>>663
*くま訳
36
如何是臨済下事 五祖演曰五逆聞レ雷  いかなるかこれ臨済下(か)のじ 雷(らい)を聞く
機先一喝鐵圍崩         てっちをくずる
五逆元來在二衲僧一       のうそうにあり
桃李春風清宴夕              夕べ 
半醒半醉酒如レ僶   僶(勤め)のごとし *縄(じょう)なら、まどろみの中に居るみたいな意味かな。 

これはいったいどういうことか!臨済宗の弟子たちの有様は!
臨済の五祖法演も、大罪を犯したものは雷鳴を聞いただけでびくつくものだと戒めてる。
まずは一喝 鉄囲(てっち)を崩す。
大罪は、元来禅僧にあり
弟子たちはのんきに宴会の夕べを過ごし、
ほろ酔い加減でいることが勤めであるかのようである
*鉄囲山古代インドに始まる世界説で,三千世界のそれぞれを取り囲む山
37(以下の宗派は隆盛を極めた後、一休さんの時代には消滅していた禅の宗派のようである。)
如何是雲門宗 演日紅旗閃爍    演いわく こうきせんじゃく
華旗風暖動春臺       風暖かにして春台に動く
八十餘員師席開              席を開く
一字關兮三句體
幾人眼裏着二紅埃一 いくばく人か   こうあいつく

いかなるかこれ 雲門宗。法演がいうには、、鋭い弁舌、峻厳な宗風のであったそうだ。
かつては鮮やかな旗を、春台のにたなびかせ、
八十余人の師家を輩出した。
雲門の一字関、雲門の三句の指導法について、
雲門宗のことについて、今や何人が少しでも覚えているであろうか。
38
如何是潙仰宗 演日断碑横二古路一    いぎょう宗  だんぴころによこたふ
恵寂釈迦霊祐牛  恵寂は釈迦、霊祐は牛   
披毛作仏也風流  ひもう   また風流      
古碑路断長渓客   みちたゆ長慶のかく
万世姓名黄葉秋  ばんせの こうようのあき

いかなるかこれ潙仰宗。法演がいうには、古からの路に横たわる 石碑のようであると。
恵寂は釈迦、霊祐は牛
牛(=霊祐)が成仏したというのであれば、それもまた良かろう。 23の詩参照
開祖潙山の伝統は断たれ、石碑が残るのみになった、
潙山の名は永遠に不滅だが、それでも黄葉の秋はくる。
* 長渓県・開祖潙山霊祐の出身地
* 霊祐牛 水牯牛 22の詩参照
39
如何是法眼宗 演曰巡人犯夜  ほうげんしゅう 夜を犯す
一滴曹源一滴深  一滴の曹源一滴深し
巡人閙閙夜沈沈          のうのう ちんちん
青山満目是何法                何の法ぞ  
家醜猶如学棒心  かしゅうなおぼうしんをまなぶがごとし 

いかなるかこれ法眼宗。法演がいうには、巡人夜を犯す
禅の源流は奥深い。
夜警がやかましいので、夜は静かにふけてゆく
青山を見るときは青山になりきれとは、何か
宗派の義は、洞山三頓の棒の公案みたいなものだ。
*巡人犯夜、賊馬に騎って賊を逐う。警備員が盗んだ馬で賊を追う。この故事と、宗風の解説から=弟子の言葉に乗じて更に問いかけ悟りに導く手法かなと愚考してみた。
*青山満目は、人境倶奪のことでありましょうか?
*棒心=洞山三頓の棒 一休が27歳の時に取り組んだ公案(一休を悟りに導いたとされる)のことかなと、これまた愚考してみた。
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