絵里「極寒の中、にことふたり」
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絵里「ねえ、にこ」
にこ「んー」
絵里「寒いわね」
にこ「そうね」
絵里「雪、降ってるものね」
にこ「そうね」
絵里「…」 絵里「ねえ、にこ」
にこ「んー」
絵里「怒ってる?」
にこ「別に」
絵里「ごめんね。付き合わせちゃって」
にこ「…別に、いいわよ」
絵里「…」 絵里「ねえ、にこ」
にこ「んー」
絵里「にこは、心残りなことってある?」
にこ「…なによ突然、縁起でもない」
絵里「ごめん…じゃあやり残したことってある?」
にこ「…さっきと何か変わったの?それ」 絵里「全然違うわ」
にこ「どこがよ」
絵里「だって心残りって出来なかったことを後悔して引きずってることでしょう?」
にこ「まあね」
絵里「やり残したこと、だったら未完なだけでこれからがあるもの」
にこ「……屁理屈か」
絵里「ちゃんとした理屈よ?」
にこ「…」
絵里「…」 にこ「…まだ」
絵里「?」
にこ「にこはまだ宇宙No.1アイドルになってないわ」
絵里「ふふっ、さすがにこね」
にこ「…前から思ってたんだけど」
絵里「うん?」
にこ「その「さすがにこね」ってなんなの?」
絵里「え?こんな時にまでアイドルの事を考えてるなんてさすがにこだなって思ったのだけど…」
にこ「そうじゃなくて」
絵里「え?え?」 にこ「もうこの際だから言うけど、にこと絵里ってそういう間柄じゃなくない?」
絵里「そんな…酷い。私たちはμ'sという固い絆で結ばれた仲間じゃなかったの?」
にこ「いやいやいや、そうじゃなくて。個人的に」
絵里「個人的に?」
にこ「そう個人的に、そんな付き合いなかったわよね?ってこと」
絵里「……」
にこ「ね?」
絵里「……そうだけど…」
にこ「…泣きそうにならないでよ。こんなことで」
絵里「だって…」 にこ「…違うから。にこが絵里を嫌いとかそういう話じゃないから」
絵里「あ、そうなの?」
にこ「…機嫌直してくれたみたいで良かったわ」
絵里「もう…」
絵里「…じゃあ、どういう意味なの?」
にこ「それこそμ'sに入るまでロクに付き合いもなかったハズの絵里がなんでにこをそんなに持ち上げるの?って話よ」
にこ「おかしくない?って話よ」
絵里「おかしくないわよ」
にこ「だからそれがなんでかって言ってんの」
絵里「だって私、にこの事ずっと前から尊敬してるもの」
にこ「へ?」 絵里「――私ね、心残りが…ううん、やり残したことがあるのよ」
にこ「…いきなりなに?どうしたの?」
絵里「さっきにこが言ったように、私とにこってそんなに良い関係じゃあ無かったじゃない?」
にこ「っていうか関係そのものがほぼ無かったわね」
絵里「…」
にこ「…ごめん、言い過ぎたわ。だから泣かないで」
絵里「な、泣かないわよ。それに…いいの、事実だもの」
絵里「でもね、私はそれをずっと後悔してて…それでもなんにも出来ないままここまで来た。だから…」
絵里「だから今回、思いきってにこを誘ってみたの」
にこ「……」 にこ「…で、今に至るってわけね…」
絵里「ぅ…ごめんなさい…」
にこ「いいわよ、別に。後悔してるわけでも責めてるわけでもないから」
絵里「…」
にこ「…」
にこ「でも…ま、少しくらいは良かったんじゃない?」
絵里「え?」
にこ「考えてみれば、今までこうやって絵里とゆっくり話したことなんてなかったものね」
にこ「…やり残したこと、ひとつ解消出来て良かったじゃない」
絵里「にこ…」 絵里「――本当なら、ここに希も居たのにね…」
にこ「…やめなさい。いなくなった人の事を言うのは」
絵里「だって…」
にこ「無理よ。あの状態じゃ…わかるでしょ?」
絵里「そうだけど…」
にこ「希だって最後は納得してた。絵里だって最善だと思ってのことでしょう?」
絵里「…」
にこ「…大丈夫よ。希は独りぼっちじゃないもの。向こうにはみんながいるから」
絵里「…そう、ね。そうよね…」 にこ「あーはいはい、もうおしまーい」
にこ「こーんな話ばっかしてたら眠たくなっちゃうわよ」
絵里「あ!」
絵里「ねえねえ、にこ」
にこ「なに?」
絵里「にこが寝そうになったらアレ言って良い?」
にこ「アレ?」
絵里「「寝たら死ぬぞー」ってやつ」
にこ「…」
絵里「そ、そんな顔しなくても…」
にこ「はあ…」
絵里「ご、ごめんってば…」 にこ「まったく…余裕があるんだかないんだか…」
絵里「…だってやってみたかったんだもん」
にこ「なにをよ」
絵里「…そういう、ちょっとベタなやつ…」
にこ「はあ?」
絵里「い、いいじゃない、なんか漫画っぽくて」
にこ「……」
絵里「え?よくない?」
にこ「…いや、そういえばアンタそーいうの好きよね、って思って」
絵里「そ、そうかしら?」
にこ「「負けたらジュース奢りー」とか」
絵里「う…」 絵里「ひょっとして、にこはそういうの好きじゃあなかったりする?」
にこ「…別に」
絵里「別に…どっち?」
にこ「……嫌いじゃ、ないわよ」
絵里「にこ…!」
にこ「ええい、うるさい」
絵里「えー?なんにも言ってないわよー?」
にこ「顔がうるさいのっ!」
絵里「ええー…」 にこ「はあ…」
絵里「どうしたの?」
にこ「いや、なんでもないわ」
絵里「気になるじゃない。言って」
にこ「…なんていうか」
絵里「うんうん」
にこ「めんどくさい」
絵里「…え?」 絵里「え?え?面倒くさいって?私のこと?」
にこ「…まあ」
絵里「なんでよ?ねえ、にこったら」
にこ「……」
絵里「ねえ、にこ。どうして?どうしてそんなこと言うの?ねえ。ねえったら」
にこ「だぁぁ!うっさい!そういうとこよ!」
絵里「!?」
にこ「なんで今日はそんなにグイグイくんのよ!」
にこ「いつものあらあら系お姉さんなアンタはどこ行ったのよ!」
絵里「そ、そんなこと言われても…」 にこ「…ねえ、絵里」
絵里「なに?」
にこ「今のこの状況に責任感じてるんならお門違いも甚だしいわよ」
絵里「っ…!」
にこ「にこは絵里に言われるがままにここにいるわけじゃないから。ちゃんと自分で考えて、自分の判断でここに来たの」
絵里「…」
にこ「だから、後悔も無いし、絵里を責めるつもりもない。…さっきも言ったでしょ?」
絵里「…ええ」
にこ「ま、どう足掻こうがもう一蓮托生なんだし?とりあえずこうやって話しながら朝を待ちましょ」
絵里「…さすがにこね」
にこ「…いみわかんない」 絵里「ねえ、にこ」
にこ「んー」
絵里「雪が強くなってきたわ」
にこ「そうね」
絵里「大丈夫?」
にこ「…大丈夫よ」
絵里「危なくなったら言ってね」
にこ「ん」 絵里「ねえ、にこ」
にこ「んー」
絵里「私ね、少し浮かれてたのかも」
にこ「でしょうね」
絵里「え?」
にこ「見てればわかるわよ」
絵里「そ、そう?」
にこ「…」
絵里「き、気を付けるわ…」
にこ「…別に、いいけど」 にこ「…ねえ、絵里」
絵里「なに?」
にこ「…絵里が浮かれてるのって、やっぱり――」
絵里「もちろん、にことふたりきりだからよ」
にこ「――っっ!!」
にこ「…そ、そう…それって、さっき言ってた後悔からきてるの?」
絵里「そうね。にことなんとなくギクシャクしてるというか、知らないうちにお互い気を遣ってる関係というか…そういうのを解消したいと思ってるのは確かよ」
にこ「にこが…気を遣ってる…?」 にこ「そんなつもり無いんだけど?」
絵里「そう?さっきだって雰囲気が暗くなりかけたところで空気を変えてくれたじゃない」
にこ「…」
絵里「それににこは誰にでもそうだけど…特に私には一歩引いてるところあるわよね?」
にこ「…そんなことないわ」
絵里「必要以上に踏み込ませないし、自分からは決して踏み込んでこない」
にこ「…」
絵里「そんな気がしてるのだけど…違うかしら?」
にこ「…のワリには今随分と踏み込んで来てるんじゃない?」
絵里「ええ、もう後悔はしたくないから」 絵里「――それで、どうなの?」
にこ「なにが?」
絵里「私とは、気のおけない関係にはなれないのかしら?」
にこ「…直球ね」
絵里「嫌?」
にこ「…嫌、ってワケじゃないけど…別によくない?これくらいで」
絵里「これくらいの距離感で?」
にこ「そうそう、にこと絵里はこれくらいでいいじゃない」
絵里「…そう、それがにこの答えなのね。でも――」
絵里「認められないわ」
にこ「っ!!」 絵里「ねえ、にこ」
にこ「…」
絵里「にこは、私の何がそんなに嫌なの?やっぱり私のことが嫌いなの?」
にこ「…違うわよ」
絵里「じゃあどうして?」
にこ「…」
絵里「にこがそこまで拘るのはちゃんとした理由があるから、よね?」
絵里「だったら教えてくれないかしら。その理由を」
にこ「…アンタこそ…」
絵里「?」
にこ「アンタこそなんでそんなににこにこだわるのよ。別にいいじゃない。仲悪いわけじゃないんだから」 絵里「…さっきも言ったじゃない。私はずっと前からにこの事を尊敬してるんだって」
にこ「そういえば…言ってたわね。でもそれこそロクに付き合いのなかったにこの何をそんなに評価してるのよ」
絵里「…にこは諦めなかった人だから」
にこ「?」
絵里「私は…諦めちゃった人だもの」
にこ「え?ちょっと待って、なんの話?」
絵里「夢の話よ」
にこ「夢…?」 絵里「誰でも小さい頃は将来の夢ってあるじゃない?」
絵里「パン屋さん、ケーキ屋さん、花屋さん…」
絵里「他にもアイドルとかバレリーナとか」
にこ「…ええ」
絵里「でもほとんど全ての人は小さい頃みた最初の夢を諦めてしまう…努力とか才能とか環境とかを理由にして」
にこ「…そうね」
絵里「そりゃあ、諦めなかった人がたくさんいるからこそそういう職業の人達がいるのだとはわかっているわよ?」
絵里「けれど私は、そういう人達は「諦めなくてもいいくらい恵まれた人」なんだと思っていたの」
にこ「…」 絵里「でも、にこに出会ってわかった」
絵里「にこは…気を悪くするかもしれないけど「持たざる者」の方だと思う」
にこ「…」
絵里「それでも、諦めない人だった」
絵里「私、初めて見たの。恵まれた環境にいなくても決して諦めず小さい頃の夢を叶えようとする人」
絵里「そして思い知ったの、ああ、夢を叶える人ってこういう人なんだって」
絵里「…だからにこは、私の憧れで、理想なのよ」
にこ「……」 にこ「…買いかぶりすぎよ」
絵里「そんなことないわよ」
にこ「そんなことある。私は…諦めたもの。2年前にね。知ってるでしょ?」
絵里「いいえ、にこは諦めてなんかいなかった」
絵里「っ!…アンタになにがわかるのよ…!」
絵里「だって、アイドル研究部があるじゃない」
にこ「――!!」
にこ「あ、あれは…ただ、部室があると色々便利だから…」
絵里「…私には無理だわ」
にこ「…なにが?」
絵里「にこは、辛くはなかったの?」 絵里「私は無理だった」
絵里「バレエを辞めてからすぐに全て処分したもの」
絵里「貰った記念品も、写真やビデオの映像も、使ってた道具も…」
絵里「…憧れてたプリマ・バレリーナのポスターも剥がして捨てた」
絵里「バレエに関する何もかも…見聞きするだけで辛かったわ」
絵里「私が諦めた世界で、私に出来ない輝きを放つ存在を認めるのが辛かった」
絵里「だから私は全てから逃げ出したの」
絵里「羨望と、嫉妬と、後悔と、無力感で自分がグチャグチャになってしまう前に…」
にこ「…」 絵里「ねえ、にこ」
にこ「…なに」
絵里「にこは、辛くはなかったの?」
にこ「……にこは、アイドルが好きだから」
絵里「…やっぱり、強いのね、にこは」
にこ「どうかしらね。弱いから、棄てられなかっただけなんじゃない?」
絵里「ううん、違う…にこは強いわ。グッズだけじゃあない、あの部室には、辛い思い出もたくさんあるはずだもの」
絵里「それを抱えて2年間もなんて…私にはとても出来ない」
にこ「…」 にこ「…じゃあ穂乃果はどうなのよ?」
絵里「穂乃果?」
にこ「そうよ。そもそもμ'sをつくったのは穂乃果だし、絵里に手を差しのべたのも穂乃果じゃない」
にこ「私は夢なんか叶えてない」
にこ「μ'sは穂乃果の夢で、私はそれに乗っかっただけ」
にこ「そんな私が夢を叶えられる人ですって?ちゃんちゃらおかしいわ」
にこ「絵里の理想は、私なんかじゃなくってあっちなんじゃないの?」 絵里「…穂乃果は…違うのよ」
にこ「なんでよ」
絵里「あの子は、天才よ。放っといても人が集まってくる。人を惹き付ける」
絵里「…どんなになろうと思っても…なれるモノじゃあないし、出来ることじゃあない」
にこ「……」
絵里「それにね」
にこ「?」
絵里「確かにμ'sは穂乃果のみた夢だわ。それは間違いない」
にこ「…でしょ?」
絵理「でもね、にこ。アイドル研究部はにこがつくったモノよ」 絵里「――私ね、アイドル研究部にμ'sが入ったのは偶然なんかじゃないと思うの」
絵里「アイドル研究部は、にこが夢みて、にこがつくった理想の部でしょ?」
にこ「…」
絵里「そしてにこが諦めなかったから、μ'sが入部した…」
絵里「穂乃果のつくったμ'sも、にこのアイドル研究部っていう夢の続きなんだと思うわ」
にこ「!!」
絵里「だから、ね、にこ」
絵里「だから、私は、にこを尊敬してるのよ」 絵里「…わかって貰えたかしら?」
にこ「…まぁね」
絵里「じゃあ――」
にこ「でもね!」
絵里「?」
にこ「でもね、私は…絵里が、苦手なのよ」
絵里「…えっ?!」
絵里「ど、どうして…?」
にこ「…」 にこ「…にこは確かに持たざる者だわ。それは間違いない」
にこ「でもね…絵里、アンタは違うわ」
絵里「えっ?」
にこ「アンタは恵まれたヤツでしょう?」
にこ「にこにないたくさんのモノを持ってる」
にこ「…正直、羨ましすぎてヘドが出そうなくらいよ」
絵里「そんな…そんなこと…!」
にこ「あるわよ」 にこ「…本当言うとね、私はアンタのこと嫌いだった」
にこ「なんでも持ってるクセになんにもしないで、そのくせ人のやることに文句言ってくるヤツだ、って」
絵里「…そ、それは…」
にこ「まあわかるわよ?それが生徒会の仕事だものね」
にこ「それでも、ムカつくもんはムカつくんだからしょーがないじゃない」
絵里「…」 にこ「…今から考えると逆恨みも入ってたのかしらね」
にこ「ほら、覚えてる?」
にこ「にこがアイドル研究部を立ち上げてすぐの頃、アンタをスカウトしたの」
にこ「こいつらなら絶対人気でる、って思って声かけたのにあっさり断られて…」
にこ「しかももう一人まで連れて生徒会なんかに入っちゃって」
にこ「せめてどっちか寄越しなさいよ!って文句言って…」
にこ「ま、今となってはその二人ともとアイドルやってんだから人生わかんないものよね」 にこ「でも当時の私にはショックだった」
にこ「だってアイドルに憧れない女の子なんていないって半分本気で思ってたから」
にこ「だから入んないのは「私と」アイドルやるのが嫌だったんだ、って思ったのよね」
にこ「そんなヤツが穂乃果の勧誘でコロッとアイドル始めるし」
にこ「そんで一緒にアイドル活動やり始めた途端にこっちのこと持ち上げてきたりしたらそりゃ複雑にもなるわよ」
にこ「しかも明らかににこよりもスタイルがいい、ダンスは上手い、人気もある…なんなのよ!予想してたけど!」
にこ「まったく…!」 にこ「…ちょっと?聞いてんの?」
トンッ
にこ「え…?」
にこ「ち、ちょっと…重いじゃない。ひょっとして寝てんのー?」
にこ「おーい、寝るなー寝たら死ぬぞー!なんちゃって」
絵里「」
にこ「…絵里?」 にこ「ちょっと、どうしたのよ、返事もしないで…っ!」
絵里「」ハァハァ
にこ「はあっ?!なにこれ…凄い熱じゃない?!」
にこ「アンタいつから…こんな…っ!」
にこ「!…まさかあの時既に…?」
にこ「っそれよりも!もうすぐかえるんでしょ?絵理!しっかりしなさい!」
絵里「か…かえ…る?」
にこ「そうよ、ホラ、もう夜が明けるわ…だからもうじき――」
絵里「そう…良かった…せめてにこだけでも…」
にこ「ばかっ!なに言ってんの!ここまで来て私ひとりで行けるわけないでしょう?」 にこ「ふたりで行かなきゃ…意味ないじゃない…!」
絵里「…ごめん、なさい…私…もう、限界…かも…」
にこ「だめ…だめよ…絵里…」
絵里「…って…かえって…みんなと……にこと…いっしょに……たか…った…」
絵里「」カクン
にこ「だめぇぇぇ!!」
――― 今日の夜はみんな12話で盛り上がってるから寂しいぞ? 素晴らしい
続き楽しみ
あらあら系お姉さんて表現で思わず吹いた
あと>>28絵里同士で会話してる にこえりは良いぞ〜ちょっと感動したにこよ
このSS最高チカ ことり「ん〜♪美味しい〜♪」
花陽「ほんとだね〜こんなの初めてだよぉ」
真姫「ふん、まあまあね」
穂乃果「そんなこと言って〜顔がにやけてるよ〜?」
真姫「う、うるさいわね」
凛「なんかふわふわするにゃあ〜…」
海未「体が軽いということは、登りやすいということです!このまま山頂アタック、いきましょーう!」
凛「にゃ〜ん♪」ダキッ
海未「凛を背負って…ですか?面白い、受けてたちます!」
花陽「はわわわ…ふたりとも変だよぉ」
ことり「ラム酒に当てられたのかなぁ?でも可愛いからそっとしとこうね♪」 にこ「……」
希「あれ?にこっち、食べないの?」
にこ「食べるわよ。…っていうかなんでアンタそんなに元気なのよ」
希「にこっち知らんの〜?風邪って人にうつすと治りがはやいんよ♪」
にこ「そのせいで寝込んでるヤツが居んのに能天気ねアンタ…」
希「過ぎたことは仕方ないやん」キリッ
にこ「過ぎてないわよ!現在進行形なの!」 穂乃果「あ〜!にこちゃんずるい!ひとりで2つも取ってる!」
にこ「これは絵里の分!そっちに置いといたらアンタたち食べちゃうでしょうが!」
穂乃果「なるほど!…あれ?だったら1つでよくない?」
にこ「もう1つはにこの分」
穂乃果「にこちゃんは食べないの?」
にこ「食べるわよ!…今、紅茶蒸らしてんの」
穂乃果「へ〜…じゃあゆっくり食べてる真姫ちゃんのところへ戻ろうっと」
にこ「何しに来たのよアイツは…」 希「なあ、にこっち」
にこ「なによ」
希「ふふふ」
にこ「…なによ」
希「…少しは、距離縮まった?」
にこ「!?…アンタ…!」
希「ほらほら、紅茶が冷めないうちに届けてこんと」
にこ「…わかってるわよ」
―― コンコン
にこ「絵里〜起きてる〜?」ガチャ
絵里「にこ…」
にこ「…無理して起き上がらなくてもいいわよ」
絵里「ううん、平気。…わあ、いい匂い…」
にこ「ケーキと紅茶を持ってきたわ。食べれそう?」
絵里「もちろん♪私達の戦利品だものね♪」
にこ「そうね」
―― 絵里「んんん〜〜♪♪♪」
にこ「…ほんっと、幸せそうに食べるわね」
絵里「だって幸せだもの♪さすがお一人様限定一個のケーキね。徹夜して並んだかいがあったわ♪」
にこ「まぁね」
絵里「それに…大好きな人と、大好きなケーキを食べる…なんて幸せなのかしら」
にこ「…だったら、はやく治しなさいよね」
絵里「?…え、ええ…」
にこ「もう1つ、あるでしょ?」
絵里「あ、ケーキ?確かにもう1つあるけど…」
にこ「違うわよ。アンタのやりたいこと」
絵里「私の…?」 にこ「にこと、もそうだけど、みんなと、も食べたかったんでしょ?」
絵里「!なんで…それ…っ!」
にこ「ふふ〜ん♪にこはなんでもお見通しにこ〜♪」
絵里「さすがにこね♪」
絵里「…あ、だから?」
にこ「ん?」
絵里「だから、にこはここでケーキ食べてるの?」
絵里「私が、にこと食べたかったのを知ってたから?」
にこ「!!」 にこ「ち、違うわよ!ただの偶然!向こうがうるさかったから…」
にこ「にこはただ、美味しいケーキだからゆっくり食べたかったの!」
絵里「ふふ、ありがとね」
にこ「だから違うって…」
絵里「たとえそうだとしても、私は嬉しいわ。ありがとう」
にこ「…どういたしまして」 絵里「ねえねえにこ」
にこ「なに?」
絵里「あーん」
にこ「…」
絵里「あーん」
にこ「…子供じゃないんだから」
絵里「ええーだって私、病人よ?」
にこ「…めんどくさ」
絵里「そう言いながらフォーク出すにこ、好きよ」
にこ「うるさい」 絵里「ねえねえにこ」
にこ「なに?」
絵里「はい、あーん」
にこ「…」
絵里「あーん」
にこ「…にこは、自分で食べられるから」
絵里「一口貰ったんだからお返ししないと不公平じゃない?」
にこ「…」
絵里「美味しい?」
にこ「そりゃあね」 絵里「ねえねえに……ゴホッ!ゴホッ!」
にこ「ほらほら、慌てて食べるから」
にこ「ゆっくり紅茶飲んで喉を落ち着けなさい」
絵里「」コクコク
絵里「〜っはぁ!危なかったわ…」
にこ「まだ治ってないのにはしゃぎすぎなのよ、アンタは」
絵里「ごめんなさい…」
にこ「まったく…絵里って熱出すとめんどくさい浮かれ方するのね…知らなかったわ」
絵里「うぅ…」
にこ(あの希が顔出さないワケだわ…) にこ「ねえ、絵里」
絵里「なに?」
にこ「はやく、風邪治さなきゃね」
絵里「そうね」
にこ「今夜はパーティーだからね」
絵里「わかってる」 にこ「ねえ、絵里」
絵里「なに?」
にこ「希が言ってたんだけどね」
絵里「ええ」
にこ「風邪って人にうつすとはやく治るらしいわよ?」
絵里「そうなの?」
にこ「希、今すっごい元気」
絵里「ぐぬぬ…」 にこ「ねえ、絵里」
絵里「なに?」
にこ「にこ、絵里のフォーク使っちゃった」
絵里「!!」
にこ「風邪、うつっちゃうかもね」ペロッ
絵里「〜〜!!///」
にこ「あらら〜?絵里ちゃん顔真っ赤にこ〜♪」
絵里「ち、違うの!これは…」
にこ「熱上がったんじゃない?ちょっとちゃんと顔見せてみてよ」
絵里「いいから!ちょっと待って!」
にこ「ほらほら〜♪遠慮しないで〜♪」
絵里「うぅ…にこのいじわるー!」
おしまい うむ、最後までにこえりの可愛さたっぷりで最高だった
乙 ケーキ屋さんに並んでたのね
にこえり最高でした乙! 平和な終わりかたでほっこり
よく読んだら前半最後のあたりで「もうすぐかえる」ってちゃんとダブルミーニ
ングしてたのね え?にこえり以外は死んで、にこえりも危篤状態みたいな感じだったけど、奇跡的に全員生きて救助されたってこと? >>82
単にお一人様一個限定のケーキ買うために徹夜で並んでただけ、希は風邪でダウンしてるからみんなとお留守番だと思う。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています