ルビィ「うーん、迷うなぁ……」
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ルビィ「どっちにしようかな……こっちのピンクのワンピースもいいけど、花柄もいいなぁ」
花丸「ルビィちゃん、早くしないと置いてっちゃうよぉ」
ルビィ「う、うん!ごめん、あとちょっと」
いつものんびりな花丸ちゃんがルビィのことを急かすなんて。でも、今日は特別な日だから仕方ないよね。なんたって―― ダイヤ「ルビィ、まだですの?早くしないと鞠莉さんは明日にはイタリアにまた行ってしまうんですわよ」
ルビィ「お、お姉ちゃん!うーん、どうしよう。ねぇ、お姉ちゃんはどっちの服がいいと思う?」
ダイヤ「そんなことで悩んでいたのですか?……そうですわね……たまには花柄もいいかもしれませんわね。ルビィはあまり着ないですし」
ルビィ「……わかった!じゃあ花柄にしようっと!二人とも遅くなってごめんね!」 お姉ちゃんたちが高校を卒業して2年。今日は、鞠莉ちゃんが、夏休みの合間を縫って2年ぶりに内浦に帰ってくるからみんなで会おうって話になって。
久しぶりに会う子もいるし、ルビィもほんのちょっとだけ大人になったところを見せたいなって思ってたんだけど、相変わらずお姉ちゃんにアドバイスしてもらっちゃった。
花丸「もう、遅いよぉルビィちゃん」
ルビィ「えへへ、ごめんね」 ダイヤ「2人とも、忘れ物はありませんか?」
ルビィ「大丈夫!」
花丸「マルもバッチリずら!」
ダイヤ「じゃあ、行きましょうか」 黒澤家の車中
花丸「ところで、今日はみんなで集まって何するんだろう?」
ルビィ「うーん、わかんないなぁ。鞠莉ちゃんが色々考えてるんだよね?」
ダイヤ「そうですが……私も聞かされていないので」
ルビィ「そうなんだぁ」
花丸「鞠莉ちゃんのことだから突拍子もないこと提案してきたりして」
ダイヤ「案外普通のことがしたいと言うかもしれませんわ。鞠莉さんはいつも、そういうところが読めないですから」 あっ、そうそう。お姉ちゃんは東京の大学に行ってるけど今は帰省中。果南ちゃんはもうインストラクターの資格を取ってこっちに帰ってきて、実家のお店で毎日頑張ってるんだ。
一方ルビィはというと……。統合先の高校で花丸ちゃんと善子ちゃんとまたスクールアイドルをやってるんだ。それも、あと少しで卒業だから悔いなくやりたいねって話してて……。
ダイヤ「そろそろ着きますわよ」
2人「「はーい」」 ダイヤ「んーっ……やっぱりコインパーキングは慣れませんわ……駐車券が、と、遠い……」
ルビィ「さすがにそれはもう降りればいいんじゃないかな……」
ダイヤ「くっ……悔しい……」
お姉ちゃんもこっちに帰ってきているときはこうやって運転の練習をしたりしているんだけど、いまいち慣れないみたい。
花丸「ダイヤさん、また失敗したずら?」
ダイヤ「そ、そんなことはありませんわ!んーっ、ぐぬぬぬ………ほら、取れました!」
ルビィ「意地でもシートベルトは外さないんだね……」 千歌「あっ!ダイヤさん!ルビィちゃんに花丸ちゃんも!久しぶりだねぇ〜」
花丸「千歌ちゃん、お久しぶりずら〜」
ルビィ「遅くなってごめんね!どの服着ようか迷っちゃって」
千歌「ううん!私たちも今来たところだから!ねっ、曜ちゃん!」
曜「その通りであります!……久しぶり、みんな!」
千歌ちゃんと曜ちゃんももう高校を卒業して、それぞれの道に進んでる。
千歌ちゃんは、「地元がいい!」っていうポリシー?があって、大学も県内。曜ちゃんは水泳の選手として色んな大会に出たりしてる。すごいなぁ……。 花丸「曜ちゃんは忙しくなかったの?大変だって聞いたけど」
曜「たとえ忙しくても、今日だけは来ないわけには行かないじゃん!」
花丸「そっかぁ。嬉しいね、ルビィちゃん」
ルビィ「そうだね、ありがとう!」
曜「いやいや、どうってことないよ!」
ダイヤ「さぁ、皆さん。集合場所まで行きますわよ」
4人「「「はーい!」」」 千歌「そういえば梨子ちゃんと善子ちゃんは?」
ルビィ「善子ちゃんは家から近いから直接行くって」
曜「梨子ちゃんならもう着いてるってLINE来てたよ。千歌ちゃん、まさか見てないの?」
千歌「うっそ!みんなと話してたから全然見てなかったー!ごめん梨子ちゃん!」
梨子ちゃんは高校を卒業してから音大に進んで、ピアノと向き合う日々なんだって。将来は音楽の先生を目指してるとか! 梨子「おーい、みんなー!」
千歌「ああっ!梨子ちゃん久しぶりー!ごめんLINE全然見てなかったよ〜」
梨子「既読付かないからどうせみんなとの話に夢中になってたんじゃないかって思ってたわよ」
千歌「げっ、バレてる」
そんなことで笑いあって、なんだか2年前に戻ったみたい。でも、あれ……。まだ3人が来てないなぁ。 花丸「そういえば善子ちゃんはまだ来てないのかな」
ダイヤ「鞠莉さんや果南さんは忙しいので遅れて仕方ないとしても、善子さんがまだ来ていないというのはどういうことなんでしょう……。一番家から近いのに、まったく!」
ルビィ「まぁまぁ、お姉ちゃん落ち着いて」
ハァ…ハァ… ハァ…ハァ… ルビィ「ん……わっ!よ、善子ちゃん、大丈夫?」
善子「大丈夫……ちょっとどころじゃなく寝坊しただけだから……ハァ、ハァ……」
なんだか後ろの方からバタバタと走ってくる音がしたから、誰かと思ったら善子ちゃん。善子ちゃん、人前ではすっかりヨハネとか言わなくなったけど、未だに生放送はやってるみたい。 曜「もう、遅いぞー!なんてねっ」
善子「ごめん!こんなつもりじゃなかったの!」
千歌「なんか善子ちゃんずいぶん普通の女子校生になったね」
善子「えっ、あ、そ、そう?えーっと、じゃあいつもの……オホンッ。だからヨハネよ!」
ルビィ「わっ、善子ちゃんが『だからヨハネよ!』って久しぶりに言った」
梨子「へぇー、堕天使キャラ封印したんだぁ」
善子「キャラじゃないし封印もしてない!」
全員(封印してないんだ……) 果南「いやーごめんごめん、遅くなっちゃった」
千歌「果南ちゃん!」
果南「千歌、久しぶりー。みんなも……曜と梨子ちゃんは卒業して以来かぁ。久しぶり!」
梨子「ふふっ、久しぶり!」 果南「なんだかんだみんなとはそこそこ会ってたからね。まぁ私が思いの外早く帰ってこられたからだけど」
曜「果南ちゃん、資格取るのすごく早くてびっくりしたよ。話聞いて『はやっ!』って声出ちゃったもん」
果南「まぁずっと家の手伝いしてたから知識あったし、あんなもんだよきっと。曜こそ頑張ってるよね、たまにテレビで見るよ」
曜「えへへ……なんだか照れるなぁ」 ダイヤ「さて……これであとは主役だけですが」
果南「えっ、まだ来てないの?さすが鞠莉」バタバタバタ
千歌「ねぇ、みんなまだ気付いてない?」
梨子「えっ?」
千歌「さっきからすごく風が強いんだけど」バタバタバタ 曜「なんかバタバタ音もしてるね」バタバタバタ
花丸「音が大きくてみんなの声が聞き取りづら……わーっ!」
oh,oh,oh…
鞠莉「2年ブゥリデスネー!」 ダイヤ「鞠ー莉ーさーん!!こんなところにヘリコプターで来るなんてどうかしていますわ!危ないでしょう!」
果南「やっぱり鞠莉ってちょっとズレてるよね」
鞠莉「ズレてるなんてヒドイデース!みんなお待たせ!さぁ乗って乗って!」
千歌「えっ、嘘……これ乗るの?」
鞠莉「It's joke!」
千歌「冗談のためにこんなものを用意しないでください」
曜「その掛け合いも2年ぶりだね……」 バタバタバタバタバタバタ……
梨子「あっ、行っちゃった」
鞠莉「あとで迎えに来るから心配は要らないわ。さぁ、みんなでシャイニーな時間を過ごしましょう!」
8人「おーっ!」 花丸「み、未来ずら……すごく長い車ずら」
ルビィ「ヘリコプターじゃないけど、リムジンだなんてすごいね……」
善子「こ、これは冥界への揺り籠……堕天使の血が騒ぐわ!」
鞠莉「不吉なこと言わないでクダサーイ。運転手さーん、安全運転でお願いしますね〜」 果南「そういえば10歳ぐらいのとき、一度だけこのリムジンに乗せられたことあったよね」
ダイヤ「そんなこともありましたね。確か名古屋に行ったんでした」
鞠莉「あの時買ったミニしゃちほこ、まだ家にあるよ」
果南「あ〜、覚えてる覚えてる!ミニなのに金で出来てるからすごく重たいやつ!」
ダイヤ「わざわざあれを買うためだけに名古屋までわざわざ出かけるなんて、今となっては笑い話ですわ」 曜「鞠莉さんたち、楽しそう」
千歌「そりゃあ、久しぶりだから積もる話もあるよね……。私たちも積もる話する?」
曜「そうだね。特に梨子ちゃんなんて1年ぶりだからね!」
梨子「1年ぶりって……二人ともちょくちょく会ってたじゃない」 千歌「まぁそう言わずにぃ〜。このあいだコンクールで金賞取ったんでしょ?」
梨子「え、あっ、そうなの!金賞なんて久しぶりに取ったなぁ……って。やっぱり辞めないでよかったなって思う」
千歌「Aqoursでの1年間が活きたね」ドヤ
梨子「ふふっ、そうかも」
曜「……そっか、Aqoursだったんだもんね、私たち」 千歌「……そうだけど、どうしたの急に?」
曜「いやぁー、なんていうかすごーく自然だったからさ。この雰囲気とか、懐かしさとか。それぞれがそれぞれ頑張ってるけど、そういえば私たち一緒にスクールアイドルやってたんだなってふと思っちゃって」
梨子「……ほんと、懐かしいよね……」
鞠莉「Stop!これからが本番なんだから、湿っぽい話はNothing!さぁ、着いたよ!」 果南「ここ……」
善子「久しぶりに来たわね……悪魔の巣窟へ」
花丸「ここが悪魔の巣窟だったら、みんな悪魔と生活してたことになるからそういうことを言うのはやめるずら」
善子「……はい」
千歌「……久しぶりに来たなぁ、浦の星」 ダイヤ「……で、ここに何をしに?ここは今は研修施設として使われているんですよ」
ルビィ「何か研修でもするのかな」
果南「さすがにそれは無いでしょ〜」
鞠莉「……お泊まり」
梨子「……へ?」
鞠莉「今日はここでお泊まり会をやりマース!」
8人「え、ええええええ!?」 鞠莉「……あれ?こんな反応されるとは思ってなかったんだけど」
果南「いやぁー、まさか泊まるとは思ってなかったからさ」
花丸「マル、着替えとか持ってきてないよ」
ルビィ「ルビィも……」
鞠莉「No problem!ここはよく宿泊研修で使われるからシャワーもあるし、旅館で着るような浴衣もあるの!だから心配ご無用!」 曜「シャワーってもしかして……」
千歌「プールのだよね」
ダイヤ「まぁ、せっかく集まったのですから楽しみましょう?」
梨子「だ、ダイヤさんが乗り気だなんて……」
果南「よっぽど嬉しいのかもね、鞠莉に会えたのが」
ダイヤ「そ、そんなこと……ありませんわ」
果南「ほらそういうのいいから。さっ、今日は楽しもう!」 このあと、ルビィと花丸ちゃん、善子ちゃんで久しぶりに近くのスーパーへ買い出しに行ったの。
ルビィ「なんかこんなこと前にもあったよね」
花丸「入学希望者が100人になるかならないか、ってときのこと?」
ルビィ「そうそう、あれからもう2年経つんだなぁ」
善子「やめなよ、湿っぽい話は無しって鞠莉も言ってたじゃない」
ルビィ「そうだね……」 ルビィ「でも、みんな元気そうで安心した」
善子「そうね。あの頃は慌ただしかったから、みんな」
花丸「善子ちゃんも結局思い出話してるずら」
善子「はっ……!……もう、久しぶりにここに来てそういう話にならない方が不自然なのよ!」
ルビィ「ふふっ、そうかも!」 善子「ていうか、みんなでカレー作るだなんて定番中の定番よね」
花丸「鞠莉ちゃんといえばシャイ煮だったのに……」
ルビィ「けど、案外鞠莉ちゃんってこういうの好きそうだよね。ほら、函館で理亞ちゃんたちとライブしたときもわざわざ飛行機代出してくれるぐらいノリノリだったから」
花丸「そうかもしれないなぁ。マルはみんなで作ればなんでも美味しいからオールオッケーずら!」 善子「ずら丸も食べるだけじゃなくて手伝いなさいよね!」
花丸「もう、わかってるよ善子ちゃん」
善子「よーし、じゃあお腹を空かせるために浦の星まで競争〜!」
花丸「えっ、ちょっと待ってよ善子ちゃ〜ん」
ルビィ「ふふふっ、二人とも変わらないなぁ」 変わっているようで変わっていないのか、変わらないようで変わっていっているのか、まだよく分からないけど。ルビィはこの雰囲気がとても好き。
ルビィは2人と毎日顔を合わせているから気づかないこともあるかもしれないけど、この変わらない日々がずっと続けばいいのにって、思ったりもする。
でも、変わらなきゃだめなんだとも思う。Aqoursでの1年間がそう教えてくれたから。 曜「材料切り終わったよ〜!」
梨子「うわぁ、やっぱり曜ちゃん手際いいなぁ」
曜「へへーん、こういうのは私に任せなさい!……と言いたいところだけど!私はこれからちょっとやることがあるから、こっち離れるね!あとよろしく!」
梨子「えっ、あ、行っちゃった……」 果南「なんだか鞠莉に呼ばれたらしいよ」
千歌「鞠莉ちゃんに?なんだろうね」
ダイヤ「鞠莉さんは鞠莉さんでどこに行ったんですの……まったく、主役がいないってどういうことですか!!」
果南「まぁまぁ、ダイヤ落ち着いて。鞠莉のことだから、多分何か企んでるんだよ」
ダイヤ「はぁ……。相変わらず振り回しますのね、鞠莉さんったら」 花丸「飯盒でごはんを炊くなんてまるでキャンプずらぁ〜」
善子「まぁ、そういう施設だし」
花丸「そういえば、飯盒でごはんを炊くときは『炊飯』ではなく『炊爨(すいさん)』って言うらしいよ。ちょうどこのあいだ読んだサバイバルものの小説に書いてあったの」
ルビィ「花丸ちゃん、本当になんでも読むんだね……」
善子「ずら丸が雑学言ってるの久しぶりに見たわね……」
花丸「あとはね、この中蓋を入れずに炊くのが初心者向けって言われてるけど、実際にはこの中蓋は軽量カップにもなるし食器としても使えるし、飯盒自体の形が変形するのを防ぐ役割もあるんだって」
善子「く、詳しすぎる……!」 鞠莉「それじゃあみんな一緒に〜?」
全員「「「いただきます!」」」
千歌「ん〜!おいしい!」
ダイヤ「隠し味にりんごとハチミツ……やっぱり欠かせませんわ!」
ルビィ「いつもの味って感じがするね、お姉ちゃん!」 曜「ふっふっふ……」
花丸「わっ、曜ちゃんが不気味な笑い声で笑ってる……」
鞠莉「おーほっほっほ……」
果南「鞠莉も変な高笑いしてるし……」
曜「じゃじゃーん!渡辺曜feat.小原鞠莉の、『ヨキソバスペシャル』でーす!」
千歌「お!?おおお!」 梨子「見た目はいつものヨキソバだけど……何が違うの?」
鞠莉「いつもシャイ煮に入れている具材をふんだんに混ぜたの!ゴージャスなヨキソバスペシャル、みんな召し上がれ〜!」
曜「花丸ちゃんには、はいこれ!麺だと食べにくいかなと思ってご飯にしてみたよ!あーでも、カレーもあるしちょっと多いかな?」
花丸「わぁ〜、ありがとう〜!大丈夫、全部いただきます!」
善子「美味しい……でも!堕天使の涙が無い!」
梨子「あれを食べたいと思うのは善子ちゃんだけだと思うよ」 千歌「じゃあ私も新メニューでもお披露目しちゃおうかな!」
曜「えっ、なになに?」
千歌「って言ってもたまにみとねえが食べてるやつなんだけど……なんか安っぽくてごめん!じゃーん!」
梨子「ち、ちーかま」キョトン
千歌「そう、ちーかま!でもこれにある調味料を合わせると、ご飯のおかずにもお酒のおつまみにもなるのです」
果南「ある調味料?」 千歌「ルビィちゃんは苦手なんだよねぇ、これ。はい、わさびと醤油!」
ダイヤ「ちーかまにわさび醤油……ですか?」
千歌「そう、その名もちーかまわさび醤油……略してちかわさなのです!」
善子「…………もしかして、ダジャレ?」 ダイヤ「……んっ、案外美味しいですわ」
果南「ほんとだ、千歌の言うとおりご飯に合いそう」
花丸「おいしいずら〜、善子ちゃんも、ほら!」
善子「あーっ、ちょっと待って鼻に来た、おいしいけど、おいしいけどなんかわさび多くない!?」
千歌「ははは……。なんかルビィちゃんごめんね、食べられないもんね」
ルビィ「うーん、食べられないっていうか苦手なだけで……」 好き嫌いは良くないって、ずっと思ってた。お姉ちゃんもおいしいって言ってたし、ここは――
ルビィ「ルビィも食べてみる!」
千歌「おおっ!」
ダイヤ「大丈夫ですの?」
ルビィ「……がんばルビィ!」 ルビィ「……はむっ。…………ん、思ってたより、辛くない……」
曜「ほんとに大丈夫?お水あるよ」
ルビィ「大丈夫、おいしいよ!」
千歌「すごいよルビィちゃん!苦手克服じゃん!」
ルビィ「えへへ……ありがとう、千歌ちゃん!」
ほんとはちょっぴり辛かったし、ツーンときたけど、でも苦手が苦手じゃなくなった気がして嬉しかったんだ。 梨子「わぁ……教室、今は絨毯も敷いてあって結構様変わりしてるんだね」
ダイヤ「机と椅子が無いだけでこんなに広く感じるんですのね」
鞠莉「天蓋が無いのは残念だけど、みんなで寝るならやっぱり布団よね!」
果南「これだから金持ちは……」 千歌「お風呂入ってきていいよ〜」
曜「まさかちゃんとした浴場が出来てるなんて思わなかったね」
花丸「湯船に浸かってぽけーっとするのはやっぱり最高ずら……」
ルビィ「そういえば善子ちゃんはシャンプーハット使わなくなったんだね」
善子「さすがにもうそんな道具には頼らないわ!」
梨子「……目、赤いわよ」
善子「う、うるさい!」 鞠莉「みんなOK?じゃあ電気消すわよ!」
8人「「「はーい」」」
善子「くっくっく……ここからは私の独壇場よ。早速だけどリリー、あなた東京に戻ってから子犬を飼い始めたらしいじゃないの」
梨子「げっ、なんでそれを」
善子「曜から聞いたわよ!ノクターンって名前付けて毎日のように写真を送りつけてるんですって!?」
梨子「ちょっと、善子ちゃん怖いよ……」
善子「……もう、送るなら私にも送りなさいよね」
梨子「いいけど、ライラプスなんて名前は付けないでよね」 曜「ははは……でもすっかり梨子ちゃんも犬好きになっちゃったね」
千歌「あれだけしいたけから逃げてたのにねぇ」
梨子「……最近はあのもふもふがちょっと恋しくなってる」
果南「それなら明日会いに行けばいいんじゃない?」
千歌「そうだよ!久しぶりに十千万でゆっくりしていきなよ〜」
曜「いいなー!私も行きたい!」 ワイワイガヤガヤ
花丸「みんな楽しそうずら」
ルビィ「そうだね……」
鞠莉「いいよね、こういうの」
ルビィ「えっ?」
鞠莉「ラブライブ!の決勝の前日、こんな感じだったでしょ?明日が大事な日だなんてすっかり忘れて東京の地を楽しんで。枕投げなんてしちゃってさ。School idolである前に、私たちはただの高校生なんだなって思ってたの」
ダイヤ「鞠莉さん……」 鞠莉「私は理事長だったのもあって、ああいう遠征とかのとき、どこか一歩引いてみんなのことを見てなきゃって思ってたところがあってね。でも、あの日は私も心の底から楽しもうって思えたの」
果南「変なところだけ真面目なんだから」
鞠莉「ふふっ、不真面目よりはいいでしょ?」
ダイヤ「真面目が一番!ですわ!」
8人「「「ふふふっ!」」」 鞠莉「ねぇ、ルビィちゃんに善子ちゃん、花丸ちゃん。3人は今年がLast yearだよね」
ルビィ「うん……」
鞠莉「せっかくなんだから、精一杯楽しみなさいね!それが私からのお願い!」
善子「マリー……」
果南「3人ならきっとできるよ」
花丸「果南ちゃん……」
ダイヤ「誤解しないでくださいませ。私たちが楽しくなかったなんてことは一切ございませんわ!」 千歌「スクールアイドルをやって、最後に良かったなって思えれば、多分それが一番だと思う!」
梨子「そうだね。東京からだけど、応援してるから!」
曜「何があっても、私たちはいつも味方だよ!」
ルビィ「みんな……。……うん!頑張る!ありがとう、みんな!」
花丸「マルたちならなんでもできるずら!」
善子「そりゃそうよ。なんたって、堕天使ヨハネ様がメンバーなんだからねっ」 ダイヤ「それじゃあ鞠莉さん。またいつでもいらしてくださいね」
鞠莉「もちろん!逆にダイヤと果南がイタリアまで来てくれてもいいのよ?」
果南「そのときはきちんとエスコートしてよね」
鞠莉「ふっふっふ……マリーにマッカセナサーイ!……じゃあ、またね!」 長いようで、あっという間にお泊まり会は終わっちゃった。鞠莉ちゃんは一足先にヘリで空港に行っちゃったけど、みんなで帰るのも、とても久しぶりだなぁなんて思って。
善子「じゃあ、明日から新曲の練習するわよ」
花丸「新曲って、なんにも出来てないよ?」
善子「なにもないなら作ればいいのよ!くっくっく……無からの創造、それこそ堕天の」
ルビィ「さすがに振り付けはできないけど、曲作りからやろっか!」
善子「んもう、最後まで言わせなさいよ!」
2人「「ふふふっ!」」 千歌「いいねぇ、楽しそう」
曜「ねぇ、千歌ちゃん」
千歌「うん?」
曜「千歌ちゃんはスクールアイドルやって、楽しかった?」
千歌「……えっ、急にどうしたの?」 曜「……いいから。楽しかった?Aqoursの1年間」
千歌「……すーっごく楽しかった!学校を守れなかったのはすごく悔しかった。でも、浦の星のみんながあの時『だったら救ってよ!』って、『学校の名前を残してよ!』って言ってくれて」
曜「……」
千歌「内浦のみんなが背中を押してくれて。そのおかげでラブライブ!で優勝できた。こんな幸せなことって無いな、って!」
曜「……そっか!良かった!」 梨子「……あっ、虹が出てる」
曜「ほんとだ。雨も降ってないのに珍しいね」
千歌「みんなが再会できたことを喜んでくれてるのかも!なんてね!」
梨子「……きっとそうだよ。そうに違いないよ!」
曜「よーし、あの虹に向かってヨーソロー!からの〜?」
3人「「「敬礼っ!!」」」 果南「マリーにマッカセナサーイ!だって。ほんとに行ってみる?イタリア」
ダイヤ「サプライズにいいかもしれませんわね」
果南「じゃあダイヤが20歳になったら鞠莉には言わずに押しかけようか!」
ダイヤ「そうですわね。せっかくですから、思う存分エスコートしてもらいましょうか」 みんなで楽しむつもりだったのに、色んな場面で勇気を貰っちゃった。
ラブライブ!のような大会で勝って高みを目指したり、大好きな友だちとスクールアイドルを本気で楽しんだり。どっちもたぶん正しくて、どっちがいいかなんて、わからない。
でも、花丸ちゃんや善子ちゃんはそんな私のことを笑って「細かいことはいいから、一緒に歌って踊ろう」って言ってくれる。ルビィはそんな2人が大好きなんだ。 2人だけじゃない。Aqoursのみんなが、とっても大好き。
みんなとだったら、色んなことができるんじゃないかって思える。色んな未来が、夢が、輝きが見られるんじゃないかって!
ルビィもしっかりしなきゃいけないけど、迷ったときにはみんなのことをちょっとだけ頼っても……いい、よね!
おしまい お付き合いいただき、ありがとうございました
ハミングフレンドの歌詞から着想を得て書いてみました
来年も色々書いて、面白い話を作れたらと思いますのでまたよろしくお願いします
ちなみにこの続きものとしてルビィたちと理亞が3年生になって、合同合宿をするという話を書こうと思ってるんですが……
アニメに則り「聖良以外とグループを作った理亞」を書こうとするとそのメンバーを出さなきゃいけないなぁと思うんですね
こういうのでオリキャラみたいなのを出すっていうのは読む人からするとどうなんでしょう?
もしご意見あればぜひお聞かせください すごく面白かった
最終回と合わせて感動した
オリキャラについては、既存のキャラがブレなければ全然ありだと思う
イッチの書きたいままに書いてほしいです。楽しみにしてる! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています