>>892
鬼和尚ありがとうであります。
無知無明のくまであるとの自覚をもって精進するであります。

次に進むであります。
ブッダのことば(スッタニパータ)
第3 大いなる章、4、スタンダリカ・バーラドヴァージャ

 わたしが聞いたところによると、──或るとき尊き師(ブッダ)はコーサラ国のスンダリカー河の岸に滞在しておらめれた。ちょうどその時に、バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、スンダリカー河の岸辺で聖火をまつり、火の祀りを行なった。
さてバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、聖火をまつり、火の祀りを行なったあとで、座から立ち、あまねく四方を眺めていった、──「この供物のおさがりを誰にたべさせようか。」

 バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、遠からぬところで尊き師(ブッダ)が或る樹の根もとで頭まで衣をまとって坐っているのを見た。見おわってから、左手で供物のおさがりをもち、右手で水瓶をもって師のおられるところに近づいた。
そこで師はかれの足音を聞いて、頭の覆いをとり去った。そのときバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは「この方は頭を剃っておられる。
この剃髪者である」といって、そこから戻ろうとした。そうしてかれはこのように思った、「この世では、或るバラモンたとは、頭を剃っているということもある。さあ、わたしはかれに近づいてその生れ(素姓)を聞いてみよう」と。

 そこでバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは師のおられるところに近づいた。それから師にいった、「あなたの生まれは何ですか?」と

 そこで師は、バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャに詩を以て呼びかれた。

455 「わたしはバラモンではないし、王族の者でもない。わたしはヴァイシヤ族(庶民)の者でもないし、また他の何ものでもない。

456 わたしは家なく、重衣を着け、髭髪(ひげかみ)を剃り、こころを安らかならしめて、この世で人々に汚されることなく、歩んでいる。
 バラモンよ。あなたがわたしに姓をたずねるのは適当でない。」

457 「バラモンはバラモンと出会ったときは、『あなたはバラモンではあられませんか?』とたずねるものです。」
「もしもあなたがみずからバラモンであるというならば、バラモンでないわたしに答えなさい。わたしは、あなたに三句二十四字より成るかのサーヴィトリー讃歌のことをたずねます。」

458 「この世の中では、仙人や王族やバラモンというような人々は、何のために神々にいろいろと供物を献じたのですか?」
 (師が答えた)、「究極に達したヴェーダの達人が祭祀のときに或る(世俗の人の)献供を受けるならば、その(世俗の)人の(祭祀の行為は)効果をもたらす、とわたくしは説く。」

459 バラモンがいった、「わたくしはヴェーダの達人であるこのような立派な方にお目にかかったのですから、実にその方に対する(わたくしの)献供はきっと効果があるでしょう。
(以前には)あなたのような方にお目にかからなかったので、他の人が献供の菓子(のおさがり)を食べていたのです。」

460 (師が答えた)、「それ故に、バラモンよ、あなたは求めるところあってきたのであるから、こちらに近づいて問え。恐らくここに、平安で、(怒りの)煙の消えた、苦しみなく、欲求のない聡明な人を見出すであろう。」

461 (バラモンがいった)、「ゴータマ(ブッダ) さま。わたくしは祭祀を楽しんでいるのです。祭祀を行おうと望むのです。しかしわたくしははっきりとは知っていません。あなたはわたくしに教えてください。何にささげた献供が有効であるかを言ってください。」
 (師が答えた)、「では、バラモンよ、よく聞きなさい。わたくしはあなたに理法を説きましょう。

462 生れを問うことなかれ。行いを問え。火は実にあらゆる薪から生ずる。賤しい家に生まれた人でも、聖者として道心堅固であり、恥を知って慎むならば高貴のの人となる。

463 真実もてみずから制し、(諸々の感官を)慎しみ、ヴェーダの奥義に達し、清らか行いを修めた人、──そのような人にこそ適当な時に供物をささげよ。──バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

464 諸々の欲望を捨てて、家なくして歩み、よくみずから慎んで、梭のよえに真直ぐな人々、──そのような人々にそこ適当な時に供物をささげよ。──バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

465 貪欲を離れ、諸々の感官を静かにたもち、月がラーフの捕われから脱したように(捕われることのない)人々──そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。──バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

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