小此木啓吾「1.5の時代」
http://d.hatena.ne.jp/Toku/20110325#p1

・われわれ日本人につきものの対人心理に、人みしりがあるが、人みしりというのは、相手に自分が
どう思われるかについて、緊張したり不安になったりする心理である。

・社交家は、自分の欠点や自分の弱みをあえて露出して、自分から自分を人に対して笑いものにす
ることで、この人みしりの不安を克服する。

・笑い=笑われる関係が現代人にとって攻撃性を解消する重要なチャンネルになっている。

・お互いに友好的に、なごやかにかかわりながら、そのなかで攻撃心を発揮する一つの方法が、シャ
レや冗談やユーモアである。

・高視聴率を続けているといわれるテレビの面白番組にはしばしば実にきわどい皮肉や諷刺がこめら
れている。傷つけなのか、愛情表現なのか、にわかに決めがたい微妙な会話が大変に多い。

・いずれも冗談なのだろうが、その冗談は一皮むくととてもサディスティックなものが多い。

・もともと笑いには、嘲笑、冷笑、高笑、皮肉な笑いというぐあいに、優越感や勝利感、ひいてはあざけ
り、皮肉、冷たさの表現の意味を持つものが多い。そこには、人を笑いものにするサディスティックな
快感がひそんでいる。