会で就職するか」
鞠莉「まずはそんなところを選択かしら」
果南「私はもう、X-MENに入って闘うって決めてるけどね!そして…私の…」
果南「私の記憶の手掛かりを見つけてみせる。自分で言うのもだけど、こんな身体に改造できるなんて相当な黒幕だろうしね」
花丸「その記憶が辛いものだったりしたら…なんて思わないずら?」
果南「うーん…むしろその可能性の方が大きいだろうけど、それも受け入れるぐらいの覚悟はあるつもり。モヤモヤするよりはマシだしね」
鞠莉「私は小原家に戻ることを考えてたけど、今はここで先生をしたいと思ってる」
鞠莉「それでね、新しい学園を作りたいと思ってる。それもここみたいにミュータントが伸び伸びできて…それでいてミュータントじゃない人間たちも一緒に学べる。そんな学園を作りたいの」
曜「素敵だなぁその夢。絶対叶えてね!」
鞠莉「えぇ!もっちろーん!」 ダイヤ「私も、絶対に黒澤家に戻るんだという気持ちで自身と向き合い続けましたが…
ダイヤ「今ではこの力を生かして、この学園に入園してくるミュータントたちに学んだことを伝えてあげたい。プロフェッサーの手助けなんかをしたいと思っていますわ」
千歌「皆、強い想いがあってすごいねぇ」
善子「千歌ちゃんは将来の夢とかあるの?」
千歌「前は漠然と、とりあえずX-MENに入って悪を倒したい!活躍したい!なんて思ってて」
千歌「まぁX-MENのリーダー、穂乃果さんに憧れた影響なんだけどね」
善子「雨止めぇぇって叫んだら天候を操る力に目覚めたっていうあのリーダーね」
千歌「そうそう!でも今は私にしかできないことを見つけて、それをやりたいなんて思い始めてて…具体例は浮かんでないんだけどね」
善子「へぇ…」 千歌「梨子ちゃんはピアニストを目指してるんだよね?」
梨子「まぁ…私、何故か分からないけどあまり昔の記憶を覚えてなくて…それでもピアノをやってたことと、そのときの気持ちはハッキリと覚えてて」
梨子「誰かの心を揺さぶるような演奏をしたい、曲を作りたいって思って必死に練習してたの。まぁこの学園にピアノが無いから今じゃ練習もできてないし…半ば諦めかけてるんだけど」
ルビィ「音楽室とかないですもんねぇこの学園」
曜「私は変わらず船長になるのが夢!」
曜「全速前進〜」
一同「「ヨーソロー!」」
ハハハハハハハ
…… ー夜ー
善子(……)
善子(あれから、皆のいつかこうなりたいとかこうしたいとかって想いを聞いたけど…)
善子(私、全然そんなことを考えてなかったことに気づいたわ…)
善子(そのときそのときのことしか考えてなかったというか…)
善子(……)
善子(ま!今日は意識できただけでも進歩よ!明日から改めて考えて今日は寝ましょ!)
善子(ママにおやすみとラインしてっと…)
善子(………)
善子(………zzz) 善子(zzz……)
ゴゴゴゴゴゴ!!!!!
善子(!?!?)
善子「じっ地震!?な、なに!?」
善子(あまりの衝撃に思わず部屋の外に飛び出したけど、部屋が近いのもあってすぐに原因場所が分かった)
善子(リリーの部屋で何か起きてる!?)
チャールズ「皆!大丈夫だ!」
善子「プロフェッサー…」
ハンク「心配ないから部屋に戻りなさい」
チャールズ「ヨハネ、悪いが一緒に来てほしい」
善子「え、分かったわ」
チャールズ「すまない、ハンク。皆の方を頼む」 ー梨子の部屋ー
梨子(ぐっ……うっ………)
??(全部、無くなれ!!壊れろ!!)
梨子(世界中が崩壊していく!?)
梨子(私が!?私がこんなことを!?)
梨子(それに世界中の悲鳴が頭に響く…)
梨子(うぅ…誰か…助けて!…お願い……)
((リリー!リリー!!))
梨子(この…声は……)
善子「リリー!!起きなさい!!」
梨子「!?」
梨子「よっちゃん…」 梨子「わ…私…またあの夢を……でも今までよりハッキリ見えた…」
善子「すごい汗よ…部屋にシャワーもないし1回外のシャワー室で汗流してきなさいよ…」
梨子「う…うん」
梨子「プロフェッサーもご心配お掛けしました」
梨子「ただ…私…」
チャールズ「言わなくていい…勝手ながら夢の内容は見させてもらったからね」
梨子「そうですか…ひとまず失礼します…」
善子「リリー…」
善子「色々気になるけど、私も戻るわ。プロフェッサーもずっと女子の部屋に居座らない方がいいんじゃない?」
チャールズ「ヨハネ…まさかこんなに早く君に話す時が来るとは思っていなかったが」
チャールズ「話を聞いてもらえないか?」
善子「…」
善子(いつになく、真剣な表情ね…)
善子「えぇ…分かったわ」 チャールズ「人は失敗から学ぶというが、私には取り返しのつかない失敗があった」
チャールズ「それが今の梨子を苦しめる結果に繋がっている」
チャールズ「かつて、彼女はピアノを習いながら学校ではわんぱくな子だったそうだ」
善子「わんぱく!?全然想像つかないわ…」
チャールズ「まぁそうだろう。ある時、僅かなではあったが、物を動かしたりテレパシーを送る力に目覚めた」
チャールズ「元々同年代の中でも目立っていた彼女だが、周りの友達にその力を披露すると、さらに注目浴びた」
チャールズ「最初は良かったものの、少しずつ不気味がる子も増え、話を聞いた親も困惑する一方だった」
チャールズ「いつしか彼女の周りに友達と呼べる者は消え、時には酷い言葉を浴びせられたりすることもあった」
善子「そんな…」
チャールズ「負けず嫌いの彼女にとって、本当に悔しい思いをしたが、彼女にはたった1つ力に頼らずに誇れるものがあった。それがピアノだ」 チャールズ「ピアノで皆を見返してやる。誰かの心を揺さぶるような演奏をしてやる。曲だって作ってやる。その強い信念でひたすら練習を続けた」
善子(昨日の話はこのことだったのね…)
チャールズ「ちょうどその時、私も彼女の両親から相談を受けてね。学園に入園させることも希望したいとのことだった」
チャールズ「私はあくまで本人の気持ちも尊重したく、梨子と直接会うことにした」
チャールズ「だが、そのとき彼女の頭に入り、知ったのだ」
チャールズ「彼女の強い信念は怒りや憎しみと結びつき、彼女の持つパワーの源になっていたことを。そして力が彼女の意識をも変えきっていたことを」
チャールズ「力に支配された彼女は自らを"フェニックス"と名乗った。そして力は憎むべき人間に向けるべきものとだと考えていたのだ…」 チャールズ「いつもなら説得を試みて意識を変えさせるところだが…彼女の力はそれを待つほど猶予のあるものではなかった」
チャールズ「彼女の力、テレパシーやサイコキネシスといった力は私以上の強大さであり、世界を崩壊させるほどのものだったのだ」
チャールズ「私も彼女の怒りの強さを彼女の記憶を辿ることで共感することで感じたことで、恐怖すら覚えた」
チャールズ「そして、私の干渉により唯一の抑止力であったピアノも彼女の中から消え去った」 チャールズ「そして、私は決心した。彼女の力が不完全な内に私は彼女の記憶、彼女の意識を、彼女の深い心の闇の中に封じ込めようと」
チャールズ「彼女を学園に案内する前に封印は成功」
チャールズ「そして、彼女にはそのままもう1つの人格が生まれた。それが君がリリーと呼ぶ今の梨子だ」
チャールズ「今の彼女にも多少ながら似たような力があるようだが、それはフェニックスを封じ込める力になっていた」
善子「そんな…ことが…」
善子(!?)
善子(待って…それじゃ私が見たリリーじゃないリリーって!) チャールズ「……」
チャールズ「結果、彼女の深い底でフェニックスの憎しみは増え続け、パワーも増した」
チャールズ「私が恐怖に打ち勝ち、梨子の力と向き合っていれば、逆に力を解放させていれば結果は違っていたかもしれない…取り返しがつかないがね…」
チャールズ「私は待った…フェニックスに対抗できる力を持ったミュータントをひたすら…」
チャールズ「そこで出会ったのが君だ、ヨハネ」
善子「なるほどね……ってえ!?私?」
チャールズ「幸いにもフェニックスに近い方向性の能力を持っていた私は、フェニックスに対抗できる力を持つ者を探すことができた」
チャールズ「その力を持っている者は出会ってきたミュータントの中でも唯一君だけなんだヨハネ」 チャールズ「無論、利用するためだけに学園に呼んだとは思ってほしくない。学園でミュータント達とともに様々なことを学び、その先のことは自ら切り開いてほしいと思っていた」
チャールズ「だが、来たるべき時が来たときには君に打ち明け、君の想いを尊重しながらも協力をお願いするつもりだった。私の尻拭いとしか思わないかもしれないがね…」
善子「…」
善子「それが今ってこと?あいにく私はその力に目覚めていないみたいだけど」
チャールズ「…そこが予想外だった」
チャールズ「まさか君に眠る力の中に、他者の力を覚醒させる力があったなんてね…」 チャールズ「君が梨子に触れたとき、フェニックスの力は再び覚醒してしまった。
チャールズ「何とか"今の"梨子の力も覚醒したことで、再度封じ込めることができた。それを見て一時は安心していたが、それも限界を迎えようとしているようだ…」
善子「…実は…私もあの時、リリーの中で何かが目覚めて、目の前で力の一部を見て感じた時、あれから私の中での変化を感じてる」
チャールズ「…そうか」
善子「具体的なものじゃないけど…それがリリーを元に…というか私の知ってるリリーを取り戻すための力なのかは分からない」
善子「だから…」
チャールズ「ダメだ」 善子「…は?」
チャールズ「あまりに危険すぎる…」
善子「じゃあどうするっていうのよ?」
チャールズ「再び封印する…覚醒していてもまだフェニックスは封じられた状態。今の梨子の力と私の力を合わせれば…」
善子「それじゃまた同じことの繰り返しじゃない!」
チャールズ「だが、他に方法はない…」
善子「じゃあ、わざわざ私を呼んで、話をしたのは何だっていうのよ!」
チャールズ「もしものためだ…仮に君の力が覚醒したときに、その強大さも知ってほしかったのだ」
善子「……」
善子「…何よ!それじゃ人間と同じじゃない!」
チャールズ「!」 善子「力に怯えて、対抗としようとしたり、封じ込めるなんて、人間がミュータントにしてきたことと同じよ!」
善子「私は向き合ってみせる。リリーとも、フェニックスとも、どうなるか分からないけど2人とも救ってみせるわ」
チャールズ「…ヨハネ」
「「大変だ!!」」
善子&チャールズ「!?」
ハンク「彼女が…学園を出て行ってしまった…目撃した人が言うには赤い炎の羽を纏って飛んで行ったらしい…」
チャールズ「今すぐ、セレブロの準備だ!」
チャールズ「ヨハネ、君がまだここにいてくれ」
チャールズ「私はもう1度、向き合おう。そして謝罪と説得を試みることにするよ…」
善子「私も…私も覚悟は決めておく」
善子「…」
善子(リリー…)
善子「今回ばかりは皆を巻き込むわけにはいかないわね」
善子「どうせプロフェッサーはX-MENとジェットで向かうだろうし、潜り込む準備でもしておきましょう」
善子「堕天使の勘…当たったか…」
善子「…部屋に戻って準備しましょ」ガチャ
シーン…
曜(…あわわわわ……) 曜(梨子ちゃん部屋の様子がおかしいからこっそりすり抜けて、バレないように忍び込んでたけど…)
曜(どうする…ヨハネちゃんはあんな危険なことを1人でやろうとしてる…)
曜(確かに皆を巻き込みたくないだろうけど…)
曜(梨子ちゃんは皆の仲間…)
曜(…)
曜(ゴメンね、ヨハネちゃん。悪いけど、私は一緒に行くよ)
曜(他の人にも話だけはしておこう)
曜(たとえ対抗する力がヨハネちゃんにしかなくても、応援だって梨子ちゃんに声を届けることだって…それに皆でおかえりって言いたいもん!)
ーーー
ーー
ー おつ
μ'sはアベンジャーズポジと思ったがX-MENだったか 善子「よし、準備はこれぐらいでいいかな」
善子「あまり大荷物でもバレちゃうしね」
善子「独り言も声に出ちゃうぐらい不安なのは分かるわよヨハネ」
ルビィ「分かるよヨハネちゃん…ルビィも昔は自分に言い聞かせるようによく喋ってたもん」
善子「なーに、将来の夢すらない身よ。それに今までだって幸せな日々だったしね」
花丸「それならなおのこと、梨子ちゃんを取り戻して、楽しい時間をまた皆で過ごすべきずら」
善子「まぁね…私だってちょっと怖いだけで、わざわざ死ぬ気で行くわけじゃないわよ」
善子「それに与えられた力に意味があるなら使うまでよ…」
善子「うん?」
善子「なんでここにいるのよ!?!?」
善子「って、皆いるじゃない!?」
善子「ど、どうして…」
曜「ごめんね、ヨハネちゃん。私も気になってこっそり梨子ちゃんの部屋に忍び込んだの。さからプロフェッサーとの会話は全部聞いてて…」
善子「なら、曜ちゃんから皆に伝えるべきよ。今私がやろうとしていることがどれだけ危険なことなのか」 果南「説明は受けたよ、きっちりとね」
ダイヤ「だからこそ、1人で行かせるわけにはいきませんわ」
千歌「もーう、梨子ちゃんのことが好きなのはヨハネちゃんだけじゃないんだからね!」
善子「そ、そんなこと分かってるわよ…でも対抗できる力は私にしかないのよ?」
善子「しかも、プロフェッサーを越える力を持ったミュータントが相手だなんて、今度ばかりは無事で帰ってこれるかどうか…」
曜「私もね、盗み聞きしちゃったときに色々考えた。ヨハネちゃんの心境とか私はともかく他の皆を巻き込みたくないとか」
曜「でも…それ以上にね。少しでも力になりたい。届かない声だとしても、梨子ちゃんに私達の想いを伝えたいって思ったの」
曜「それで言いたいの、おかえりって。この学園に住む皆は家族だしね!」
善子(…)
善子(力があると言われた私だって怖いっていうのに…)
善子「…ま、私が逆の立場でも同じことをしていたのは確かか…」
鞠莉「それはそうと、既にX-MENが動き出しているみたいね」
善子「やっぱりチームを連れて行く気ねプロフェッサー…」
善子「でも、どうするのよ…8人もあのジェット機にバレずに船に潜り込むなんて…」
善子「透明か気配を消してくれるミュータントでもいないと難しいわ」
鞠莉「ここが小原家ならジェット機の1機や2機ぐらいすぐに用意できたけど…」 千歌「そもそもX-MENはどうやって梨子ちゃんの場所を特定するの?」
曜「そういえばプロフェッサーがハンク先生に…水風呂の準備だ!って言ってたよ」
千歌「水風呂!?」
花丸「水風呂で場所が分かるずらか!?」
ダイヤ「…おそらく"セレブロ"を使うつもりですわ」
善子「あー、多分それね」
曜「ヨハネちゃんずるいなぁ…」
ルビィ「そのセレブロって一体何ができるの?」
ダイヤ「プロフェッサーが使うことで地球上の人間やミュータントを探知できるのですわ」
千歌「地球上の!?全員??」
ダイヤ「えぇ、理論上はそうです。実際何がどこまで見えるのかまでは分かりませんが」
善子「もう、こうなったら、仕方ないわね。奪うわよ」
花丸「…な、何を奪うずら?」
善子「そんなのX-MENのジェット機に決まってるじゃない」
ダイヤ「無茶ですわね…それに奪ったところで飛ばせる人はいるの?」
果南「それなら私に任せて。既に授業で習ってるからね」
花丸「流石、上級生ずら…」
果南「前からX-MENに加入希望してる人は先取って色々習えるからね」 千歌「じゃあ、X-MENが乗り込む前に早速強奪しないと!」
ルビィ「でも、梨子ちゃんの場所が分からないんじゃ奪っても仕方ないんじゃ…」
善子「セレブロの場所は分かるの?」
ダイヤ「地下の通路の奥にあるはずよ」
曜「あーあの避難訓練で通る場所だよね。まるで別の建物かと思うぐらいすごく綺麗な」
ダイヤ「ただしセレブロのある部屋は厳重にロックされていて、プロフェッサーにしかドアは開けられないですわ」
ルビィ「一緒に入れるわけもないよね…」
善子「よし、千歌ちゃん、変身よ!」
千歌「え、誰に?」
善子「そうね、穂乃果さんになりましょうか」
千歌「え、えぇ!?!?そ、それはちょっとぉ///…」モジモジ
善子「何、デレデレしてんのよ…」
千歌「いやぁ…穂乃果さんは憧れの人だからちょっと抵抗あるなぁって…」
曜「えー、部屋で1人のとき変身してポーズ取ったりしてることあるじゃん」
千歌「ちょ!?よよよよよ曜ちゃん!?!?」
善子(ナチュラルに覗き行為してることぶちかましてきてる…) 善子「とにかく!千歌ちゃんはX-MENの誰かに変身して、曜ちゃんと一緒にセレブロまで行って」
善子「そこで千歌ちゃんが上手いことリリーの場所を聞き出すのよ」
千歌「覚えられるかな…」
果南「確かあのジェット機には位置情報データを外部からセットできるはずだから、そのデータさえあれば」
千歌「責任重大だね…」
善子「その間に私たちはジェットに乗り込んで飛ばす準備をしましょ」
善子「X-MENより先にジェット機を飛ばすのよ」
善子「きっと…不本意でないとしてもリリーが傷つけられる…X-MENが一緒なのはそういうことでしょ」
果南「……」
鞠莉「とにかく時間がないわ、急ぎましょ!」 チャールズ「よし、始めよう」
ハンク「意識は繋げようとしない方がいい。逆に意識を乗っ取られるとこちらも面倒になる」
チャールズ「あぁ、分かってる。あくまで位置の特定だ。まぁあれだけ大きな力じゃすぐに分かりそうだが」
千歌(穂乃果)「緊張してきた…」
曜「いい…行きますよ…」
千歌(穂乃果)「……なぜ敬語なのだ…」
曜「いやなんかその見た目じゃ…」
曜「…よし、じゃあ穂n…千歌ちゃんだけ中に通すよ」
千歌(穂乃果)「任せて…」
千歌(穂乃果)(ヨハネちゃんの力で変身のクオリティも上がってるはずだし…大丈夫、大丈夫)
千歌(穂乃果)(あ!アレはプロフェッサーとハンク先生…)
千歌(穂乃果)(……)
千歌(穂乃果)(学園の下にこんな場所が…)
千歌(穂乃果)(うーん…どうすればいいか分からないけど、とりあえずストレートに聞いてみよう!)
千歌(穂乃果)「おーい!」 ハンク「!?」
ハンク「いつの間に!?」
千歌(穂乃果)「やだなぁ、ドアが閉まる直前に入ったんですよ!」
チャールズ「…」
千歌(穂乃果)「そ、それでぇ場所は分かったんです…か?」
ハンク「…」
ハンク「とりあえず位置情報データを渡しておく、私は学園に何かあったときのためにここに残るが、チャールズは任せたぞ」
千歌(穂乃果)「りょ、了解であります!」
千歌(穂乃果)「先に行ってますねー!」
ハンク「…なんだか様子がおかしいような」
チャールズ「…」
チャールズ「止めてもきかんか…」
チャールズ((任せたぞ…若きミュータントたち)) ージェット機内ー
ルビィ「うわぁ!カッコいいスーツがいっぱい!」
花丸「皆これを着ればまさにチームって感じだね」
果南「実際、耐久性も高いし着るべきだね。まさか正式にチームに入る前に袖を通すことになるとは思わんかったけど…」
善子「黒がベースなんて中々センスが良いわよね」
善子「黄色がベースのド派手なスーツとかじゃなくて安心だわ」
((任せたぞ…若きミュータントたち))
善子「!?」
善子「プロフェッサー?」
善子「…」
善子「…ありがとう、プロフェッサー…」
ダイヤ「大変!!」
花丸「どうしたずら!?」
ダイヤ「格納室までのA通路に千歌さんたちより先にX-MENが着てしまいましたわ!」
鞠莉「B通路のカメラ映像を見て!千歌ちゃん達よ!」
鞠莉「これじゃ鉢合わせちゃうわ!」 ーA通路ー
穂乃果「今回の任務はかなり手強いらしいけど…皆生きて帰ろうね」
ことり「うん!…梨子ちゃんも、梨子ちゃんも連れて…帰ってこよう!」」
絵里「そうなればいいけど、覚悟の決めどころも必要なのは忘れないようにね」
ぅぉぉぉぉぉぉぉ…
穂乃果「何か叫び声が聞こえるような…」
うおおおおおおお!!!!!!
穂乃果「ほ、穂乃果がはははは走ってくる!?!?」
失礼しまああああああす!!!!!
穂乃果「行っちゃった…」
海未「…って!?今、位置情報データを持っていました!」
真姫「ちょっと!ジェット機を盗むつもりじゃないの!?」
穂乃果「お、追わないと!!」
千歌&曜「逃げろおおおおおおおお」 鞠莉「なんとか追い抜いたみたいだけど、このペースじゃ、そのまま彼女たちも機内に乗り込んでしまうわよ!」
ダイヤ「くっ、不本意ですがX-MENに牽制攻撃をするしか…」
善子「だったら私が食い止めて、後から空を飛んで追いつけば…」
果南「意味が無い!それじゃ勝算が無さすぎる…相手はX-MENで、それもフルメンバーなんだよ…」
千歌「もおおお追いつかれちゃうよおおおお」
曜「あと少し!あと少しなのに!」
千歌「てか、なんか寒っ!?」
千歌「…うんっ!?寒い?」
曜「千歌ちゃん、これってもしかして!」
「やれやれ、ほんと世話が焼けるんだから…」
「ここは先に行ってください!」
千歌&曜「この声は!!」 恵子「千歌ちゃんたちと穂乃果さんたちの間に大きな氷の壁が…」
ルビィ「まさか!」
聖良「意地でも食い止めますわよ、理亞」
理亞「えぇ、言われなくても姉様」
千歌&曜「聖良さん!理亞ちゃん!」
理亞「いいから早く!」
千歌「ありがとうね!!」
聖良「梨子さんは頼みましたよ!」
曜「任せて!!」
穂乃果「うわぁなんて分厚い氷なんだろ」
真姫「下がって!私の炎で!!」
聖良「くっ…すごい…2人でも追いつかないほど炎の威力が、、これが前線チーム…」
理亞「ま…時間稼ぎとしては文句なしのはずだし…」
理亞(頼んだわよ…ルビィ、花丸…ヨハネ!」 花丸「2人が乗り込んだずら!」
ダイヤ「発進して!」
果南「オッケー!!」
千歌「ハァ…ハァ…これ位置情報」
鞠莉「お疲れ様ちかっち。ゆっくり休んで」
善子(リリー…待っててね…)
果南「とりあえず、梨子のとこまでもう少し掛かるね」
果南「しばらくは自動操縦にさせてもらうよ」
ダイヤ「しかし、位置情報によれば海辺にいるなんてね。何が狙いなのかしら…」
ルビィ「理亞ちゃんと聖良さん大丈夫かな…」
花丸「まぁ何かされるわけでもないし大丈夫だよルビィちゃん」
ルビィ「花丸ちゃん…うん!そうだよね!」
花丸「まぁこっぴどく叱られてはいるかもしれないけど…」 果南「…」
果南「ヨハネ、ちょっといい?」
善子「?…えぇ」
果南「もう1人の梨子に対抗できるのはヨハネの力だけ…さっきそう言ったね」
善子「えぇ…プロフェッサーもそんなようなこと言ってたわ」
果南「おそらく私も彼女の力に耐えることだけならできる」
善子「ほんと!?」
果南「私のこの治癒能力ならね…どんな激痛、苦しみを感じるかは未知数だけどね」
善子「ありがとう…一緒に説得してくれるってわけね」
果南「まぁね…でも、」シャキンッ!
果南「この爪を突き刺すことだってできる」
一同「!?」 善子「ど、どういう意味を」
果南「さっき"X-MENがいるのは不本意でも梨子を傷つけるためだ"みたいなこと言ってたよね?」
善子「え、えぇ…」
果南「私も同じだから…」
善子「…は?」
果南「昨日も言ったように、私は覚悟を決めた上でX-MENへの加入を目指してるの。自分と向き合う覚悟もしてるつもり」
果南「もし、梨子に説得の効力もなく、世界の脅威になるっていうなら、私は友達の命より何十億っていう命、人間やミュータントの命を優先して救う」
果南「いくら恨まれようと、世界をそれで救えるなら、私は悪の汚名にだって耐える」
果南「それは梨子の力を恐れてとかじゃない、取り返しがつかなくなる前にやるべきことをやるだけ」
果南「そのときは私の敵にならないでよね…」
善子「…」
果南「じゃ…あまり寝れてないし少し仮眠を取ってくる…」スタスタ…
善子「…」
鞠莉「ヨハネ、果南は決して」
善子「分かってるわ。憎まれ役を買って出たことぐらい」
善子「言ってることはド正論だしね」
善子「私も覚悟を決めなきゃね…」
善子(それでも…)
善子(絶対に全てを救ってみせる…) 保守していただいた中すみません…今日は終電帰りにより更新できませんでした… 梨子「感じる…アイツが近づいてくるのを!!」
梨子「都合が良いわ…完全に覚醒する前に消す…消す…」
梨子「それから、人間もミュータントも関係ないく全て滅ぼしてやる…私の力で……」
梨子「この力で…力で……」
ーーー
ーー
ー
善子「胸が疼く……リリーの力が増してるのね…」
善子「リリーが強くなる一方で私はこのまま…やっぱ不安になってくるわね…」
ルビィ「ヨハネちゃん」
善子「ルビィ、花丸」
ルビィ「ヨハネちゃんがプロフェッサーが聞いた対抗できる力ってさ。多分すごい堕天使パワーに溢れた力で…攻撃的な部分もあるのかなとは思うんだけど」
花丸「でもね、まるとルビィちゃん、それに他の皆が思うヨハネちゃんの力ってそういうことじゃないと思うの」
善子「…」
花丸「ヨハネちゃんは、力の事を知っても会ってすぐに、まるの手を握ってくれたずら」
ルビィ「私が力に目覚める前も、その後もずっと一緒にいてくれたよね」
善子「!」
花丸「それにヨハネちゃんが手を取ってくれたから、まるたちは自分の殻を砕くことができた!」
ルビィ「色々あったけど、初めて皆でお出かけしたことは今でも思い出しちゃうぐらい楽しかった!」
ルビィ「誰であろうと、どんな人であろうと、手を差し伸ばして真っ直ぐその人と向き合うことができる…ヨハネちゃんは本当に善い子だと思う!」
花丸「そんなヨハネちゃんの周りは笑顔が絶えないずら。きっとヨハネちゃんの能力はきっと幸せを創造することに違いないずら!」
善子「2人とも…そんな風に思ってくれてたなんて…」
善子「ありがとう…」 花丸「もーう、お礼を言うのはこっちずら」
善子「さ、はやいとこ9人で帰りましょ!」
ルビィ「うん!」
「善子の善って字にはね、人と仲良くするなんて意味もあるのよ?」
「人の見本になれ!完璧になれ!なんてことは言わないわ」
「でもね、誰かのために思いやりを持てる人になってほしい。それがママの想いかな」
善子(ママ…私、ママの想いに応えられてるのかな) 鞠莉「そろそろ、目的地ね」
ダイヤ「まずは、寝坊助果南さんを起こしてきます」
果南「誰が?寝坊助だって?」
ダイヤ「あら、いつの間に」
鞠莉「どうせ、ヨハネにあれだけ言ったはいいものの、上手くその場を離れなくてとっさ的に嘘でもついたんでしょ」
果南「そ、そんなことどうでもいいじゃん!」
ダイヤ「相変わらず不器用な人ですわ」
鞠莉「クス…ダイヤがそれを言う?」
果南「ハハハ、確かに」
ダイヤ「な!鞠莉さんはともかくあなたは笑える立場ですの!」
3人「……」
3人「あははは!」
鞠莉「3人とも頑固で、力も強大だから、会った時からぶつかり合うこともあったけど…」
ダイヤ「なんだかんだで…」
果南「お互いの気持ちは繋がってた…」
鞠莉「例え、この先お互いの道が違う場所に向かうとしても」
果南「想いは同じって信じてる」
ダイヤ「そして、その想いを後輩たちへも繋げていけるよう」
鞠莉「梨子を連れ戻して家に帰りましょう!」
果南「私たちが繋げてたい未来のためにもね」 千歌「曜ちゃん、覚えてる?初めて梨子ちゃんが入園した日のこと」
曜「うん!記憶も曖昧だからか性格もおとなしくて、すごくモジモジしてて、可愛かったね」
千歌「何度遊びに誘っても、ごめんなさい!って振られ続けちゃって」
曜「そうそう!あの時の千歌ちゃんのしつこさは流石だったけど、梨子ちゃんも中々手強かったなぁ」
千歌「でも、少しずつ心開いてくれて…いつしか毎日一緒に遊んで」
曜「後から、心を読み取ったから私たちの想いが言葉以上に伝わったって話を聞いたときはちょっと恥ずかしかったけど」
千歌「それは、私たちの想いを受け入れてくれたってことで」
曜「それから3人の気持ちは一つだった」
千歌「今は…正直、ヨハネちゃんと果南ちゃんに頼るしかないけど」
曜「私たちの想いはまた伝えてあげないとね!」
千歌「うん!」 梨子「来たようね」
梨子「プロフェッサーを連れずに来たのはラッキー。賭けで学園を離れたのは正解だったようね」
鞠莉「あそこ!」
ダイヤ「…なんておぞましくも美しい姿…まさにフェニックスの名がふさわしいですわね…」
果南「ひとまず、着陸するよ」
善子「皆はこのジェット機の下から動かないで」
千歌「ヨハネちゃん…」
善子「ここならリリーに声も届くと思うし気持ちを強く持ち続けましょ、…でもいざってときはこれに乗ってすぐに逃げてね」
果南「テキストもコクピットにあるし、操縦はどうにでもなるはず。上さえ行けば自動操縦もあるしね」
鞠莉「ま、帰りの操縦はあなたに絶対してもらうけどね」
善子「さ、行きましょ」
果南「えぇ、言われなくても」 梨子「よく来たわね!力の覚醒なんて1mmもしてないってのに…その勇気だけは褒めてあげましょう堕天使善子ちゃん♪」
善子「…ヨハネよ。あなたはあなたでこんな海辺まで飛んできて何が狙いよ」
梨子「私にとっての脅威は覚醒したアンタ、もしくは少しの力でも目覚めたアンタとプロフェッサーが手を組むことよ」
梨子「だからここまで来ればプロフェッサーだけでも先に来て潰せると思ったわけ。まさか力に目覚める前のアンタを連れてくるとは思わないしね」
梨子「そしたら、アンタが1人でのうのうとやってきたわけ!こんなラッキーなことないわ!」
善子「残念ね。不運な堕天使ヨハネがここにいる限りラッキーなんて起きやしないわ」
善子「それに本当に私が1人に見える?」
梨子「ふん、いるもいないも同じ連中、ただの雑魚じゃない。ま、ヒーリングファクター持ちはちょい面倒ね」
梨子「でも、いくら回復できてたって自分が崩壊して元に戻る苦しみに耐えられるかしらね?」
果南「悪いけど、痛みとか苦しみなんてどうでもいい。梨子は連れ戻させてもらうから」
梨子(イラッ…) 善子「リリー!!聞こえる?、あなたもコイツに言ってやりなさいよ!!こんなことやめなさいって」
善子「また、一緒に遊びましょう!なんだったらそこにいる分からずやも一緒にね」
梨子「…元々は…元々は私の身体なの…それなのに…私より生き生きと…今更のうのうと…できるわけ…」ゴゴゴゴゴゴ
善子「!?、一気に力が!」
果南「ヤバイ!!」
梨子「ウワアアアア!!!!!!」ドカアアアアアアアン
善子「キャアアアア!!…」
「ヨハネちゃあああん!!」
善子(あれ……身体が浮いてる…いや衝撃で吹っ飛んでるだけ?…)
善子(身体が動かない……おかしいわね…空を飛ぶのは慣れてたはずなんだけど…)
「ヨハネちゃん!」
「ヨハネちゃんしっかり!」
善子(こんなあっけなく、やられちゃうわけ?…)
「ヨハネちゃああああん!!」
善子(分かってた気がする…こんな私が…これだけの力に敵うわけないじゃない…) 梨子「憎い憎い憎い憎い憎い…全てが憎い……」
果南「な、なんてパワーなの!?」
果南「!」
果南「梨子の周辺がパワーで崩壊してる!?」
果南「岩も、地面も何もかもが崩壊してる…」
果南(いくら私でもあの中に突っ込むなんて…)
果南「くっそおおおおおおお」ダダダダダ
梨子「ぐううううあああ消えろおおおおおおおおお」
果南「…こんな攻撃ぃぃぃ!!」
ルビィ「ヨハネちゃん!ヨハネちゃん!グス…」
花丸「起きるずら!!あのときみたいにすくっと起きるの分かってるんだから早く…起きるずら」
ダイヤ(果南さんもかなりマズイですわね…あんな…皮膚がえぐれては回復してえぐれるなんて…いくらなんでも…)
ダイヤ「うっ…果南さん!!も…もう!やめ 鞠莉「もうやめて!果南!!」 ーーー
ーー
ー
善子「あれ…私…」
善子「もしかして…」
善子「って!?」
善子「なによこれ…周りを見渡せば全てが崩壊した世界じゃない…」
善子「リリーが…リリーが全部塵にしたっていうの!?」
??「それは違う」
善子「……プロフェッサー!?……そう、これはあなたが見せている未来ってわけね」
チャールズ「私が見せているというよりも、君が内で思い描いている未来のひとつだ」
チャールズ「今はその未来に最も近づいているがね」
善子「……なら、結局こうなる運命ってわけね…」
善子「リリーを止められず…」
チャールズ「我々が導けば そうならない」
善子「今更、信じてるっていうの?リリーを…私を…」
チャールズ「誰かが道を誤っても、希望が絶たれたわけではない」
チャールズ「わずかな助けで救えることもある」
善子「私は…仲間の協力もあってリリーから逃げずに前を見れた…でも結局は声も届かなかった。力も覚醒しなかった…」
チャールズ「恐れる心を、君の秘めたる力が感じ取った」
善子「!…だって、だって!あんなに巨大な力に対抗できる力なんて言われたら…私自身が暴走する可能性だって0ではないじゃない!」
チャールズ「…君はもう…覚醒しているんじゃないか」
善子「え?…」 果南「グゥゥゥゥ!!ウゥゥ!!」
果南「やっと…うっ!…目のと鼻の先まで…来れたね…」
梨子「ガアアアアア!!!」
果南「くっ…完全に暴走してる…」
千歌(果南ちゃんが梨子ちゃんまで辿り着いた…)
(果南「世界の脅威になるっていうなら、私は友達の命より何十億っていう命、人間やミュータントの命を優先して救う」)
千歌(本当に梨子ちゃんを…梨子ちゃんを……)
果南「梨子…」
果南「……」
果南「ハグッ!!!!」
ギュッ!
千歌(!?)
果南「ヨハネえええ!!私が耐えられるうちに早く起きなさああああああい!!!」
梨子「クッ…グッ…うぅぅぅぅぅぅ」 ーーー
ーー
ー
チャールズ「私も気づかなかったよ…まさか出会う前から完全覚醒していたなんて」
チャールズ「君は幼少期に力が目覚め、"ヨハネ"となった」
チャールズ「そのとき、力に溺れることもなく、また恐れることもなかった」
チャールズ「だからこそ、完全に覚醒したうえで、すぐに全てを制御して…いや制御できていたんだ」
善子「私がずっと制御していただけ…」
チャールズ「恐ろしいかもしれないが、恐怖は君を強くできる」
チャールズ「君がその恐怖を捨てず、受け入れれば」
チャールズ「自分でも想像できないほど強くなれる」
チャールズ「それこそが私たちが持つ、最大の能力なのだ」
チャールズ「恐怖からの苦しみに負けず、耐えるという能力」
チャールズ「その源は人間に備わった最高の力」
チャールズ「希望だ」
チャールズ「堕天使ヨハネ。いま一度、希望を持ってくれ」
善子「……」
善子「恐怖を受け入れる…」
(花丸「ヨハネちゃんは、力の事を知っても会ってすぐのまるの手を握ってくれたずら」)
(ルビィ「私が力に目覚める前も、その後もずっと一緒にいてくれたよね」)
(ルビィ「誰であろうと、どんな人であろうと、手を差し伸ばして真っ直ぐその人と向き合うことができる…ヨハネちゃんは本当に善い子だと思う!」)
善子「受け入れるってそういう…」
善子「不思議ね…結局、自分のことが1番…」
善子「……フフ」 果南(ヤバ…そろそろ限界かも……)
果南「皆…ゴメ…」
果南「………!?」
果南「あの光は!?」
千歌「よよよよよヨハネちゃんが急に輝いてビカーン!!って!!」
曜「み、見てたから分かるよ!」
ルビィ「綺麗…」
花丸「黒い羽なのに…堕天使色なのに…」
ダイヤ「まるで天使のような美しさ…」
鞠莉「これが真の…真の力なのね!!」
善子「待たせたわね…皆。果南も無理しちゃって…」 果南「優雅なのは…いいけど……グッ…早く、助けてくれないかな?」
善子「ハッ!」
ルビィ「一瞬で、梨子ちゃんのところに!」
善子「ハァァァァァ!!!!」
梨子「うぅぅわぁぁぁああああ」
果南(あれだけの力を一瞬で吸い取った?いや…消し去った?)
善子「ありがとう!もう大丈夫よ。時間稼ぎとしてはだいぶいい感じだったわ!」
果南「フン!…当たり前でしょ」スッ
鞠莉「大丈夫!?果南!」
ダイヤ「もう…流石に無茶でしたわよ…」
果南「後はヨハネに任せよう…」 梨子「クッ…」
善子「オーバーヒートしていたみたいだけど、暴走が解けたようね」
梨子「…完全に覚醒したか……」
善子「恐怖を受け入れてね」
梨子「受け入れた?…フフ、恐怖などとっくに克服した私にとっては甘い話ね」
善子「克服?…あなた、今でも怖いんじゃないの?自分が受け入れてもらえないっていうことが」
梨子「!」
梨子「そんなわけ…」
善子「いくら怒りや憎しみを糧にして、力をぶつけても、自分以外を滅ぼしても、自分と向き合わない限り、恐怖は消えないわ…」
梨子「さっきから勝手なことを!」
善子「あなたが人生で感じてきた悔しさ、プロフェッサーの封印、そしてもう1人のあなたが楽しく過ごす時間への嫉妬…全てが繋がってこそ今のあなたよ」
梨子「なによ、惨めな姿だっていうの?」
善子「別に私はあなたの生き方を否定する気は無い」
善子「でもね、これからの未来は自分で変えられるものなの」
善子「あなたが今1度自分と向き合ってくれるなら…未来は私たちと共にあるはずよ。明るい未来へとね」
梨子「…」
梨子「私を…滅ぼす力を持ちながらなぜそこまで…そこまで"リリー"が大事?」
善子「滅ぼす力なんてないわ。あなたが破壊のミュータントなら…私は創造するミュータント。だって幸せを創造するミュータントらしいからね」
善子「それにリリーも大事なのは確かだけど、あなただって救ってあげたい」
善子「見てられないのよね。あなたみたいなの。前にも散々見たから」
善子「一緒に遊びたいのに図書室から出られない人とか、変に意地っ張りで自分の気持ちに気づけないで悩み抱えた人とか」 梨子「…突然力が暴走するかもしれないんだぞ?」
善子「だったら、また余分な力だけ消してあげるわよ」
梨子「…フン、アンタがいる以上私にはなす術はないってわけね…」
梨子「……勝手にしなさい」
梨子「…」バタッ
千歌「梨子ちゃん!」
善子「大丈夫よ」
梨子「う…うぅん。アレ…私…」
梨子「あれ、よっちゃん…なんか…随分神々しいね…」
善子「寝ぼけてるようね…」
曜「わーい!!梨子ちゃんが戻った!!」
千歌「やったあああああ!!」
ルビィ&花丸「ヨハネちゃあああああああ!!」
鞠莉「さ、帰りましょ。果南の操縦で」
ダイヤ「そうですわね」
果南「ミュータント使い荒すぎぃ…」 ーーー
ーー
ー
善子(それから学園に戻った後はこっぴどく叱られた…)
善子(勝手な行動をしたとはいえ、ねぇ…多めに見てもいいじゃない)
善子(リリーにはあの後、自分の身に何が起きたのかを全て伝えた)
善子(最初は、自分の意思が本来あるべきものじゃないってことにショックだったみたいだけど)
善子(すぐに"もう1人のリリー"が慰めてたわ。まぁいい関係なんじゃない)
善子(今にして思うと、わざわざ海辺に飛んで行ったのは、暴走前に僅かな意識の中で少しでも人の少ない場所に行ったのもしれない)
善子(いざ暴走がなくなれば、それぐらい彼女も"善い子"って分かったの)
善子(案外…似た者同士だったのかしらね)
善子(私がもし心ない人と接し続けたらあぁなっていたのかもしれないのかな…なんてね)
善子(ま、これからは…いやこれからも!とにかく楽しくやっていけそうね) チャールズ「ヨハネ、ちょっといいかな」
善子「何?プロフェッサー」
チャールズ「今回の一件では本当に素晴らしいほどの成長を遂げたな」
善子「まぁね!…あなたのおかげよ」
チャールズ「私は助言したに過ぎん。その先の道を切り開いたのは君自身の力だ」
チャールズ「そこで、色々迷惑も掛けたお詫びも兼ねて、何か学園に欲しいものなどはあるか?可能な限り応えよう」
善子「ほんと!!!じゃあ…ゲームセンt……」
善子「…」
チャールズ「?」
善子「じゃあ…」 梨子「よっちゃん!!ありがとう!!」
善子「お礼ならプロフェッサーに言いなさいよ」
梨子「でも、よっちゃんがお願いしたんでしょ?」
善子「別に私は、この学園に音楽室はおろかピアノすらなかったから欲しいって言っただけよ」
梨子「もう、カッコつけちゃって」
ルビィ「相変わらずお優しいねぇ〜」
花丸「そうずらねぇ〜」
善子「茶化すんじゃないわよ!」
善子「…今度ピアノ聴かせなさいよ」
梨子&梨子「うん!」 ーーー
ーー
ー
善子「小さい時から私は普通の人間とは違っていたの」
善子「黒い羽を生やすことができて、火を自在に操って、その気になればサイコキネシスも使えた」
善子「あと…何かと運が悪かったり……」
善子「そ、ミュータントってやつ」
善子「でもね、私はずっと思ってきたの」
善子「私は神様に恨まれて下界に舞い降りた堕天使ヨハネなんだってねーー」
「堕天使ー?」
「サイコキネシスも使えるのー!」
善子「そういうこと」
善子「あなたたちの中にも私と同じようにミュータントの人がいるし、ここの学園長のプロフェッサー鞠莉だってミュータントよ」
善子「そして、ミュータントのような力はないって人ももちろんいると思う」
善子「でもね、皆同じ人間だってことは忘れないで」
善子「それに力があるからって得ばかりじゃない。時には大きな壁に当たることもある」
善子「そして、力がないからこそ、壁に当たる人も」
善子「そんな人を見かけたら、皆は手を伸ばしてあげて」
善子「そして、互いに理解し合おうとしてほしいの」
善子「私たちは助け合える。喜びも苦しみも共有しあえる」
善子「例え、人間だろうとミュータントだろうとね」
ガラガラッ「ヨハネせんせー!!」
善子「何?」
「大変です!!エジプトで!エジプトで!」
善子「今行くわ!」
善子「皆、ゴメンね。だいぶ脱線しちゃったけど今日の授業はここまで。予習だけしといてね」 花丸「遅いよ、ヨハネちゃん」
ルビィ「お姉ちゃんたちに置いてかれちゃうよ」
善子「どうせ、千歌ちゃんたちがまだ来ないわよ」
善子「ヤバそうな事件なだけあって、穂乃果さんたち"元祖"も出撃してるらしいじゃない。あっちが先に着いちゃってそうね」
果南「ほら!来たなら乗って乗って!」
鞠莉「もー、あっちのプロフェッサーに先を越されちゃうなんて」
ダイヤ「いくらこっちの設備が揃ってても経験値の差がまだでかいですもの」
千歌「待ってえええええええ」
曜「置いてかないでええええ」
梨子「ちょっとー2人ともぉぉ」
梨子(相変わらず足遅いわね…)
梨子「う、うるさーい!」
千歌「あれ?今日は10人?」
ルビィ「聖良さんと理亞ちゃんは修学旅行の引率だからね」
果南「もう…あなたたち自覚あるの? 私たちはー」
鞠莉「私たちはー」
ダイヤ「私たちはー」
千歌「ハァハァ…ハァハァ…私たちはー」
曜「私たちは!」
梨子&梨子「私たちはっ」
ルビィ&花丸「私たちは!!」
善子「私たちは、、」
10人「X-MEN!!」 これで終わりです
初SSだったので読みづらい部分など多々あったと思いますがお付き合いありがとうございます
スレタイだけ思いついて発想を広げましたが、なにせ映画シリーズしか見たことないので
題材というよりは設定だけお借りした形になりました
フェニックス絡みとかシリアス要素少ないですが…
個人的に黒澤姉妹から始まるパシリムSSとか見たいので誰かお願いします。 完結乙
X-MEN見たことなかったけど面白かったぞ 面白かった、乙
ルビィちゃんあたり死ぬんじゃないかと思ってヒヤヒヤしちゃったぜ… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています