善子「ダイヤ!」ダイヤ「鬱陶しいから離れなさい!」
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善子「いいじゃない、仲間なんだから」ギューッ
ダイヤ「仲間であろうとこんなにくっつきませんわ!」グイグイ
花丸「……なんで善子ちゃんあんなにダイヤちゃんにべったりなんだろう」
ルビィ「さあ……」
梨子「善子ちゃんはね、ダイヤちゃんに懐いたの」スッ
マルビィ「「懐いた?」」 花丸「懐いたって、そんな犬みたいな――」
梨子「善子ちゃんって結構人見知りでしょ?」
ルビィ「ルビィ程じゃないけど、最初は距離取っちゃってるよね」
花丸「でも仲良くなれば一気にぐいっていくずら」
梨子「それでダイヤちゃんとも1対1だとやっぱり距離取っちゃってたところもあって」
梨子「ダイヤちゃんがそれに対して寂しがっちゃって」
花丸「あぁ、大体想像はつくずら」 梨子「それで、昨日沼津で善子ちゃんを尾行してたときのことなんだけど」
花丸「……ストーカーは犯罪ずら」
梨子「善子ちゃんが映画を見ようと映画館に入ったところでばったりダイヤちゃんと出くわしちゃって」
ルビィ「お姉ちゃん、映画好きだから」
花丸「話をきくずら!」 ――
ダイヤ「あら、善子さん」
善子「あっ……。き、奇遇ね」
ダイヤ「善子さんも映画を?」
善子「まあ、これを見ようかと思って」
ダイヤ「っ! わたくしが見ようと思っていた映画と同じ映画ですわ!」
善子「っ! そ、そうなの!?」 善子「じゃ、じゃあヨハネチケット買ってくるから、また――」
ダイヤ「待って、善子さん」
善子「……なに?」
ダイヤ「その、せっかくなので、一緒に見ませんか……?」モジモジ
善子「えっ……」
ダイヤ「い、いやならいいんですのよ……?」シュン
善子「っ! やじゃない! 一緒に見ましょう? ね?」アセアセ
ダイヤ「っ!」パアアアアアアアアア ――
梨子「あの時のダイヤちゃんかわいかったなあ……」
梨子「善子ちゃんと仲良くなろうとして勇気を出して一緒に見ようって誘ったり」
梨子「断られそうになってしゅんってしたり」
梨子「けどやっぱり一緒に見るってなったら表情輝かせて――」
花丸「いいから続けるずら」
梨子「もう、ちょとくらいいいじゃない」ムーッ ――
ダイヤ(いい映画でしたわ……)ジーン
善子「ふえっ、ひっく……」グスッ
ダイヤ「よ、善子さん!?」ビクッ
善子「っ! べ、別に、ぐすっ。泣いてないわよ!」プイッ
善子「ただ目にゴミが入ったうえにあくびが出たの!」プルプル
ダイヤ「……。ハンカチ、使います?」スッ
善子「ありがと……」 ――
梨子「もう、この時の善子ちゃんったら号泣で!」
梨子「いつもの元気で堕天使とか言ってる善子ちゃんもかわいいんだけど、泣いてる善子ちゃんももう最高で!」
梨子「泣いてるのバレバレなのに強がってる善子ちゃんも――」
花丸「……」ジッ
梨子「ごめんなさい、続けます」
ルビィ「梨子ちゃん……」 ――
ダイヤ「よかったですわね、先程の映画」
善子「ま、まあ妥協点ね!」
ダイヤ「もうお昼の時間ですしどこかで食べます?」
善子「え」
ダイヤ「ほら、映画の感想も言い合いたいでしょう?」
善子「ま、まあ、うん」 ダイヤ「では、その――」
善子「なによ?」
ダイヤ「善子さんのおすすめのお店とか、あります?」
ダイヤ「わたくしあまり外食はしないので」
善子「おすすめってわけではないけどそこのファミレスでいいんじゃない?」
善子「手頃だし、長時間いられるし」
ダイヤ「長時間……! 行きましょう!」
善子「あ、ちょっと!」 ――
ダイヤ「本当にあのラスト、よかったですわね」
善子「まあまあ、よかったと思うわ」
ダイヤ「善子さん、泣いていましたもんね」クスクス
善子「だからあれは泣いてたわけじゃなくて!」アセアセ
ダイヤ「ふふ、映画はよく見るんですの?」
善子「休日は一人でよく見に来るわ」
ダイヤ「わたくしも映画鑑賞は好きでよく見に来ますわ」
善子「……知ってる」
ダイヤ「へ?」 善子「だってよく映画館でみかけたし」
ダイヤ「なっ!? なんで声をかけてくれませんの!?」
善子「だってヨハネみたいなタイプ嫌いそうだし」
善子「声をかけたら迷惑かなって」
ダイヤ「……善子さん」
善子「なによ」
ダイヤ「ぶっぶーですわ!」ズイッ
善子「ちょ、顔近い!」 ダイヤ「わたくしが善子さんのこといつ苦手だと言いました?」
善子「だって、しっかりしてるし堕天使は苦手かなって」
ダイヤ「それはあなたの勝手な想像でしょう?」
ダイヤ「わたくしは、あなたのこと苦手だとは思ったことありませんわ」
善子「堕天使なのに?」
ダイヤ「まあその堕天使だのなんだのというのは謎ですが」
ダイヤ「それでも、善子さんは一生懸命で、仲間想いで」
ダイヤ「大切なわたくしの仲間ですわ」 ダイヤ「善子さんはわたくしのこと苦手?」
善子「そんなこと、ないけど……」
ダイヤ「ならよかった。わたくしだけ善子さんと仲良くしたいんだったら独りよがりになってしまいますし」
善子「……ヨハネも仲良くしたい」
ダイヤ「ふふ、よかった」ニコッ
ダイヤ「ではまずは一つお願いしてもいいですか?」
善子「お願い?」 ダイヤ「わたくしのこと呼んでみてくれません?」
善子「え? あなたのこと?」
ダイヤ「えぇ、名前できちんと」
善子「え、えっと……」
善子「だ、ダイヤ、ちゃん?」
ダイヤ「……ぶっぶーですわ」
善子「なんでよ! ダイヤちゃんって呼んで欲しいって言ったのそっちでしょ!?」
ダイヤ「前から気になっていましたの」
ダイヤ「善子さん、基本あなた人の名前呼びませんわよね?」
善子「っ!」 善子「よ、呼ぶわよ! ルビィとかずら丸とかマリーとか!」アセアセ
ダイヤ「他は?」
善子「……」
ダイヤ「仲良くなれば呼ぶけど、呼ぶまで時間を要する、そうですわね?」
善子「だってなんて呼べばいいかわかんないし」
ダイヤ「こう呼んだら失礼かな、こう呼ばれたら嫌かな、と考えてしまうと」
善子「……」コクリ ダイヤ「あなたが呼びたいように呼べばいいじゃないんですの?」
ダイヤ「わたくしたちは仲間なんだから、善子さんの呼びたいように」
ダイヤ「『ダイヤ』でいいんですのよ?」クスッ
善子「いいの?」
ダイヤ「ええ、仲間ですもの」
善子「……ダイヤ」
ダイヤ「はい」ニコッ
善子「っ!」パアアアアアアアアア ――
善子「でね、ダイヤ! その時ヨハネドブにはまっちゃって!」
ダイヤ「くすくす、とことん不幸ですのね」
ダイヤ「っと、もうこんな時間ですのね。そろそろ家路につきましょうか」
善子「えー、もっとダイヤと話したいのにー」ブーブー
ダイヤ「だからといって家に帰らないわけにもいかないでしょう?」
ダイヤ「また学校でも会えるんだから」
善子「むぅ……」ギューッ
ダイヤ「もう少しだけですわよ?」
善子「うん! じゃあそこの公園で話しましょう!」パアアアアアアア ――
梨子「とまあ、こんなわけで」
ルビィ「あぁ、だから昨日いつもより遅かったんだ」
花丸「本当に懐いたって表現が正しいずら」クスクス
善子「ね、ダイヤ。今度の週末カラオケいきましょ!」
ダイヤ「……まあ、構いませんけど」
善子「やった! 決まりね!」
ダイヤ「まったく、面倒くさいのに好かれてしまいましたわ」ホクロポリポリ
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