ルビィ「善子ちゃん、ルビィを攻略してよ」善子「は?」
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善子「なによ藪から棒に」
ルビィ「うん、善子ちゃんってさゲーム得意だよね?」
善子「え? まあそれなりには」
ルビィ「だからだよ」
善子「いや、意味わかんないんだけど」 ルビィ「たとえば善子ちゃんがギャルゲーの主人公で、ルビィがそこの登場人物だとします」
善子「ええ……いやその例えにも疑問はあるけど」
ルビィ「それでね、善子ちゃんの実力でルビィのこと、堕としてほしいの」
善子「あーなるほどね、つまり私の彼女候補になりたいと」
ルビィ「うん」
善子「へー、ふーーん、そうなの」
善子「…………」
善子「はあっ!?」 ルビィ「えっ、どうしたの」
善子「どうしたの、じゃないでしょ! ルビィあんた自分が何を言ってるのか分かってるの!?」
ルビィ「何って…ルビィを攻略してくださいって」
善子「それ!」
ルビィ「それ?」キョトン
善子「いやもう、なんでそんな平然としていられるのあんた!? 今のやり取りがもうすでに告白みたいなもんじゃないのよ!」
ルビィ「そうなの?」
善子「そうよ!」 善子「ルビィ…考えてもみなさいよ、彼女候補を攻略するってことはつまりその子と付き合うことになるってわけでしょ?」
ルビィ「うん」
善子「で、あんたは私の彼女候補になりたいわけで」
ルビィ「うん」
善子「その上自分を攻略してくれって言い始めた」
ルビィ「はい」
善子「これが告白じゃなかったらなんだっていうのよ!」 ルビィ「うーん、ルビィはそんなつもりじゃなかったんだけど」
善子「じゃあどういうつもりで言ったのよ」
ルビィ「もっと善子ちゃんと仲良くなりたいなぁって思って」
ルビィ「だってギャルゲーって女の子と仲良くなるゲームなんでしょ?」
善子「そうだけど…最終的には付き合うんだってば」
ルビィ「ルビィはそれでもいいけど」
善子「やっぱり告白じゃないのよ!」 ルビィ「あーそっかぁ」
善子「ちょっと、しっかりしなさいよ」
ルビィ「でも、しょうがないよね」
善子「全くもってそんなことないけど」
ルビィ「そうかなぁ…だって善子ちゃんのことが好きなんだもん、仕方ないよ」
善子「それで全部誤魔化しがきくと思ったら大間違いだからね」 ルビィ「え?」
善子「だから、好きって言葉で納得させようとしてるでしょあんた」
ルビィ「うん」
善子「少しも否定しないのね…」
ルビィ「ねえねえ善子ちゃん、それで返事は?」
善子「…私の話ちゃんと聞いてた?」 ルビィ「聞いてたよ」
善子「なら分かるでしょ、そんないきなり告白されても困るのよ」
ルビィ「困るだけ? 嫌じゃないんだ」
善子「……まあ、そうなるのかしら」
ルビィ「そっかぁ…」
善子「ニヤニヤするのやめて」 善子「大体リアルとゲームは別物でしょうに」
善子「ゲームと違って現実はそんなに易々と関係が深まるものじゃないわ」
ルビィ「えーっと、つまり?」
善子「断る、私はあんたを攻略しない」
ルビィ「そんなぁ」
善子「じゃそういうわけだから、また明日ね」スタスタ ─
善子「……」スタスタ
ルビィ「……」テクテク
善子「…………」スタスタ
ルビィ「…………」テクテク
善子「……」ピタッ
善子「……いや、なんでついてきてるの!?」 ルビィ「え?」
善子「え? じゃないわよ!」
ルビィ「善子ちゃんと一緒に帰りたいなぁって思って」
善子「ならせめて何か言ってよ! なんか一緒に帰るのが当然みたいな空気になってたじゃない!」
ルビィ「そっかぁ、じゃあこれからも言わないことにしよ」
善子「ちょっと」 ルビィ「冗談だよ?」
善子「あんたの場合、冗談に聞こえないのよ……」
善子「…で? いつまでついて来るつもりなの?」
ルビィ「もちろん善子ちゃんのお家まで」
善子「帰れ今すぐ!」 ルビィ「だから冗談だよ、また明日ね善子ちゃん」ニコッ
─
善子「だから冗談に聞こえないんだってば…」
善子「はぁーっ………本当にあの子は…」
善子「…というかこれって、私がルビィを攻略するというより完全に私がルビィに攻略される側になってるわよね」
善子「……嫌な予感しかしない」 ─それから
ルビィ「善子ちゃーん、迎えに来たよ!」
ルビィ「善子ちゃん、一緒に帰ろう!」
ルビィ「あのね善子ちゃん、今日はチョコレート作ってきたの、食べて?」
ルビィ「善子ちゃん、一緒に練習やろう」
ヨシコチャーン ヨシコチャーン
……
… ─
善子「……うっとうしい」
ルビィ「え?」
善子「いやいや流石に一週間もこれが続くとは思わなかったわ、ルビィ…あんたってしつこいのね…」
ルビィ「うーん、なんか今更な感じが」
善子「やかましいわ! 張本人が言うことじゃないでしょそれ!」
ルビィ「えへへっ…ごめんなさい」 善子「……ちなみに聞くけど、これいつまで続くの?」
ルビィ「善子ちゃんがルビィに告白するまで?」
善子「やめて今すぐ!」
ルビィ「えっ、じゃあ善子ちゃんルビィのこと好きになってくれたの!?」パァッ
善子「そういう意味で言ったんじゃないのよ! あんた分かってて言ってるでしょ!?」
ルビィ「うん」
善子「少しは否定してよ!」 ルビィ「えーっ、面倒くさいなぁ善子ちゃんは」
善子「どっちが……とにかく、私はルビィのこと好きになるつもりないから」
善子「告白の予定もなし」
ルビィ「…………」
善子「ま、そういうわけだから帰るわね、それじゃ」スタスタ ─
善子「……」スタスタ
ルビィ「……」テクテク
善子「…………」スタスタ
ルビィ「…………」テクテク
善子「……」ピタッ
善子「…デジャヴ!!」 ルビィ「え?」
善子「え? じゃないわよ! さっきの話聞いてたの!?」
ルビィ「うん、でも一緒に帰りたかったから」
善子「諦め悪すぎるでしょ」
ルビィ「だめ?」
善子「……」 善子「……あんたはホントに…しつこいというか、面倒くさいというか…」
善子「しょうがない子というか…」
ルビィ「ねえ善子ちゃん、一緒に帰ってもいい?」
善子「もう好きにしなさいよ…」
ルビィ「じゃあそうするね」 善子「……はぁーっ…」
ルビィ「どうしたのため息ついて」
善子「ルビィのせいなんだけど」
ルビィ「そっか、ごめんね」
善子「…謝っても止めないくせに」
ルビィ「うん、だからそれも含めて」
善子「……まあ、断り切れない私にも原因はあるのよね…」 ルビィ「うん、断ればいいのにね」
善子「あんたが言うな」
ルビィ「えへへっ…そうだね」
善子「全くもう…」
善子「……」
善子「……でも、もしかしたら本当は…」 善子(本当は、嫌じゃないのかもしれない…だから断ることも避けることも結局出来なくて……)
善子(こうして今も二人で帰っているわけで…)
善子(でも…もし、そうだとしたら私も、なんだかんだでルビィのこと……)
善子「……なんてね、ないない有るわけないわ」
ルビィ「?」
善子「こっちの話よ」 善子「…で? いつまでついて来るつもりなの?」
ルビィ「もちろん善子ちゃんのお家まで」
善子「あっそ、来るのはいいけどちゃんと帰りなさいよ」
ルビィ「はーい」
善子「信用できないわねえ…まあいいわ、取りあえず帰ったらゲームでもする?」 ルビィ「ギャルゲー?」
善子「そんなわけないでしょ、冗談じゃない」
善子「攻略対象なんてね、一人で十分なのよ」
ルビィ「それもそうだね」クスッ
善子「……なに笑ってるのよ」
ルビィ「ううん、なんでも?」 善子「なによ調子狂うわね…ほら、さっさと行くわよ」
ルビィ「うん……ねえ善子ちゃん」
善子「なによ?」
ルビィ「手繋いでもいい?」
善子「……まあそれくらいなら」
ルビィ「やった」ギュッ
善子「……なんか」 ルビィ「え?」
善子「やっぱり嫌じゃないのかもしれないわね、私」
ルビィ「?」キョトン
善子「何でもないわよ、なんでも……そう」
善子「─こっちの話だから」ギュッ 確かに大抵の飼犬はバカだ
明らかに自分より大きい走行中の車にさえ怖がらないで吠えかかってきたり、近寄ってきたりする
カイコは人間に飼いならされるあまり、野生では生きていけないそうだが、大差ないレベルなんじゃないかと思う
どちらも近代化以前は大いに人間の役に立ってくれたが、
現代では養蚕業は衰退し、犬は麻薬探知犬など極一部の例外を除いて、害獣としての要素だけが残った 大好きを隠さないルビィと大好きが隠し切れない善子。
良い…… めっちゃよかった
ライブの幕間でもよしルビいっぱいあってよかったね ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています