0113名無し百物語
2021/11/28(日) 16:27:16.01ID:zImR30Wc隣のメンバーの顔を見ずに…誰かの悲鳴みたいな声がした後で、謝罪の声がしたのでそっちの
方を向いた。
絵梨花の視線の先には与田祐希が監督の指示で山下の左肩に軽く手を乗せ、美月の方がそれを
強く振り払う様な仕草を見せたのが見えた。
絵梨花は独特のあの顔つき(目つき)をして山下らの方を見ていた。
「…なあなあやっぱり…みなみくん。最近の曲って振り付けが、がっちり過ぎて無いか?」
と高山が切なそうに言った。
「…うん確かに…」と星野も同意した。
「この曲はCMと(ゲームの)テーマ音楽ですからそう感じるだけですよ」
と鈴木絢音が声を掛けた、そこへ後ろから声がした。
「あらあらもうお年なんでしゅか。このぐらいで息があがるの?」
3人がむっとした顔で振り返ったが誰もいなかった。
「…じゃあそろそろ引退なさって、割りばしよりも軽いもの持って、先生〜って呼ばれる方に
比重を置いたらどうを?ね高・山・センセー」
と二人の間に割り込む様に肩から手を廻し高山の右胸、星野の鎖骨を撫で、ほほを握る様にも
みつつ割り込んだのが…絵梨花であった。
「黙れ!、この白米泥棒にゃんが!」
「そうだ、そうだ」と高山も星野も絵梨花の手の甲を軽くつねる。
二人は絵梨花の身体を引きはがす、その姿と寺田、鈴木はじっと見ているだけだった。
「…所でいく、あんたフロントじゃないの?こんな所に来てていいの」
「私は…左のサイドの2番目でこぜえますだ。お隣のお嬢様」
「あれ?そうだっけ?UMM」と星野は首を傾げた。
「そうでござますだよ、お隣のお隣のお嬢様。…センターの凪沙殿に絡むのは…2度だけでごぜ
えますだよ」と先日、終わったばかりのミュージカル【嵐が丘町に落ちる月】で演じた孤児の花
売り娘のベスの演技してみせ、ペロリと舌を出したのだった。