雪穂「お、お姉ちゃんが男の人とえっちなことしてる……!?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
亜里沙「くしゅんっ!」
雪穂「亜里沙、大丈夫……?」
亜里沙「あははー……風邪引いちゃったぁー……♪」
雪穂「笑い事じゃないよもう……」
亜里沙「ごほっごほっ……! 風邪って凄いんだねー……頭フラフラ、目がクラクラ〜」フラフラ…
雪穂「ちょ、ちょっと、動いちゃダメだって!」
亜里沙「だってー……折角雪穂がお見舞いに来てくれたのにー……」フラフラ
雪穂「もう……! それで無理して酷くなったら意味がないじゃん!」
亜里沙「だけどー……」
雪穂「はぁ……。絵里さんが帰ってきてくれるまでの間看病してあげるから、おとなしくてな」
亜里沙「わー……雪穂の看病ー……♪ ありがとぉー雪穂ー……」フラフラ
雪穂「はいはい、ベッドに戻った戻った」
亜里沙「うんー……」モゾモゾ 雪穂「……それにしても、亜里沙が風邪引くなんて珍しいよね」
亜里沙「だねー、幼稚園の時になって以来かもー……」
雪穂「確かに今まで風邪引いてるとこみたことないし……」
亜里沙「亜里沙はいつでも元気いっぱいだよ……!///」ゴホゴホ
雪穂「……そんな真っ赤な顔で咳き込まれながら言われてもなぁ」
雪穂「ちょっと最近無理しすぎだったかもね、練習」
亜里沙「そーう……?」
雪穂「毎日夜遅くまでやってたし……最近は寒くなってきてたからね……」
雪穂「あ、大体亜里沙……練習終わった後、汗ちゃんと拭いてなかったでしょー?」
亜里沙「えへへ……♪」ペロ
雪穂「えへへじゃないよ、全く……。そういうことしてるから風邪引くんだよ?」
亜里沙「むー……今まではそんなことなかったのにー……」 雪穂「……まぁ、私も無理強いさせちゃったっていうのもあるけどさ」
亜里沙「ううんー……! そんなことないよー……! 練習は大事だもん……!」
雪穂「それに亜里沙、仮にも女の子なんだからそういうのはしっかりしなきゃダメだよ?」
亜里沙「汗臭いのはいやだけどー……めんどうなんだもんー……」
雪穂「もう、本当に子供っぽいんだから亜里沙は……」
亜里沙「ぅー……」
雪穂「今度から嫌がっても、私が拭いてやるからね」
亜里沙「あー……雪穂に拭いてもらえるんだったら、それもいいかもー……♪」
雪穂「……やっぱり今のナシ」
亜里沙「えぇー……!?」
雪穂「自分のことは自分でやって」
亜里沙「ちぇー……」 雪穂「……まぁとりあえず、しばらく練習はお休みだね」
亜里沙「うんー……ごめんねー雪穂ー……」
雪穂「いいよー……っていうか、私の方こそごめん」
亜里沙「ううん……♪」
雪穂「しっかりと休んで、ちゃんと元気になってね」
亜里沙「うん……♪」
亜里沙「……ところで、雪穂は大丈夫ー……?」
雪穂「私? あー、別になんともないかなぁ」
亜里沙「さすが雪穂だね……!」
雪穂「亜里沙と違って、ちゃんとケアしてますので」
亜里沙「むー……棘のある言い方ー……」
雪穂「だって事実だし」 亜里沙「……そう言えば、雪穂が風邪引いてるところあんまり見ないかもー……」
雪穂「あー……確かに私、風邪って引かないかもなぁ……」
亜里沙「雪穂は元気が取り柄だもんねー……!」
雪穂「どーいう意味?」
亜里沙「あはは……♪」
亜里沙「くしゅんっ」
雪穂「あ、ほらほら鼻垂れてるし……はいティッシュ」ガサ
亜里沙「ありがとぉー……」チーン
雪穂「タオルも変えたげるよ」
亜里沙「うんー……」 雪穂「……」ギュー…
亜里沙「……」ジー…
雪穂「はい」
亜里沙「わぁー……つめたーい……♪」
雪穂「気持ちいい?」
亜里沙「うんー……♪」 亜里沙「……」ボー
雪穂「ふふ……」
亜里沙「……? なーにー……?」
雪穂「いや、亜里沙も病気になるとおとなしくて可愛いなぁと思って」
亜里沙「むー、普段は可愛くないー……?」
雪穂「あはは、そんなことないよ」
亜里沙「ぅー……」
雪穂「他に何かして欲しいことある? 食べるものとか持ってきてあげようか?」
亜里沙「りんご食べたい……! うさぎさんのー……!」
雪穂「うさぎさんね。おっけー」 ……。
シャリシャリ
亜里沙「はー……」
雪穂「……んー? どうしたの、バカみたいに口開けちゃって」
亜里沙「バカじゃないよー……!」
雪穂「ふふ、ごめんごめん」
亜里沙「むー……」 ゆきありいいぞー、こういうSS書けるようになりたいわ
雪穂「……」シャリシャリ
亜里沙「……なんかー」
雪穂「んー?」
亜里沙「雪穂……お母さんみたいー……」
雪穂「えぇー……それ、絶対褒め言葉じゃないでしょ……」
亜里沙「ううん……褒め言葉だよ……!」
雪穂「本当ー……?」シャリシャリ
亜里沙「だって雪穂、料理とか洗濯とか、まだ高校三年生なのに色んなことできるし……」
雪穂「そりゃあ、お姉ちゃんの家に行って世話してるからね……」
亜里沙「それにそれに……!」
雪穂「はい、できたよ」コト
亜里沙「わぁぁ♪ 可愛いウサギさんー……♪ さすが雪穂ー♪」
雪穂「お姉ちゃんに教わっただけだけどねー」 亜里沙「はむはむ……」シャクシャク
雪穂「ふふ、なんだか亜里沙の方がうさぎさんみたいだよ」
亜里沙「美味しい……っ♪」
雪穂「そ、良かった」
亜里沙「もぐもぐ……」ジー
雪穂「……?」
亜里沙「……それに――」
亜里沙「――雪穂といると、なんだか暖かい♪」
雪穂「……な、なにそれー///」
亜里沙「本当だよ……! 雪穂に看病してもらると、なんだか元気になっていくーっていうか……!」
雪穂「大袈裟だよ……///」
亜里沙「そんなことないよー……! 亜里沙、本当に元気もらえてるもん……!」グッ
雪穂「……も、もう! おだてても何も出ないよー……!///」
亜里沙「雪穂、照れてるー……♪」
雪穂「照れてなんかないっ!///」 亜里沙「ふふふー……♪ あー、病気になっても毎日雪穂に看病してもらえる穂乃果さんは幸せだろうなぁ―……」
雪穂「えぇ……」
雪穂「って、大体お姉ちゃんの看病なんてしたことないよ」
亜里沙「そうなのー……?」
雪穂「うん。だってお姉ちゃん、私と同じであんまり病気なんてしないし」
亜里沙「へぇー……。でもなんか分かるー……! さすが雪穂のお姉さんだね……♪」
雪穂「……遠回しにバカにしてるでしょ」
タダイマー
亜里沙「あ、お姉ちゃん帰ってきたぁー……!」ムク
雪穂「ああ、亜里沙! まだ治ってないんだから動いちゃダメだってば……!」
…ガチャ
絵里「亜里沙、大丈夫ー?」
亜里沙「お姉ちゃんお帰りー……!」バタバタ
雪穂「絵里さん、こんばんわー」ペコ
絵里「ああ、雪穂ちゃんこんばんわ。ずっと看病してくれてたの?」
亜里沙「うんそうだよー、雪穂は優しいんだー……♪ えへへー……♪」
絵里「もう、亜里沙ったら……。ありがとうね雪穂ちゃん」
雪穂「ああいえ、そんな……大したことしてないから……」 絵里「どうせ亜里沙が無茶なお願いとかしてたんでしょ?」
亜里沙「してないよー……」ムー
雪穂「してない……かなぁ」
亜里沙「それよりお姉ちゃん、早かったねー……?」
絵里「急に風邪で倒れた、なんて連絡してくるから、用事キャンセルしてすぐに帰ってきちゃったわ」
亜里沙「そっかー……お姉ちゃん、ありがとうー……♪」
絵里「ふぅ……。でも、思ったより元気そうで安心した」
雪穂「そうですね、すぐに暴れ出すぐらいには元気ですよ、亜里沙」クスクス
絵里「えぇ? そうなの?」
亜里沙「暴れてなんかないよー……!」ジタバタ
雪穂「ほーら」
亜里沙「あぅ……」
絵里「ふふ」 雪穂「絵里さんに心配かけたくなかったら、おとなしくしてなー」
亜里沙「はーい……」
絵里「亜里沙も病気になると、おとなしくなって可愛いわね」
亜里沙「あー……雪穂と同じこと言ってるー……」ムー
絵里「あら、そうなの?」
雪穂「やっぱりそう思いますよね」アハハ
絵里「本当にね」クスクス
亜里沙「もー……!」 絵里「ところで雪穂ちゃんは風邪、大丈夫? 移されてない?」
雪穂「あ、はい、今のところは……」
絵里「それならいいけど……普段病気にならないような亜里沙が風邪を引くくらいだから、雪穂ちゃんも気をつけるのよ?」
亜里沙「うんうんー……」
雪穂「大丈夫ですよー、私病気には強いですから」
絵里「その油断が命取りなのよ? ちゃんと帰ったら手洗いとうがいはしっかりね?」
雪穂「は、はい」
亜里沙「ふふふー……♪」 絵里「……さてと、それじゃ夕飯の支度するけど、雪穂ちゃんも食べていかない?」
雪穂「あ……ごめんなさい、今日は久しぶりにお姉ちゃんのとこに寄っていこうと思ってるんで……」
絵里「穂乃果の家?」
亜里沙「えー……雪穂、行っちゃうのー……?」
雪穂「うん……ごめんね亜里沙」
亜里沙「むー……」
絵里「わがまま言わないのよ。……そっか、それじゃ無理に引き止めるわけにはいかないわね」
雪穂「しばらく練習詰めで行けてなかったので、きっと今頃は凄い部屋が散らかっていると思うので……」
絵里「全く穂乃果は……。一人暮らししてるのに雪穂ちゃん頼みなんだから……」
雪穂「ああいえ、私が勝手にやってることですし……」 絵里「ふふ……穂乃果は幸せものね、こんなできた妹に世話してもらえるんだから」
雪穂「え、えぇ……///」
絵里「しばらく会えてないなら、今頃寂しくて泣いてるんじゃないかしら?」
雪穂「あのお姉ちゃんに限ってそんなことはないですよ」アハハ
絵里「わからないわよ―、案外あの子もあれで寂しがりやさんなのよ?」
雪穂「へぇ……」
絵里「特に一人きりだと、そういう想いも一際強くなるでしょうしね」
雪穂「……」
絵里「だから、早く行ってあげなさい♪」
雪穂「……はい」 亜里沙「……雪穂ー、また明日ねー……」フリフリ
雪穂「亜里沙はちゃんと絵里さんの言うこと聞いて、風邪を治すんだよ?」
亜里沙「わかったー……♪」
亜里沙「雪穂ー……ばいばーい……♪」フリフリ
雪穂「……また明日ね」フリフリ
*
トコトコ…
雪穂「……絵里さんがいてくれたら、亜里沙の心配はないから安心」
雪穂「亜里沙も絵里さんの前だったらそこまで無茶しないしね」
雪穂「……それにしても亜里沙が風邪かぁ」
雪穂「珍しいこともあるもんだよね」クス
雪穂「私は本当に風邪とかロクに引いてこなかったからなぁ……」
雪穂「ば、バカじゃないもん……!」 雪穂「……あれ」
雪穂「でもなんか、昔に一回だけ凄い病気になって寝込んだ記憶も……」
雪穂「……なんだったかなぁ」
雪穂「随分うなされていたような記憶はあるけど、イマイチ覚えてないや」
雪穂「あの時はお母さんに看病してもらったよね、確か」
雪穂「……なんか、お母さんの暖かい手の感触を覚えている気がする」サスサス
雪穂「やっぱりお母さんがいると安心するもんね」 雪穂「……私、お母さんみたいなのかな」
雪穂「うーん……まだ高三なんだけどなぁ」
雪穂「お姉ちゃんだってまだまだ子供なのに、私がお母さんみたいって早すぎるよ……」
トコトコ…
雪穂「さてと、お姉ちゃん家に向かわないとー……」
雪穂「本当に久しぶりだから凄い状態になってるんだろうなぁ……」 雪穂「はぁ……考えただけでも憂鬱だよ……」
雪穂「やっぱり定期的に行かないとダメかもなぁ……」
雪穂「よくあれで一人暮らしなんてできてるよなぁ」
雪穂「いや……できてないのかな……」
雪穂「……まぁでも、料理ができるだけまだマシなんだろうけどさ」
雪穂「お姉ちゃんの作るご飯、美味しいもんね」 雪穂「……どうしよっかな、お姉ちゃんの家でご飯食べてこようかな」
雪穂「……」
雪穂「そうしよっと。お母さんに連絡しておかなきゃ」
雪穂「ごめん……お姉ちゃん家で……」カタカタ
雪穂「送信っと。……ふー、お母さんもLINE始めてくんないかなぁ。メール送るの面倒……」
雪穂「行くついでに、適当に買い物してから行こーかな。お姉ちゃん家、本当に何もないからなー」
雪穂「お菓子だけはあるんだけどね、お菓子だけは」
トコトコ…
*
ガサガサ
雪穂「んー……ちょっと買いすぎたかな」
雪穂「……まぁ明日も来て食べさせてもらえればなんとかなるかな」
ピンポーン
雪穂「……」
雪穂「……ん?」
ピンポーン
雪穂「……」
雪穂「あれー? おかしいな、電気点いてるんだけど……」
雪穂「えー、もしかして寝てるー?」
雪穂「まだ7時だよー? もぉー……電気代だってタダじゃないのに……」 雪穂「えーっと、LINE送ってみるか……」
雪穂「スタンプでいいや」カタカタ
雪穂「……」
雪穂「んー……やっぱり既読つかないかぁ」
雪穂「あそっか、寝てるんじゃ気が付かないか……」
雪穂「バカだなぁ私……」
雪穂「通話通話っと」カタカタ
〜♪
雪穂「……」
〜〜♪
雪穂「もー! 電話でも起きないの!?」
雪穂「いい加減にしてよ寝ぼすけ!」カタカタ!
雪穂「あ、勢いで書いて送っちゃった……」
雪穂「……」アセアセ 雪穂「……まいっか、本当のことだし」
雪穂「はぁ……どうしよっかな」
雪穂「……ん?」
ガチャ…
雪穂「開いてる……」
雪穂「なんて不用心な……。女の一人暮らしで鍵掛けないなんてありえないでしょ……!」
雪穂「いつ、どんなことが起きるか分からないんだからしっかりしてよねもう……」
雪穂「ただでさえお姉ちゃんは可愛いし、美人なんだから……」ブツブツ
雪穂「大体お姉ちゃん、あれだけ可愛い癖して全然自覚ないんだもんね……!」
雪穂「自分が男の人からそういう対象として見られてるってことをもっと理解してほしいよね、全く……!」
雪穂「……」
雪穂「あ……まさか……!」
雪穂「男の人を連れてきて、そのまま鍵も掛けずに雪崩れ込んじゃったとか……?」
雪穂「そ、それでそれで、そのままベッドに押し倒されて……!!」
雪穂「///」カァー
雪穂「あわわ……///」
雪穂「で、でも……お姉ちゃんだったらありえそう……///」
雪穂「男の人と結構遊んでるって言ってたし……///」 雪穂「……///」
雪穂「か、帰った方が良いのかな……?」
雪穂「……下手に入ってお姉ちゃんの……あ、喘ぎ声……とか、聞こえてきてもやだし……///」
雪穂「それに……」
雪穂「お姉ちゃんと付き合ってる男の人なんて、見たくないし……」
雪穂「……ぅぅ」
雪穂「……」
雪穂「……!」ハッ!
雪穂「あ、でもでも! お姉ちゃんあんないい加減な性格だから、男の人に騙されてるって可能性も……!」
雪穂「実際この間一緒に買い物行った時も、危なっかしい発言してたし……!」
雪穂「ナンパされた男の人にホイホイ着いて行っちゃうなんて信じらんないよもう……!」
雪穂「ありえる……十分ありえるよ……!」
雪穂「……」アセアセ
雪穂「じゃ、じゃあ……!」
雪穂「今まさに、お姉ちゃんは悪い男の人の毒牙にかけられている可能性も……!?」
雪穂「……っ」ゴクリ
雪穂「だ、だったら……!」
雪穂「……私がこの手で助けないと……っ!!」グッ…
雪穂「っ……」
雪穂「……で、でも男の人に襲われそうになったら怖いから、そーっと……」ドキドキ
ガチャ…
雪穂「……お、おねーちゃん……?」ソー
雪穂「……」
雪穂「……いない……?」
雪穂(ん……?)クンクン
雪穂「あれ、料理……途中……?」チラ
雪穂「お鍋の蓋あきっぱ……」
雪穂「……」キョロキョロ
雪穂「あ……お皿が二つ用意されてる……」
雪穂「ってことは……」
雪穂(や、ややややややっぱり、男の人と一緒にご飯を食べるために……っ!)アセアセ
雪穂(これはつまり……あれだよね……)アセアセ
雪穂(料理をしている最中のエプロン姿のお姉ちゃんを見ていた男の人が……)
雪穂(我慢できなくなって後ろから急に抱きついて……!)
雪穂(そしてそのまま、ベッドに押し倒して……っ!!///)
雪穂(それでその後は……っ!!///)
雪穂(〜〜///)
雪穂(……じゃあ奥の部屋では、正に今その行為が……っ!?///)
ハァ……ハァ……
雪穂(って、なんか艶っぽい声が聴こえるしぃぃぃ!!?///)
雪穂(ああああ……! お、おねーちゃん、本当に……!?///)
ハァ……ハァ……ン……
雪穂(……///)
雪穂(……た、たたた、た、確かめなくちゃ……!///)
雪穂(だだだだ、だって、男の人に騙されてるかもしんないんだし……!)
雪穂(ここで帰って後悔する可能性だって……!)
雪穂(……///)
雪穂(べ、べべべべっべべつに、おねーちゃんのえっちを、みみみみたいわけじゃ……!///)
雪穂(……見たいけど……///)
雪穂(///)カァー
ソー
穂乃果「……はぁ……はぁ……///」
雪穂(あ、あれ……? 男の人がいない……?///)キョロキョロ
雪穂(もう終わった後ってこと……?)
雪穂(なんだぁ……)
雪穂(……)
雪穂(い、いや、なんだぁって私……///)
穂乃果「はぁ……はぁ……んっ……///」
雪穂(じゃ、じゃあ……お姉ちゃんベッドの上で何を……?)
雪穂(……)
雪穂(……!?)ハッ
雪穂(……え、まさかあれって……)
雪穂(お、おな……///)
雪穂(///)
穂乃果「んっ……ゆき……ほぉ……///」
雪穂(えっ!?)
雪穂(な、なんであたしの名前呼ぶの!?)
雪穂(……///)
雪穂(……え、ちょ、え、それって……)
雪穂(え、まって……!///)
穂乃果「ゆきほぉ……」ハァハァ
雪穂(な、なんで……///)
雪穂(だってこれって、その、あれだよね……///)
雪穂(……わ、私で……お、おな……///)
雪穂(///)カァー
穂乃果「……ゆきほぉ……たすけ……てぇ……///」ハァハァ
雪穂(ぅぅ……///)
雪穂(って、え?) 雪穂(たすけて……?)
雪穂(どういうこと……?)
雪穂(はっ!?)
雪穂(ま、まさか……!)
雪穂(やっぱりお姉ちゃん、男の人に騙されて……!)←既定路線
雪穂(それでそれで……! エプロン姿のお姉ちゃんを後ろから……刺した!?) 雪穂(なんで!? 彼氏なのに!!)
雪穂(最近流行りの猟奇趣味ってやつなの!?)
雪穂(なにそれ……! 酷いっ!!)
雪穂(それに怖いよ……!)
雪穂(……)ガクガク
雪穂(じゃ、じゃあ……今お姉ちゃんのベッドの周りは血まみれで……!)
雪穂(だからああやって苦しそうに声を出して私に助けを求めてるってこと……!?)
雪穂(そんな……! このままじゃお姉ちゃんが死んじゃう……っ!!)
ガラ!
雪穂「おねーちゃん! 大丈夫!?」
穂乃果「ゆ……きほ……?///」
穂乃果「あ……れ……? なんでここに……?///」
雪穂「おねーちゃん!! 今救急車呼ぶから!! しっかりして!! 傷はまだ浅いよ! お願いだから死なないでぇぇ!!」ユサユサ
穂乃果「え……えぇ……傷ー……?///」
ピーポーピーポー
……。
*
シャリシャリ…
コト
雪穂「はい、お姉ちゃん」
穂乃果「あー……ありがとぉー……」
雪穂「食べられる?」
穂乃果「うんー……」ムク 穂乃果「わぁ、うさぎさん上手に切れてるねぇ……♪」
雪穂「わ、私だってこれぐらい……」
穂乃果「いただきまーす……♪」
雪穂「どうーぞ」
穂乃果「もぐもぐ……」
雪穂「……」
穂乃果「うん、おいひぃ……♪」
雪穂「……そ」 雪穂「全く、最初は何事かと思ったよ……」
穂乃果「あはは……ごめんねぇー……」
雪穂「ただの風邪で高熱出しただけって……。救急車なんて呼んで恥かいちゃった」
穂乃果「穂乃果もさすがにそこまでしてもらうことになるなんて思わなかったよ……」アハハ
雪穂「だって! 鍵は開けっぱだし! 料理は途中だし! お姉ちゃんはベッドで変な声出してるし! 誰だって不安になるでしょー!?」
穂乃果「そ、そうー……?」
雪穂「私はてっきり……!」
穂乃果「てっきりー……?」
雪穂「……///」
穂乃果「……?」
雪穂「な、なんでもないー!!///」
穂乃果「う、うん……?」
雪穂「……///」チラ
穂乃果「……///」モグモグ
雪穂(……それにしても///)
穂乃果「……ふぅー……///」モゾモゾ
雪穂(……熱出してるお姉ちゃん、やけに艶っぽいよね……///)
穂乃果「んぅ……///」
雪穂(そんな吐息混じりの声でうめかれてたら誰だって勘違いするって……///)
雪穂(もぅ……///) 穂乃果「あれ……? 雪穂も顔赤くない……? 大丈夫……?」
雪穂「大丈夫!!///」
穂乃果「ふぇー……?」アセアセ
雪穂「ほら! お薬飲むよ!///」
穂乃果「う、うんー……」
雪穂「えーっと……!///」ゴソゴソ 雪穂「……この薬は食後に2錠、こっちは3錠……」
雪穂「うぇー……病院で処方される薬って、こんなに沢山飲まなきゃいけないんだ……」
穂乃果「本当にいっぱいだねぇー……」
雪穂「病院なんて滅多に行かないから、この量渡された時は吃驚しちゃった」
穂乃果「穂乃果も……」
雪穂「ちゃんと飲めるのお姉ちゃん?」
穂乃果「子供じゃないよぉー……」ムー
雪穂「本当ー?」
穂乃果「本当だよぉー……!」 雪穂「ふふ……食後ってことは何か食べないとか……おかゆ、作ろっか?」
穂乃果「んー……あんまり食欲ない……」
雪穂「まぁ、そうだよね」
穂乃果「雪穂が切ってくれたりんごだけでいーよー……」モグモグ
雪穂「それだけで大丈夫かなぁ……」
穂乃果「らいひょうぶー……♪」モグモグ
雪穂「はいはい、食べながら喋らないの」
穂乃果「ふぁーい……」モグモグ
雪穂(……亜里沙と一緒で、こうなるとお姉ちゃんもおとなしくて可愛いよね……♪)
雪穂(元から可愛いけど、そういうのとはまた別で……)
雪穂(……って、何考えてんだが……私キモ……///)
穂乃果「……んっ……んっ……」ゴクゴク
穂乃果「……ふー、4種類は多いねぇー」コト
雪穂「本当だねー……」
穂乃果「雪穂も飲む―……?」
雪穂「飲まないよ……何言ってんの」
穂乃果「あははー……♪」 雪穂「ほらほら、飲んだならベッドに戻って安静にしてなよ」
穂乃果「はーい……」ゴソゴソ
雪穂「あとこれ」
穂乃果「体温計ー?」
雪穂「一応寝る前に測っておきなよー」
穂乃果「うんー……」ヌギヌギ
雪穂「って! 上半身全部脱ぐ必要ないでしょ!///」
穂乃果「ふぇー? だって、脱がないと測りづらいし……」
雪穂「寒いでしょ! 余計熱上がるでしょ! バカなの!?///」
穂乃果「バカは酷いよぉ……」モゾモゾ 雪穂「ほら! 着たまま脇に入れられてるでしょ?///」
穂乃果「うんー……」
雪穂「全く……///」
穂乃果「なんで雪穂が赤くなってるのー……?」
雪穂「なんでもないっ!///」
穂乃果「……?」
ピピピ…
穂乃果「あー、もう鳴ったー……」
雪穂「ちゃんと挟んでたー?」
穂乃果「挟んでたよぉ……んっと」ゴソゴソ
雪穂「どれどれー?」
穂乃果「……39℃5分」
雪穂「……本当にただの風邪ー?」
穂乃果「ってお医者さん言ってたし……」
雪穂「まぁ確かに……」
穂乃果「でも本当に頭ボーっとするよー……」クルクル
雪穂「それはまぁ、見れば分かるよ、うん……」 穂乃果「うーん……熱いー……」クルクルー
雪穂「だ、大丈夫……?」
穂乃果「ちょっと辛いかもぉー……」クルクルー
雪穂「……もう少ししたらお薬効いてくると思うから、それまでの辛抱だよ」
穂乃果「うんー……」
雪穂「それとももう寝ちゃったら?」
穂乃果「んーん……もっと雪穂とお話するー……」
雪穂「なにそれ……」クス 雪穂「……それにしても本当、お姉ちゃんが風邪引くなんて珍しいよね」
穂乃果「どーいう意味ー……?」
雪穂「あははっ……♪」
穂乃果「なーにー……?」
雪穂「んーん、なんでも」クスクス
穂乃果「んー……?」
雪穂(私と全く同じ反応で笑っちゃうな……♪)
雪穂(やっぱり、姉妹だもんね♪) 穂乃果「でもー……確かに私、子供の頃からあんまり病気してこなかったからねぇー……」
雪穂「だよねぇ、私もお姉ちゃんが病気でうなされているのなんてあんまり記憶にないし」
穂乃果「あははー……穂乃果らしいけどねぇー……」
雪穂「そうだね」クスクス
雪穂「まぁ私もお姉ちゃんの妹だからねー、お姉ちゃん同様全然病気なんてしてこなかったけど」
穂乃果「ええー……?」
雪穂「ん?」
穂乃果「雪穂はあったよぉー……」
雪穂「えー? そうだっけ?」
穂乃果「うん……おっきな病気が一回……」 雪穂「あー……」
穂乃果「忘れちゃったのー……?」
雪穂「うん……病気になったような記憶はなんとなくあるんだけど、イマイチ覚えてないんだよねぇ」
穂乃果「えー……」
雪穂「なんでだろ? お母さんに看病してもらったような記憶だけはあるんだけど……」サスサス
穂乃果「違うよぉー……」
雪穂「違う?」
穂乃果「だって……あのときはー……」
雪穂「あの時は……?」
穂乃果「私がー……」
雪穂「……?」
穂乃果「……」スースー
雪穂「ん……」
雪穂「寝ちゃった……」
雪穂「……」クス
雪穂「珍しく高熱なんで出すから、疲れちゃったんだね……」
雪穂「あはは、赤ちゃんみたい……♪」
穂乃果「……」スースー
雪穂「熱はどうかな……」ピト
穂乃果「んん……///」スースー
雪穂「うわ……本当、凄い高熱。手の平越しに伝わってくる……」
穂乃果「……んぅ……っく……///」スースー
雪穂「……///」
雪穂「どうでもいいけど、寝息が妙に艶っぽいのはなんでなの……?///」
雪穂「……こういうところが男の人の気を引くのかな」
雪穂「いや、まさかなぁ……」 雪穂「……結局今回は勘違いだったけど」
雪穂「実際お姉ちゃんって、彼氏……いたりするのかなぁ」
雪穂「よく男の人と遊んでるとか聞くし、彼氏の一人や二人いたっておかしくないよね……」
雪穂「あ……」
雪穂「そう言えば、台所にお皿二つ分用意されてた……」
雪穂「……」
雪穂「やっぱり、そうなのかなぁ……」
穂乃果「んぅ……」スースー
絵里『わからないわよ―、案外あの子もあれで寂しがりやさんなのよ?』
絵里『特に一人きりだと、そういう想いも一際強くなるでしょうしね』
雪穂「絵里さんはああ言ってたけど……」
雪穂「なんだ……ちゃっかりやってるじゃん」 雪穂「はぁ……彼氏、かぁ」
雪穂「……あんまり私はそういうの、興味ないけど」
雪穂「まぁ、お姉ちゃんは大学生だしね、そりゃ恋愛の一つも……」
雪穂「……」
雪穂「……私、来ないほうが良いのかなぁ」ボソ
穂乃果「ゆきほぉ……」スースー
雪穂「ん……」チラ
雪穂「……」クス
雪穂「……本当、弱ってるお姉ちゃんは可愛いよ」ナデナデ
穂乃果「んー……///」スースー
雪穂「……」 雪穂「お姉ちゃんの為に……なんて言って来てたけど」
雪穂「もしかしたら迷惑、なのかもなぁ……」
雪穂「……男の人と付き合ってるとしたら、私、邪魔……だよね」
穂乃果「……おまんじゅう食べたいー……」スースー
雪穂「何言ってるんだか……」クス 雪穂「……うん」
雪穂「とりあえず治るまではお姉ちゃんの看病しなきゃ、だね」
雪穂「ふふ……元気ないお姉ちゃんなんてレアだからね」
雪穂「沢山拝ませてもらおっと……♪」
雪穂「――――これで最後になるかも、だしね」
……。
――――――
――――
――
とりあえずここまででー。
続きは31日になるかと思います…。
__
__((__
./::::::::::ヽ
./:::::::::::::ヽ
/:(:((("))):):(::):l
+ノ> < y:(::):/
k "" ワ """ jヽ(::)(
. ヽ_______ノ_/∞k
Oヽ/ ヽ▽_/ ヽ_O
ヽ//.i>o<i iヽ___/
.l__:__:___l
/_/_l_l_l_l_ヽ_ヽ
. / / ヽ ヽ
|:::::| |:::::|
`-´ `-´
千歌ちゃんがこのスレに興味を持ったようです _____
/:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::/l_/l__l_l/l_l_l::::l::::::::::l
lヽ/ ∧ ∧ l<l::::::/
l/l "" _ """l::::lヽ:::l
. l:lヽ ___・________,,l:::l_/:::l
. ヽ:::::/ ,ヽ▽_/'l:/`ヽ::l
/:/ / ./:ヽ / /::::l
l::l__l,___,l_l,⊂|/::::::::l
/:::(/_/_l_l_l_l_ヽ_ヽ:::/l:::l
. ヽ_l__/
l::::l::::::/
`-`-´
姉妹でなんていけませんわ!
雪穂「くしゅんっ!」
亜里沙「あれー雪穂も風邪ー?」
雪穂「えー、私がー? まさかぁ、誰かが噂してるんでしょ」
亜里沙「そうだよね! 雪穂は風邪引かないよね!」
雪穂「どーいう意味?」
トコトコ…
雪穂「……それにしても亜里沙、本当にすぐに治ったね」
亜里沙「うん! 亜里沙はいつでも元気!!」
雪穂「ばーか」
亜里沙「あー! 雪穂が酷いこと言ったー!!」
雪穂「あはは、嘘だってば♪」クスクス
亜里沙「雪穂のバカー!!」
雪穂「ごめんってば……!」クスクス
亜里沙「ふん!」 雪穂「まぁ……なんにしても、長引かなくてよかったけどね」
亜里沙「うーん、でも亜里沙はもっと雪穂に看病してもらいたかったなー♪」
雪穂「何言ってんの……」
亜里沙「だって、雪穂に看病してもらえたら元気がでるもん!」
雪穂「バカなこと言わないの///」
亜里沙「本当だよ! すぐに治ったのは雪穂の看病のおかげかも!」
雪穂「えー……///」
亜里沙「だから雪穂が看病するなら、穂乃果さんだってすぐ良くなるよー!」
雪穂「あー……うん……」
亜里沙「……雪穂? 穂乃果さんのお見舞いに行くんでしょー?」
雪穂「勿論……行くよ」
亜里沙「……」ピタ
雪穂「……亜里沙?」
亜里沙「……」ジ…
雪穂「……?」
亜里沙「何かあった、雪穂……?」
雪穂「へ……?」
亜里沙「大好きな穂乃果さんのお見舞いなのに、雪穂、嬉しく無さそう」
雪穂「だ、大好きって……///」
亜里沙「大好きでしょー?」
雪穂「え、えっと、その……///」
雪穂「……う、うん……好き、だけど……///」
亜里沙「じゃあどうして?」
亜里沙「どうして嬉しくなさそうなの……?」
雪穂「……」
雪穂「ちょっとね……」
雪穂「私……」
雪穂「お姉ちゃんのこと、好きなままでいいのかなぁ――――」
*
ほのママ「あらあら、帰ってきてそうそう難しいこと考えてるわねぇ」ゴソゴソ
雪穂「うん……」
ほのママ「えーっと、これとこれも必要かしらねぇ……。どうせだったら、これも持っていってもらおうかしらね」
雪穂「ねぇ」
ほのママ「んー?」
雪穂「お母さんはどう思う?」
ほのママ「何が?」
雪穂「ちょっと、本当に私の話聞いてたー?」
ほのママ「聞いてたわよー」
雪穂「本当かなぁ……」
ほのママ「なんでそう思うのー?」
雪穂「え……?」 ほのママ「なんで穂乃果を好きになっちゃいけないって思うの?」
雪穂「それは……」
ほのママ「妹なんだから、お姉ちゃんを好きでいたって問題ないじゃない?」
雪穂「そうなの、かなぁ……」
ほのママ「あんたたちは昔から仲良し姉妹だったんだから、そのままで良いわよ」
雪穂「でもさぁ……」
ほのママ「んー? 何か気に入らないことがあるの?」
雪穂「気に入らないって訳じゃないけど……」
ほのママ「なによー、ハッキリしないわねぇ」
雪穂「……いやだって、お姉ちゃんも自立しようとして一人暮らししてる訳だしさ、私がいると邪魔かなー……って」
ほのママ「そんなこと、あの子は思わないと思うけどー?」
雪穂「えぇー……」
ほのママ「むしろ雪穂が毎日遊びに来てくれて嬉しがってるんじゃないの?」
雪穂「そう、だといいんだけど……」
ほのママ「……もう、急にどうしたのよー?」
雪穂「……う……ん……」
雪穂「その……」
雪穂「……お姉ちゃんに、彼氏……とかいたら、私がいると迷惑かな、って……」
ほのママ「へ……」ポカーン
雪穂「……」モジモジ
ほのママ「……あっはっはっはっはっはっ!!」バンバン
雪穂「へ?」 ほのママ「もー雪穂ー! 笑わせないでよー! あっはっはっはっは!」バシバシ
雪穂「痛い痛い……! なに急に……!」イラ
ほのママ「あはは! あの子に彼氏なんていないわよ! あっはっはっは!」バンバン
雪穂「え、えぇー!? でもお姉ちゃんだよ! 性格はアレだけど、外見は可愛いし! 美人だし! 彼氏の一つや二つ……!!」
ほのママ「へー、年頃の女の子の穂乃果の評価はそんな感じなのー?」ウフフ
雪穂「あ……う……///」
ほのママ「ふふ♪」
雪穂「ちゃ、茶化さないでよ!」
ほのママ「ごめんごめん♪ ……あーおかしかった」
雪穂「もー……///」 ほのママ「んー、でも本当に穂乃果に彼氏はまだ早いと思うわよー?」
雪穂「なんで分かるのー……?」
ほのママ「母親のカ・ン♪」
雪穂「カン……?」
ほのママ「女のカンでもいいけど?」
雪穂「えぇ……」
ほのママ「なーによ、これでもバリバリ現役の女子なんですからね」
雪穂「そうだけどさ……」 ほのママ「ふふ……まぁ冗談は置いとくとしても、そんな彼氏の心配なんていらないわよ」
雪穂「うーん……」
ほのママ「いくら外見が可愛くたって、中身が育たなきゃ男は振り向かないの」
雪穂「そういうもん……?」
ほのママ「そうよー。私がお父さんを振り向かせるのにどれだけ苦労したと思ってるのよ」
雪穂「え、そんな馴れ初め話があるの?」
ほのママ「聞きたい? 聞きたい?」ズイ
雪穂「ぅ……遠慮しておく……」
ほのママ「なによー、つまらないわねぇー」
雪穂「あ、あははー……」 ほのママ「まぁ例えあの子に彼氏が出来たとしても、雪穂が心配することじゃないわよ」
雪穂「なんで……?」
ほのママ「男と女は別だから♪」
雪穂「……どーいうこと?」
ほのママ「男は男で仲良くするけど、女は女で別の付き合いがあるの。そこを一緒くたにするような女じゃ、どの道上手くはいかないだろうしね」
雪穂「それも経験談……?」
ほのママ「んー……ご想像にお任せします♪」
雪穂「はぁ……」 ほのママ「何にしても、それでヘンに穂乃果と距離置かれて昔のケンカしてた時みたいなことになってもやーなのよ」
雪穂「昔のケンカって……あー、小学校の頃の話ー?」
ほのママ「そーよ。仲良かったアンタたちが急にケンカしだすのは、見てて本当に辛かったんだから」
雪穂「そうだったんだ……」
ほのママ「お父さんとどうしよう? なんて、毎日話し合ってたもんだわ……」
雪穂「そんな大袈裟な……」
ほのママ「大袈裟にもなるわよ……。あんたは本当に穂乃果にベッタリで、毎日お姉ちゃん大好きー! って言って付いて回ってたんだから」
雪穂「あぅ……///」
ほのママ「だから母としては、今ぐらいのお姉ちゃん大好きな雪穂のままでいてくれると安心するのよ」
雪穂「えぇ……///」 ほのママ「……という訳で、はい」ドサ
雪穂「うわっと……」
ほのママ「”大好きなお姉ちゃん”へのお見舞いの品♪」
雪穂「お、お母さん……///」
ほのママ「これから行くんでしょ? ついでに持っていってあげて♪」
雪穂「うん……」
ほのママ「ふふ、穂乃果によろしくね♪」
*
トコトコ…
雪穂「……とは言っても」
雪穂「本当に良いのかなぁ、今のままで……」
雪穂「確かに、私はお姉ちゃんのことが好きだけど……」
雪穂「でもだからと言って、お姉ちゃんの邪魔もしたくないし……」
雪穂「お母さんはあんなこと言ってたけど……」
雪穂「私につきまとわれて、窮屈じゃないかな……」
トコトコ…
雪穂「……」
雪穂「……今まで、全然そんなこと考えなかった」
雪穂「昔はお姉ちゃんと一緒にいるのが当たり前だったし……」
雪穂「家を出てからも、私のことを必要としてくれてたし」
雪穂「……いや、どーなんだろ」
雪穂「……」
雪穂「……私の勝手な思い上がり、だったのかもなぁ」
*
ガチャガチャ
雪穂「ん、今日はちゃんと鍵掛けてるね」
雪穂「合い鍵合い鍵っと……」ゴソゴソ
ガチャ
雪穂「お邪魔しまーす……」
穂乃果「あ、雪穂ー……」フラフラ
雪穂「って、おねーちゃん!? 何してんの!!」 穂乃果「な、何って……料理ー……」フラフラー
雪穂「料理、じゃないよ! 病人なんだからちゃんと寝てなきゃダメじゃん!!」
穂乃果「大丈夫だよぉ……あっ……」クラ
雪穂「わっ……!」ダキ
穂乃果「あぅぅ……」クラクラ
雪穂「ほら! 全然大丈夫じゃないじゃん! めっちゃフラフラしてるじゃん!」
穂乃果「あ、あははー……さっきまでは元気だったんだけどなぁ……」
雪穂「顔だって赤いし……酷くなったらどうするの!? ほら! ベッドに戻って!!」ドン
穂乃果「わぁぁ……押さないでよぉー……」フラフラ
……。
穂乃果「くしゅんっ!……うぅ、さむい」フルフル
雪穂「ほら、言わんこっちゃない……熱まだあるの?」
穂乃果「うんー……さっき測ったら38度だった……」
雪穂「全然まだ下がってないじゃん……。もう、よくそれで料理なんてしようと思ったね……」
穂乃果「だ、だってー……」
雪穂「はいはい、病気してる間は毎日来てあげるから、お姉ちゃんは安静にしてて」
穂乃果「練習はー……? 大丈夫ー……?」
雪穂「亜里沙も風邪引いて休んだばかりだし、しばらくお休み」
穂乃果「そっかー……」
雪穂「……こっちのことは大丈夫だから、自分のことを心配してよ」
穂乃果「うんー……」
雪穂「……」
雪穂「……毎日、か……」ボソ
穂乃果「……? 雪穂、どうかした?」
雪穂「……なんでもない」
穂乃果「そう……?」
雪穂「あ、そうだ、これお母さんから」ガサガサ
穂乃果「わぁー……お母さんからのお見舞いだぁー……嬉しいー……♪」
雪穂「なんか、袋の中にいっぱい詰めてたよ」
穂乃果「お野菜とか、インスタント食品とか、いっぱいあるー……♪」
雪穂「本当だ、凄い……」
穂乃果「あ、ほむまんもあるー……! 久しぶりに食べたかったんだぁ……!」
雪穂「お姉ちゃんが和菓子食べたがるなんて珍しいね」
穂乃果「家にいる時はずっと食べさせられてもう食べたくないなんて思ってたけど、家をでると不思議と恋しくなるもんなんだよねー……」
雪穂「そういうものかなぁ……」 穂乃果「雪穂ぉ……食べていいー……?」キラキラ
雪穂「……えー……食べられるの?」
穂乃果「多分ー……」
雪穂「……まぁ、いいけどさ。その代わり、あんまり食べちゃダメだからね」
穂乃果「うんうん、やったぁ……♪」
雪穂「お茶、淹れてくるよ」
穂乃果「うん、ありがとー……♪」
トテトテ…
キュポン
コポコポ…
雪穂(……病気の間は毎日、か)
雪穂(……)
雪穂(心配、だからね)
雪穂(それぐらいはいいよね……)
トポポ…
雪穂(そういやお姉ちゃん、料理って何作ってたんだろ……?)
雪穂(……シチュー、かな?)カパ
雪穂(まぁ、シチューだったら病人でも……。身体、暖まるしね)
雪穂(……)クンクン
雪穂(……それにしても、美味しそうだなぁ)
雪穂(お姉ちゃんの作る料理は美味しいもんね……)
雪穂「……ん?」チラ
雪穂「……」
雪穂「二人分のお皿……」ズキ
雪穂「……」
雪穂「やっぱりお姉ちゃん……」
雪穂「……」ギュ…
*
コト
雪穂「お待たせ」
穂乃果「あー、ありがとー……♪」
雪穂「熱いから気をつけてよ」
穂乃果「うんー……」ズズ…
雪穂「……」
穂乃果「やっぱり雪穂の淹れてくれたお茶は美味しいねー……♪」
雪穂「……そ」
穂乃果「お父さんの作るほむまんも美味しいー……♪」モグモグ
雪穂「そうだね……」
雪穂(……)
雪穂(……いつも元気なお姉ちゃんが、こんなに弱々しくなってるのに)
雪穂(それでもフラフラになりながらも料理をしてあげる相手って……)
雪穂(一体どんな人なんだろうなぁ……)
雪穂(……)
雪穂(……なんだか)
雪穂(嫉妬しちゃう……)ギュ…
穂乃果「……雪穂?」
雪穂「……え」
穂乃果「どうしたの? 食べないの……?」
雪穂「あ……うん……」
穂乃果「……?」
雪穂「……」
雪穂「……お姉ちゃん、今日はもう帰るよ」スク
穂乃果「え……も、もうー……?」
雪穂「うん……」
穂乃果「もっとゆっくりしていけばいいのにー……」
雪穂「……ううん、帰る」
穂乃果「ぁ……」
スタスタ…
穂乃果「雪穂ー……」
雪穂「……なに?」
穂乃果「ご飯はー……?」
雪穂「……いらない」
穂乃果「……そ、そっかー……」
雪穂「……」
穂乃果「……」
雪穂「……また、明日も来るから」
穂乃果「ぁ……うん……!」
雪穂「お薬、ちゃんと飲むんだよ」
穂乃果「うん……分かったー……」
雪穂「……それじゃあね」
穂乃果「バイバイ……」フリフリ
雪穂「……」フリフリ
*
トコトコ…
雪穂「……」
雪穂「……なーにやってんのかなー私……」
雪穂「看病するって言ってんのに、変に嫉妬して怒って出てくるなんて……」
雪穂「最低じゃん、私……」
雪穂「はぁ……」
雪穂「……LINEで謝っておこ」
雪穂「……」カタカタ
雪穂「……急に帰るなんて言ってごめんね……っと」
雪穂「こんなもんでいいよね」
雪穂「送信っと」
雪穂「……ふぅ」
ヴヴヴ…
雪穂「わ……もう返ってきた……」
お姉ちゃん:ううん、こっちこそごめんね、看病してもらってるのに何も出来なくて
お姉ちゃん:雪穂に移ったら大変だもんね、あんまり一緒にいすぎたらダメだよね
お姉ちゃん:毎日じゃなくても、来れる時だけでいいからね
雪穂「……」ズキ…
雪穂「……毎日じゃなくてもいい、か……」
雪穂「……やっぱりお姉ちゃん、私のこと鬱陶しく思ってるのかな……」
雪穂「……」
雪穂「……はぁ」
雪穂「明日、行くのやだなぁ……」ボソ
雪穂「……」カタカタ
雪穂:うん、分かったー
――――――
――――
――
雪穂「ごほっ……ごほっ……」
亜里沙「雪穂ー……大丈夫ー……?」
雪穂「へーきへーき……ちょっと喉が乾燥してるだけだって」ゴホ…
亜里沙「うーん……?」
雪穂「それより亜里沙の方は大丈夫なの?」
亜里沙「亜里沙はもうへっちゃら! 全然練習だってできるよ!」
雪穂「本当かなぁ……」
亜里沙「あ、でもでもー、雪穂は穂乃果さんの看病に行かないといけないし、練習はお休みでいいよー!」
雪穂「あー……うん……」
亜里沙「……雪穂ー……」
雪穂「……」 亜里沙「大丈夫だよー! 穂乃果さんは雪穂のこと、大好きだから!」
雪穂「……適当なこと言ってる」
亜里沙「そんなことないよー、嫌いだったら看病して欲しいなんて思わないもん!」
雪穂「でも、毎日来なくてもいいって言われたし……」
亜里沙「それは雪穂のことを思ってだよ! 毎日だと大変だと思ったから穂乃果さんはそう言ったの!」
雪穂「そうかなぁ……」
亜里沙「もう……! そんなうじうじしてるなんて、雪穂らしくないよー!」
雪穂「私らしくって……」
亜里沙「〜〜!」
雪穂「はぁ……」 亜里沙「そんな悩むぐらいだったら、直接穂乃果さんに聞けばいいんだよー!」
雪穂「直接って、えぇ……」
亜里沙「雪穂と彼氏さんと、どっちが好きなの!? って!」
雪穂「それ告白じゃん!!///」
*
雪穂「……はぁ」
雪穂「……」
雪穂「お姉ちゃん家に会うのがなんだか憂鬱……」
雪穂「……会うのが楽しみだった筈なんだけどなぁ……」
雪穂「……はぁ……」
雪穂「……」
雪穂「って、玄関の前でため息ついててもしょうがないや、入ろう」
ガチャ…
雪穂「ぁ……また鍵掛けてない……!」
雪穂「もう何度も言ってのに! 大体風邪引いてるのにどこ……!」
雪穂「……」ハッ
雪穂「……まさか」
雪穂「……」
雪穂「……」ゴク
ギギ…
雪穂「……」ソー
雪穂(……さすがに、いない……かな……?)
雪穂(……)
雪穂(……はぁ、何してんだろ私……)
雪穂(こんなことして、本当に現場を目撃しちゃったらどうするの……)
雪穂(……そんなの、絶対……)
ハァ……ハァ……
雪穂(へ……)
ハァ……ハァ……ン……
雪穂(これ……デジャヴか何かじゃないよね……///)
雪穂(……え……だって、今回はさすがに……///)
雪穂(……///)ドキドキ…
雪穂(……)
雪穂(……///)ソー
穂乃果「……はぁ……はぁ……///」
穂乃果「ん……っ♡」
雪穂(……男の人はやっぱりいない……///)キョロキョロ
雪穂(……///)
雪穂(……ってことは///)
穂乃果「あっ……ん……っ……♡」クチュ
穂乃果「はぁ……っ……!♡」ビク
雪穂(……これってやっぱり……///)
雪穂(オナニー……だよね……///)
雪穂(///)カァー
穂乃果「……んっ……んっ……♡」クチュクチュ
雪穂(〜〜〜〜///)
雪穂(熱あるのに何してるの……!)
雪穂(もう……覗くんじゃなかった……)
雪穂(……きっと……彼氏のことを想ってシてるんだ……)
雪穂(そうに違いないよ……!)
穂乃果「あん……っ……はぁ……っ……♡」
雪穂(聞きたくない……っ!///)ギュー
穂乃果「ゆき……ほぉ……っ……!♡」
……。
*
雪穂(……)
雪穂(……)
雪穂(……終わったかな……)
雪穂(……はぁ)
雪穂(……私、何してるんだろ……)
雪穂(お姉ちゃんの一人エッチなんて覗いて……)
雪穂(……)
雪穂(……なんか)
雪穂(自分がみじめになるだけだよ……)
雪穂(……はぁ)
雪穂(……)
雪穂(……)スク
トコトコ…
雪穂「お姉ちゃん……」
穂乃果「わっ……」ドキ
雪穂「……」
穂乃果「ゆ、雪穂……? いつからそこにいたのー……?」ドキドキ
雪穂「……今来たばかりだよ」
穂乃果「あ……そうなんだー……」ホッ
穂乃果「熱あるからかなー……全然玄関の音に気が付かなかったー……」アハハ 雪穂「……鍵」
穂乃果「へ……?」
雪穂「また開いてたよ」
穂乃果「あ、あー……そう言えば掛け忘れてたかもー……」
雪穂「……」
穂乃果「ご、ごめん……」
雪穂「私に謝られたって……お姉ちゃんのことでしょ……」
穂乃果「うん、そうだけど……」
雪穂「……」
穂乃果「……」
穂乃果「雪穂……機嫌悪いー……?」
雪穂「……別に」
穂乃果「穂乃果……何かしちゃったかなー……?」アセアセ
雪穂「だから、別にって言ってるじゃん」
穂乃果「でも……」
雪穂「……」
雪穂「あの、さ」
穂乃果「うん……?」
雪穂「……何か私に隠してることない?」
穂乃果「へ……!?」ビク
雪穂「……」
穂乃果「いや……その……別に隠してることなんてー……」アセアセ
雪穂(……やっぱり)
雪穂(お姉ちゃん分かりやすいなぁ……)
雪穂(……もういいや)
穂乃果「あ、あのね……? 別に穂乃果は、雪穂でなんて……///」アセアセ
雪穂「お姉ちゃん」
穂乃果「な、なにー……?」ドキドキ
雪穂「……もう、来るのやめるね」
穂乃果「……へ……」
雪穂「お姉ちゃん家に……」
穂乃果「ぇ……」
雪穂「しばらくは……」
雪穂「ううん」
雪穂「――――二度とこないかも」
穂乃果「ぇ……あ……」
雪穂「……」
穂乃果「……な、なんでー……!?」
雪穂「……だって、邪魔でしょ? 私……」
穂乃果「邪魔って……そ、そんなことないよ……!?」
雪穂「ううん、分かってるから」スタスタ
穂乃果「ゆ、雪穂ー……!?」
雪穂「……私、無神経だったよね」
穂乃果「へ……」
雪穂「何にも考えないで、お姉ちゃんのとこに来てたから……」
穂乃果「別に……そんなこ……ごほっ……ごほっ……!」
雪穂「っ」
穂乃果「ごほっ……! ごほっ……! ゆき……ほ……!」
雪穂「……」
雪穂「……風邪が治るまで看病するなんて言ったのに」
雪穂「お姉ちゃん、ごめんね……!」ダッ
穂乃果「雪穂……!?」
ガチャ!
ユキホ…! ゴホ…ゴホ…!
雪穂「っ!?」クル
雪穂「……」
雪穂「……っ」
ダッ…!
雪穂「……はぁはぁ……っ!」
雪穂「……はぁはぁ……!」
雪穂「……はぁはぁ……」
雪穂「……ん……」
雪穂「……」
雪穂「……」グス
雪穂「……これで、いいんだよ」
雪穂「お姉ちゃんの為になるなら……」
雪穂「これで――――」
――――――
――――
――
雪穂「くしゅんっ!」
雪穂「うぅ……」フルフル
亜里沙「雪穂ー……?」
雪穂「なにー……? ごほ、ごほっ!」
亜里沙「やっぱり雪穂も風邪引いたー?」
雪穂「えー……まさかぁー……」ゴホゴホ
亜里沙「むー……」
雪穂「ぅー……」 亜里沙「熱はあるー?」
雪穂「測ってないー」
亜里沙「身体ダルくないー?」
雪穂「別にー……」ゴホゴホ
亜里沙「……雪穂? 本当のこと言ってよー?」
雪穂「本当だよー大丈夫ー……」
亜里沙「うーん……穂乃果さんの看病しているうちに風邪移っちゃったのかなぁ……?」
雪穂「えー、違うと思うけど……」
亜里沙「むぅー……」
雪穂「それに……もうやめたから」
雪穂「お姉ちゃんの家に行くの」
亜里沙「え……」
亜里沙「えーーっ!!?」
雪穂「ちょ……亜里沙うるさい……」
亜里沙「なんでー!?」
雪穂「なんでって……」
亜里沙「また穂乃果さんとケンカしちゃったのー!?」
雪穂「ケンカなんかじゃないよ別に……」
亜里沙「じゃあー……!」
雪穂「ただ……」
雪穂「お姉ちゃんの邪魔にならないように、私が離れただけ……」
亜里沙「……」 雪穂「だから、もう大丈夫」
雪穂「お姉ちゃんの傍には近付かないことにしたから、風邪が移ることなんて……」
亜里沙「――ねぇ」
雪穂「……?」
亜里沙「本当にそれでいいの……?」
雪穂「……」
亜里沙「雪穂は本当にそれで満足なの――――?」
*
ボフ
雪穂「……」
雪穂「……はぁ」
ゴロゴロ…
雪穂「〜〜」
雪穂「〜……」
雪穂「う〜ん……」
亜里沙『雪穂は本当にそれで満足なの――――?』
雪穂「……そんなこと言われたって」
雪穂「……」
雪穂「良くないにきまってんじゃんー……」ボフ
雪穂「ごほっ、ごほっ!」
雪穂「ん……」ズズ…
雪穂「……」グシュグシュ
雪穂「……はぁ」
雪穂「……なんか調子でないや」
雪穂「本当に風邪、貰っちゃったのかなぁ……」
雪穂「……」
雪穂「お姉ちゃんの風邪、かぁ……」
雪穂「お姉ちゃんが私の中に……」
雪穂「……///」
雪穂「何考えてんの私……///」ボフ
雪穂「……」
雪穂「……いい加減、姉離れしないといけないんだよね」
雪穂「満足とかそんなの、関係ない……」
雪穂「お姉ちゃんの為にも、私の為にも……」
雪穂「……」
雪穂「……お姉ちゃん」
雪穂「やっぱり、お姉ちゃんと一緒にいたいよぉ……」
雪穂「満足なわけないじゃん……」
雪穂「そんなの当たり前だよ……」
雪穂「ずっとお姉ちゃんが大好きだったんだから……」
雪穂「やだよぉ……」
雪穂「男の人にお姉ちゃんを取られるなんて、嫌だよぉ……」グス
雪穂「お姉ちゃん……お姉ちゃん……っ!」
雪穂「お姉ちゃんの匂いが恋しいよ……っ!」ギュ…
雪穂「〜〜!」
雪穂「〜〜……」
雪穂「……」
雪穂「……あ……」
ゴソゴソ
雪穂「あった……」コト
雪穂「……これ、お姉ちゃんがつけてる香水……」
雪穂「前、一緒に買い物に行った時に買ったっけ……」
雪穂「これつければ、少しはお姉ちゃんを近くに感じられるかな……」
カチャ…
雪穂「ん……」クンクン
雪穂「あ……お姉ちゃんだ……」
雪穂「お姉ちゃんの匂い……っ」
フワ…
雪穂「はぁ……っ///」
雪穂「……わ……これ……やば……っ///」ゾクゾク
雪穂「つけると、本当にお姉ちゃんに抱きしめられるみたいな感じ……っ///」
雪穂「……んっ♡」
ゴソ…
雪穂「……はぁっ……///」
雪穂「んくっ……///」
雪穂「んっ……んっ……♡」
雪穂「お姉ちゃん……っ♡」
雪穂「あっ……♡」
雪穂「大好きだよ……っ♡」
雪穂「お姉ちゃん、お姉ちゃん……っ♡」
クチュ…
雪穂「んっ……!♡」ビクッ
雪穂「〜〜!! 〜〜!!」ビクッビクッ
雪穂「〜〜……♡」
雪穂「〜……///」
……。
――――――
――――
――
雪穂「……」
雪穂「……ん」
ムク…
雪穂「……あ、れ……?」
雪穂「……」ズズ…
雪穂「私……寝てた……?」
雪穂「……」
雪穂「あ!?」バッ!
雪穂「……///」
雪穂「……わ、私、あのまま寝ちゃったの……?///」
雪穂「///」カァー
雪穂「わ、私……///」
雪穂「なななな、なんてこと……!!///」
雪穂「お、おおおおお……お姉ちゃんでシちゃったの……?///」
雪穂「〜〜〜〜!!!///」
雪穂「ちょ、ちょっと待って!///」
雪穂「お、お姉ちゃんが好きって……そ、そそそ、そういうことじゃなくって……!///」
雪穂「だ、だってそれじゃ! ただのヘンタイ……!!///」
雪穂「〜〜〜!!! 〜〜〜〜!!!///」
雪穂「〜〜……///」
雪穂「……///」
雪穂「……で、でも」
雪穂「あんなの……初めて……」
雪穂「なんだか……お姉ちゃんに包み込まれてるみたいな感じで、すっごい気持ちよかった……///」
雪穂「〜〜〜〜!!!///」
雪穂「うわぁぁぁぁ〜〜〜〜!!///」ゴロゴロ
雪穂「違う違う違う違うの〜〜!!!///」ゴロゴロ
雪穂「違くないけど違うのぉ〜〜〜〜!!!!///」ゴロゴロ 雪穂「あ〜〜〜〜〜!!!///」
雪穂「すっっごい罪悪感〜〜〜〜!!!///」
雪穂「ううぅぅ〜〜……///」
雪穂「〜〜……」
雪穂「……お姉ちゃん……」
雪穂「変態の妹でごめん……」
雪穂「……」グス
雪穂「ふわ……くしゅんっ!!」
雪穂「うぅ……」ガタガタ
雪穂「そのまま寝ちゃってたから、凄く寒い……」
雪穂「あ……もう12時だ……」チラ
雪穂「顔、洗ってこよ……」
雪穂「んしょ……」トト
グラ…
雪穂「あ、あれ……?」
トトット…
雪穂「うわ……目の前がぐにゃぐにゃ……」
雪穂「それに足も……ふらふら……」フラフラ
雪穂「……〜〜」
雪穂「……あ……これ……」
雪穂「やばいやつ……だ……」フラ…
ドタ!
雪穂「おねぇ……ちゃ……ん……」
雪穂「……」
……。
===========================================
穂乃果「……おたふく風邪?」
ほのママ「だって」
穂乃果「なにそれ……? ゆきほ、どうなっちゃうの……?」ハラハラ
ほのママ「ふふ、そんなに心配しなくても大丈夫よ」
穂乃果「だ、だって! ゆきほの顔、あんなに赤く腫れてパンパンになっちゃって……! ゆきほじゃないみたいだよっ!!」
ほのママ「まぁ確かに……。あの子、太るの気にしてるから今の姿見せたら泣いちゃうかしらねぇ?」クスクス
穂乃果「おかーさん!!」
ほのママ「はいはい、悪かったわよ」
穂乃果「もう……!」 ほのママ「全く、雪穂のことになると怖いんだから」フフ
穂乃果「ねぇ……ゆきほは大丈夫なの……?」オロオロ
ほのママ「おたふく風邪は普通の風邪よりちょっと厄介なだけで、そんなに大したことはないわよ」
穂乃果「そうなの……?」
ほのママ「そうよ。普通は子供の頃にみんな、一回ぐらいは経験するものなんだけど……」
穂乃果「ほのか、なったことないよ……?」
ほのママ「そうなのよねぇ……。あんたは今まで病気らしい病気したことないものね」
穂乃果「うん……」
ほのママ「穂乃果らしいというか……」
穂乃果「どーいう意味!?」
ほのママ「あっはっは! まぁまぁ、元気なのはいいことじゃない♪」
穂乃果「むぅー……!」 ほのママ「まぁ、あの子もあんた同様、今までロクに病気にならなかったから心配は心配だけどね」
穂乃果「だよね、だよね……!」アセアセ
ほのママ「だからって、あんたが焦っててもしょうがないでしょー」
穂乃果「そうだけど……!」
ほのママ「心配なのは分かるけど、あんただって移るかもしれないんだから……自分の部屋戻ってなさい」
穂乃果「やだ! ほのか、ゆきほの看病するっ!」
ほのママ「看病って……あんた、明日だって部活あるでしょ?」
穂乃果「あるけどぉ……」
ほのママ「移ったら大変よー、穂乃果も顔パンパンになるわよー?」
穂乃果「ぅ……それは嫌だけど……」
穂乃果「……でも、ほのかだったらきっと移らないから大丈夫!」
穂乃果「だからゆきほの看病するの!」
ほのママ「一体その自信はどこから来るのやら……」
穂乃果「〜〜……!」
ほのママ「んー……」
穂乃果「むー……!」
ほのママ「……はぁ」
ほのママ「……まぁ、穂乃果なら本当に大丈夫な気もするけど」
穂乃果「どーいう意味ーっ!?」
ほのママ「あんたが言ったんでしょうに……」
ほのママ「しょうがないわね……。まぁ雪穂もあんたがついててくれた方が心強いだろうし、お願いできる?」
穂乃果「わぁ……」パァ
穂乃果「うん! ほのか頑張るっ!」 ほのママ「タオル、ちゃんと変えてあげてね。あと、汗もしっかり拭いてあげるのよ」
穂乃果「うんうん!」
ほのママ「あんたに移るといけないから、ちゃんと寝る前に手洗いうがいをしっかりね」
穂乃果「分かった!」
ほのママ「それじゃあとでおかゆ持ってくるから」スク
穂乃果「はーい!」
バタン
穂乃果「……よし」
穂乃果「ちゃんとゆきほの看病しなきゃ……!」
ゆきほ「……///」
穂乃果「ゆきほ……」ギュ
穂乃果「うわ、すごい熱い……」アセアセ
ゆきほ「んん……///」
穂乃果「どうしよう……」オロオロ
穂乃果「あ、そっか、タオル絞ってあげないと……!」
ギュ…!
穂乃果「よっと……」パサ
ゆきほ「ぅぅ……///」
穂乃果「……これで少しは冷めるかな」
ゆきほ「……」スースー
穂乃果「……」ホッ…
穂乃果「ゆきほ……はやくげんきになってね……」
……。
ゆきほ「……ん……ぅ……」モゾ…
穂乃果「あ、雪穂……起きた……?」
ゆきほ「……ぁ……?」
ゆきほ「……おかー……さん……?」
穂乃果「む……お母さんじゃないよ、ほのかだよー」
ゆきほ「ぁ……タオル……ありがとー……おかーさん……」
穂乃果「もうー……寝惚けて勘違いしてるよぉ……」
穂乃果「ほのかが頑張っているのに……」シュン
ゆきほ「……///」ハァハァ
穂乃果「……ゆきほ、大丈夫ー……?」
ゆきほ「……わたし……しんじゃうのかなぁ……」
穂乃果「し、死なないよ! おたふく風邪だって! 大丈夫だよ雪穂!」
ゆきほ「おた……ふく……? へんななまえ……」
穂乃果「うん、本当だね……」アハハ…
ゆきほ「ごほっ……ごほっ……///」
穂乃果「わっ……」
ゆきほ「はぁ……はぁ……///」
穂乃果「ゆきほ、つらいー……?」
ゆきほ「う……ん……///」
ゆきほ「……ちょっと……さむい……///」フルフル
穂乃果「あ、汗拭いてあげないと……」
モゾモゾ…
穂乃果「よいしょっと」プチ…
ゆきほ「さむいよぉ……///」フルフル
穂乃果「脱がなきゃ拭けないんだから、我慢してー」
穂乃果「……ふー、凄い汗……」フキフキ
ゆきほ「んぅ……///」
穂乃果「ほっておいたらパジャマぐしょぐしょになっちゃうね……」
ゆきほ「ありがとうー……おかーさん……」
穂乃果「もう、お母さんじゃないってばぁー……」 ゆきほ「……おねーちゃんはー……?」
穂乃果「はぁ……ここにいるよーゆきほの看病してるよー」
ゆきほ「……おねーちゃんに……あいたいなぁー……」
穂乃果「え……」
ゆきほ「でも……おねーちゃんにびょうきうつっちゃうから……ダメかなぁー……」
穂乃果「……」
ゆきほ「おねーちゃん……けんどうのぶかつがんばってるし……」
ゆきほ「めいわくかけちゃだめ……だよね……」
穂乃果「ゆきほ……」
ゆきほ「……またいっしょに……おねーちゃんといっしょのベッドでねたいなぁー……」
穂乃果「っ……」
穂乃果「……うん、そうだね」
雪穂「……おねーちゃん……だいすきだよぉ……」
穂乃果「穂乃果もだよ……」
===================================================
雪穂(……)
雪穂(……ん……)
モゾ…
雪穂(あ……れ……)
雪穂(ここ……は……?)
雪穂(ベッドの……上……?)
雪穂(私……なんで……?)
雪穂(……)
雪穂(あ……)
雪穂(そっか……急に目眩がして、倒れたんだっけ……)
雪穂(お母さんが運んでくれたのかな……?)
雪穂(……)ボー
雪穂(……なんだか凄いぼーっとする……)
雪穂(……)
雪穂(夢――を見てた気がする……)
雪穂(私が病気になって、それをお姉ちゃんが看病してくれる夢……)
雪穂(……)
雪穂(あはは……凄いお姉ちゃん、優しかったなぁ……)
雪穂(夢、だもんね)
雪穂(きっと……私がこうして欲しいっていう想いがそのまま形になったからあんな夢……)
雪穂(……)
雪穂(……それにしても、懐かしかったなぁ)
雪穂(すごい昔の……お姉ちゃんがまだ家にいる頃の夢だった……)
雪穂(私もまだ小学生だったし……)
雪穂(あの頃は……隣の部屋にお姉ちゃんがいたんだよね……)
雪穂(一緒の部屋だった頃もあった……)
雪穂(本当、懐かしい……)
雪穂(お姉ちゃん……)ギュ…
ガチャ…
雪穂「……? お母さん……?」
雪穂「あはは……急に倒れてごめんね……心配、させちゃったね……」
雪穂「普段体調なんて悪くしないのに……お姉ちゃんに移されちゃったのかなぁ……?」
ギュ…
雪穂「……? あれ……なんで、抱きしめるの……?」
ボロボロ…
雪穂「……泣いてる……?」
雪穂「なんでお母さんが泣くの……?」
雪穂「それに……あれ……?」
雪穂「……お姉ちゃんの匂いがする……」
雪穂「なんでお母さんから……?」
ギュ…!
雪穂「……ああ……あったかい……」
雪穂「お姉ちゃんに抱きしめられてるみたい……」
雪穂「……はー……ぼーっとする……」
雪穂「……お姉ちゃん……大好きだよ……」
……し……も……っ!
――――――
――――
――
チュンチュン…
雪穂「……」
雪穂「……ん……」
ムク…
雪穂「……朝」
雪穂「ごほっ……」
雪穂「ん……」
雪穂「……少しは良くなった……のかな……」
雪穂「……」ボフ
雪穂「……なんか色んな夢を見てた気がする……」
雪穂「お姉ちゃんに抱きしめられたような……」
雪穂「……あはは」
雪穂「変なことしてるからそんな夢を見るんだよね……」
雪穂「……あれ?」クンクン
雪穂「……」クス
雪穂「なんだか……本当にお姉ちゃんの匂いがするような気がする……」
雪穂「まだ夢見てるのかな……?」
穂乃果「……雪穂……」スースー
雪穂「あ……」ドキ
穂乃果「……」スースー
雪穂「お姉ちゃん……なんでここに……?」
穂乃果「……雪穂ぉー……」ギュ
雪穂「……」
雪穂「……」クス
雪穂「お姉ちゃん……」ギュ…
ガチャ
ほのママ「雪穂ー起きたー?」
雪穂「あ……お母さん……」
ほのママ「あらあら、一晩寝て少しは体調よくなったんじゃない?」
雪穂「うん……」
ほのママ「って、穂乃果ったら……雪穂のベッドに寄りかかって寝ちゃったのね……まだ本調子じゃないだろうに」
雪穂「……なんで、お姉ちゃんがここにいるの……?」
ほのママ「昨日のこと、覚えてない?」
雪穂「覚えてない……と思う……」
ほのママ「まぁ無理もないかしらね……」
雪穂「……」 ほのママ「昨日の夜遅くにね、急に穂乃果が帰ってきたのよ」
雪穂「夜に……?」
穂乃果『雪穂に会いに来たの……っ!』
ほのママ「って、凄い焦った感じでね……何事かと思っちゃったわ」
雪穂「私に会いに……」
ほのママ「脇目も振らずに雪穂の部屋に走ってくから驚いちゃって……」
雪穂「……」
ほのママ「……で、部屋で倒れてる雪穂を見つけて大慌て!」
ほのママ「雪穂が! 雪穂が死んでる!! どうしよう!? とかなんとか言って大変だったんだから」
雪穂「死んでるって……」 ほのママ「まぁ私もさすがに吃驚しちゃったわよ。部屋の入り口で見事に倒れてるんだもの」
雪穂「ごめん……」
ほのママ「実際、穂乃果が気が付かなかったらそのまま朝になっていた可能性もあった訳だから、穂乃果に感謝しないとね」
雪穂「うん……」
ほのママ「……それにしても、雪穂のことになると取り乱すのは今も昔も変わってないわよねぇ」
雪穂「え……そうだっけ……?」
ほのママ「ほら、昔あんたがおたふく風邪引いた時も大変だったじゃない?」
雪穂「おたふく風邪……」
ほのママ「覚えてないの?」
雪穂「あんまり……」
ほのママ「あの時は……」
穂乃果『雪穂の顔がパンパンに! 急に太っちゃった! どうしよう!!』
ほのママ「なーんて言ってね」クスクス
雪穂「失礼な……」 ほのママ「まぁ確かに壮絶な具合に顔はパンパンだったわよー雪穂に見せてあげたかったぐらい♪」
雪穂「やめてよ……」
ほのママ「あの時も穂乃果、つきっきりで雪穂の看病してたわよねぇ……」
雪穂「あ……」
ほのママ「移るからやめておけって言っても、頑なに看病するって言って聞かなかったのよね」
雪穂「……」
ほのママ「昨日もそんな感じでねー」
ほのママ「穂乃果自身もまだ風邪治ってみたいなのに……」チラ…
穂乃果「……///」スースー
ほのママ「この通りなのよね」ハァ
雪穂「……」 ほのママ「とりあえずそこに布団引いておいたから、穂乃果はそこに寝かせるわよ。いいわよね?」
雪穂「あ、うん……勿論大丈夫だけど……」
ほのママ「よいしょっと……」
穂乃果「ぅぅん……///」
ほのママ「全くこの子も重くなったわね……」ヨイショ
雪穂「……」
ほのママ「ふぅ……これでよし」
穂乃果「……」スースー
ほのママ「とりあえず、あんた達仲良し風邪引き姉妹は今日一日、ゆっくり休んでなさいな」
雪穂「う、うん……///」
ほのママ「普段風邪なんか引かないからアレだけど、体調悪くなったらすぐに言うのよ? いい?」
雪穂「うん……ありがとう……」
ほのママ「それじゃ後でおかゆ持ってきてあげるわ」
ガチャ
バタン
雪穂「……」
雪穂「……そっか」
雪穂「あの時も、昨日も……」
雪穂「お母さんじゃなくて……」
雪穂「お姉ちゃんが看病してくれてたんだ……」
穂乃果「……」スースー
雪穂「お姉ちゃん……」
雪穂「――――ありがとう」
穂乃果「……ん……」
穂乃果「ぁ……」
穂乃果「……ゆき……ほ……?」ムク
雪穂「お姉ちゃん……おはよう」
穂乃果「……」
穂乃果「……雪穂……?」
穂乃果「雪穂ぉ……っ!」ガバ
雪穂「ちょ、お姉ちゃん、布団で寝てなきゃ……!」
ダキ
雪穂「ふぇぇ!?///」
穂乃果「……ぅ……っ……ぅ……っ!」ギュ…
雪穂「お、お姉ちゃん……?///」 穂乃果「雪穂……! 元気になって良かったよぉ……!!」
雪穂「あ、あはは……ただの風邪で大袈裟だよ……///」
穂乃果「だって……! 倒れてる雪穂なんて見たことなかったし……! 本当に死んじゃったのかもって思っちゃって……!」
雪穂「死ぬわけ無いじゃん……私は大丈夫だよ……」
穂乃果「うわぁぁん!! 雪穂ーっ!」ボロボロ
雪穂「……」
雪穂「……お姉ちゃん、どうして私に会いに来たの……?」
穂乃果「ぅく……! 雪穂がぁ……!」
穂乃果「雪穂が二度とこないなんて言って帰っちゃうからぁ……!」
雪穂「ぁ……」
穂乃果「そんなのやだって思って……! 絶対嫌だって思ったからぁ……!」
穂乃果「そしたら……! いてもたってもいられなくなって……!!」
穂乃果「風邪なんて関係ないって……! 死ぬ気で家まで帰ってきたんだよ……っ!」
穂乃果「雪穂……! やだよ……! 二度と来ないなんて言わないでよ……! 穂乃果、寂しいよぉ……! 雪穂がいなかったら穂乃果、なんにもできないんだよ……っ!」
雪穂「……」
雪穂「……うん」
雪穂「……お姉ちゃん……ごめん……」
雪穂「……ごめんなさい……っ」
雪穂「雪穂も……お姉ちゃんとずっと一緒にいたい……!」
雪穂「もっと、お姉ちゃんの傍にいたいよ……っ!!」 穂乃果「うん……! うん……っ!」
穂乃果「穂乃果の傍にいてよ……っ! 雪穂ぉ……っ!!」
雪穂「お姉ちゃん……っ!」ボロボロ
穂乃果「雪穂……っ!」ボロボロ
……。
*
穂乃果「……♪」ギュ…
雪穂「……」
穂乃果「えへへ……一緒に寝るの、久しぶりだね……♪」
雪穂「もう……お母さんに怒られても知らないよ……?」
穂乃果「いーんだもーん……二人とも風邪引いてるんだから……♪」
雪穂「まぁそうだけど……」
穂乃果「大体、雪穂の風邪って穂乃果のでしょー……?」
雪穂「……多分///」
穂乃果「じゃあ一緒だよー……♪」
雪穂「……あっそ///」 穂乃果「二人とも風邪なんて全然引かないから、なんか新鮮だねー……」
雪穂「そうだねー……」
穂乃果「看病されっぱなしもなんか申し訳なかったから……なんか嬉しい……♪」
雪穂「そうかなぁ……」
穂乃果「雪穂の風邪、全部穂乃果がもらってあげるよー……♪」
雪穂「……元はお姉ちゃんのでしょ///」
穂乃果「だからだよー……♪」ギュー
雪穂「ちょ、ちょっとお姉ちゃん……///」
穂乃果「……もう、どこにも行かないでよ……」
雪穂「……お姉ちゃん……?」
穂乃果「……」ギュ…
雪穂「……」
雪穂「……お姉ちゃん」
穂乃果「何……?」
雪穂「お姉ちゃん……私のこと、どう思ってる?」
穂乃果「へ……?」
雪穂「……」
穂乃果「ど、どうって……」
雪穂「……」ギュ…
穂乃果「大好きだよ……?」
雪穂「……本当に?」
穂乃果「本当だよ? なんで……?」
雪穂「絶対に……? 私の事、邪魔とか思ってない……?」
穂乃果「……どうしてそう思うの……?」
雪穂「……」
雪穂「……お姉ちゃん、彼氏とか……いない?」
穂乃果「ふぇ……?」
穂乃果「……あははっ……」
雪穂「……?」
穂乃果「彼氏なんて、そんなのいないよー……?」
雪穂「本当……?」
穂乃果「本当だよー……どうしたの急に……?」 飛ばし飛ばしみてるけど全然エッチしてくれないん……
雪穂「……だって」
雪穂「最近お姉ちゃんの家に行くと必ず、お皿が二つ用意されてたりしたから……男の人が来てたりするのかなって……」
穂乃果「ぁ……」
雪穂「それにお姉ちゃん……家を出てから急に綺麗になったし……か、可愛くなったし……///」
雪穂「きっと……男の人が……彼氏ができたんだろうなって……」
雪穂「だから……私なんかがお姉ちゃんの傍にいたら邪魔になっちゃうかもって……」
雪穂「このまま一緒にいたら、お姉ちゃんの嫌われるかもしれないって……」
雪穂「そう思ったら、どんどんお姉ちゃんの家に行くのが辛くなっちゃって……」
雪穂「ずっと……ずっと……辛かったよ……」
雪穂「お姉ちゃんが遠くなった気がして……」
雪穂「寂しかったんだよぉ……」
穂乃果「……」
雪穂「っく……ひく……っ……」
穂乃果「そっか……」
穂乃果「……」
穂乃果「……もぅ」
穂乃果「なーんだ……そういうことだったのかー……」
雪穂「……え……?」
穂乃果「……えいっ」ギュッ
雪穂「わぷ///」
穂乃果「〜〜」ギュー
雪穂「ちょ、ちょっと……お姉ちゃん……///」
穂乃果「……雪穂、可愛いなぁー……♪」
雪穂「ふぇ……?///」 穂乃果「そんな気は使わなくても大丈夫だよー……」
雪穂「え……」
穂乃果「あはは、だってさ……」
穂乃果「その雪穂が言う彼氏って、雪穂のことだもん……♪」
雪穂「わ、私……?」
穂乃果「うん、そうだよー……♪」
雪穂「……どういう……こと……?」 穂乃果「ふふ……。いつも、穂乃果のこと心配して家に来てくれるのわかってるからさ……」
穂乃果「だから最近は、予め雪穂の分のご飯も用意しようと思ってたんだー……」
雪穂「え……それって……」
穂乃果「風邪なんて急に引いちゃってあんまり動けなかったけど、看病してくれる雪穂に恩返しもしたかったし……」
穂乃果「それで、なんとかご飯だけは作ってあげようなんて思ってたんだけど……」
穂乃果「それを見て勘違いしちゃったのかな……? あはは……紛らわしくてごめんねー……」
雪穂「えぇ……///」
穂乃果「そっかぁ……そういう風に嫉妬くれてたんだー……♪」
雪穂「嫉妬って……///」
穂乃果「だから、大丈夫だよー……♪」ギュー
穂乃果「彼氏なんていないもん」
穂乃果「あ、違うかな……」
穂乃果「穂乃果の彼氏は、雪穂……♪」
雪穂「……///」カァー 穂乃果「……それにね」
穂乃果「例え、本当に穂乃果に彼氏ができたとしても……」
穂乃果「雪穂にはずっと一緒にいて欲しいと思ってるよ……?」
雪穂「なんで……?」
穂乃果「……だって、大好きだもん……♪」
雪穂「……///」
穂乃果「穂乃果の雪穂のこと、だーいすきだよ……♪」
穂乃果「昔も今も、変わること無く……」
穂乃果「それが、姉妹なんだよ……♪」
雪穂「……」
雪穂「……そう、だね……」
雪穂「それが姉妹……なんだよね……」
雪穂「そっか……」
雪穂「うん……そうだよね……」
雪穂「……」
雪穂「お姉ちゃん、大好き……」
雪穂「雪穂も、大好きだよ……!」
穂乃果「うん……♪」
雪穂「ねぇ……」
穂乃果「なーに?」
雪穂「ずーっと、一緒だよ……?」
おわり… エピローグ(おまけ)
……。
雪穂「……ところでさ」
穂乃果「ん……?」
雪穂「一つ……聞いても良い……?」
穂乃果「うんー……いいよ?」
雪穂「……///」
穂乃果「……? どうしたの?」
雪穂「いや……あのね……?///」
穂乃果「うん……?」
雪穂「この間家に行った時にさ……」
雪穂「そ、その……」
雪穂「お、お……///」
穂乃果「お……?」
雪穂「オナニー……してたよね……?///」
穂乃果「……!?///」 穂乃果「え……!?///」
穂乃果「あ……///」
穂乃果「やっぱり……み、見てた……の……?///」
雪穂「///」コク
穂乃果「〜〜///」カァー 雪穂「さ、さっき……彼氏なんていないって言ってたけど……あれはどうして……?///」
穂乃果「え!?///」
雪穂「……///」
穂乃果「い、いわなきゃだめなの……?///」
雪穂「だ、だって……私が彼氏、なんでしょ……?///」
穂乃果「えぇー……!?///」
雪穂「だったら……なにをオカ……あ、いや……///」
雪穂「なにを想ってオナニーしてたのか、知りたい……///」
穂乃果「……///」 穂乃果「……っていうか、見てたんじゃないの……?///」
雪穂「ふぇ……?///」
穂乃果「だ、だって……穂乃果……多分、思いっきり名前呼んでた気が……///」
雪穂「あ……もしかしたら……耳塞いでたかも……」
穂乃果「えぇ……///」
雪穂「だ、だって……男の人を想ってシてると思ったから……///」
穂乃果「あ、あー……なるほどね……///」
雪穂「……///」
穂乃果「……///」 穂乃果「言っても怒らない……?///」
雪穂「う、うん……?///」
穂乃果「……ゆ、ゆゆゆ……///」
雪穂「……ゆ……?」
穂乃果「………………ゆき……ほ……///」カァー
雪穂「……!?!?///」
穂乃果「///」
雪穂「///」
穂乃果「ご、ごめんね……別に、その、へ、変な意味はないんだよ……?///」
雪穂「妹でシてるのに……?///」
穂乃果「いや、そ、そんなシてるって……///」
穂乃果「あぅ……その……シたんだけど……///」
雪穂「……///」 雪穂「……あ、あのね……?///」
穂乃果「うん……?///」
雪穂「……私も///」
雪穂「お姉ちゃんでオナニー……したよ……?///」
穂乃果「!!?!?///」
穂乃果「///」
雪穂「///」
雪穂「私も……その……///」
雪穂「多分……お姉ちゃんが言うように……変な意味は、ないと思う……///」
穂乃果「う、うん……///」
雪穂「……ただ」
雪穂「……寂しくなって」
雪穂「……どうしようもなくなったら」
雪穂「お姉ちゃんが欲しくなった……///」 穂乃果「……///」
雪穂「そんな感じじゃない……?///」
穂乃果「……うん///」
穂乃果「穂乃果も……そんな感じだったと思う……///」
穂乃果「その前の日に……雪穂に冷たくされて……」
穂乃果「すっごく寂しかった……」
穂乃果「それでどうしようもなくなって……」
穂乃果「自然と……雪穂が欲しくなった……///」 雪穂「……冷たくしたかなぁ……///」
穂乃果「冷たかったよぉ……」
雪穂「……ごめん……」
穂乃果「……ううん、いいよ……♪」
穂乃果「///」
雪穂「///」
雪穂「……そう言えば……」
穂乃果「うん……?」
雪穂「私はお姉ちゃんの香水持ってたから、それを嗅いでオナニーしてたけど……///」
穂乃果「えぇ……それ……効果あるの……?///」
雪穂「うん……すごかった……///」
雪穂「本当に、お姉ちゃんに抱きしめられているみたいだった……///」
穂乃果「///」 雪穂「お姉ちゃんは……? 何か使った……?」
穂乃果「……怒らない……?///」
雪穂「う、うん……?///」
穂乃果「……雪穂の……ぱんつ……///」
雪穂「ふぇ!!?///」
穂乃果「……の……匂い嗅ぎながら……したよ……///」カァー
雪穂「///」
穂乃果「///」 雪穂「……わ、私パンツなんて……///」
穂乃果「前、うちに泊まった時に着替えて忘れていったのが一つ……///」
雪穂「〜〜///」
穂乃果「///」
雪穂「……ヘンタイ///」
穂乃果「あぅ……///」
雪穂「……///」
穂乃果「……///」
雪穂「何やってるんだろうね……///」
穂乃果「うん……///」
雪穂「……お姉ちゃん///」
穂乃果「うん……?///」
雪穂「キス、していい……?///」
雪穂「ん……///」
穂乃果「……はぁ……っ……♡」ピチャ…
雪穂「お姉……ちゃん……っ♡」クチュ
穂乃果「ゆき……ほ……っ……♡」チャプ…
コンコン
ほのゆき『!!!?///』
ガチャ
ほのママ「雪穂ー?」
ほのゆき『……』
ほのママ「……なんで穂乃果と一緒に寝てるの……?」
ほのゆき『……あ、あはは……』
雪穂「……♪」クス
穂乃果「……♪」クスクス
終わり。 乙!
姉妹の壁は壊せるものなんだってはっきりわかりますわね なんだか長くなって申し訳ないですが、最後まで付き合って頂けた方がいるならば幸いです。
ちょっと思いついたはいいけど、なんだか雲行きが怪しくなってきたのでここらでこの二人の物語は終わりたいと思います。
同一世界観でほのゆきを書いてますので、よろしければー。
雪穂「お姉ちゃんのとなり」
雪穂「お姉ちゃんと一緒」
ゆきほ「おねーちゃんなんか、だいっきらいっ!!」 言うほど怪しいか?
もうちょっと書いてみてもええんちゃうか? やっぱりあのシリーズの続きだったか
今回も良かったぞ、乙! ほのおおおおおおゆきぃぃいいいいいい
素晴らしい… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています