モブ「一年生ってよしまる+ルビィだよねwwwww」ルビィ「ぅゅ…」
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「どこ行くずら?」
「…友達と会ってくる。中学校の同級生」
「そういうの事前に言っといてっていつも言ってるずら」
声を聞くだけでイライラ不快感が湧いてくる。
高校時代の容姿は見る影も無く花丸は肥え太っていた。
暴食癖を知っていたのに彼女を選んだ私が愚かだったのか。
同居から一年、美貌を失い欠点が浮き彫りになると彼女は全く醜い人間だった。
下品な食べ方。人の話を聞かない独善性。常に私の上であろうとする支配的な性格。
親しみを覚える事が出来なくなった私はいつしかズラ丸とも呼ばなくなった。
少しずつ気持ちが離れて――私は花丸の中に狂気が潜んでいる事を知った。 初めて殴られた日を思い出すと未だに足が竦む。
花丸は血が出ようがお構い無しに無表情で私を殴り続けた。
力士のような体格の花丸に馬乗りで殴られる恐怖と絶望は私から抵抗する気力を根こそぎ奪った。
マル達は運命で結ばれているずら。生まれ変わっても離れられないんだよ。
呟きながら私を殴り続けた翌日、大怪我した私をあいつは人が変わったように親身に看病した。
こいつ狂ってる。冷えた気持ちは戻らなかった。あっちも薄々気付いているようだ。
以前にも増して高圧的になった花丸に耐える生き地獄の毎日。
だから最近ずっと――花丸を殺すことばかり考えている。 「ハァイリリー」
「5分遅刻。リリーはやめてって言ってるのに」
「リリーはいつまでもリリーよ」
桜のような笑顔にささくれた心が癒される。
大学生になったリリーは誰もが振り向く美人になっていた。
再会したのは偶然でこれを理由に花丸に愛想が尽きたわけではない。
それでもリリーが恋人ならと夢想する事がある。
綺麗で優しくて私を尊重してくれて、高校の頃から憧れていた。
花丸は私を支配しようとするけどリリーは私に合わせてくれる、それが嬉しいのだ。 花丸を選んだのはリリーが千歌を好きそうに見えたからだ。
その千歌はプロアイドルになって我々の前からいなくなってしまった。
つまりもう誰に憚る事もないわけだ。
まだ恋人いないのと聞くと善子ちゃんほど気の合う人がいないんだものと笑う。
あわよくばという思いで私はついその嘘を吐いてしまった。
「私ズラ丸と別れたんだ」 犬飼ってる人達って、鼻もだけど、耳も悪くなってるよね?
真夏は4時代から、今の時期でも5〜6時代から、吠える犬を連れて住宅街を歩き回る。よその家の前で立ち止まり、大声で挨拶からの立ち話。ちょっと非常識とかいうレベルじゃない。
ギャンギャン吠える犬に おはよー、今日も元気だねえとか、あんたら今朝の6:15なんですが…毎日毎日騒音で叩き起こされる身にもなれよ…
おまけに、玄関開けたら尿の臭い。
うちの前をトイレ兼溜まり場にすんじゃねーよ。
もう犬の散歩は時間を決めてやるべきだと思う。早朝深夜は禁止するべき。早朝か深夜しか散歩できない職種なら飼うな。本当に迷惑です。 「遅かったずらね」
上機嫌で靴を脱いだ所で凍りつく。
太りすぎて部屋の中でさえ歩くのを厭う花丸がまさかの後ろに立っていた。
パブロフの犬の如く恐怖を刷り込まれた私はその声だけで目を伏せて震え始めていた。
「ちょっと――話が盛り上がっちゃって」
「梨子ちゃんと?」 心臓が止まらなかったのが不思議だ。どうして知っているのだろうか?
鎌をかけてるんだ、白を切り通すしか無いという決心も次の瞬間崩れ去った。
「マルと別れたそうずらね」
思わず顔を上げて嘲笑う目に射竦められた。なぜそこまで知っているのか。まさか――
「あんた盗聴――」最後まで言えない内に拳が頬にめり込んでそこからは最低だった。
泣いて許しを乞う私を殴り続けた花丸は獣のように暴れ回り私のスマホも手帳も全て叩き壊した。
「別れない――絶対別れない」
私の髪を掴んで息を荒げる姿を塞がった目で見上げながら、私は本当に彼女を殺そうと決めた。 学部から失敬した蜂毒のアンプルを眺めながら段取りを頭の中でおさらいした。
これが二度注射されればアナフィラキシーショックを引き起こすだろう。
あいつが糖尿病の治療に使っているインスリンに混ぜてしまえばいい、簡単な話だ。
必要なのは蜂毒を混入するための花丸の目が届かない時間だがチャンスはすぐにやってきた。
ルビィが花丸に久し振りに遊ぼうと連絡を寄越してきたのだ。
どうしても外せない講義があると固辞した私は、こっそり花丸が外出するのを見届け部屋に戻った。 アンプルは繊細で手袋をはめたまま作業するのは神経がすり減った。
まして殺人を犯すのだ、冬だというのに汗が滝のように噴き出てくる。
手の震えを鎮めるために梨子の顔を思い浮かべた。これさえ上手くいけば私はリリーと――
そして混入が終わった。ようやく私は解放されるのだ。あの気の違った獣から――
「何を入れたんずら?」
そんな馬鹿なでは済まされなかった。呆然と振り向いた私は、その顔で全ての終わりを悟った。
「なんで帰って――」
「ルビィちゃんがやっぱり三人で遊べる日にしようって。無理になりそうずら――お前のせいで」
あいつが立っていた。手にカッターナイフを持って。
あいつが聞き取れない叫びを上げて踏み出したのと私がキッチンへ走ったのは同時だった。 「香を手に取って合掌するのですよ」
「うん」
今日は花丸ちゃんのお葬式です。
お姉ちゃんの言った通りにして戻り際に辺りを見回すとやっぱり梨子ちゃんの姿はありません。
愛しの善子ちゃんを殺した相手だもん、来るわけないよね。
会えたら梨子ちゃんにも一言お礼を言いたかったのにな。
ルビィは――笑いが止まりませんって。
本当にありがとう善子ちゃん。
これでようやく安心して暮らせます。 図書室で声をかけてしまったのがそもそもの失敗だった。
美しい顔に反してあの子は狂っていた。友達がいない子はいないなりの理由があると痛感した。
口を開けば私の事ばかり、異常すぎた固執。
生まれ変わっても添い遂げたい、そんな事を平然と言ってくるあの子が本当に気持ち悪くて怖かった。
同性愛も嫌だったけどもっと怖かったのが大人になっても付き合いが続く可能性。
お互いが子を成して私の子供まであの子に付き纏われる、そう考えると地獄だった。 だから策を講じた。
有り得ないほど幼稚な振りをして性を可能な限り遠ざけた。
私があの子の歪んだ性の対象にされないように。
そしてあの子を押し付けられる誰かが現れるのを待つ事にした。
スクールアイドル部に積極的に絡んだのも人間関係を広げて私への関心を減らしてもらうため。
私が世界の全てになってしまわないよう必死の思いであの子も部活に引き込んだ。
――そして善子ちゃんが現れてくれた。 >>5
一番悪いのは頭と性格でしょうね
だから連中は自分を客観的に見ることができないし、
人の話を聞けないので、反省もしない
だから、そういう人の都合をを考えない行為ができるんでしょう
通報してもいいのでは?近所の騒音に対処するのも警察の仕事らしいし 自己紹介を聞いてる時は笑いを隠せなかったな。
花丸ちゃんの数少ない(笑)お友達だったようだし頭おかしい同士全くお似合いだよ。
ヒッキーになった時は焦ったけど計画通り部活に引き込めたから結果オーライ。
後は私もそれまで以上に幼稚な振りをして少しずつフェードアウトすれば良かった。
本で妄想癖ばかり育った花丸ちゃんが恋愛したがってたのは火を見るより明らかだったし。
一年ってよしまる+ルビィだよねと言われてるのを耳にした時は思わずガッツポーズしちゃったよ。
本当の私はもっと凄いのにって屈辱感はあったから善子ちゃんにも罰は受けて貰ったけどね。
――そこまでは計画通りだったのに。 花丸ちゃんから上手くいってないって電話あった時の私の気持ちが解るかな善子ちゃん。
せっかく押し付けられたと思ったのにまた私を頼ってきた時の、ガン再発を聞かされたような気分が。
存在自体を消さなきゃ駄目なんだってようやく理解したよ。
あの子が私の人生からすっかり消えてくれなきゃいつまでも怯える事になるんだって。
梨子ちゃんと会ってるのを私に見られたのは迂闊だったね。
盗聴を疑ったみたいだけど機械音痴な上に太りきった花丸ちゃんには無理だって解らなかったのかな。
遠くからでも分かるほど顔の腫れた善子ちゃんを見て、もう時間の問題だなって思った。
後は善子ちゃんの動きを見張るだけ。
薬学部に出入りしたって解った時、私は引き金を引いた。
実は私二人が殺し合ってる時近くで見張ってたんだ。
だって花丸ちゃんが生きてたらとどめを刺さなきゃいけないでしょ――無用な心配だったけど。
おかげで人殺しなんて非道な真似をしなくて済みました♡ でも二人とも――ルビィを恨むのは筋違いだからね?
だって私悪いこと何もしてないもん。
私は花丸ちゃんに善子ちゃんと別れたのって聞いただけ。
一緒に遊ぼうって誘って、でもやっぱり三人揃う日にしようよって言っただけ。
おまわりさんに聞かれても――胸を張って答えられちゃいます♡
これでようやく本当の私に戻れるけれど――でも。
一つだけ忌々しい。
思い出せないから。
知ってる人がいたら教えてほしいくらいです。
――本当の私ってどんなだったっけ?
完 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています