「せっかく大企業の正社員なのに、辞めるのはもったいないよ」
「福利厚生も充実していて定年まで働けるのに」

私が6年前に前職を辞める時に言われた言葉だ。
キャリア迷子であり、コンプレックスの塊であった私も以前なら飛び出すことはしなかったであろう。
就職氷河期の就活は大学名で振るい落とされ、やっと就職できた会社も3年目には完全歩合制に切り替わり、手取り8万円になった。どうにか負のスパイラルから脱し、次の就職先で、キャリアを積めると思った矢先に妊娠。2社目も退職し、パート社員として再出発。派遣社員経由で直接雇用に転換。私はだれもが知っている有名企業にどうしてもすがりつきたかったのだ。

なぜなら、自分には会社の肩書以外取り柄がないと思っていたから。
収入も多くなければ、家事も得意ではない。そして中途半端。たくさんの負い目を感じながら生きてきた。大企業の肩書を持っている自分だけが、唯一誇れるものと信じていた。

しかし、そんな私にも夢があった。
好きなことを仕事にしている人に憧れた。漠然と“いつかは起業してみたい、企業の肩書でなく自分の力で……”と思い描いていた。
ある日、その夢を塾生が集まるオフ会で語ってみた。すると、反対されるどころか自分ごとのように喜んで応援してくれる人ばかりだった。

そうだ、人生は一度きりだ。

私が会社を辞めて起業しても、しばらくは蓄えで何とかなる!軌道に乗らなかったらまたどんな仕事でもやる!とにかくやりたい!チャレンジしたい!私には誇れるキャリアもない。様々な雇用形態で働いてきた。だからこそ、プライドもなければ、失うものがない。

それが私の最大の強みではないか!!

では私には何ができるだろう?どんなことが仕事になる?
誇れるキャリアがない私にできたこと。それは子どもの教育費や家族の将来のためにしてきた家計管理だった。特に節約・投資についてはかなり徹底しておこなってきた。
中でも固定費の削減の一環での通信費・携帯代金の見直しについては、格安SIMがここまでメジャーになる前の10年前から使っていた。様々な節約が功を奏して、子どもの教育費を貯めることができた。

この経験と知識を仕事にしてみてはどうか?

そこで私は通信費見直しコンサルタント&ファイナンシャルプランナーとして活動し始めた。勝間さんや塾生の友人たちにたくさん背中を押してもらいながら。
そして新聞社やメディアからの取材や仕事も受けるほどになった。

起業して5年が経過した。そして近々法人化する予定だ。

コンプレックスだらけで何もないと思っていた私でも、夢を実現できた。
夢を実現できるかどうかはまわりの環境に大きく左右される。
自分なんて何の取り柄もない、と思っている人こそコミュニティに飛び込んでほしい。
私のように「コンプレックス?あ~自分の強みのことね!」ってなるから・・・