梨子「入院中暇だからいろいろ妄想する」
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「桜内さん、これ今日の昼食ね〜」
梨子「はーい」
梨子(ナースもいいわね)
私は高校二年生、3日前に変質者が家に来て刺されてから入院してる
怪我自体は大した事がなくてよかったけど
梨子(当分、私の百合妄想をネットに落とすのはやめましょう…)
病室の窓から見る景色は特別だった
私はすぐに退院できるから普通の青空に見えるけど
そうじゃない患者さんにはこの景色はどう映るのだろう
梨子「……」
梨子(おなにーしたい) 梨子(そういえばおなにー…入院してから一回もしてないわ)
梨子(はぁ…したいしたいしたい)
梨子「…するか」
\ヨウソロー/
梨子(ん?LI◯E…善子ちゃんからだ)
善子 リリー、体調はどう?
梨子「ふふっ…本当にいい子ね、真っ先にお見舞いにも来てくれたし、泣きながら」
梨子「お、な、に、い、し、た、い……だめか」
梨子 元気よ、ありがと
善子 そっか、退院はいつごろになった?
梨子 明後日には
善子 了解、みんな待ってるわよ!
梨子「…」
私はいい友人に恵まれた
梨子(ありがとう…みんな大好きよ) 梨子「……」
一通り通知を親指で返し終えて
またしても暇になる
梨子「…百合妄想でも書こう」
ベッドの横の机からノートを一冊手にし
筆を走らせる
梨子「……」
恐ろしく真剣な眼差しで物語を書き始める
この瞬間が世界で一番好きな時間
梨子(なに書こうかしら)
梨子(とりあえずえっちなやつ) ☆
「お嬢様…いや鞠莉、好きだ!」
「だ、だめよ…私は…」
梨子「……いいわ…もっと…」ブツブツ
物語を書き始めると決まって周りが見えなくなる癖がある
私は監督になり自分のキャラが私のシナリオ通りに役を演じる
ような妄想、そうだとわかっていても一度コレになったら書き終わるまで止まらない
梨子「……よし…書けた…!」
梨子(ふう…ノートに書いちゃったからこれは誰にも見せられないのが残念だわ) 千歌はとうとう心配すらしなくなったか
完全に最悪の別れかたした元カップルだな 梨子「はぁーっ」
梨子(明後日はいよいよ退院…えっちなナースさんともお別れね)
梨子(今夜は思い切っておなにーしよ)
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そしてついに退院の時が来た
「じゃあ桜内さん、忘れ物はない?」
梨子「はい!大丈夫です」
梨子(いよいよここもお別れね)
病院を背に待たせていたタクシーに乗って家に帰ろうとしたその時だった
「おーい!!待ってくれ!」
梨子「…?」
後ろから老人が追いかけて来た
「はぁはぁ…このノートに小説を書いたのはお前さんかね?」
梨子「はい…そうですけど…」
「いや、実に素晴らしい百合えっちだ、君、小説家にならんか?」
梨子「え?」
桜内はプロの小説家になった。
おわりよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています