善子「顔がない」
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昔エタってしまったやつの書き直しです
修正しながら書くのでペースは少し遅めです ピピピ...ピピピ
善子「んー....」ゴロッ
善子「朝....」
善子(いつの間に寝て...イヤホンしたまま....あー、音楽聴いたまま寝ちゃってたのね)
善子「ふぁ〜あ、今何時....ってもうこんな時間!?」
善子「あーもうっ、お母さんもう仕事行っちゃってるし...あっ、パンあるからこれでいいや!!」バタバタ
善子「行ってきまーす!」バタン
.....
善子(よしっ、何とか間に合いそう...)
「善子ちゃん急いで急いで!」
善子(あっ、曜ちゃ....)
善子「はあっ!!?」
私に手を振っていたのは
顔がない女の子だった 頭はある
髪もある
でも....
眉がない
目がない
鼻がない
口がない
つまり、顔がない
まるでのっぺらぼうだ
善子「な、何よこれ....」ヘナヘナ
目の前の信じられない光景に私は腰が抜けて座り込んでしまった 「ちょ、ちょっとどうしたの!?」
驚いた女の子はこちらへ駆け寄ってきた
善子「曜ちゃん....よね?」
私は髪型や身体、声で曜ちゃんと判断するしかなかった
曜「そうだけど....何でそんなに驚いてるの?」
善子「い、いやだって....」
「どうかしましたか?」
とこちらを覗いたのはバスの運転手
善子「ひっ...」
この人も、顔がなかった
「どうしたの?」
「これ学校間に合う?」ザワザワ
バスの中にいる他の生徒たちも窓からこちらを見ている
みんなみんな、顔がない 善子「いや...」
曜「善子ちゃん?」
善子「嫌ああああああああ!!!」
私はたまらずその場から走り去った
全速力で来た道を引き返す
バタバタ
大きな音を立てながら一目散に階段をかけ上がる
善子「かっ、鍵...」
カチャン
扉が開いた瞬間に家へ入り、また鍵をかけ直す
善子「ハア....ハア....」
呼吸を整え、思っていたことを声に出す
善子「何よこれ!?!?」 善子(私はいつからホラー映画の主人公になったのよ!?)
明らかに異常な事態に事情が飲み込めない....
.....
ある程度時間が経ったおかげで少しだけ冷静になれる
善子「まあ、冷静になったとしても一体全体何が起きてるのかさっぱりなんだけど....」
善子「....とりあえず誰かに相談するべきよね」
善子(花丸はスマホ使えないしここは...)
♪〜
ルビィ「善子ちゃん?」 善子「あっ、ルビィ?ごめんね、ちょっと相談したいことがあって」
ルビィ「大丈夫?今朝曜ちゃんから聞いたよ?いきなり走り去っちゃったって」
善子「えっ?」
ルビィ「どうしたの?」
善子「それ、LINEで?」
ルビィ「えっ、廊下に会った時にだけど....」
善子「嘘....」
ルビィ「善子ちゃん?」
善子(つまりルビィには曜ちゃんが顔がないようには見えてないってこと!?) 善子「えっと...ルビィ、今日おかしいと思ったことはない?」
ルビィ「おかしいこと?」
善子「そ、そう....特に誰かの顔が変に写ったり」
ルビィ「顔?んー、特にいつもと変わらないってルビィは思うけど....」
善子「そ、そう....」
善子(思えば、バス停での事件だって私以外に顔がないと騒ぎ立てる人なんて誰もいなかった....)
つまり、私が異常ってこと? ルビィ「善子ちゃん?」
善子「ごめんルビィ、私今日学校休むから」
ルビィ「えっ?善子ちゃ」
ピッ
善子「......」
善子(とりあえず、これで家から一歩も出なければあの顔を見なくて済むワケだけど....)
善子「....どうしよう」
もし、この現象が私にだけしか起きていないのなら、おかしいのは私一人ということになってしまう
変なクスリなんて使うワケが無いし精神病にかかった自覚もない
...まずは私以外にこの現象に会っている人がいるか調べなくてはならないわね
善子「とりあえず、アレを使って確認するしかないわね...」 スマホからSNSアプリを起動する
『堕天使ヨハネ』
これが私のアカウント、フォロワー数もけっこういるわ
善子「周りに聞いてダメなら....世界中に聞いてみろってね」
堕天使ヨハネ『聞こえていますか?デビルデーモン達よ、あなた達の中で顔を奪われた罪人を見た者はいますか?』
善子「送信....っと」
善子(これで反応があれば....) しばらく待っていると通知が次々とやってくる
『ヨハネ様、どうかされたのですか?』
『顔を奪われた罪人....顔の皮を剥がされてしまったのでしょうか?痛そうですね』
『私の友達は受験に落ちてから死んだように表情が無くなり....』
『おっぱい見せて』
善子「うーん....それらしい情報は無いわね....」
あと一番下のやつはブロックしておこう
ピロン
善子(あっ、また来た)
『すみません、まさか今朝からののっぺらぼう現象のことですか!?』 善子「っ!!」
急いで私はそのアカウントと直接連絡を取ろうとする
堕天使ヨハネ『貴方もあの深淵の闇に触れてしまったのね』
『はい....朝起きたら家族や友達までも....ヨハネ様はこのことを知っておられるのですか?』
堕天使ヨハネ『いいえ、聖界からの刺客かそれとも別の何かか....私の知らないところで何かが動いているようね』
『そうなのですか....ヨハネ様も私と同じようで安心致しました、「のっぺらぼう」とかで検索すると私たち以外にもまだいるみたいです』
堕天使ヨハネ『そうですか、情報感謝します。貴方に闇の導きがあらんことを』
『はい、ヨハネ様もお気を付けて』
善子「なるほど....『のっぺらぼう』で検索っと....」 『朝起きたらみんなのっぺらぼうみたいになってる!!何これ!?』
『深夜から明け方までバンド練してたらメンバー以外の顔が無くなってのっぺらぼうみたいになってる....警察も相手してくれない』
『何これ、のっぺらぼう?ちょっと病院行ってくる』
善子(けっこうな数いるわね)
善子(SNSやってない人や書いてない人もいるだろうから私が思っているより多いのかも)
『みんなのっぺらぼうになってる、驚いて自分で鏡を見た』
善子「......」
ダッ
鏡の前へ立ってみる
そこには目も口もある、いつもと変わらない私の顔が映っていた
善子「.....ホッ」 善子「さて....」
善子(少しずつ事情もわかってきたしこれからどうしようかしら....)
善子「とりあえず今日は家で情報収集を....」
♪〜
善子「....ルビィ?」
善子「はいっ」
ルビィ「あっ、善子ちゃん!?先生が凄い怒ってて....」
善子「へっ?」
ルビィ「バスに乗ってた生徒が乗ろうとする前にどっか行った、って聞いたら『あいつは単位ヤバいのに何やってるんだー!!』ってカンカンで」
善子「そっ、それは...」
ルビィ「職員室に向かっていってたぶん家の方に電話が」
prrr....
善子「......」
ルビィ「よ、善子ちゃーん?」 .......
ダイヤ「よーしーこーさーんー?」
善子「だからヨハネって」
ダイヤ「ヨハネもへちまもありませんわ!!先生に聞きましたわよ!!」
善子「うっ...」
ダイヤ「あなた、このままだと単位が足りなくなって留年になるかもしれないということ、本当に理解しているのですか!?」
善子「っ...わかってる、けど...」
ダイヤ「....もしかして、何か私たちに後ろめたいことがあって隠し事でもしていまして?」
善子「違うわよ、んーっと...今日は天界からの攻撃というか何と言うか色々あって...」シドロモドロ
ダイヤ「...善子さん、もしかしてあなたスキャンダルになるようなことでもしてるんではなくて?」
善子「はぁっ!?」
ダイヤ「アイドルにスキャンダルは御法度ですわ!!」
善子「失礼わね!そんなことするわけないじゃない!!あと善子っ!」
ダイヤ「それじゃあさっきから私から目を反らしてるのは何でですの!」
善子「そっ、それは....」
ダイヤ「ちゃんと目を見て話してくださいまし!!」
善子(だから、その『目』が無いから困ってんのよ!!) 曜「じゃあまた明日っ、よーそろー!」
善子「また明日....」
曜ちゃんと別れ、家へと目指す
善子「結局学校全員のっぺらぼうとは...」
怒る先生やダイヤさん、それにクラスのみんなやAqoursのみんなでさえものっぺらぼう状態だったなんて...
善子(はぁ...とりあえず家に帰って一息つきたい)
ため息をつきながら疲れた足を引き摺って帰路を歩く
善子「......あれっ」
公園にいる人、初めて見るけど何か違和感が....
「....フゥ」スパー
その人は煙草を吸っていて....
善子「ん、煙草?」
「ここもダメか....」
善子「こ、この人顔がある!!」 「.....ん?」
善子「す、すみません!!」
「あー.....生き残った人、いたのね」
善子「や、やっぱり!」
この人は『私と同じ』人だ!
けど....
善子(あ、怪しい!!)
顔は若くて美人に見えるが隈が酷く髪もボサボサだ
極めつけは何故かくたびれた白衣を着ている
普段なら絶対に声をかけないような、いわゆる不審者だった
善子「えっと....何か研究とかしてる人なんですか?」
「えっ....あーこれ?違う違う医者よ医者」
善子「お医者さん?」
「まだ卵だけどね.....あなた名前は?」
善子「えっと....ヨハネです」
「ヨハネ?」
善子「わ、悪いですか!」
「....んー、別に」
善子「あなたの名前は?」
「んー、そうね....」
「マッキー、とでも呼んで頂戴」
赤髪の女性はそう答えて新しい煙草に火をつけた 善子「うっ....」
私が本名を教えないから怪しまれて...
いえ、違うわ!私は堕天使ヨハネ!!これは偽りの名前なんかじゃないわ!!
....とりあえず、この現象について聞いてみましょう
善子「えっと、マッキーさんはこの現象に何か心当たりありますか?」
マッキー「....まあ、割とね」
善子「そうですよね、知ってるはずが.....って、ええええ!!?」
マッキー「....あなた、元気ね」
善子「し、知ってるんですか!?」
マッキー「まあ、大体はね」
善子「じゃ、じゃあ教えてくださいっ、これは一体何なのか!」
マッキー「.....今はまだ無理よ」 善子「えっ....?」
マッキー「今の段階じゃこの現象に対して何も打開策が無いの、だから今教えても無駄なのよね」
善子「で、でもだったら原因だけでも...」
マッキー「今中途半端に知識を教えても『あの子』になる可能性が高くなるだけなの、わかる?」
善子「えっ、あっ、ハイ....そういうことですか」
マッキー「まあ、今教えられることなら....」
マッキー「あなた、これから夜はイヤホンを付けて音楽かけっぱなしで寝なさい」
善子「えっ?」
マッキー「.....そうしたらとりあえずは大丈夫だから」
善子「えっと....わかりました」
これ以上は教えてくれそうにないわね... マッキー「あと、明日から私はあの遊具の中に隠れてるから何かあったら声かけなさい」
マッキーさんはドーム型の遊具を指差す、あれだったら雨風もしのげそうな感じだ
善子「えっ、あんなところで大丈夫ですか?」
女性がそんなところで一晩なんて....
マッキー「見つかっちゃいけないのよ私」
善子「えっ?」
マッキー「この現象を解決するためには私が見つからずにこの現象を限界まで膨らませるしかない...だから私は誰にも見つからず隠れているしかないのよ」
善子「ど、どういうことよそれ!?」
つまり、下手したらこの人が世界を救う鍵になるってこと!?
マッキー「ふふふ、秘密よ♪」 マッキー「それじゃあ、もういいかしら?」
善子「待ってください!...この現象っていつまで続くんですか?」
マッキー「そうね....早ければ明日で終わるかもだし長ければずっとかもしれないし」
善子「そんな...大会だってあるのに....」
マッキー「大会?何か部活に入ってるの?」
善子「えっと、スクールアイドルやってて....」
マッキー「ヴェっ?」
善子「へっ?」
マッキー「スクールアイドル?」
善子「は、はいっ....」
マッキー「.....うふふっ、あははははっ!!」
善子「えええっ!?」
マッキーさんが急に笑い出した!? 善子「私何か変なことでも言いました?」
マッキー「い、いや、妙な縁もあるものねーって」
善子「は、はぁ.....?」
真姫「ちゃんと練習してる?」
善子「まぁ...今日は集中できませんでしたけど頑張ってます」
マッキー「そう....ふふっ、スクールアイドルは笑顔が大事だからね、笑顔で腕立て伏せできるくらい頑張らないといけないらしいわよ?」クスクス
善子「笑顔で腕立て伏せって....何ですかそれ....」
マッキー「ふふふ、気にしないで、それよりそろそろ帰った方がいいんじゃない?」
善子「あっ、確かにもう暗くなってきた....」
マッキー「気を付けてね?」
善子「は、はいっ、どうもありがとうございました」
マッキー「イヤホン、忘れちゃダメよ?」
善子「は、はいっ」
マッキーさんと別れ、私はそのまま家へと帰った.... 善子「マッキーさん、なーんかどこかで見たことがある気がするのよね....」
夜、ベッドで寝る準備をしながらマッキーさんを思い出し、そんなことを思う
実は有名人だったり?謎が多い女性だったなあ....
善子「イヤホン付けてっと....」
言われた通りイヤホンを付けて音楽を流し始める
そういえば昨日もイヤホンを付けたまま寝てしまったのだった
善子「そういえば.....」
『深夜から明け方までバンド練してたらメンバー以外の顔が無くなってのっぺらぼうみたいになってる....警察も相手してくれない』
これは私と同じように演奏を聴き続けていたってことよね....
夜に何か音が流れていた?
それを何かしらの理由で聞かなかった人物がこの現象に巻き込まれてるってこと?
善子「.....深く考えてもしょうがないか」
体力的にも精神的にも何だかんだで疲れてしまっているので、とりあえず私は寝ることにした
この状況が明日になって少しでもまともになるようにと願いながら
でも.....
この時致命的なミスを犯していることに私はまだ気付いていなかった 善子「.....」
朝起きて、とりあえずイヤホンを外す
善子「ふぁ〜あ....お母さん、今日ももう仕事行ってるのね....」
とりあえず支度をして、家を出てバス停へ向かう
善子「......うっ」
すれ違う人を見て昨日が夢じゃないことを痛感する
顔がない
それは昨日と変わりがない事実だった
善子(まあ、顔が無い以外別に変わりが無いワケだし一日経てば少しは慣れてくるわね....)
別に慣れたいワケでは無いけど....
善子「あっ....」
バス停前に曜ちゃんがいる
近付いて朝の挨拶を「まきちゃん」
善子「.....へっ?」
曜「まきちゃん」 善子「えっ....何これ?」
運転手「.....」
バスの運転手が何かあったのかとこちらへ顔を向けてきた
善子「あ、あのっ....」
運転手「まきちゃん」
善子「っ....」
昨日よりも背筋が凍る思いがした
「まきちゃん」
「まきちゃん」
昨日のようにバスの中にいる生徒も私を見てくる
でも、発する言葉はどれも同じ 善子「もうっ、何なのよ!!」
曜「まきちゃん」
善子「っっ...」ガシッ
私は曜ちゃんの両肩を掴む
善子「お願いよ、あなたは私のリトルデーモンでしょ!?戻ってきなさ」
曜「まきちゃっ」
曜ちゃんが固まった
善子「曜....ちゃん?」
曜「まきちゃん」
今度は首をかしげながら1歩こちらへ近づいてきた
善子「っ....」
マズイ
明らかに昨日までとの雰囲気とは違う 善子「曜ちゃん、落ち着いて」
曜ちゃんが一歩、そしてまた一歩と近付いてくる
曜「まきちゃん」
善子「っ.....あっ」
曜ちゃんに合わせて一歩ずつ後退していったらバスにぶつかってしまった
でもバスの中は...
ギシッ....ギシッ...
「まきちゃん」
善子「っ!!」
嫌な予感がして私は咄嗟に身を伏せる!!
ガシャン!!
私の上で大きくガラスの割れる音がした!! 善子「きゃああああああ!!!」
あまりの恐怖に私はかがみながら急いでその場離れる!!
善子「一体何が....っ!!」
私が目にしたのは
手
手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手手
たくさんの手がバスの窓から何かを掴むように宙を掴んでいた
善子「まさか...生徒全員で窓側へ寄っ掛かった圧で割れたって言うの?」
そんなの常人が出来るワケが....
「まきちゃん」
善子「っ!」
バスの中にいた生徒が出てくる
ドアから出てくる人もいれば割れた窓からも這い出るように.... 背筋が凍る
もし、私があそこで屈まなければ...
真後ろからガラスの破片が飛んで大怪我していたかもしれない
いや、それよりもあの手に私が掴まれていたらどうなっていたの
だろうか...
「まきちゃん」
善子「っ!!」
考え込んでる場合じゃない、逃げないと!!
ダッ
身の危険を感じ、私は一目散にそこから駆け出す! 「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」 「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」
みんなが私を追ってくる!
善子「何よこれ!?まるでゾンビ映画じゃない!?」
何で現実にこんなことが起こってるのよ!!
善子「こんな時には....」
そうだ、こういうとき映画やゲームの主人公達はどうやって危機を回避してたっけ?
そうそう、銃や鈍器でゾンビ共を抹殺....
善子「って、できるわけないじゃない!!」 まず銃がないし!!
しかも、人を殺しちゃうのは流石にダメでしょ!!?
異常事態だけどみんな「まきちゃん」言ってるだけだし!!
善子「あーもうっ、どーすんのよー!?」
曲がり角を曲がったところでチラリと後ろを向く
善子「んっ?」
何人かが曲がりきれずに真っ直ぐ進んでいたりぶつかって転んでいたりする...
善子「そっかゾンビって...」
だったら、こっちの方に行けば...! 私はただの空き地へと進む
手入れはされておらず、草も伸びっぱなしだ
善子「えっと、確かこっちに...」
草をかき分けると壁の下側に人が一人通れるくらいの穴が開いている
善子「っ...あった!」
子供の頃、使っていた秘密の抜け穴!
この先に魔術の研究所として使っていた空き家があったはず!
見つかる前にここを通らないと.... ゾンビと同じだと考えるなら思考も単純なはず...
抜け穴を使えば簡単に撒けるはずだわ!
善子「ここを通って....」
ギュッ
善子「....へっ」
お、お尻が引っ掛かった!?
た、確かに通ってたのは小さい頃だし穴自体も決して大きいものでは無いけど....
善子「このっ....ぬんっ!」
すぽっ
やっとのことで抜けることが出来た...
ちょっとお尻の周りがヒリヒリする....
善子「....ちょっとご飯の量減らそうかしら」
なんてことを考えながら空き家の中へと私は入った 空き家の中は以前来たときよりも明らかにボロくなっており不気味さが増している
でも、この闇っぽい感じが私の心をくすぐるのだ
善子「まあ、そういうのを堪能するのはこの現象が解決してからにするとして....」
今の状況を把握しないと....
善子「とりあえず、みんながゾンビ化して同じ言葉を繰り返していると」
ゾンビというのもおかしいかもしれないけど、顔がなくて急に襲ってくるなんてゾンビみたいなものよね
『まきちゃん』って何なのよ...
善子「うっ」ズキ
少し頭が痛む、ストレスかしら....
善子「もしかしたら、私もやがてあんな風に...」
そう考えると嫌でも背筋が凍ってしまう
善子「....そうだ、他のみんなはどうなのかしら」
とりあえずSNSで確認を....
「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」 「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」
善子「うぐっ....ネットでもこれなのね」ズキズキ 善子「これじゃあどうしようも....あれっ」
確かこのアカウント、昨日見た気が....そうっ、昨日「のっぺらぼう」を教えてくれた人....
善子「しまった!!」
音楽のことを教えるのを忘れてた!!
イヤホンして寝落ちするのなんて普通連続でしないし、異常事態になってる時にバンド練習なんかしてる場合じゃない !!
善子「つ、伝えておけば良かった...」
でも、それじゃあ無事なのって私だけ!?
私一人でこの現象に立ち向かわないといけないっていうの!?
善子「.....あっ、そうだ!!」
まだ一人いるじゃない、この現象を誰よりも知っていて対策を教えてくれた人が!! 善子「.....」
よし、ここまで来れたわね
人の目を掻い潜ってたどり着いたのは昨日の公園....
善子「ここにマッキーさんが....」
確かドーム状の遊具に隠れてるって...
善子「マッキーさーん、いますかー?昨日の女子高生ですー」
シーン...
返事がない...寝てしまっているのだろうか?
私は恐る恐る遊具に近付く
ドーム状の遊具には穴がいくつか開いており、その内の1つから覗いてみる
善子「マッキーさーん?」
真っ暗で何も見えない
善子(もっと近付いて...)
私が中を覗こうとしたその瞬間
「まきちゃん」
小さな何かがこちらへ伸びてきた 善子「ひっ」
避けられなっ
ぐいっ!!
善子「ぐえっ」
襟首を掴まれ後ろへ引っ張られる!
ドサッ
私は勢いよく尻餅をついてしまった
マッキー「間一髪ね」
善子「けほっ....あなたねぇ!」
マッキー「走るわよ、急いで」
善子「はっ、何が」
ドームの穴の中から何かが這い出てくる
それは
小さな子ども
違うことは
「まきちゃん」
それが正気ではないこと マッキー「ほらっ、走って!」
善子「わ、わかってますって!」
他のゾンビが来るまでに急いでその場を離れる
......
しばらく走って先ほどの空き家へと戻ることができた
マッキー「ハァ...煙草、止めた方がいいかしら...ゼェ」
善子「ハァ...ハァ...」ズキズキ
頭痛がさっきよりも酷くなってきた気がする...
善子「全く、昨日といい一体何が起こってるのよ!」
マッキー「ゼェ...まさか、こんなにも症状が早く進むなんて」
善子「えっ?」
マッキー「昨日、早ければ1日なんて言ってたけど『モブ化』なんて1日で完了するとは思ってなかったのよ」
善子「モブ化!?どういうこと?」
マッキー「こうなった以上、もう一刻の猶予も許されないわ、急いで準備をしないと...」
善子「ちょっと!!私を置いていかないでよ!!」
マッキー「でも危険よ?」
善子「ここで置いてかれた方がよっぽと危険よ、第一あなた一体何者なの!?」
マッキー「言ったでしょ、ただの医者見習って」
善子「それだけで納得できるわけないでしょ!!」
マッキー「....しょうがないわね、教えてあげる、けど条件があるわ」
善子「条件?」
マッキー「あなたのお家のシャワー貸してちょうだい」
善子「シャワー?何でよ?」
マッキー「いいから」
善子「わ、わかったわよ!その代わり何が起きてるかもしっかり説明しなさいよね!?」
マッキー「ええ....それじゃあとりあえず、私は医者見習いで」
マッキー「元スクールアイドルよ」 善子「.....」
シャワーの音がする
家へと無事戻れたと言うように何故か全く心が休まない
思えば私が人を家に上げるなんていつぶりだろうか
しかも、相手は歳上の女性....
バタン
ドアの開く音にびくっと身体が反応してしまう
マッキー「ふぅ....さっぱりしたわ、ありがとね」
濡れた髪、上気した頬、光る肢体
思わず見蕩れてしまう
善子「綺麗....」
自然とその言葉が口に出てしまった
マッキー「ふふっ、ありがと」 マッキー「...っと」
新しい綺麗な白衣を着て、マッキーさんは椅子に座る
善子「白衣何着持ってるのよ...」
マッキー「なんか無いと落ち着かないのよねぇ」
善子「そうなんですか...」
会話が続かず黙ってしまう
もう一度マッキーさんを見てみる
顔色は良くないが綺麗な顔立ち、スラっとしたスタイルで赤い髪も....
....ん?
やっぱり見たことあるような.... マッキー「どうしたの?」
善子「やっぱりマッキーさん、何処かで見たことあるような気がして...」
マッキー「....え?」
善子「え?」
マッキー「あなた、まだわかってなかったの?」
善子「え....何が?」
マッキー「っ....はぁ、私自意識過剰だったのかしら、スクールアイドルやってたって言うからてっきり知ってるかと」
善子「スクールアイドル?」
ちょっと待って、この人スクールアイドルだったってこと!?
それにこの赤髪....まさか
善子「μ'sの....西木野....真姫?」
真姫「やっと気付いたのね....」
マッキーこと、西木野真姫は深くため息をついた 善子「いやだって....」
やつれた顔して
煙草吸ってて
公園で寝泊まりしてて
白衣で生活してるのが
善子「あんな不審者丸出しの行動してた人が西木野真姫なんて思うワケないでしょ!?」
伝説のスクールアイドルグループ、μ'sのメンバーが目の前にいるというのに私はまだ半分信じられない気持ちだった
真姫「ぐうの音も出ないわね...」
善子「いや、でも....」
真姫『見つかっちゃいけないのよ、私』
『まきちゃん』
善子「あー、だからみんなまきちゃ」
真姫「ダメ」
真姫さんに唇に指を当てられた
善子「っ///」
真姫「私の名前を、言っちゃダメ」 善子「ど、どういうことですか?」
真姫「今から説明するわ」
真姫「これまでの現象についても、ね」
真姫さんが椅子に座り直す
真姫「私たちμ'sは秋葉ドームでラストライブを行った後、解散したわ」
真姫「でも、ファンの中には復活を望んでた人もたくさんいる」
真姫「その熱狂的なファンの中にある『天才』がいたのよ」
善子「天才?」
真姫「そう、脳科学とかの方面の若手一番のホープ」
善子「へぇ....」
μ'sにはそんな人でさえも虜にする魅力があったんだ... 真姫「その科学者は危機を感じていた」
真姫「『復活希望』を望む声が小さくなっているとね」
真姫「依然として活動は続いていたけれど、諦めの声も大きかった」
真姫「彼女達が決めたことを曲げるのはよくないと反対する者もいた」
真姫「そこで科学者は考えた」
真姫「μ'sのファンをまた増やせばいいのだ、と」
真姫「新規のファンは新たに供給されるものがない、復活を渇望し我らの味方になるだろうと」
善子「そんな...もう解散したグループのファンを爆発的に増やすなんて普通無理よ」
真姫「だから彼は自身の知識を使いμ'sのファンを増やす手段に出た」
善子「それってまさか...」
真姫「そう、催眠よ」 善子「そんなの無理に決まってるでしょ!?」
真姫「ええ、そうよ」
真姫「人はそれぞれの個性やアイデンティティを持つ」
真姫「つまり、それぞれに対応した催眠をしなければならない、それを社会現象が起きるまでかけるなんて、そんなの何年かかってもできっこない」
善子「じゃあ何でみんな洗脳されてっ!」
真姫「だったら1度壊せばいい」
真姫「対応できないのならば、一度壊して無個性にして、真っ白な状態にすれば簡単なプログラムで洗脳できる」
真姫「彼の研究は目論見通りになった」
真姫「彼の洗脳装置から発せられる電波は耳から侵入し、無個性になった人物はいわゆる『モブ化』して顔が無くなった」
善子「っ、それって!!」 真姫「洗脳もμ's全員にする必要はない」
真姫「科学者は自身が一番好きな西木野真姫にターゲットを絞り、彼女のファンを作り出す洗脳装置を作った....」
真姫「洗脳内容も単純にしたせいか彼女のファンへと洗脳された者は私の名前をずっと呼び続ける化物へと変わった」
真姫「これが事の顛末よ」
善子「そんな....」
真姫「洗脳装置は特殊な音波を夜に流す、電波はジャックされ全国で流れ現在は音波が届かないような場所に逃げ込むかイヤホン等で防ぐしか術は無いわ」
善子「私を襲ってきたのは?」
真姫「洗脳されている人にも同じようなものが出ててね、彼らに捕まってある程度くっつかれてたら数分後には彼らの仲間入りしてるわ」
善子「っっ...」
....ぞくっと背筋が凍るような気がした 善子「っ....」ズキズキ
真姫「頭痛がするでしょ」
善子「えっ?」
真姫「洗脳された者達...患者って呼んでるけどその子達からの電波は昼夜問わず出てる、それが原因で頭痛がしてるワケ、遅かれ早かれ私たちもこのままじゃ患者入りよ」
善子「そんなっ!」
真姫「私たち、絶対絶命ってワケよ」
善子「じゃ、じゃあ早くその科学者を見つけないと!!」
真姫「......」
善子「その人を説得して治療薬を開発してもらえばこの現象は止まるんですよね?」
真姫「....死んだわ」
善子「....え」
真姫「私が研究所を突き止めて行った時には彼は死んでいた」
真姫「事故か自殺かはわからない、ただわかるのはあの人は死んだということだけ」
善子「ち、治療薬は?」
真姫「無いわ」
善子「嘘....でしょ」 善子「じゃあ、私たちはこのまま患者化するのを待つしか無いって言うの!?」
しかも、それを止められる人はもういない
この世の終わりを告げられたも当然じゃないの!!
真姫「諦めるにはまだ早いわよ」
善子「えっ?」
真姫「『治療薬』は無いとは言ったけど『治療法』が無いなんて私は言ってないわよ」
善子「っ、それじゃあ!」
真姫「ええ、治す方法は1つだけあるわ、これは私にしか出来ないことだけれども...」
善子「えっと、何をするんですか?」
真姫「まずは....テレビ局を襲う」 善子「....は?」
真姫「ここだとテレビ静岡かしら、これから準備するわよ」
善子「ちょ、ちょっとぉ!?」
真姫「私の車に色々と入ってるから今から取りに行くわよ」
善子「待って待って待って!!意味がわからないんだけど!?」
真姫「洗脳者....私が患者と読んでいる人達にはショック療法が必要なの」
真姫「つまり、私がみんなの前に顔を出さなきゃならない」
真姫「広範囲に影響が広がっている以上テレビで放映するのが一番確実なのよ」
善子「えっ....それって」
真姫「どうしたの?道中には患者がたくさんいる、日が沈む前に行かないと不意討ちを食らうことも...」
善子「それって配信じゃダメなんですか?」
真姫「?」 .......
真姫さんの指示で私たちは屋上に移動した
屋上の扉には鍵をかけたし見付かっても多少は時間を稼げるでしょう
真姫「えっと....これで大丈夫かしら」
善子「はいっ、これでスタート押したら放送が始まります」
真姫さんの手には私のタブレットが握られている
真姫「ネットで生放送って...確かにこういうサービスは知ってたけど選択肢になかったわ」
真姫「でも、こういうのって人数制限とか大丈夫なの?」
善子「あっ、ミラーっていうのがあって」
真姫「ミラー?」
善子「生放送の画面を写して生放送するんです」
真姫「?イミワカンナイ」
善子「まあ、たくさんの人が見れるってことですよ」
真姫「まあ、あなたを信じることにするわ....それじゃあスタート」
ポチ 真姫「えーっと皆さんお久しぶりです、μ'sの西木野真姫です」
善子「えっと....それじゃあ人数はっと」
私はスマートフォンで人数を確認してみる
『満員です』
善子「.....は?」
も、もう....?
善子「み、ミラーは!?」
1、2、3、4....まだまだ増える!?
善子「まさかここまで早いの!?」
これ、サーバーパンクするんじゃないわよね!?
善子「これまさか....」
私は一度下に降りて家のテレビをつける
NHK
真姫『えっと....私の声、ちゃんと聴こえるかしら?』
善子「NHKがネットの生放送を生中継って...前代未聞でしょ....」
これ、たぶん他の国でも放送されてそうだわ... 私は屋上に戻り真姫さんに全国で放送されていることを伝える
真姫「わかった、ありがとう....みんな久しぶり、元μ'sの西木野真姫よ」
真姫「私のこと覚えているかしら...って」
『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』『まきちゃん』
真姫「っ....」
善子「コメントもそれになるのね...」ズキズキ
真姫さんが言っていた音波というのはあの『まきちゃん』というの反応するのだろう
思えば患者達に会ってされてきたのはずっと『まきちゃん』と言われ続けてきたことだ
善子「でも、まさか文字にまで効果あるなんて....」ズキズキ
さっきよりも頭痛が酷い、本当に早く解決しないとヤバいかも... 真姫「今から、歌を歌います」
真姫「アカペラだし、久しぶりだからボロボロかもしれないけど...でも、見ていてください」
スッ
真姫「................」
善子「あれ?」
どうしたのだろう
真姫「.....ウェールカームソーング♪」
善子「.....綺麗な声」
善子(でも....声が震えてる?)
確かに全世界を救うかどうかを決める唄なんて緊張するに決まってる
でもこれはちょっと毛色が違う....緊張とは違って...そうだ、これは
善子「.....恐怖?」 確かにこれで患者が戻らなければ世界は終わる、そんな事実に人は恐怖せずにいられないだろう
でも、これはそういう恐怖じゃない
プレッシャーとかそういう恐怖じゃなくて確実に訪れるものに対しての恐怖
私の中の直感がそう告げていた
善子(でもだったら何に対して恐怖しているというの?)
嫌な予感がする
善子「想像するのよ、堕天使ヨハネ」
そうだ、私はさんざん不幸な目に散々会ってきた
今回だってもしかしたら私は巻き込まれただけで私が洗脳されていたとしても事件は解決していたかもしれない
そうなれば私は恐怖した分不幸じゃないか
そう、不幸というのは恐怖に寄り添っているもの...
だったら、今まで体験した不幸を元に彼女が何を考えているか当たりがつくかもしれない
善子「私が今考えられる不幸、恐怖は....あっ!」
真姫『洗脳者....私が患者と読んでいる人達にはショック療法が必要なの』 大体ショック療法って何よ!?
今こうやって歌を歌うこと?
違う!!アイドルが歌を歌うなんて別に珍しくもなんともない!!
第一、歌うだけなら屋上に来る必要なんか無い!!
真姫「〜♪」
曲が終わる、真姫さんは.....フェンスの近くに!
このアパートの屋上は基本誰も利用しない!
そのせいでフェンスがボロボロになりところどころ破れてしまっている場所もある!!
善子「やばいっ!!」ダッ
真姫さんが大きく破れてしまっているフェンスに背を向ける!!
私が真姫さんに感じた恐怖は....
善子「死ぬことに対する恐怖よ!!」
真姫「みんな、バイバイ」
タッ
そう言うと真姫さんはゆっくりと後ろへ倒れていった
何もない空中へと
善子「届いてええぇぇぇぇ!!!」グァッ ガッ
真姫「っ......っ、あなた!!」
善子「ぐっ.....あ"あ"!!!」
めちゃくちゃ痛い!!!肩が外れそうだわ!!漫画で見たことあるけどこれめちゃくちゃ痛いじゃない!!
善子「はっ....やくっ....っ....持たなっ」
真姫「っ....でも、私は...」
善子「私がおちっ...んのよぉ!!!」
真姫「ヴェッ!?」
いや、これで持ち上げるとか無理だし!!
かと言って手離すとかも無理だし!!
でもこのままだと二人とも落ちるのよ!!
善子「おっ、お願い....だからっ」
真姫「っ....」
ぐっ、っと手が握り返された
善子「っ....せぇのっ!!」
真姫「やぁっ!!」
合図を出して私は精一杯の力で引っ張る ガシッ
真姫さんが塀の縁を掴み戻ってくる
善子「いっ、〜〜〜っ!!!」ジタバタ
解放された腕に痛みがドッと来て私は転げ回るしか無かった
真姫「っっっ....あ、あなただいじょっ」
善子「アイドルが!!」
真姫「っ!!」
善子「アイドルが...っ、ファンを悲しませて....っ、どうすんのよ!」
真姫「...........それは」
「「「「「まきちゃん」」」」」 善子「!!!」
真姫「!!!」
私たちは急いで塀から乗りだし下を見る!
「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」 「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」 「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」「まきちゃん」
善子「不味いわ、場所がバレた!!」
真姫「ヤバいわ、私たちが抵抗する手段なんて無いし、屋上じゃ逃げることも出来ないわよ!?」
善子「じゃあ何で屋上なんかにしたのよ!!」
真姫「飛び降りるためよ!!.....やっぱり私が死ぬショックで患者を目覚めさせるしか」
善子「あんた次それ言ったら頬ひっぱたくわよ!!」
真姫「ヴェェ...」 ダダダダ!!
でも時間が無い!
もうじき大量の患者がこの屋上に雪崩れこんでくる!!
善子「何か....何かないの!?」
思い出せ!!思い出すのよ堕天使ヨハネ!!!
真姫さんはショック療法が必要だと言っていた、何かここで衝撃的なものを見せれば
善子「何かっ....」
ダイヤ『善子さん、あなたもしかして....』
善子「っ!!!!」
ガチャガチャ
保険にかけていた鍵ももう壊れそうだわ!!
....もうこれしか!!!
善子「っっ、真姫さん!!」
真姫「ヴェっ!?」
私は真姫さんの両肩を支える!!
ガチャン!!
善子「〜〜っっ!!ごめんなさい!!!」
そう言って私は
真姫「っっっ////!?!?!?」
真姫さんに口付けをした 善子「んっ....///」
真姫「ちょっ、んっ....っ、〜〜〜っっっっ!!?///」ジタバタ
.........
善子「っ///けっ、契約完了...なんちゃって」
真姫「.....///」ポー
善子(....し、舌まで入れたのはやり過ぎだったかしら///)
善子「っ、患者は!?」バッ
患者「....まき、ちゃん」シュワアア...
善子「な、何これ!?」
希「どうやら患者の元になった研究者は百合好きでもあったようやな、患者達は満足感でいっぱいになりショートした...これでみんな元通りや」
善子「....よ、良かった〜、って誰!!?」バッ
善子「い、いなくなってる....」 ...........
あれから一週間が経った
患者達はモブ化した記憶をすっかり失ってみんな元通りとなった
まあ、そのせいで全世界に突発的に起こった大事件として今もワイドショーで話題が持ちきりだけどね
原因不明の夢遊病か、どこかの国のテロ行為か、はたまた宇宙人が侵略か...
まあ、誰も一人のアイドルファンが復活のために起こしたものだなんて思わないでしょうね
曜「善子ちゃん、おはよーそろー!」ビシッ
善子「はいはい、行きましょ」
そんなこんなで私は普段の日常に戻ってきたのだった 曜「....あれっ?」
善子「どうしたの?」
曜「校門前に人だかりが出来てる...」
善子「えっ?」
あれ、あの赤い髪って....
ダイヤ「私、昔からμ'sの大ファンでして!」
真姫「え、えぇ、ありがとう...」
善子「真姫さん!?」 タッ
善子「真姫さん何でここに!?」
真姫「いや、あれから怪我とか頭痛とか色々大丈夫だったかなって気になって」
善子「あっ...うん、頭痛は無くなったし、肩の痛みも大分引いたわ」
真姫「そう、良かった...」
善子「?」
その確認のためにわざわざ来てくれたの?
ダイヤ「よ、善子さん!あなたμ'sの西木野真姫さんと関係がおありでしたの!?」
善子「え、まあちょっと...」
ヤバい、ざわざわしてきた...
みんなに患者の時の後遺症が残っていないとは限らない
こんなところで真姫さんが話題になったらまた再発なんてこともあるんじゃ... 真姫「えぇ、そうよこの子はね...」
グイッ
善子「へっ?」
急に真姫さんに腕を引っ張られて体勢を崩す
そしてウチの学校の大勢が見ている中....
真姫「んっ///」チュッ
善子「っっっ///!?!?!?」
真姫さんは私に唇を重ねてきた
「「「「「!?!?!?!?!?」」」」」
善子「へっ!?ええええええぇ////!?!?」 鞠莉「Wa-o♪」
ダイヤ「スキャンダルですわ!スキャンダルですわ!!!」シュッポポー
果南「ダイヤ!?」
ルビィ「お姉ちゃんが壊れちゃった!!?」
梨子「....」ダラダラダラ
千歌「梨子ちゃん!?」
花丸「梨子ちゃんが鼻血を出したまま気絶してるずら!?」
善子「まっ、真姫さん///これっ、何でっ///」
曜「わっ、善子ちゃん凄く...」
真姫「さん付けなんてダーメ♥??私のことは...」
曜「顔が赤い」
真姫「『まきちゃん』、って呼んで♥??」
終わり エタった時はそのまま飛び降りるルートで書こうとしていましたが思いきってハッピーエンドに変えてみました
読んでいただきありがとうございました、読んだことあるって言ってもらえて嬉しかったです ちゃんとテンプレに従ってて草
エタる前から楽しみだったよ乙 定期ネタを大事にしつつ良い感じにクロスさせてて面白かった
乙 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています