白身魚の繊細な脂の旨味を愛でる海未ちゃん [無断転載禁止]©2ch.net
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そしてタルタルソースたっぷりのフィッシュバーガーを頬張る穂乃果ちゃんだ
これを忘れるでないぞ にこ「ごめんくださーい」
海未「はい、お待ちしておりました。暑かったでしょう、どうぞ上がってください」
にこ「ありがと。おじゃまします」
こころ「お、おじゃましますっ」
ここあ「──あっ! うみみ!」
うみみ「う、うみみ?」
にこ「ああ……何度言っても何故かうみみー、うみみーって」
うみみ「ゆ、ゆるキャラみたいですね……」
こころ「こ、こころね」
海未「はい?」
こころ「こころ、にこにーが一番すきだけど、うみみもすきっ」
ここあ「ここあも!」
海未「……(くらり)」
にこ「……海未?」
海未「こ、これは……ことりが骨抜きにされるのもさもありなんというか……」
ここあ「うみみあめ玉くれたからすきー♡」
海未「……あ、ああ……そうでしたか……」
にこ「ゲンキンなんだから。誰に似たのかしら」
○
海未「さあ、それでは調理を始めましょう──と、言いたいところなんですが」
こころ「(じー)」
ここあ「(じー)」
海未「う、ううむ……」
にこ「ああやって台所覗くの大好きなのよ」
海未「ああ、そうなんですか。ふふ、かわいらしいですね」
にこ「よく言って聞かせてるから入ってはこないし──高さ的に手元も見えないだろうから、気にしなくて平気よ」
ここあ「しずかにしてるよ」
こころ「おだいどころ、あぶないから」
にこ「えらいえらい♡」
海未「良くできた子たちですねえ……どこぞの幼なじみにも見習ってもらいたいものです」 穂乃果「っくひゅん!!」
雪穂「ちょっと、夏風邪? うつさないでよね」
穂乃果「ん〜……?」 海未「気を取り直して、始めましょう。まずは血抜きを済ませたあなごをまな板に目打ちします」
にこ「立派なまな板ね」
海未「分かりますか、このまな板の良さが」
にこ「一枚板……多分いちょうよね? 飲食店でもなかなか見ないわよ、こんなまな板」
海未「林業を営んでいる親戚がいまして、特別にまな板として切り出してもらいました。一般的に売られているものより少々幅広なので、お魚を捌くのに本当に重宝しています」
にこ「裏面は目打ちの跡らしき穴があるけど……表面はなめらかね。手入れの良さがあらわれてる、本当にいいまな板だわ」
海未「……気のせいでしょうか、さっきからこう、まな板と耳にするたび胸が痛いのですが」
にこ「……」
海未「……」
にこ「……」
海未「……さ、さあ、目打ちも済んだので、捌いていきますよ。胸ビレの辺りから中骨まで刃を入れて、そのまま尾っぽまで引いて背開きにします」
にこ「あなごって基本背開きよね。……まあ、腐肉食(スカベンジャー)だし、内臓傷つけたらまずいんだろうけど」
海未「それも大いにありますが、切腹に通ずる腹開きを江戸っ子が嫌ったため、とも言われますね」
にこ「ははぁ……小粋なもんね」
海未「本当に。──さて、あとはヒレと内臓、頭、骨、そして血合いを除くだけですね」
にこ「簡単そうに言うわねえ」
海未「初めは確かに苦戦しますが、慣れれば簡単ですよ。うなぎは元気なものを捌かなくてはいけない都合上、結構暴れるので難しいんですが……」
にこ「このパンパンに膨らんでるの……胃袋よね」
海未「……ちょっとしたトラウマがあるので、胃・即・斬の元に処理します」
にこ「て、手際いいわね……次私やってみてもいい?」
海未「ええ、もちろん」
○
にこ「よし、これでおしまいね」
海未「ありがとうございます。結局ほとんどにこにやらせてしまいましたね」
にこ「いいのよ。にこがやりたいって言ったんだもん」
海未「さすがの包丁さばきでした。──さあ、ここからは私の仕事ですね」 海未「まず、このいっとう大きな一尾ですが……この子はお刺身にしましょう」
にこ「へえ、お刺身……うなぎは毒があるから生食はできないって聞いたことあるけど、あなごは平気なの?」
海未「あなごにも同じイクシオトキシンという毒素がありますが、うなぎよりずっと少ないとされています。……そもそも毒は血中にしかないので、よく血を抜いて血合いを除けば、うなぎの生色も問題ないとは思うんですけどね」
にこ「ふむ……毒より鮮度の壁が高そうね」
海未「鮮度の問題は確かに大きいですね。ただ、血のついた手で目をこするなどして、失明レベルの被害を被ることが稀にあるそうなので、注意に越したことはありませんが。……さ、皮を引いて、薄く切り付けて──半分は炙りにしましょうか」
にこ「捌いてるときも思ったけど……すごい脂」
海未「これだけ脂が乗るほど大きくなると、蒲焼きや天ぷらには向きませんからね……やはりお刺身か煮付けが最適でしょう」
にこ「ああ……なるほどね。衣つけて揚げると油っぽすぎるし、焼くと脂が落ちすぎちゃう、と。その点煮付けは落ちた脂をツメとして拾えるものね」
海未「その通りです。そのため、大ぶりのあなごはかつて下手物として扱われていたようです──ふう、まず一品できました」
にこ「こうして見るとエンガワみたいね。とびきり上等なやつ」
海未「ああ、確かに。味も近いものがありますね」
にこ「その横に添えたのは……芽ねぎ?」
海未「はい。巻くようにして食べるとおいしいですよ」
にこ「楽しみ♡」 海未「残りのあなごですが、ここはやはり煮付けと天ぷらと……白焼きにしてみましょう。下拵えとして、皮目に熱湯をかけて、白濁したぬめりを包丁でそぎ取ります」
にこ「何か手伝うわ」
海未「ありがとうございます。では……お鍋にお酒と水を同量入れてもらえますか」
にこ「はぁい」
海未「そうしたら、この網で頭と中骨を素焼きにしてください」
にこ「おっけー。焼けたらぬめりとエラを取ればいいのかしら」
海未「さすがにこです!」
にこ「煮あなごのツメと言ったら、素焼きした骨と頭のだしよね」
海未「香ばしく深みのあるだしが取れますからね。甘辛い味付けとよく調和します──よし、やっとぬめりが取れました。……ああ、油を温めておかないと」
にこ「あ……いい匂いがする」
海未「本当ですね……この脂の焼ける匂いはなんとも……」
ここあ「おなかすいた……」
こころ「こころも……」
海未「あああ、ごめんなさい、すぐ作りますからね。にこ、氷水を用意してもらえますか?」
にこ「め、目の色が……え、ええと、氷水ね。天ぷらの衣かしら」
海未「話が早くて助かります」
にこ「このくらいでいい?」
海未「完璧です。──では、この氷水に薄力粉とお酢を入れて、さっくり混ぜます」
にこ「お酢?」
海未「はい。お酢が水と小麦粉の結びつきを阻害するので、グルテンが形成されづらくなります。つまり、衣がもったりと重くなるのを防ぐことができるんですね」
にこ「へえ……あ、マヨネーズ入れるといいって聞いたことあるけど、そういうことだったのね」
海未「ほう、マヨネーズ……油脂も含まれていますし、よさそうですね。さ、適当な大きさに切って、揚げていきましょう!」 にこ「ん、もう焼けたかな。エラを取って……あちち、お鍋に入れちゃっていい?」
海未「はい、お願いします。──ちょっと手が離せないので、火を少し細くして、つどつど灰汁を掬ってもらえると」
にこ「りょーかい」
海未「ラブノベルスみたいでしたね今」
にこ「華やかモデル系ユニット……だったんだけどねえ、ハナからあれじゃね……絵里は酔っ払ってたのかしら……」
海未「だ、ダイヤモンドプリンセスの憂鬱はオシャレでしたし……それにリリホワも最近は昭和だ芸人だと」
にこ「Printempsもヤンデレユニットみたいに言われてるしね……最初の方針からブレるのはアイドル界隈ではよくあることだけど」
海未「やんでれ、はよく分かりませんが、NO EXIT ORIONを初めて聴いたときは若干肝が冷えましたね……」
にこ「全てを捨てて私だけ〜」
海未「それが望みだと言って欲しいの──あれを穂乃果が書いたとは、未だに信じがたいです」
にこ「少女漫画好きとは聞いてたけど……一体何を参考にしたのやら」
海未「『こはるの日々』とかでしょうか」
にこ「なんだってそんな漫画知ってんのよ」
海未「にここそ」 海未「うん、もういいですかね。バットにあけて、食べる直前に二度揚げにしましょう」
にこ「だしの方もいい具合よ」
海未「本当ですね。では一度濾して……だしのみで軽く炊きます」
にこ「味は後からつけるの?」
海未「そうですね。と言っても、すぐで大丈夫です。二分くらい炊いてから調味した方がふっくら仕上がりますし、味が入りすぎることもなくなりますから」
にこ「煮魚とは勝手が違うのね」
海未「魚の方がデリケートな気はしますけどね。──さ、そろそろ白焼きも焼き始めましょう。金串を縫うように打って、さっきの網で軽く焼きます」
にこ「軽くでいいんだ」
海未「うなぎは自身の脂で表面が揚がるくらい焼きますが、あなごで同じことをするとどうしてもパサパサになってしまうので。強火の遠火で、中まで火が入ったら上げてしまいます」
にこ「表面に焼き目つけて、あとはせいろで蒸すってやり方もあるみたいね」
海未「一度試したんですが、とてもふっくら仕上がりましたね。私は焼くことで少し締まるあの歯ごたえが好きなので、少し物足りなく感じましたが」
にこ「あんまりふかふかでも食べ応えないものね。柔らかすぎる枕だと逆に眠れない感じ?」
海未「私、そば殻の枕好きなんですよね。もしかしたら関係あるかもしれません」
にこ「……自分で言っといてなんだけど、関係はないと思う」
海未「……ですね」 海未「そろそろ焼き上がりでしょうか。煮付けもいい塩梅なので、あとは煮汁をツメに仕上げて、完成ですね!」
こころ「おー!」
ここあ「わーい!」
にこ「盛り付けて運ぶわね」
海未「お願いします。……さて、煮詰めを進めている間に、薬味を用意して──あとは天ぷらの二度揚げでしたね」
海未「きゅうりを細切りにして、炙った海苔を砕いて……“コレ”も叩いておきます」
海未「あとは……そうだ、冷蔵庫に切り干し大根の炊いたのがあったはずなので、あれも添えましょう」
海未「……汁物に肝吸い、と思ったんですが、やはりあなごでは小さいですね……小さな子もいますし、今日はよしておきますか」
にこ「準備おっけーよ」
海未「ありがとうございます。煮付けの方も盛れましたよ」
にこ「きゅうりの細切りに切り干し大根……いい付け合わせね。さっぱりするし、食感もあるし」
海未「緑があると心持ち目に爽やかですしね。……さあ、こころちゃん、ここあちゃん、お待たせしました」
こころあ「おいしそーっ!」
海未「ふふ。では皆さま、お手を拝借──」
一同「いただきます!」
にこ「まずはお刺身から……ん、んん!? うん……んんん?」
海未「ど、どうしました? 埋没骨でも噛みましたか」
にこ「いや、それは大丈夫だったけど……なんというか、見た目と味とが妙にちぐはぐでびっくりしちゃった。でもおいしいわねこれ」
海未「お醤油をつけずに食べると驚きますよね。──うん、芽ねぎがよく合います」
にこ「もっちりした歯ごたえにさらさらした甘い脂……エンガワとかと似ているようで、でも明確に何かが違う……不思議な感じ」
海未「白焼きもおいしいです。噛みしめるたびにじんわり溢れる旨味の強い脂を、柚子胡椒が爽やかにまとめ上げて……」
にこ「脂の甘みが塩で引き立つわね。柚子胡椒もいいけど、にこはわさびの方が好きかな」
海未「わさびで食べるとよりさっぱりする気がしますね。──こころちゃん、ここあちゃん、お味はどうですか?」
こころあ「おいひいー!」
にこ「こーら、お行儀悪いぞ〜」
海未「ふふ。よかったです」 にこ「うん、天ぷらもおいしい……この間のゴンズイ天もおいしかったけど、こうして改めて食べ比べると、やっぱり別物ね。ゴンズイの方が締まった歯ごたえな感じ」
海未「ゴンズイも不思議な魚ですよね。印象はあなごに近いですが、味はメゴチやナマズを思い出させます」
にこ「へえ、ナマズね。確か近縁種なんだっけ──わ、煮付けおいし」
海未「よく知ってますねえ……うん、いいお味です」
にこ「ふわふわほぐれる身に甘辛いツメ、少しつけた花山椒で脂の旨味がより深く──甘みは感じるけど、お店とかで食べるのより鹹味(かんみ)が強いかしら」
海未「大ぶりのものが多かったので、甘みは脂で補って砂糖やみりんを控えました。あまり甘すぎても食べ飽きるので、このくらいがいい塩梅かと思いまして」
にこ「完璧。白ごまがまたいい香りで……切り干し大根と一緒に食べると格別ね」
ここあ「きゅうりおいしい〜」
こころ「ね〜」
海未「な、謎のきゅうり人気……」
炊飯器「ピーッピーッ」
海未「おや」
にこ「今のは……炊飯器?」
海未「はい。あなごの煮付けを作ったとくれば、やはり──“アレ”でしょう!」
にこ「ま、まさか……“アレ”が出てしまうというの……!?」
○
海未「お待たせしました──煮あなご丼と、イシガニのおみおつけです」
にこ「うわー絶対おいしい……絶対おいしいやつ……」
こころ「わあ……」
ここあ「かにさん!」
海未「帰る際に岸の方に出てみたのですが、何匹かとことこ歩いていたので。つい二杯ほど捕まえちゃいました」
にこ「つい、で捕まえられるのがすごいわ」
海未「イシガニは結構簡単に捕まりますよ。さあ、冷めないうちにいただきましょう!」 ちょっと待って埋めたてですかーめっちゃ出るわ、これ以上削れないぞ
言いたいこともあるのに にこ「あーほらやっぱり……やっぱりおいしい……」
海未「このタレの染みたご飯が嫌いな人、この世に存在するんでしょうか……」
にこ「焼き海苔の香り、ふくよかなタレ、脂の旨味に、ご飯のさっぱりした甘味……DNAに刻まれたおいしさって気がする」
海未「言い得て妙ですね。大脳の奥の奥、古皮質に直接響くような」
にこ「はあ、おみそ汁もおいしい……人はお米とおみそ汁から離れては生きられないのよ……」
海未「シータですか。……無作法ですが、飲み終えたら是非、手づかみで身を食べたいところですね。──おっと、忘れるところでした、よければ“コレ”を」
にこ「こ、これって……たたき梅!」
海未「はい。長物と梅干しは食べ合わせが悪いと言われますが、むしろその逆、梅干しが胃酸濃度を高めますから胃もたれの予防になりますし、何より脂と酸味がとてもよく合います」
にこ「合食禁(がっしょくきん)いわく、本当にダメなのはうなぎとぎんなんだっけ」
海未「……本当になんでもよく知っていますねえ。おみそれしました」
こころ「うみみ、にこにーすごい?」
海未「はい。とってもすごいです」
こころあ「えへへー♡」
にこ「……そういえば、銀杏(ぎんなん)がダメって、銀杏(いちょう)のまな板はセーフなのかしらね」
海未「えっ……いや、さすがにセーフだと思いますけど……」
にこ「ご、ごめん、ちょっと言ってみたかっただけだから!」 よかった書けた
>>1のクソもんじゃです。
今さらですがはっと思っていろいろ調べてみたところ、カゴ罠を使っての水産動植物の採捕は基本的に“許可されていない”ようです。
そのためカニカゴなどを用いた漁法は、仮に漁業権が指定されていない場所での使用であっても、漁業調整規則の違反となり、科料の罰則が適用されます。有り体に言えば、密漁です。
無知でした。思いっきり使ってました。
釣具屋などでレジャー商品として普通に販売されているという点から黙認してくれる漁業関係者の方も多いようですが、思わぬトラブルを生む可能性が非常に高いため、いかなる場合でも許可のない使用は避けてください。
遊漁で使用が認可されている漁具・漁法は、手釣り・竿釣り、トローリング、たも網・さで網、投網、やす、は具、徒手での採取に限られます。
地域によっては上記のものでも制限される場合があるようなので、レジャーで遊漁を楽しみたいのであれば、各都道府県ごとの漁業調整規則に必ず目を通してください。
無知ゆえに無責任な記述をしてしまったこと、猛省しております。大変申し訳ありませんでした。
書き切っちゃったので載せましたが、海未ちゃんはあなごをカゴ罠で獲ったのではなく、釣り上げたものと変換してご覧ください。
石は僕にだけ投げてください。
海未ちゃんゴメン……。 埋め立てですかーは長文の連投が続くと出るから
エラーが出たら短いレス、例えば「あ」だけのレスを挟めば回避できるよ >>319
ああそうなんだ、どうもありがとう
文章長すぎだから削れ系の書き込み見て削ったりしてたわ いかな海未ちゃんといえど高校生だからね
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