>>214
『I AM THAT 私は在る』
【12 個人は実在ではない】(つづき)

 質問者 あなたにはもはや欲望や恐れはないのでしょうか?
 マハラジ
 私の運命は素朴な庶民として、わずかばかりの教育を受けた質素な商人とな
 るよう生まれることだった。
 私の人生は、ごくありふれた欲望や恐れをもった平凡なものだった。
 私の師への信頼と、彼の言葉への服従を通して、私は真の実在を悟ったのだ。
 そして人間の性癖に関しては、その運命が尽き果てるまではそれ自身が面倒
 を見るのに任せておいたのだ。
 ときには古い習慣から、感情的あるいは心理的な反応も起こるが、それらは
 直ちに気づかれ、捨て去られる。
 結局は、人として在るという重荷があるかぎり、その性癖や習慣にさらされ
 るものだ。
 質問者 あなたは死を恐れてはいないのですか?
 マハラジ
 私はすでに死んでいる。
 質問者 どういう意味においてですか?
 マハラジ
 私は二重に死んでいる。
 身体だけではなく、マインドもまた死んでいる。
 質問者 でも、とても死んでいるようには見えません!
 マハラジ
 それはあなたがそう言うだけだ!
 あなたは私より私の状態をよく知っているようだね!
 質問者 すみません。ただ私には理解できないのです。あなたは身体もマイ
 ンドもない状態だと言いますが、私の目には、あなたはとても生き
 生きと現前しています。
 マハラジ
 途方もなく複雑な働きが頭脳と身体のなかでつねに行われているが、あなた
 はそれを意識しているだろうか?
 いいや、まったくしていない。
 それでも外部から見れば、すべては知性的に、目的をもって行われているよ
 うに見える。
 人の生全体は、その大部分が意識の境界下に沈んでいながらも、分別をもち、
 スムーズに流れているということを認めるがいい。

(´・(ェ)・`)
(つづく)