善子「ふたりのヨハネ」
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〜善子の部屋〜
善子「ククク……クフフフ……」
善子「買ってしまった……ふふ、買ってしまったわ」
善子「悪魔の鏡!」
【悪魔の鏡】※ヨハネ命名
学校の帰り道にたまたま見つけた怪しい骨董店で買った鏡。
小さな手鏡のように見えるけれど、鏡面じゃない方を光に翳すと鏡面がぼんやりと輝いて見えるの。謎のアイテム感がヨハネ的に高ポイント!
善子「店の主人が言うには……おのれの心を実体化させるらしいんだけど……」
善子「ふふ、そういう曰く付きなアイテムが一番ポイント高いのよね」
善子「明日ルビィとずらまるに自慢しよーっと」
『善子〜? そろそろ寝なさーい』
善子「善子言うなー! もう……分かってるわよ寝るわよ」
カチッ(消灯)
善子「わ、月明かりがすごい」
善子「ククク……このような夜は我が魔力が高ぶる夜……ふふふ、今宵はいかなる魔力を我がリトルデーモン達に授けようか……」
善子「んふふ、でも今日は自分の魔力を溜め込む日だけどね」 善子「はあー……もうちょっと鏡見てたかったのになぁ」
善子「にしても……そっか、今日は満月なのね。そりゃ明るいわけだわ」
善子「あ、それじゃあ」スッ
善子「……やっぱり、月明かりでも綺麗に輝くんだ」
善子「ふふ、綺麗……いいわ……うふふふ」
善子「センパイあたり食いついてくんないかしら……みんなノリ悪いのよねえ」
善子「こんな時に私にバッチリ共感してくれるリトルデーモンがいたらいいのに……」
善子「……ま、私がもう1人いるのが一番手っ取り早いんだけど、それはちょっと違うわよね」
善子「どうせなら……本当の堕天使ヨハネ、とか」
善子「……懐かしいな、昔、私は自分のことを天使だと思ってて、いつか迎えに来てくれるんだって考えてた」
善子「まあ……結局来てくれなかったから、堕天使になったわけだけど」
善子「やだやだ、なんか感傷的になっちゃって」
善子「さてと……ゲームやって寝るか。今日は何を…………」
────その時、私は気づかなかった。
月明かりに翳した鏡から発した光────
それより生まれた私の影が。
微笑んだことを。 〜翌朝〜
善子「ぐぅ……zzz」
善子母(ドア越し)「善子〜! 朝よ起きなさーい! よしこ〜!!」ドンドンドン
善子「もう5分……」
善子母「遅刻しても知らないからね! 起きなさいほら!!」
善子「んんん〜…………」バフッ
善子(あと5分くらい良いでしょ……あったかお布団の魔力は堕天使ヨハネでも逃げられないのっ)
ガチャッ
「ごめんなさい、ちゃんと起きてるから怒らないで?」
善子母「あ、起きてたの…………ってあんた、なんで裸なの!? さっさと服着てご飯食べなさい、お母さん先に仕事行くからね!
「ええ、わかったわ。あとヨハネだから、間違えないで」
善子母「はいはい……」
バタン
善子「────へ?」
善子(……………………誰?) 善子(しかも……え、しかも今の声……)
バサッ
善子「………………は?」
「あら、起きた?」
善子「……は、は……は……ぇ……?」
「おはよう、私」
善子「な……え、え…………」
「ちゃんと目は覚めているかしら?」
善子「なん、で……わた、私が……目の前に……?」
「あ、言っておくけれどアニメでよくある入れ替わりではありません。あなたはちゃんと津島善子だし、私も見ての通りの存在よ」
善子「────きゅぅ」バタリ
「え、ちょっと!? さすがに理解が追いつかないのは認めるけど倒れるのはやめてもらえないかしら!?」
「一応言っておくけど親たちに見られたら善子が2人!って展開から逃げられないんだから!!」
「ちょっとほら起きなさいって! ちょっとー!」ユサユサ
────そう。
私が目を覚ますと、目の前には全裸の私がいたのである。
何がおかしいって、全てがおかしいに決まってるでしょ?
こんなの、現実に起こるわけないじゃないの!!! 〜10分後〜
善子「……ええと、つまりあなたは」
「ええ、もうひとりのあなたということになるわ。でもクローンというわけではないわよ? SF映画ではあるまいし、遺伝子を分けてもらったわけではないから」
「でも、あなたが希望するならお母さんと呼んであげても構わないわよ?」
善子「自分にお母さんとか言われたくないからまじやめて」
「ちょっとしたユーモアなのに」
善子「そんなユーモアいらないわよ……」
「ふふ、でも私のことをもっとよく知れば驚くと思うわよ?」
善子「……なに?」
「じゃあ見せてあげる────」パアァ
善子「え、えっ……ちょ、なんか光ってるけどあんた何するつもr」
「はあっ!」バサッ!!
善子「……」
「どうかしら? あなた好みだと思うんだけど、だって私が好きだし!かっこよくない!?」
善子「…………」
「……ねえ? ちょっと、反応してよ」
善子「……………………おおおおーーー!!!」
「!!」 善子「羽生えた!!!! しかも黒!漆黒の翼!」
善子「ねえ、ねえ!ばさばさってやって!」
「こう?」バサバサ
善子「きゃーーーーー!!!!」
「ふふ、喜んでもらえて何より、かしら」
「ならば呼びなさい、崇高なる我が名を」
善子「もう認めざるを得ないようね……ええ、呼んであげる! あなたの名前は津島善k」
ヨハネ「────そう、我が名はヨハネ! 堕天使ヨハネよ!」
善子「ヨハネは私のなのー!」
ヨハネ「バカを言わないでもらえる? ならあなた、翼出せるの? 魔法使えるの? 使い魔とか召喚できるの〜?」
善子「出せない……けどぉー!」
ヨハネ「ふふ、大丈夫よ。私はあなたの味方、だってあなた自身だもの」
ヨハネ「あなたが感じた辛いこと、苦しいこと、悲しいこと、全て私が受け止めてあげる」
ヨハネ「この堕天使ヨハネが!!」
善子「くっ……なんかかっこいいのが腹立つ……」
ヨハネ「かっこいいでしょ? 当然よ、だってヨハネなんだもんっ!」
善子「ドヤ顔すんなっ!」 ヨハネ「クックック……それにまだまだ隠された力があるのよ───」
ポーンポーン
ヨハネ「ん?」
善子「あっ」
ヨハネ「え?」
善子「ああぁあぁあぁぁ……!!」
ヨハネ「え、何?どうしたのよ」
善子「遅刻!!!!」
ヨハネ「ああ、学校」
善子「やばいやばいやばい着替えないと……!」バタバタバタ
ヨハネ「大変ねぇ」
善子「ちょっとなに優雅に椅子に座ってるのよ!しかも全裸で!なんか色々見えてるから! いい加減服着て!」
ヨハネ「いいじゃない、別に減るものではないし。見てる相手も自分だし」
善子「それが尚更恥ずかしいってーの! ああもう時間がないのに……」
ヨハネ「ほんと大変ねー」 善子「やばいやばいやばい……バス、間に合わない……うう、遅刻確定……」
ヨハネ「ま、ヨハネには関係ないけど」
善子「ないわけないでしょ! あんた、私なんでしょ!?」
ヨハネ「それはそれ、これはこれ」
善子「随分と都合のいい…………」
善子「────あ」
ヨハネ「?」
善子「ねえ……あなた、翔べる?」
・・・
善子「ぎゃぁぁぁあああ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
ヨハネ「あんまり喋らないで、舌噛むわよ」
善子「いや、いや無理ぃぃい!! 高い! 飛んでる!めっちゃ速い! やばい! さむーーい!」
ヨハネ「ったく……」
なんとか私の服を無理やり着せ、もう1人の私に空を飛んで学校まで連れて行ってもらうことができた。
翼ってやっぱりかっこいい!私も欲しい!なんでもう片方だけなの? ずるくない?
けど────これで認めるしかなくなった
この顔に当たる風の感覚、冷たさ、ぶらつかせた足先から背筋をよじ登る恐怖感
善子「紛れもなく現実だわ…………これ」
ヨハネ「なに? 何か言った?」
善子「なんでもなーーい!!」 みたいな感じで当然現れたヨハネと善子の生活を書いていきたいなと思っているよ 〜浦の星女学院・1年生教室〜
善子「ぐはぁあ〜……間に合った……」
ガラガラガラ
ルビィ「あ、善子ちゃんおはよ〜」
善子「おはよ……」
ルビィ「今日は早いね。いつもは遅刻ギリギリなのに」
善子「ま、まあ……ちょっと早起きしちゃって」
善子(そりゃあ飛べばバスなんかよりよっぽど速いわよね……)
善子「あれ、ずら丸は? いつも一緒でしょ、登校」
ルビィ「あ、マルちゃんなら図書室に用があるって言ってた。そのうち来ると思うよ」
善子「ふーん」
ルビィ「……もしかして、善子ちゃんはルビィよりマルちゃんの方が……」ウルウル
善子「えっ!? いや、あの……それは、ちょっと、からかわないでよ! ただ見えないから気になっただけでしょ!」
ルビィ「えへ、なんちゃって〜」
善子「ったく……」 善子「……じゃ、先にルビィにみせちゃお」
ルビィ「?」
善子「ほら、これ」スッ
ルビィ「小さな鏡?」
善子「なんだけど……ほら、照明に翳してみて」
ルビィ「ぅゅ……んんー……?」
善子「裏面を翳してるのに、鏡面が輝いてない?」
ルビィ「……あ、ほんとだ! すごい、なんで!?」
善子「でしょ! 昨日、帰りに変な骨董屋で買ったのよ〜」
ルビィ「え〜いいな〜」
善子「ふふ、でも残念ね、これが最後のひとつだったの」
ルビィ「あー……」
善子「でもまたそのお店教えてあげるわ、場所は覚えてるから」
ルビィ「うん、ありがと!」
ルビィ「わ〜……本当にキラキラして綺麗……」
善子「あげないわよ?」
ルビィ「分かってるよ〜」
ガラガラ
花丸「おはよう〜」
よしるび『おはよー』 花丸「あれ、ルビィちゃん、何を見てるの?」
ルビィ「これね、善子ちゃんが買った鏡なんだって」
花丸「鏡? 身だしなみを整えるために買ったの?」
善子「違うわよ……それとはまた別なの。ルビィ、教えてあげなさい」
ルビィ「うん!」
ルビィ「これね、見てて! こうやって光に翳すと……」
花丸「……わぁ〜! 鏡が光ってるずら〜……!」
ルビィ「ね!ね! 綺麗だよね!」
花丸「わあ、わあ、わあ……すごい、未来の技術ずら〜!」
善子(クックック……どうやら二人とも気に入ったようね。ふふ、やはり私の目に狂いはなかった)
善子(買ってよかった! あとあの店見つけてよかった!)
花丸「ねえねえ善子ちゃん、この鏡────」
善子「はあ?! ちょっと何言ってんのよ、返して────」 〜授業中〜
教師「────となるので、この式の形は何度も見たね? じゃあ使う公式は────」
善子(……それにしても、あの『私』)
善子(屋上で待つように言ったけど……ちゃんといるのかしら)
善子(次の休み時間にジュースでも買って持って行ってあげるか)
善子(はあ…………暇)
善子(授業受けてる私がこんなに暇なんだし……あいつはもっと暇なんでしょうね)
善子(次は暇潰しにゲームでも持たせて────)
バサッバサッ
ガサガサ
善子「……は?」
ヨハネ『!』ニコッ フリフリ
善子「」 善子「ちょっ────!?」ガタガタ
教師「津島さん?」
善子「え、あっ」
教師「そんなに勢いよく立ち上がって……そう、その熱意に先生は感動した! じゃあこの問題、津島さんが解いてくれ!」
善子「いや、あの……その」
教師「さあ!」
善子(やらかした〜〜!!!) ・・・
ヨハネ「ふう」←教室の外にある木に隠れている
ヨハネ「あんまり暇だから善子の授業風景を見にきたんだけど……ちょうど問題を当てられたところだったのね」
ヨハネ「ふふ────一般人ならば臆する難易度の問題にも挑む姿、我が器ながら褒めざるを得ないわね」
善子『〜〜!! ……!!』
ヨハネ「ふむ……半分正解ってとこね、惜しい」
ヨハネ「しばらくは授業見るだけで暇は潰せる……けど、どうせ放課後まではもたないか。あとで部室でも見に行ってみようかしら」
善子『……!!』
ヨハネ「あ、善子」
善子『!! !!』
ヨハネ「上? あ、あとで屋上に来いってことね、はいはい」フリフリ
善子 `¶cリ`A´)|
ヨハネ(なに怒ってんのかしら) 〜休み時間・屋上〜
善子「なにしてんの!?」
ヨハネ「なにって、暇だから授業でも見ようかと」
善子「バレたらどうすんの!?」
ヨハネ「……ああ、そのことね」
善子「はぁ?」
ヨハネ「ふふ、私は堕天使ヨハネよ? 魔法でちょちょいとすれば、自分の姿を消すなんて造作もないわ」
善子「……いやいやいやいや」
ヨハネ「あ、でも善子からだけはどうしたって隠れられないけど」
善子「いやいやいやいや……嘘でしょ」
ヨハネ「ほんとだってば。朝もそれ使ったから誰にも騒がれずにここまで来たのよ? 普通、人が飛んでたら騒ぎになるじゃない」
善子「ぐっ……なるほど……」
ヨハネ「あ、証明する方法あるわ。カメラ出して、ケータイでいいから」
善子「何よもう……」スッ サッサッ 善子「なに、写真でも撮れば────あっ」
ヨハネ「わかった?」
善子「カメラに……映ってない」
ヨハネ「もちろん姿を見せればカメラにも」
善子「あ、映った……」
善子「……あんた何者よ! 魔女!?
ヨハネ「だから堕天使だって言ってるでしょ? あとヨハネって呼んで」
善子「くっ……ますます認めざるを得ない……」
ヨハネ「はやく認めれば楽になれるのに」
善子「ぐぬぬぬ……って、もう授業だわ」
ヨハネ「もう? 暇になるわ〜……」
善子「はい、これ」ガサ
ヨハネ「なに?」
善子「ジュースとパン。私の好きなやつだから、あなたも好きでしょ」
善子「購買で買ってきたから朝ごはんにしといて」
ヨハネ「いいの?」
善子「お腹空くでしょ?」
ヨハネ「……ふ、私は堕天使ヨハネよ? 空腹など」グゥー
ヨハネ「……」
善子「ほら」
ヨハネ「……ありがと」
善子「ふ、堕天使ヨハネはリトルデーモンへの施しを忘れない……」
ヨハネ「ヨハネは私なんだけど!」
善子「私がヨハネよ! って、早く行かないと! いい、動いてもいいけどあんまり変なことしないでよね!」
ヨハネ「はいはい」フリフリ
バタン! バタバタバタ
ヨハネ「……」
ヨハネ「私のこと嫌ってる風な言い方して────ふふ」ガサガサ パクッ
ヨハネ「もぐ……あ、うま」 ・・・
ヨハネ「ペロリ……さて、と」
ヨハネ「お金はないし、ゲーセンにも行けない」
ヨハネ「パンとジュースも美味しく食べ終わった」
ヨハネ「うん、本格的に暇」
ヨハネ「改めて教室、行ってみましょうか」
〜1年教室〜
教師「では次の文を国木田さん」
花丸「はい」ガタ
花丸「『その声は、我が友、李徴子ではないか?』 袁傪は李徴と同年に進士の第に登り、友人の少かった李徴にとっては、最も親しい友であった。温和な袁傪の性格が、峻峭な李徴の性情と衝突しなかったためであろう────」
ヨハネ「……」スッ
ヨハネ(ラッキー、窓空いてた)
善子「……」
ヨハネ(あ、こっち見てる)フリフリ
善子「ハァ…」
ヨハネ(ため息って)
ヨハネ(クックック……呑気にしていられるのも今のうちよ? 私が今は誰にも見られないってことをよく考えなさい善子)
ヨハネ(ここで私が全裸になって教室を歩き回ったらあなたはどうする?)
ヨハネ(────ま、そんなことしないけどね、死ぬほど恥ずかしいし)
ヨハネ(自分に見られるならまだしも) ヨハネ(側まで行ったら怒られそうだし……いいわ、ルビィの教科書見せてもらお)
ルビィ「むんむん……」
ヨハネ「……」
ヨハネ(ルビィ……あんた授業聞かずにお絵描きしてるの? Aqoursの衣装っぽいけど)
ヨハネ(あ、これ……善子のやつね。可愛いじゃない)
ヨハネ(アクセントに悩んでいるの? それなら────)
ヨハネ『ここ、黒いリボンをつけるのはどう?』
ルビィ「────なるほど!」※小声
ルビィ「……んふ、えへへ♪」
ヨハネ(よしよし、悩みは解消したようね♪) 花丸「……」カキカキ
ヨハネ(ん〜……花丸は真面目ね)
ヨハネ(ちゃんとノートもとってるし……というか、いつも借りてるから知ってるんだけど)
ヨハネ(あ、ノートの端っこに落書き。ルビィかしら、似てるじゃない)
ヨハネ(あとはヨハネと花丸を……うんうん、そうそう)
ヨハネ(ふふ、仲良し3人組って感じね。善子はあんなだけど、いつもありがとね、ずら丸)ナデナデ
花丸「?」
ヨハネ(あっやべ)
花丸「……?」
ヨハネ(自然な撫でてしまったわ……見えなくても、触れてしまうから気をつけないと)
善子「………………」
ヨハネ(そして背中に刺さる視線……) 善子「……」
ヨハネ(そんな怒らなくてもいいじゃないの、ねえ?)
ヨハネ『よーしこ』
善子「だからよh────げふんげふん!」
教師「津島さんどうかしましたか」
善子「すみません、ちょっと咳き込んで……げほ、げふん」
教師「風邪には気をつけてくださいね、インフルエンザも流行る頃ですし」
善子「はい、すいません」
ヨハネ『あはは、ごめんごめん……頭で念じたらしゃべれるわよ』
善子『え、なにこれやば!』
ヨハネ『ヨハネの魔法その3! テレパシー!』
【テレパシー】
いつでもヨハネと善子はテレパシーでお話が可能なのよ!
他の人とやる場合、基本はヨハネからの一方通行だけど────さっきのルビィ参照で。
場合によっては普通に会話もできるわよ!
善子『へえ、すごい────じゃない! ちょっと、なにしてるのよ!』
ヨハネ『暇だったから』
善子『確かに見られないように、とは言ったけど……みんなにちょっかいかけないでよ』
ヨハネ『かけてないわ! みんなの様子を見てただけ』
善子『ふーーーーん……』
ヨハネ『うわ、全然信じてない顔』
善子『フゥン……』
ヨハネ『そんなどこかのカードゲームの社長みたいな言い方をしないの』
善子『……あんたどこまで私と記憶を共有してるのよ』
ヨハネ『んー……ほぼ全部? Aqoursのこともちゃんも知ってるわ』
善子『ふーん……』 善子とヨハネが分裂した同人誌読んだことあるな
コミケで買った ヨハネ『そろそろすごいって分かってくれる?』
善子『いや、すごいのは認めるけど』
ヨハネ『やった!』
善子『……喜ぶとこ?』
ヨハネ『そりゃそうじゃない? あなたが一番知ってるでしょ、私、人から褒められると言われるとすごく嬉しいんだから』
善子『ぐっ…………嫌なところ突かないでよ』
ヨハネ『ふふ、私はあなたなのよ? 分からないことは無いわ!』(`・ω・´)ドャッ
善子『うわあ、自分のドヤ顔って結構腹立つのね』
ヨハネ『うっわひどい』
善子『ふふ、だってあなた────』
教師「津島さん」
善子「ひゃいっ!?」
教師「……余所見してましたね?」
善子「うぅ……すいません……」
ヨハネ(あら……ごめん) 教師「悪い子には1問答えてもらいましょうかね」
教師「では、李徴の思いを書き綴った部分────『一読して作者の才の非凡を思わせるものばかりである』という一文」
教師「この才の非凡とはどういう意味でしょうか?」
教師「才能がどういうことでしょう」
善子「ええと……非凡は、平凡ではないこと……とてもよく優れているという意味です」
善子「なのでその文は、一度読めば作者の才能がとても優れていると思わされる……みたいな意味になります」
教師「はい、正解です。もう余所見はしないように」
善子「はい……」
ヨハネ『やるじゃない』
善子『いや、あんたもわかるでしょ』
ヨハネ『まあね? ふふ、難しい言葉を使うために漢字は勉強しているものね』
善子『うるせー!!』
ヨハネ『ふふふ、落ち着きなさい我が器。明らかに今のはあなたの落ち度。堕天使ヨハネが特別に許そう、だから前を見なさい早く』
善子『え?』
教師「津島さんさー」
善子「ごめんなさい……」
キーンコーン
ヨハネ『あ、授業終わった』 〜昼休み〜
善子「はあ……ひどい目にあった」
花丸「余所見してるから……」
善子「だってあいつが〜!」
るびまる『あいつ(ずら)?』
善子「あ、いや……なんでもない」
花丸「もー……」
ルビィ「あ、でもさっきなんか変なことがあったよ」
花丸「へ?」
ルビィ「実はルビィも隠れて衣装のイラスト描いてたんだけど……」
花丸「ルビィちゃんも悪い子ずら……」
ルビィ「てへ……でね? 善子ちゃんの絵を描いてたんだけど」
善子「ヨハネだってば!」
ルビィ「……ヨハネちゃんのを描いてて、それでヨハネちゃんらしいアクセントに困ってたら」
ルビィ「頭の中にヨハネちゃんの声が響いて、なんと……とっても悪魔的な可愛いデザインが完成したんだぁ〜」
善子『あんたの仕業?』
ヨハネ『もちろん♪』 花丸「あ、それならマルも……ふと誰かに頭を撫でられたような」
ルビィ「ぇっ……怖い。まさか幽霊が……」
花丸「そんなわけないよ〜……ね、善子ちゃん」
ヨハネ「!?」ドキッ
善子「!?」ビク
ルビィ「マルちゃん……? 善子ちゃんはこっちだよ……」
花丸「あれ?」
善子「……」ドキドキドキドキ
善子『ま、まさかずらまる』
ヨハネ『もしかしたら、見えて……』
花丸「あ、ほんとだ〜……あはは、マルったらお腹すいて変になっちゃってたのかなぁ?」
善子「も……もう、馬鹿ね」
花丸「……でも」
善子「なによ」
花丸「……ここに善子ちゃんがいるような感じが……」
善子「じゃあ私はなんなのよ」
ルビィ「あはは、ほんとだよ〜! ねえねえ、ご飯いこうよ」
善子「そ、お腹すいてるんならなおさら急がないと」グイグイグイ
花丸「も、も〜……押さないでよ〜」
ヨハネ(……やっぱり見えてないけど、感じ取れはするみたいね) 善子の雰囲気のいいSSはわりとエタるんだよな…
どうか完走してほしい 〜中庭〜
ルビィ「あ、ベンチ空いてる! やった〜」タッタッタッ
花丸「ルビィちゃん、走ると危ないよ〜」タッタッタッ
善子「ずら丸も走ってんじゃないの……」
ヨハネ『いいわねーお昼? 私も食べたい』
善子『あ、そうだったわね……あんたのお昼ご飯どうしよ……』
ヨハネ『あ、それじゃあお金ちょうだい、購買でなんか買って食べる』
善子『ひとりで?』
ヨハネ『まあ、そのほうがいいんじゃないの?』
善子『……』
善子(この気の使い方……私のぼっち属性を見てるようで嫌だわ)
善子『とりあえず……ほらお金』つ1000円
ヨハネ『やった、なんでも食べれる』
善子『あと、その……気なんて使わなくてもいいから────』
ヨハネ『それじゃあヨハネ、ひとっ飛びマクド行ってくるから!』
善子『えっ』
ヨハネ『最近食べてなかったし? なんとなく食べたくなっちゃって〜』
善子『ちょ、あんた!!?』
ヨハネ『善子は3人のお食事楽しんで♪ ヨハネは優雅にハンバーガーを楽しんでくるから!』バサッバサッ
ヒューン! キラーン☆
善子「〜〜……あんのアホーー!」
ルビィ「!?」ビクンッ
花丸「むーん…………やっぱり、何か変ずら」 〜屋上〜
ヨハネ「……よっと」スタッ
ヨハネ「……我ながら下手な演技だわ」
ヨハネ「ま、大丈夫でしょ私だし」
ヨハネ「さて……」キラキラ
シュルルル♡
キラン♡キラン♡
パァンッ♡
ヨハネ「ふっ!」※変身バンク
ヨハネ「堕天使衣装に変身完了〜っと。せっかく学校なんだし、少しくらいいつもと違う雰囲気を味わいたいわよね〜」
ヨハネ(これぞヨハネの魔法その4)
【変身】
堕天使ヨハネが持つ魔法の中でも使い勝手は最強格!他人に化けることは出来ないけど、善子をベースにするなら大人になったり子供になったり出来るわ!
主な使い方は衣服を変化させることね。今みたいに善子の服を制服に変化させられるの。
解除すれば元の服装に戻るから安心ね♪
ヨハネ「ふふ、ふふふ……学校の屋上で堕天使衣装……ククク、なんて悪魔的……」
ヨハネ「それに…………お昼ご飯くらいは実体化しても怒らないわよね?」
ヨハネ「さてと、いただきますか」
ヨハネ'sメニュー
コーラMサイズ
ポテトMサイズ
トリプルチーズバーガー
コールスローサラダ※栄養には気をつけるのよ!
ヨハネ「ふふ、ずっと食べたかったトリプルチーズバーガー……いただきまーs」
千歌「一番乗りだー!」バァーン‼︎
ヨハネ「げっ」 千歌「あれー? 善子ちゃんだ」
ヨハネ「ヨハネよ!」
梨子「え? 善子ちゃん?」
曜「ほんとだ、善子ちゃんだ」
ヨハネ(やっばーい……あとで怒られるわこれ)
千歌「善子ちゃんもここでお昼?」
梨子「花丸ちゃんたちは?」
ヨハネ「……堕天使は群れないの」
梨子「あはは……そ、そっか」
曜「あ、マクドナルド」
千歌「えっ! ほんとだ、なんで!?」
ヨハネ「え、えっと〜……」
曜「もしかしてこっそり抜け出して買いに行ったな!? この〜!」ナデナデワシャワシャ
ヨハネ「あ、ちょっ……撫でんなー!」
千歌「ポテトいただき!」パクッ
ヨハネ「あ! ちょっと!」
梨子「千歌ちゃんお行儀悪いよ」
千歌「えへへ〜♡ ごめんごめん」 曜「あ、いいな! 私もひとくちちょうだい〜」
ヨハネ「1本だけよ……」
曜「ありがとうございますヨハネ様!」
ヨハネ「! ……ふ、くるしゅうないわ」
千歌「じゃあ私ももう1本くださいヨハネ様!」
ヨハネ「それはダメ! リーダーは1本食べたでしょ勝手に!」
千歌「ちぇー……」(・ε・` )
梨子「当たり前だよ……」
梨子「ごめんね善子ちゃん、二人が勝手に……」
千歌「とか言って食べたそうな顔してる梨子ちゃん」
梨子「えっ!? そ、そんなわけないよっ! 人のものを勝手になんて〜……!」
ヨハネ「いいわよ、リリーも1本あげる」
梨子「あ……ぁ、ありがとうございます……ヨハネ様……///」
ヨハネ「うふふ、もうこれであなたたちは立派なリトルデーモンよ! 以後、私の命令には従いなさい!」
ようちか『それはやだ』
ヨハネ「なんでよっ!」
梨子「あ、あはは……」 ヨハネ「ったく……人の優雅な食事を邪魔してっ」チュー
ヨハネ「はー……コーラうまー」
千歌「それじゃあ私たちもお弁当食べよっか!」
梨子「晴れててよかったね。屋上の風が気持ちいいな〜」
曜「ビニールシート敷いたよ〜」
千歌「善子ちゃんもよかったらこっち座るー?」
ヨハネ「ん……ううん、私はいい。そもそも4人座れないでしょそれ」
千歌「うぅ……ご、ごめ〜ん……」
梨子「もう、千歌ちゃんは……」
ヨハネ(……やっぱりいつ見ても仲良しな人たち。だいたい一緒にいるし……だいたい騒いでるし)
ヨハネ(ま、私はヨハネだから……優雅な一人の食事でよし)
ヨハネ(さてと、楽しみにしてたトリプルチーズバーガー……)
ヨハネ「はぐっ……もぐ、むぐむぐ」
ヨハネ「ん〜〜〜〜〜っまぁ〜〜〜!」
ヨハネ「やばいって、やばいってこれ! こんなの犯罪でしょ〜!」ガツガツムシャムシャ
ヨハネ「チーチーダブルも買っとけばよかったかしら?でもお金足りなかったし……くう、次は絶対買う!」 善子「うま〜……」
千歌「いいなー……私もパンにしたらよかった」
曜「私もであります……」
梨子「私はサンドイッチ……♪」
ようちか『じゅるり』
梨子「こ、これはあげませ〜ん!」
ようちか『え〜!』
ヨハネ(いつもなら食べながらゲームでもしたいところだけど……今は外だし、ケータイも善子が持ってるし)
ヨハネ(あっ! ゲームのイベントちゃんとやってるのかしら善子……)
ヨハネ(くっ……きになる……)
千歌「……あれ? ねえ善子ちゃん」
ヨハネ「ヨハネよ! ……って、え? いま呼んだ?」
千歌「呼んだ呼んだ」
ヨハネ「なに?」
千歌「なんで制服じゃないの?」
ヨハネ「え゛っ」 曜「あ……ほんとだいつも見てる服だったし気づかなかったけど、制服じゃないね」
ヨハネ「や、これは……その、えっと……」
ヨハネ「ほ……ほら、マクド買うのに制服じゃおかしいでしょ!? だから……それ用に用意してたの!」
千歌「ふーん?」
ヨハネ(誤魔化せたか……?)
千歌「そっか! 早く着替えとかないと、見つかると大変だよ〜?」
ヨハネ「え、ええ……忠告ありがとう」
ヨハネ(助かった〜……これからは学校で無闇に服装変えるのはやめとこ) ・・・
ヨハネ「さてと」スクッ
曜「どこか行くの?」
ヨハネ「食べ終わったし、教室に帰るだけよ。バレないように着替えとゴミ捨てを済ませてからね」
千歌「まだ時間あるよ? お話ししていこうよ〜」
梨子「お弁当片付けたら4人で座れるし、どうかな?」
ヨハネ「……嬉しいお誘いだけど、今日は日直だから」
千歌「あー……そっか、じゃあまた今度誘うから次は絶対おしゃべりしようね? 先輩命令だよ!」
ヨハネ「約束するわ。次は必ずお喋りする」
梨子「いい子だね、善子ちゃん」
ヨハネ「え?」
梨子「ふふ、ううんなんでも」
曜「それじゃあ放課後ね〜!」
ヨハネ「ええ、またあとでね」ガチャッ
バタン
ヨハネ「……さてと」
シュルルル♡
バサッ!
ヨハネ「変身完了……と、透明化も完了」
ヨハネ「善子の様子は……ま、いっか」
ヨハネ「…………暇だし校庭で遊ぶ奴らでも眺めてようかしら」 〜中庭〜
ルビィ「それでね、昨日お姉ちゃんが〜」
花丸「ふふ、ダイヤさんらしいずら」
善子「……」モグモグ
善子(あいつ、変な誤魔化し方で逃げて……今どこで何してんのかしら)
善子(ちゃんと食べたのかな? まさかあのお金で勝手にゲーセンなんか…………ま、私に限って行くわけないか)
善子(案外、本当にマクドで食べてるのかもしれないし、そのうちまた出てくるでしょ)
ルビィ「善子ちゃん聞いてる〜?」
善子「あ、ごめん聞いてなかった。なに?」
ルビィ「だからね、昨日ルビィがご飯食べてたら、食べ終わるまでお姉ちゃんが待っててくれたの〜」
善子「ほんと過保護ね生徒会長……」
ルビィ「む、そんなことないもん! 一人で食べるのが寂しいから、寂しくないようにって一緒にいてくれただけだもん」
善子「それが過保護なのよ〜」
善子「……ふふ、お姉ちゃんがいていいわね」
花丸「そういえば善子ちゃんは一人っ子だったっけ」
善子「ずら丸もでしょう?」
花丸「そうだけど、おらは小さな頃からダイヤちゃんがルビィちゃんと一緒に、妹みたいに可愛がってくれたから」
善子「お姉ちゃんはいないけど、いるようなもんだ……って?」
花丸「うんっ!」 ルビィ「よく3人でお風呂はいったよね〜」
花丸「あと、一緒のお布団で寝たり!」
ルビィ「どっちがお姉ちゃんを好きかで喧嘩したことも」
花丸「あったあった〜」
ルビィ「ね! そうだ、今度は善子ちゃんも一緒にうちにおいでよ! お姉ちゃんも喜ぶよ」
善子「ええ、そうね」
善子(仲良しな二人ね……ほんと)
善子(二人のこういう部分を見ると────私はまだ、この子たちの絆ほど強いものは無いんだって実感させられる)
善子(元々ぼっち気質が強いんでしょう、人と仲良くなるのが苦手というか……どこまで踏み込めばいいのがかイマイチわからない)
善子(出会ってから数ヶ月で、Aqoursのみんなとはとても仲良くなった。だけど、ここの半数はもともと幼馴染)
善子(私は高校生になってから出てきた門外漢────若干、仲の良さに若干差が生まれるのは当然のこと)
善子(でも、みんなはそれを気にせず私と仲良くしようと……いえ、仲良くしてくれてる)
善子(だからこそもっと自分から行ってもとは思うけど……まあ、勇気が出ないというかなんというか)
善子(────情けないわ、ほんと) 〜練習後・屋上〜
ガチャッ
善子「おまた────あれ?」
善子「……いないじゃん」
善子「え、まさか一人で帰れってこと!? ちょっとー!」
バサッバサッ!!
善子「!」
ゴオォォォォ!!
ズン!!
善子「けほ、けほ……」
ヨハネ「……」シュウゥ…
善子「ちょっと」
ヨハネ「見た? 見た!? スーパーヒーロー着地!」
善子「見たけどびっくりするわ! いきなりすんな!」
ヨハネ「なによ、せっかくかっこいい登場だったのに」
善子「ふん、翼でやる登場じゃないわよ」
ヨハネ「……ちっ、やっぱりパワードスーツが必要ね」
善子「パワードスーツ……ありね、かっこいい……」
ヨハネ「でしょ? ちょっと変身してみようかしら……」
善子「え、変身ってなに!? 変身って! なに、仮面ライダーなの!? レンジャーなの!? ウルトラマンなの!?」
ヨハネ「んー……どちらかと言うと、ひみつのアッコちゃん?」
善子「そっち系ね……いや、それでも十分すごいわ」
ヨハネ「ふふん、やっとヨハネのすごさを理解したかしら?」
善子「……いやまだまだ!」
ヨハネ「もー……強情ね」 細かいけどキャラがマクドって言うのは違和感あるな、地域的にはマック派だと思う
書き手がたこやきだから仕方ないけど 善子「ふん! ……っていうかあんた、お昼間にリーダー達と会ったんだって?」
ヨハネ「あ、そうだった。言うの忘れてたわ」
善子「話合わせるの大変だったんだから……ったく、しかも一人でトリプルチーズバーガー食べて」
ヨハネ「ああ、あれね!最高にやばかったわ!」
善子「私が食べたかったやつなのに……」
ヨハネ「ふふ、私はあなたなんだから、そりゃ食べたいに決まってるじゃない」
善子「今日の夕飯はトリプルチーズバーガーね……」
ヨハネ「えー……昼間食べたのに……」
善子「勝手にひとりで食べるからよ」
ヨハネ「いいじゃない、気を使ってあげたんだから」
善子「いらない気遣いよそれ。次からそういうのは一緒に食べること、いいわね」
ヨハネ「……なんで?」
善子「は?」
ヨハネ「だってあなたは津島善子よ? ずら丸もいる、ルビィもいる、リーダー達もいる」
ヨハネ「対して私は堕天使ヨハネ。崇高にして孤高なる存在」
ヨハネ「そんな私がどうしてあなたたちとご飯を食べるのよ」
善子「……はあ、言わないとわかんないわけ? あんた、私のくせに」
ヨハネ「いや、だから」
善子「あんたは私、私はあんた────なら、自分に遠慮なんかいらないでしょ」
ヨハネ「……」 善子「津島善子って人間がぼっち気質なのは、私たちが一番よく知ってることでしょ? だからって遠慮しなくていいじゃない」
善子「ずら丸たちに遠慮するのも、リーダーたちに誘われても遠慮して断ったのも、多分私があんたでも同じことをする」
善子「だから腹立つのよほんとに!」
ヨハネ「……」
善子「ヨハネだからとか、かっこつけなくていいのよ。これからご飯は私と一緒、いいわね? あと、そのうちあんたのことみんなにも話すから」
ヨハネ「え、それはやばいわよ! バレたら混乱する……」
善子「関係ない。私は私であんたはあんた────だけど私はあんたであんたは私なんだから」
善子「私もあんたもみんなの仲間なんだから────認められてここに居るんだから、遠慮なんかいらないの」
ヨハネ「……善子」
善子「……まあ、今日一日中あんたのことでずっとイライラしてて気づいたことなんだけどね、これ」
ヨハネ「ふふ、情けない」
善子「あんたにまで言われたくないわ!」
ヨハネ「それもそうね、ふふふ」
善子「とりあえず……私が言いたいことはこれだけ。あとはあんたよ」
ヨハネ「そう……じゃあ、そうね」
ヨハネ「……私」
善子「……うん」
ヨハネ「実はそんなに深く考えてなかったわ」
善子「」 ヨハネ「いや、でも言われてみればそうだなって部分はあったから……うん、ありがと善子」
善子「……………………私の心配を返して」
ヨハネ「まあまあ、そんなこと言わないで」
善子「はぁ……我ながら適当すぎて呆れるわ」
ヨハネ「でも、あなただって私と同じ部分はあるはずよ? むしろ私を見て、自分がそうだって気づいたわけだし」
善子「まあね────って、偉そうにすんな」
ヨハネ「ふふ」
善子「はあ……すっかり気が抜けちゃった。早く帰ってゲームしましょうよ、私が二人なら格ゲーもいい勝負できるでしょ」
善子「……ヨハネ」
ヨハネ「!! 善子、いま名前……」
善子「べ、別にそういうわけじゃないけど! そう……便宜上、便宜上ヨハネってことにしといてあげるわ!」
ヨハネ「ええ、ええ!それでもいい!うふふふ……♡」
善子「ああーもう! ニヤニヤすんなっ!」
ヨハネ「ふふ……はいはい、わかりました」
ヨハネ「じゃ……帰りましょうか」スッ
善子「うん、帰ろう……私たちの家に」ギュウッ
ヨハネ「飛ばしていくわよ!!」バサッ
善子「え゛っ」
ヨハネ「そーおーーれっ!!」バサバサバサバサ!!
バシューーーン!!
善子「ぎゃぁぁぁあぁあぁぁぁあああ!!!!」
この日から、私とヨハネの不思議な生活が始まった。
またこれから私はヨハネの(自分の)適当さに振り回されながらも、なんだかんだ楽しく暮らすのだけど────
それはまた、別のお話。 一応のオチ
まだまだやりたいので少しずつ書いていきたいと思います
>>63
完全に失念してた
気をつけます あ、飛んでマクドがある沼津あたりまで行ったのか多分 〜朝〜
pipipi...
善子「ぅーん……」
善子「うるさーい…………」バシ
善子「……んふふ、休みくらい寝る……」ムニュ
善子「…………なにこれ」ムニュムニュ
ヨハネ「ぁ、んっ……は、ぁ……っ」
善子「!!???」
バチコーン!!
ヨハネ「いったああぁっ!? なに、なに! 魔王の降臨!? それとも悪魔の復活!?」
ヨハネ「って……ぁれ────よしこ?」
善子「あれ?じゃないわよ!! なんで全裸で寝てんのよ!」
ヨハネ「……ああ、だってパジャマないし」
善子「私のやつ着なさいよ……」 ヨハネ「まあ、それはほら……ふたりで着ると消費も二倍だし」
善子「変な気を回すなっ!」
ヨハネ「まあまあ、それより見てよ────変身で少し大きくしてみたの」
ヨハネ「どう?」タユン
善子「むかつく」
ヨハネ「あら、善子? あなたの胸は貧相ねえ、ふふ、この堕天使ヨハネ様に服従を誓うなら少し大きくしてあげても」
善子「もう容赦はしないわ! PS4起動させなさい! ブレイブルーで決着をつけるわよ!!」
ヨハネ「受けて立つわ、我が器よ!! 先に2勝した方が勝ちね!」
善子「上等!」
────我が家の朝はこんな感じで始まる。
だいたいヨハネと私が挨拶がわりに軽い口喧嘩して、
ゲームやって、お腹空いたら部屋から出てご飯食べたりね。 親はどうしたって? そんなもの出張とか宿直とか色々あるの。
だってうちの親、教師だし……土日も学校あるのよ。
今日のAqours? 休みよ!
────で、今朝の決着はというと。
善子「なんで引き分けなのよ」
ヨハネ「まあ、私たち実力は同じだしねえ?」
善子「10試合中5勝5敗……なぜなの」
ヨハネ「うふふ、だけどこの実力の均衡はゲームによっては価値があるわよ? 地球防衛軍とか」
善子「……確かにコープを組むうえでこれ以上に頼もしい味方はいないわ」
ヨハネ「ね? だから朝からかったのは許して」
善子「……仕方ないわね、ゲームの腕前に免じて許してあげる」
ヨハネ「よしっ! ……で、今日はどうするの?」
善子「今日は…………その……」
ヨハネ「なによ、歯切れが悪いわね」
善子「えと、あのね? その……その」
善子「ずら丸たちが……うちに来るの」
ヨハネ「────は?」 善子「そ、それであんたには……!」
ヨハネ「ヨハネは外でぶらついてればいいのね、分かったわ」
善子「違うわアホ!」ガシッ
ヨハネ「ふぎゃっ!?」
善子「あんたのこと、二人に紹介するから!」
ヨハネ「…………………………………………え?」
善子「あの二人には……あんたの事、黙っていたくなくて、だから紹介する」
善子「……いい?」
ヨハネ「……い、や、でも……混乱させるし……やばいわよ……」
善子「うっ……で、でも、これは私がしたいから……」
ヨハネ「善子……」
善子「私のリトルデーモンだもの、ちゃんと分かってくれるわ」
ヨハネ「……ええ、そうね。じゃあお願い」
善子「うん……うん」
善子「じゃあまずは服着て」
ヨハネ「えー……」
善子「あんた本当に私なの?! 服は着なさいよ!」
ヨハネ「……ふふ、意外と裸もいいものよ? 夜な夜な、姿を消して裸で街を歩いたりしてるし」
善子「は、はっ……はぁぁぁあ!!?///」
ヨハネ「嘘よ」
善子「ばーか!ばーかばーか!///」 ヨハネ「意外と素直で可愛いのね、善子って」
善子「自分で自分のこと可愛いとか言うな!」
ヨハネ「あら、だけどヨハネはあまりの美少女っぷりに嫉妬した神様が堕天させたのよ? 忘れてはいないでしょう」
善子「くっ……我が暗黒の記憶を呼び覚ますとは……」
ヨハネ「ふふ、それじゃあ朝ごはん食べて部屋の片付けね」
善子「そうね……じゃ、トーストでも焼きましょうか」 ・・・
善子「そういえば親に話した時の反応ってすごかったわよね」
ヨハネ「泡吹いて倒れたものね」
善子「まあ……でもなんやかんや信じてくれたし」
善子「我ながらものすごい親を持ったものね」
ヨハネ「普段のヨハネに慣れてるだけでしょ」
善子「……あんたえげつないこと言うわね」
ヨハネ「んふふ♪」
善子「まあいいか……信じてくれたから。で、ヨハネは何飲む?」
ヨハネ「コーヒー、ミルクたっぷり、お砂糖1杯」
善子「ふ、ならば私はブラックを!」
ヨハネ「なにっ!? 我が器よ……貴様、この堕天使ヨハネを差し置いて一人だけブラックを飲もうなど……!」
善子「クックック……これこそがオリジナルと分身の違いよ。常に進化し、飛躍し続ける我の姿に恐れおののくがいいわ!」
ヨハネ「くっ……ならばこのトースト、貴様はどのようにして食べるつもりだ!」
善子「それなら、ベーコンとレタスあるし目玉焼きも入れてサンドイッチにしましょ」
ヨハネ「予想外だった!」 善子「ふ、最近私は料理にはまっていてね、美味しそうなのをクックパッドで見つけたのよ」
ヨハネ「知ってるわよ自分のことだもん」
善子「……で、サンドイッチなんだけど」
ヨハネ「無視かい」
善子「用意するのは────これね」
ベーコンエッグサンド 2人前
食パン4枚(個人的に5枚切りがベスト)
生卵2個
ベーコン4枚
レタスで4枚
バター適量
ケチャップ適量
マヨネーズ適量
ヨハネ「適量多くない……?」
善子「お好みでってやつよ! 自分の好きな量で味付けするといいわ」 ヨハネ「で、どうするつもり?」
善子「まず火にかけたフライパンにベーコンを2組になるように4枚並べて」ジュー
善子「卵の膨らんでる方を割って……こう、カップみたいにするの。わかる?」
ヨハネ「写真があれば分かりやすいと思うけど、難しそうね」
善子「で、これをそれぞれ……えっと、横に並べたベーコンの片方に押し付けるように乗せて……ある程度固まるまで待つ」ジュー…ジュワワワ
善子「少し固まったら殻を取り上げると、ほら、君がベーコンの上で固定されてるでしょ?」
ヨハネ「なるほど……考えたわね」
善子「ふふ、これならベーコンエッグも綺麗にできるからオススメね」
善子「殻を外したら塩コショウを軽く振って、ベーコンを半分に折って卵にかぶせる。その後、少し水を入れて蓋をし、蒸し焼きにする────」カチャ
善子「その間にソースとパンを作るから」
ヨハネ「はーい」 ヨハネ「マヨとケチャップ……ってことはオーロラソースね」
善子「その通り」
善子「マヨネーズとケチャップを混ぜてオーロラソースを作るわ」
善子「食パンは先にトースターで4枚焼いておいたから、それを出してきて薄くバターを塗っておく」
善子「そうしたら食パンにレタスを乗せて、レタスの上からオーロラソースを塗る」
善子「そして蒸し焼きにしたベーコンエッグを載せるのよ」
ヨハネ「うわ、すごいボリュームね。たべれるの?」
善子「意外とサクット食べれちゃうから安心しなさいな。で、またオーロラソース塗ってレタス乗せてパンで挟んで────!」
善子「あとは対角線で4等分して完成よ」
ヨハネ「ほえー……朝からハードそう」
善子「コーヒーに合うし、お手軽よ。それに肉と卵と野菜が取れるし」
ヨハネ「なるほどね……さすがは我が器、素晴らしい料理の才能だわ。無駄に辛くしようとしなければだけど」
善子「何よ、おいしいじゃない堕天使の涙!」
ヨハネ「あらぁ? ルビィが死ぬほど辛い辛い言ってたの忘れたのかしら〜」
善子「あ、あれ以降はもう作ってないから……!! ほら、早く食べて!」
ヨハネ「はいはい、わかったわよー」 ・・・
ヨハネ「いただきます……はぐ」
ヨハネ「むぐむぐ……」
善子「どう?」
ヨハネ「うまー♡」
善子( ・ㅂ・)و ̑̑
ヨハネ「いや、美味しいわこれ……ベーコンエッグはジューシーだし、オーロラソースの程よい酸味でさっぱり」
ヨハネ「レタスもシャキシャキだし、パンもカリッと焼けてて美味しいわ」
善子「解説ありがとうヨハネ。これは色んなもの挟んでも美味しいし、いいわよこれ」
ヨハネ「腕をあげたわね、我が器もとい善子」
善子「ヨハネよ」
ヨハネ「そうだわ、夕飯は私が作りましょうか」
善子「ならルビィ達にも食べさせる?」
ヨハネ「…………………………ヨハネはルビィ達に受け入れてもらえるのだろうかしら」
善子「大丈夫よ! …………………………多分」
ヨハネ「…………うん」 善子「ほら、堕天使ヨハネがそんな不安そうな顔をしちゃダメよ。二人を信じて────二人を信じられるなら大丈夫」
善子「だって────」
ヨハネ「……」
ヨハネ(私のせいで善子が、奇異の目で見られるのは嫌だ)
ヨハネ(私が堕天使ヨハネだから、あの子の堕天モードの象徴だから……とかじゃなくて)
ヨハネ(あの子から私が分裂……生まれたことで、善子という存在が恐ろしいものに思われてしまったら────)
ヨハネ(もしそんなことになったら、私は自分を許せないだろう)
ヨハネ(だからこそ、ヨハネは姿を消していれば迷惑はかからないと思っていた。事実、親に話すと善子が言った時も猛反対だった)
『────この子は私なの! 津島善子なの! 母さんたちは娘を信じられないの!?』
ヨハネ(けれど善子は無理を通して、親に私の存在を認めさせた)
『────悩む必要なんてなかった。あなたが津島善子なら、私たちの娘なんだから』
ヨハネ(一晩考えて、両親が出した答えがこれだった。きっとものすごく考えて、ものすごく話し合ったのだと思う)
ヨハネ(それでも、娘として受け入れてくれた────それだけで、私は泣くほど嬉しかった)
ヨハネ(だって────)
善子「だって───あなたも津島善子なんだから」 ヨハネ「……その言葉はずるい」
善子「あらあら、堕天使ヨハネは人間の言葉にほだされちゃうのかしら? 堕ちたものね堕天使ヨハネ、そろそろその名前を私に返却してもいいんじゃない?」
ヨハネ「……ふふ、やっぱりオリジナルには敵わないわね。名前は返さないけど」
善子「む……そう、ならもう少し預けておいてあげる」
ヨハネ「……ありがとう善子」
善子「……ふん! 別に、ヨハネのためじゃないけどね! 私が気分悪いだけよ」
ヨハネ「ふふ、素直じゃないわね〜」ナデナデワシャワシャ
善子「あーもう撫でるな! ほら、さっさと食べ終わらせて! 食器洗って部屋の掃除するんだから手伝ってよ」
ヨハネ「あ……もう冷めてる……」
善子「冷めても美味しいからほらはやく」
ヨハネ「はむ……んふ、ほんとだ♡ うま〜」
善子(……あんたの気持ちくらい、私にはわかるわよ。だって私があんたの立場なら…………) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています