【SS】鞠莉 「果南を叩いたらお金が出てきた」
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パシーンッ!!
鞠莉 「…私が果南を想う気持ちを、甘く見ないでっ!!」
果南 「…………。」ヒリヒリ
鞠莉 (…? 果南の口から何か…)
ヒラヒラ…
鞠莉 「……。」
果南 「…何それ、鞠莉」
鞠莉 「…………1300円」
ーーーーーー
ーーーー
ーー ダイヤ 「果南さんからお金が?」
鞠莉 「そう。叩いたら出てきたの」チャリン
花丸 「どういう原理ずら…?」
果南 「それに、お金が出てきたのは1度だけじゃないんだよね」
鞠莉 「そうなの。見てて」パシーンッ!!
果南 「痛っ」
【780円】チャリーン 千歌 「か、果南ちゃんの口から小銭が!」
果南 「説明のためとはいえ、なんの躊躇もなく叩いたね鞠莉」
鞠莉 「excellent! すごいでしょ!?」
果南 「聞いてる?」
曜 「それにしても、なんで急にこんな…」
善子 「…スマ〇ラよ」
梨子 「ス〇ブラ…?」 善子 「そう。スマブ〇のミニゲームに、敵にダメージを与えるとお金が出てくるものがあるの」
千歌 「あー、それ知ってる。それで集めたお金で勝敗を決めるんでしょ?」
善子 「果南さん、あなた最近〇マブラをやりましたか?」
果南 「そういえば…」
ーーー
果南 『常連さんからもらったこのゲーム、面白いじゃん』ピコピコ
果南 『あーあ…こんなふうにお金がどんどん出てくる体になれればなぁ…』ファルコーンプゥァーンチ!
ーーー
ダイヤ 「つまり、何らかの形でその願望が叶ってしまったと」 果南 「…てことは」パシーンッ!!
【630円】チャリーン
果南 「やっぱり! 自分で叩いてもお金がどんどん出てくる!」
ルビィ 「か、果南さん。そんなに自分のこと傷つけたら…」
果南 「大丈夫! お金に比べれば痛くも痒くもないよ!」
8人 (うわぁ…)
曜 「……。」ゴクリ
果南 「? どうしたの曜?」
曜 「えっ!? あぁ…いやその…」 果南 「何さ。勿体ぶらないで言いなよ」
曜 「いやぁ…最近、衣装の材料を買うお金に困ってて。ほら、ここバイト禁止だし」
果南 「なるほど、そんなのお安い御用だよ!」
曜 「で、でも果南ちゃんに悪いし!」
果南 「任せてよ。せっかくこんな体になれたんだから、みんなの役に立たないとね」
果南 「…じゃ、いくよー」
ダイヤ 「お待ちなさい!」 曜 「ダイヤさん?」
ダイヤ 「そんなのはぶっぶーですわよ」
果南 「でも折角…」
ダイヤ 「お金を出すことに反対しているのではありません。私が言ってるのは、果南さんが自分でお金を出すのが不公平だということです」
梨子 「不公平?」
ダイヤ 「確かに果南さんが自分で自分を傷つければ、お金は得られますし、私達は何もダメージを負いません」
ダイヤ 「…ですが、曜さんも本当にそれで良いと思っているのですか?」
果南 「何が言いたいのさ」 ダイヤ 「お金をいただくのですから、私達も同じだけ傷つくべきだと言っているのです」
曜 「私も?」
ダイヤ 「えぇ。つまり…」
ダイヤ 「曜さんが果南さんを叩くのです!」
曜 「えっ…えぇぇ!!!?」
ダイヤ 「人を殴れば、殴られた方はもちろん、殴った方も傷つきます」
ダイヤ 「その覚悟のあるものだけが、果南さんの力にあやかるべきです」 千歌 「…ダイヤさんの言う通りだよ」
梨子 「千歌ちゃん…」
千歌 「果南ちゃんだけが傷つくなんてダメだよ。絶対ダメ。Aqoursは9人で1つなんだから」
梨子 「…あれっ? ダイヤさん達っていつの間にAqoursに入ることになってたの?」ヒソヒソ
曜 「そこは尺の都合でさ…」ヒソヒソ
梨子 「尺…?」 千歌 「…曜ちゃん、どうするの?」
曜 「…………果南ちゃん」
果南 「…うん。いいよ」
曜 「ごめんね」
ドゴッ!!
花丸 「み、みぞおちに…!」
果南 「ぐふぅっ…流石曜だね…」
【2100円】チャリーン
曜 「…ありがと、果南ちゃん」 千歌 「すごい…お札まで」
善子 「ゲームと同じで、出る量はダメージに比例するみたいね」
千歌 「私だったらいくら位出せるかなぁ」
果南 「千歌もやってみる?」
ダイヤ 「果南さん、あまり無理をしては」
果南 「大丈夫。家業で鍛えてるから」
千歌 「流石果南ちゃん」
果南 「じゃあ折角だし、Aqoursの誰が一番私からお金を出せるかやってみようよ」
ダイヤ 「あなたは自分の体をなんだと思っているのですか…」 果南 「大丈夫だって。さっきも言ったでしょ、鍛えてるって。今更女子高生くらいの攻撃なら何ともないよ」
千歌 「じゃあ私からやるー!」
梨子 「ち、千歌ちゃん…!」
千歌 「いくよー! えーいっ!」パシン!
【720円】チャリーン
果南 「ふふん、まだまだだね」
千歌 「ちぇー…」
鞠莉 「それじゃあnext turn、梨子ね!」
梨子 「わ、私!?」 梨子 「そ、その…ごめんなさい!」パシーンッ!!
【910円】チャリーン
果南 「おっ、千歌より効いたね」
千歌 「あんなに遠慮してたのに、私より出てるじゃん」
梨子 「ご、ごめんなさい! つい!」
鞠莉 「じゃあ次は私とダイヤね!」
ダイヤ 「なぜ私まで…」 鞠莉 「喰らいなさいっ! マリー…fire!!」パーンッ!
【1020円】チャリーン
果南 「やっぱ鞠莉は一発が重いなぁ」
ダイヤ 「…では、次は私ですわね」
果南 「なんやかんや乗り気じゃんダイヤ」
ダイヤ 「この2年の鬱憤をぶつけてやるんですわ」
鞠莉 (ダイヤ…本気ね)
ダイヤ 「とぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
果南 「さぁ来い、ダイヤ!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー 鞠莉 「…じゃ、次は一年生ね」
ルビィ 「お姉ちゃん…」
ダイヤ 「300円って…300円ってなんですの!」
善子 「ビックリするほど弱かったわね」
花丸 「善子ちゃんでもまだ出せるずら」
ダイヤ 「そこまで言うのならやってみなさい! 善子さんのそんなヒョロッヒョロな腕では100円も届かないはずですわ!」
善子 「生徒会長の威厳も何も無いわね…」
果南 「300円はほっといて、早くおいで」
ダイヤ 「その名で呼ぶなですわぁぁっ!!」 善子 「来たれ…! 偉大なる暗黒の力…ダークマターよ! 我が腕に、宿れっ!!」パシーンッ!!
【580円】チャリーン
ダイヤ 「バカなぁぁぁぁぁですわぁぁぁぁ!!」
果南 「次は花丸ちゃんだね、本気でおいで」
花丸 「は、はい! い、いきます」スッ…
梨子 「あれっ…それって広辞苑じゃ…」
ドーンッ!!
果南 「いったぁぁぁぁぁぁ!!!???」 【2900円】チャリーン
花丸 「やったずら! 暫定一位!」
果南 「じょ、上級生を何のためらいもなく広辞苑で殴るなんて…花丸ちゃんやるね…」
千歌 「意外な一面すぎるよ…」
果南 「最後はルビィちゃんか」
ルビィ 「は…ひゃいっ!」
果南 「あはは、緊張せずにおいでよ」
ルビィ 「そ、それじゃあいきます…!」スッ
ダイヤ 「…果南さん」
果南 「ん?」 …気付けば“それ”は目の前にあった
か細くあまりに弱弱しい腕。しかしその拳には確かな闘志、そして決意が込められていた。
『死』
その一文字が、拳の表に見えた気がした。
果南 「あっ…ちょっとタンマ…」
ズドォォォォォォンッ!!!!!
千歌 「うわぁぁっ!? か、風!!?」 【10380円】ヒラヒラ…
ルビィ 「……。」パシッ!
果南 「は…はわわぁぁ…」
ルビィ 「やったぁ! これで今度出る伝伝伝3が買えます!」
ダイヤ 「…大丈夫ですか?」
果南 「……慰謝料、貰ってもいいかな」ガタガタ
ダイヤ 「……勿論ですわ」
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ーー それから果南は、新たな商売を始める。
お金に困っている人に殴ってもらい、出てきたお金の一部を果南が受け取る。
生徒A 「あのー…果南さん、今日発売の雑誌を買うお金がなくて…」
果南 「うん、いいよ。どうぞ」
生徒A 「ありがとうございます!」パーンッ!
【820円】
果南 「820円か。じゃあ200円もらおうかな」
生徒A 「はい、ありがとうございました!」 千歌 「果南ちゃーん、私もー!」
【910円】チャリーン
花丸 「ご、ごめんなさい。オラも本が買いたくて…」
【830円】チャリーン
ルビィ 「あっ、果南さん! お願いが…」
果南 「そぉいっ!!」パシーンッ!!
【1300円】
ルビィの時だけ、果南は自分で自分を殴った。 Aqoursの活動費も殆ど果南が負担するほどになり、衣装やステージ作りに困ることはもうなくなった。
……事件が起きたのは、そんな生活を2週間ほど続けたある日のことだった。
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ーー 千歌 「た、大変だよみんな!」
果南 「ん? どうしたのさ千歌」
千歌 「今日の朝刊! 見てよこれ!」
『消える金銭 被害は拡大するばかりか』
曜 「何これ…」
千歌 「最近、財布の中とかから気付かないうちにお金が消える事件が多発してるんだって」
ダイヤ 「それは…恐ろしいですわね」
千歌 「…ねぇ果南ちゃん、昨日はいくら位出した?」
果南 「えっ…。えっと、確か3万円くらいだったかな」 千歌 「やっぱり。昨日報告された被害額は、大体3万円くらいなんだよ」
梨子 「えぇっ!? それってつまり…」
ダイヤ 「果南さんが出した分、この国のどこかからお金が消えるということですか?」
果南 「……。」
善子 「それなら…もうやめた方がよさそうね」
果南 「何言ってるの、善子」 果南 「私はやめないよ? この仕事」
千歌 「果南ちゃん…」
果南 「みんなだって、喜んでこの力を使ってたじゃんか! それを今更私が悪いみたいに言って、理不尽だよ!」
曜 「果南ちゃん、誰もそんなこと…」
果南 「それに私はこの力のおかげで救われたんだ。家計だって随分楽になったし、今更…」
鞠莉 「…果南はそれでいいの?」
果南 「鞠莉…」 鞠莉 「果南は自分さえhappyなら、ほかの人が不幸になってもいいって言うの?」
果南 「…そうだよ! ほかの人がどう思おうと、私は自分が幸せなら…!」
パシーンッ!!【1300円】チャリーン
鞠莉 「……最低」
果南 「……。」ヒリヒリ
鞠莉 「果南がそんな人だなんて思わなかった!」
パシーンッ!!【1500円】チャリーン 鞠莉 「目を覚ましてよ…果南!」
パシーンッ!!【1900円】
パシーンッ!! 【2100円】
パシーンッ!! 【3000円】
7人 (話が頭に入ってこない…)
果南 「……鞠莉なら」 果南 「…鞠莉ならわかってくれると思った。私がどれだけお金のことで困ってたか、知ってたでしょ」
鞠莉 「それとこれとは、関係ないじゃない」
果南 「……っ! わかってる…そんなのわかってるよっ!」ダッ!
鞠莉 「…っ! 待って、果南!」
千歌 「…行っちゃったね」
梨子 「…! こ、これって!」 果南が飛び出した部室、そして果南が走っていった廊下には、まるで足跡のように一万円札が広がっていた。
花丸 「い、一万円…こんなに!」
善子 「…なるほどね」
曜 「何がわかったの、善子ちゃん」
善子 「お金が出る条件は、体へのダメージだけじゃない」
梨子 「もしかして…心の?」
鞠莉 「心の傷は、何よりも強いってわけ? …果南の、バカ!」 千歌 「てことは…果南ちゃんがあのままな限り」
梨子 「えぇ。この国から一万円札が消え続けるわ」
曜 「は、早く何とかしないと!!」
鞠莉 「…私が行く」
ダイヤ 「鞠莉さん…」
鞠莉 「きっと私にしか、出来ないから」
ーーーーーー
ーーーー
ーー 果南 「鞠莉のばかっ…! 私のバカっ…!」
果南 「うぐっ…うげぇぇっ…!!」ドバドバ
口から出てきたのは吐瀉物ではなく、大量の一万円札だった。
果南 「ははは…すごい量」
果南 「大切な友達をなくしたんだもん。当然…だよね」
鞠莉 「果南っ!!」 果南 「鞠莉…」
鞠莉 「こんなに出して…全く」
果南 「う、うるさいっ…見ないで!」
鞠莉 「果南、ごめんね」
果南 「な、なんで鞠莉が謝るのさ」
鞠莉 「ちゃんと果南の気持ち、考えてあげてられてなかったから」
果南 「私の気持ちなんて…」 鞠莉 「…辛かったよね、果南」ギュッ
果南 「鞠莉…」
果南 「私、分かってた。こんなこと良くないって。でも、みんな私に期待してくれてたから」
鞠莉 「うん。うん…」
果南 「裏切りたくなかった。私の知らないところで誰かが不幸になってても、みんなのためなら必要な犠牲だなんて思ってた」
鞠莉 「そっか…」
果南 「失望したよね。ごめんね…」
鞠莉 「…そんなわけ、ないじゃない」 鞠莉 「私達も、果南にばかり負担を与えすぎたよね。私達が果南を叩けば公平になるなんて、今考えれば見当違いもいいとこだったわね」
果南 「鞠莉…」
鞠莉 「果南、もういいよ。果南のしたいようにして、いいんだよ」
果南 「私の、したいように…」
鞠莉 「……果南!」
鞠莉 「ハグ……しよ?」
果南 「鞠莉…っ! 鞠莉ぃっ!!!」ギュゥッ
千歌 「…よかった」 梨子 「…! 千歌ちゃん、その一万円札!」
千歌 「えっ…消えていく!?」
曜 「果南ちゃんの周りのお札も、どんどん消えていく…」
果南の心の傷が癒えていくと同時に、傷の証であったお金は、光の粒となって消えていく。
光の粒は、まるでふたりを祝福するかのように辺りをフワフワと漂い、そして空へと消えていった。その光景は、形容しがたいほど、美しいものだった。
だが当の本人たちは、お互いの体に顔を埋めたまま、その光景を見ようとしなかった。
ーーーーーー
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ーー 〜数日後〜
果南 「…あっ、この雑誌今日発売だったんだ」
果南 「好きなダイバーさんのインタビュー載ってるんだよね。これくださーい!」
店主 「あいよ、980円ね」
果南 「はいはい。えーとっ……あっ」
果南 「……。」 千歌 「わ…わわわ…」
曜 「? どうしたの?」
千歌 「私の千円が無くなってるー!!!?」
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終 ひっさしぶりにギャグSSを書きました
いつもは正反対な雰囲気の作品ばっかり書いてるので、なんだか新鮮な気分でした
最後まで読んでいただきありがとうございました。過去作も是非よろしくお願いします
鞠莉 「殺人鬼 果南」
千歌 「人間オークション…?」
善子 「私たち、友達よね?」 曜 「こんなの友達じゃないッ!」
梨子 「ひぐらしのなく頃に」 酒に酔った女性を暴行したとして、準強姦罪に問われた東京慈恵医大病院の松岡芳春研修医(32)=休職中=の判決公判で、
さいたま地裁は26日、「松岡研修医の犯行とするには合理的な疑いが残る」として無罪(求刑懲役4年6月)を言い渡した。
佐々木直人裁判長は判決理由で、女性は相当強い酩酊(めいてい)状態にあったと指摘。現場のマンション一室には、
松岡研修医の友人の男性2人もいたとして、女性が加害者を特定した根拠について「出会って数時間の状況で、
複数いた男性のうち1人の声や雰囲気から判断したという曖昧な内容で、信用性には疑問が残る」と述べた。
女性が示談を望んでいたため、起訴は有効ではないとの弁護側主張は退けた。
弁護側は「女性はどこかで誰かに姦淫されたという記憶しかない。真犯人を誤って覚えている可能性がある」などと主張していた。
松岡研修医は昨年8月26〜27日、東京都大田区のマンション一室で、泥酔した20代女性を暴行したとして起訴された。
さいたま地検の古谷伸彦次席検事は「判決内容を十分に検討し、適切に対応する」とコメントした。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22746390W7A021C1CZ8000/ >>46
狙って吸いとれるようになったのか単に盗んだのか… 凄いのはこれだけ殴られても体に一切ガタが来てないということ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています