X



クソスレ
0002名無し百物語垢版2020/08/03(月) 14:10:35.66ID:NbtBm4yd
田韓まりかは都内のある賃貸マンションに居た。
所有者名義は所属の芸能事務所の役員の兄妹名義になってはいるが、実の所は特別な接待の
部屋だった。その部屋の噂は聞いた事はあったが、まさかそんな部屋に自分が来るとは思っ
てもいなかった。
0003名無し百物語垢版2020/08/03(月) 14:16:31.95ID:NbtBm4yd
12帖のLDKのワンルームが一つと、まりかが今寝室にしてる6帖間。そしてその隣の
8帖間が”プレイルーム”と呼ばれる醜悪なモノが憑り付いた少し気色の違う部屋である。
そんな所に5月の連休明けすぐから移り、今も監視の目を受けつつ泊っていた。
晴れた日には、その前に居た内房の海が見える古びた一軒家の事をまりかは思い出す。そ
こには3月半ばから居た。実家に雰囲気が似ており居心地も良かったのだが、都内ナンバ
ーの車が頻繁に出入りするので、地元の人間に怪しまれつつあり出ていく事にした。
0004名無し百物語垢版2020/08/03(月) 14:22:09.19ID:NbtBm4yd
一軒家の前は某大手遊園地施設の併設高級ホテルに居た。
プライベート保護の為、外の世界との完全隔絶が徹底なされ、外には出れなかったがルーム
サービス等のサービスの質は最高だったのを覚えている。
がコロナの影響で遊園地自体が休業となり、ホテルも休業となったので、そこから出て内房
の海が見える一軒家へと移ったのであった。
0005名無し百物語垢版2020/08/03(月) 14:29:34.92ID:NbtBm4yd
「…Vainglory blossoms. but never bears fluit. ねえエリカって名前の花があるんだ。
そのエリカの主な花言葉って裏切り、孤独、寂しさ……もうキミに似合い過ぎてて、ねえ
怖いとしか言えないよ」
とは昨年の秋頃に撮ったが未だ未公開の映画『血がトモダチ』の中の台詞の一つだった。
まりかはその中でも2番目に大事な主演であった。
今、思えばあの時から違和感が影の様に付き添っていたのかもしれない…。
0006名無し百物語垢版2020/08/03(月) 14:41:01.57ID:NbtBm4yd
そして、あの週刊誌の報道を迎えた。
その事はまりかには、ほとんど何も聞かされてはいなかった。まりかが仕事の事で聞かされて
いたのは…2月からの単発ドラマの件で、脚本家に原案を提示してくれ。映画公開は未定にな
った事、今収録しているドラマの役はオリキャラなのでセリフは少ない…などであった。
逆に2月以降の仕事の事を担当マネージャーに聞いたが返事は無く、チーフマネが電話口で、
「もしかすると…少し長めの間隔あけるかもしれない…」
「体は動かし続けるように…」
「例の外国語はマスターしておけよ」 というものであった。
0007名無し百物語垢版2020/08/03(月) 14:58:07.91ID:NbtBm4yd
まりかは、その高級ホテルに行く前に韓国へ一時的に身を置いていた。
オンライン報道の前夜には、既に彼女は身代わりとなるデビュー前の後輩タレントと交代し、
高速道路を一路、福岡に向け南下していた。
福岡からは船で韓国の釜山へと渡れる。その後は陸路を使いソウルまで行き、提携している
芸能事務所の庇護下に置かれる手はずになっていた。
0008名無し百物語垢版2020/08/03(月) 15:14:17.32ID:NbtBm4yd
しかし釜山で予定外な計画変更と、足止めを食ったのであった。
「…あなた方は、この先ソオルには行ってはいけません。ここ釜山に残るか、自国へ戻って
ください」と韓国防疫局を名乗る人物からの指示であった。
そうなるとビザの関係で、最悪最長間でも2週間足らずで日本へと戻る事になる。ここ韓国
で最低2ヶ月間やり過ごし、その間に反撃を試みるという計画が水泡に帰す…事になのであ
った。
0009名無し百物語垢版2020/08/03(月) 15:22:20.57ID:NbtBm4yd
『この人、本乳か偽乳かよくわからなかったんだけど。違和感しかない偽乳だね。
赤ん坊に吸わせるための乳首が上向きにつくなんて事はまずないよ』
「…ねえ、あんたさあ。こんなセリフを天下のカンヌ女優に言わせてもいいわけ?」
とまりかは担当マネージャーになったばかりの新人、坂木あづみに言い放った。幸か不幸か
坂木とまりかの年齢はほぼ同じであった。
0010名無し百物語垢版2020/08/03(月) 15:26:55.35ID:NbtBm4yd
防疫局の彼の話だと。
北朝鮮との海洋国境近くのある地域には昔から地元、熱を伴った特有の風土病があった。
ここ数年は大人しかったのだが、まりかの報道がなされた前後から漁師ら数人が感染し始めて
いた。それらの感染症が流行するのを防止する為、更に予防の為、防疫局が動き初めていた。
それ故、国外から来たまりから一行を国外退去か、隔離を申し出ていた。
結果4、5日の釜山逗留の後、まりか一行は新潟経由で都内へと戻って来たのであった。
0011名無し百物語垢版2020/08/04(火) 09:50:48.02ID:tkx5vfUE
カンヌと言っても、レセプション用に招待されただけの話であって、興行的にも、話題的にも
箸にも棒にも掛からぬレベルの映画であった。
実際、版元は赤字も赤字、大赤字だった為次回作の予定などは白紙だったし、それ以降のまりか
の役所もパっとしないものばかり。
最近ではほぼ同期にあたる女優、浜中夏穂のバーター役か悪女役ばかりで、まりか自体ですら
腐っていたが、彼女の演技力では至極当然の事だった。
0012名無し百物語垢版2020/08/04(火) 10:01:25.67ID:tkx5vfUE
そんな状態での帰国後、彼女の機嫌を取る為に事務所側は都内近郊にあるリゾート併設の
某高級ホテルを用意したのであった。
無論、坂木付でだが。坂木は元々は浜中のマネージャーであったが仕事に幅が出てきた浜
中の方にチーフマネ直系の女性上司が付く事になり。その代りに数ヶ月前から田韓専属に
なったのだった。
0014名無し百物語垢版2020/08/04(火) 14:03:41.74ID:tkx5vfUE
『純愛…男の思ってる純愛ってばオナニーみたいなモンさ。女の方からの純愛ってのは小説、
ドラマ、ファンタジーの中だけの話で現実味は無い。男女供にお互い様でいつも、いつも…
打算的な感情が優先になる。笑っちゃう程、おかしい純愛病っていう心の病…』
と青子は雨の中、その言葉を呪文の様に繰り返した。
とその青子を見つめる麦人は、ただじっと…雨に打たれていた。
【夢かうつつか】 村崎智花 より抜粋。
0015名無し百物語垢版2020/08/04(火) 19:00:26.85ID:tkx5vfUE
「…青子は自由奔放な振る舞いではありますが、心根は幼い頃からの実母の強烈な躾けに
より内面にもう一人の人格、緑子を作りだしています」とそう田韓まりかは台本のセリフ
を流暢に、読みこなした。
「はい、じゃあ次」監督である諸田が渋い声を出した。
「…青子の精神は麦人と会った事で緑子を、消してもいいと思うわせるぐらいの…」
まりかの声が少し震えた。
「どうしたの、田韓くん」少し諸田の声が強くなった。
「あっ、す、すいません。急に鼻が詰まってしまって…」まりかの声がまた少し震えた。
諸田は助監の天井に目配せした「はーい休憩。15分間休憩入りまーす」
助監督が声を上げ、本読みは一旦休憩に入ったのだった。
0016名無し百物語垢版2020/08/05(水) 18:38:11.97ID:lsmjA6En
「なあ田韓くん。青子の内面…と緑子の虚像。そこ、そこが大事ですよ、ねえ!田韓まりか
さん!いいですね!!!」
と…あの時監督である諸田が本読みが終わった後に熱っぽく語りかけ、まりかに熱心な指導
を授けていたのを坂木は印象強く覚えている。
やがて本格派女優への向かわせる事になる浜中の教育の為という事で、こっそり見学に行っ
たあの日の事だった。
0017名無し百物語垢版2020/08/07(金) 14:19:20.59ID:z/hlEtSn
【こいつはもうヤルしかない…】と彼女に背中を強く蹴られた時に、そう思った。
業務用のフードプロセッサーは大手通販から購入した。
それは一度、自宅に配送してもらうので一時的に彼女の事を別の人に依頼する事になるのだ
が、彼女事体は摂食障害用の睡眠薬が効いているので2、3時間程度なら問題は無い。
目覚めればまた豹変するかもしれないだろうが。少しぐらいは私の今の現状を事務所にも知
ってもらう為にも…だ。…韓国から戻って来てすぐ時は“堕す、堕す”と豪語してた割には酔
って階段から滑り落ちての流産は、自己責任なのになあと思った。
酒の量と薬の量は増えたし、左手にはリストカットの跡が頻繁な位に出来ていた。キラキラ
として写真に写っていた頃の姿は僅かしか残っていない。
”田韓現場日誌”なんていうツイートが懐かしく思えた…
明後日には包丁などを購入する為に、また抜ける予定だ。その時も誰かに頼もう…
0018名無し百物語垢版2020/08/07(金) 14:30:58.65ID:z/hlEtSn
その後でまりかに先輩面というか、斜め上からの強めの視線と含みを夏穂と共に感じた。
その読み合わせを見学した帰り道、狛江のあるバス停まで二人でコンビニで買ったアイス
を食べながら向かった、その時の事だった。
「坂木さんいや、えっちゃん。私あの人(田韓)嫌いだわ、であの人を倒す。で踏み超え
るよ、わたし!」と夏穂が言い出した。
「ダメだよ、夏ちゃん。そんな事言っちゃあ…」
「うん、だからえっちゃんにだけ、あとの誰にも絶対に言わない。それと私頑張る!
もっともっと頑張って、主役いっぱい取って、女優さんって言われる存在になるの」
彼女はその後実行に移し、僅か1年でその言葉を実現させたのだった。
0019名無し百物語垢版2020/08/11(火) 14:02:49.40ID:3IIA5FYX
田韓まりかは、事務所中では珍しいスカウト組(4名、うち3名退社又は移籍)の子だった。
元々はモデルを目指していたという事で170cm程の身長と細身の体。それと日々の美白サプリ
のお陰で…白い肌が売りになっていた。
JK時代の写真をみたが今とはまったく別人であり、まりかの並々ならぬ執念を感じた。
元々はベテランや、売れっ子中心の第1チーフマネの班で、モデル関係のスカウトをしていた男性
マネージャーが遊びに行ったとある遊園地で、バイトしていた彼女をスカウトっていう設定だった。
が実際は渋谷の繁華街でスカウトされ、その素性の余り良くないスカウト事務所から押し付けられて
来たというのが本当の所だった。なので女優としての技量は未知数だった。
いいや現実には無いも同然だった
(男性マネと彼女との嫌な下の噂も契約時に飛びかったが、握りつぶされた)
0020名無し百物語垢版2020/08/16(日) 14:30:13.97ID:S1REGK0K
それを事務所の上の人らが知った時にはスカウトしてきた張本人の男性マネは、別の事務所へ
移っていた。あとの祭りというか、ジタバタした割に別のモノを拾ったなあと花井は思ったの
だった。
その時、第2チーフ班の花井の手元には田韓と年が1つ違いだが、同期・ライバルになる松田
智恵理が居た。彼女は高校の時から演劇役者を志し、しっかりとした基礎が身に付いていたが、
関西弁のイントネーションが、なかなか抜けずオーディションには落ち続けていた。
そんな彼女を花井はサポートしつつ、成長させようと努力していた時に田韓のマネジメントま
でも行わなければならなくなった。
0021名無し百物語垢版2020/08/16(日) 14:48:26.35ID:S1REGK0K
この時の事を田韓は後にあるインタビュー記事こう答えている。
「…二十歳になる迄に売れなかったら、私事務所も芸能人も辞めます!って社長さんに啖呵
切ったんですよ」と。
無論これも演出だ。バックも何も無い彼女の答えには真実なんて一つも無い。
みんな虚飾な言葉、虚言ばかりだったのだ。田韓まりか専属マネージャー=お世話係になっ
てからよ〜くそれを身を持って知った。
〈また寝室でまりかがタバコを吸っているのだと思った、が違った。マリファナだった…〉
0022名無し百物語垢版2020/08/16(日) 14:56:23.28ID:S1REGK0K
頭、左右の腕と、脚。胴体は臍の辺りから2つに別けた。普段は貴金属類をはめていなかった
のが注意すべき点を少なくしてくれた。そこは素直に感謝しよう。
少しだけ温もりの残っていたそれらをフードプロセッサーの置いてある浴室へと運んだ。
さあ分解と分別だ。と念じた。
一旦、寝室を片付けベッドを元に戻し、消臭スプレーを念入りに撒き、その後で芳香スプレー
を吹きかけその匂いを誤魔化していった。
0023名無し百物語垢版2020/08/16(日) 15:02:41.16ID:S1REGK0K
胸骨も、あばら骨もノコギリ(新たに購入した)もので切って細かくしたうえ、水を加えながら
粉々にした。ガリガリ、ゴリゴリという音が耳の奥の方に残った。
そして浴室に残ったのは、あの男か別人か繰り返し愛撫をうけただろう乳房と下半身と。
その始末に今まで以上に手こずりそうと思えた頭部であった。
時間が来たので一旦解体の手を止めると、まりかの携帯を使いまりかの家族宛にラインを送った。
数分後に返事が返って来るが、今回も母親からの返事は無かった。
0024名無し百物語垢版2020/08/16(日) 15:16:37.59ID:S1REGK0K
胴体を分けた時、思ってた以上に脂肪が出てきたのには参った。何度か包丁の刃から油分を拭き取る
これが余計な時間がかかった。それと汚物の処理である…
胴体は、まずは乳房をえぐり取り、切った箇所から内臓を掻き出す。先に内臓をフードプロセッサー
で粉々にした。乳房はCカップ程度しかなかったが、それでも脂肪分が出てきてツルツルして気持ち
悪かった。
この乳首にあの俳優を含めた男らが口づけ、吸い、嬲ったのかと思うと少し寒気がした。
数日前に命令されて毛を剃らされた下半身も同様だった、が臭気と惨状の中で、吐き気を抑えつつ
作業は続いていた。
0025名無し百物語垢版2020/08/16(日) 15:33:04.93ID:S1REGK0K
途中、時間が来たので一旦止めると。まりかの携帯を使い、まりかの家族宛にラインを送った。
幸いすぐには返事は来なかったし、例の母親からも来なかった。正直ほっとした。
モノ言わぬフードプロセッサーは1日半かけて、男性批評家らの評判の良い顔が付いていた頭部
も含め彼女を完全にドロドロにしてくれた。
そうして粉砕し液体化した「元彼女」を浴室の排水口に流した。
詰まりそうかな?と思ったので20数回程に分け、なお10回ほど流しては掃除用の発泡洗剤を
使用し流した。それでもまだ残っていたので今度はトイレに流した。
それらが終ると浴室とトイレを洗剤、洗浄剤で丹念に洗い流し、掃除をした。
0026名無し百物語垢版2020/08/16(日) 15:39:21.93ID:S1REGK0K
空気の入替の為に4時間程、部屋を開けた。
久しぶりの自由な時間だと思った。駅前通りにある本屋に入りながら、まりかの携帯から家族宛
にラインを送った。「…さよなら、もう探さないで好きな人と暮らします」と書いた。
返事が返って来るが、今回も母親からの返事は無かったをの確認し電源を落とした。
携帯はトイレの水を使いショートさせた、そして落として、踏んでから粗大ゴミ置き場にあった
ビデオデッキの中に突っ込んだ。
事務所には、薬を盛られ朦朧としてる間に、頭を殴られ逃げられたと報告しよう…後は勝手に筋
書を考えてくれて実行してくれるだろう…
0027名無し百物語垢版2020/08/16(日) 15:53:25.02ID:S1REGK0K
暫くはステマ記事、観測記事、提灯記事に見せかけた記事などが並び、ネット、書き込みスレッド
にも適当なスレがあがる事だろう…やがて消えていくのだ。
”重要なのは、その存在が確認出来得るかどうかと、相手と周囲に信じさせる事であって
彼女自体の現実の生死は大きな問題にはならない”
0028名無し百物語垢版2020/08/16(日) 15:56:19.08ID:S1REGK0K
………もう田韓まりかって人はいない。
それを知っているのは当事者であり、唯一の被害者である私だけでいいのだ。
ケガを理由に少し長めの休みをもらって休む。そして来月半ば過ぎには浜中夏穂のサブマネか、
松田智恵理の担当サブへと戻れる事になるだろう。
もうモンスターの調教師は懲り懲りだと…そう思ってコーヒーを飲み終えカフェの席を立った。 
(*全てフィクションです)
0029名無し百物語垢版2020/08/27(木) 10:29:48.41ID:kzQi/g+M
世間じゃこういう清楚系女子に騙されてる男が多いよね。
「俺、清楚系の女が好き!!」って答える男の人ほど、逆に女性経験が浅いか、乏しい。
女性なら(誰でも)『清楚系ヤバい』って知っている事だから男性諸君はお気をつけあそばせ!
と書いてあるページを左手人差し指でスクロールで流しつつ、伏し目がちに顔を俯けながら、
ずれそうなマスクを右手で直した。
都内のおしゃれカフェの店内はコロナの影響で人もまばらだったので、多少安心出来る。
0030名無し百物語垢版2020/08/27(木) 10:32:39.28ID:kzQi/g+M
スクロールした先には騒動勃発まで、約2年専属契約していた雑誌のネット版だ。
あの報道不倫の後で私が着ていた洋服のモデルは皆ソールドアウト扱いになっている。
が実際には返品の山だ。返品率はメーカー始まって以来の過去最高になってる。
違約金は私が芸能人生、数年間の年収の3倍以上になってる。他の仕事の違約金も合わせる
と、やはり事務所内でも…看板女優の本宮さんの時を抜き、最高額となった。
その額は千葉の実家と土地。それと祖父、祖母名義の農地と山林と合わせても、まだまだ足
りない額だった。
0031名無し百物語垢版2020/08/27(木) 10:48:22.91ID:kzQi/g+M
バッグ2つと、リュックサック1つに身の回り品を詰めて移動を開始したのが1月の末の
頃の話だった。
まず契約してる病院→ ホテル暮らし→ 貸し別荘暮らし→ 貸しコテージ暮らし→ 
シティホテル→ 知り合いの家…と変遷し、今は現在は本宮さんのダンナさんが経営する
環境団体の宿泊施設に、安く住まわさせてもらっている。
小3頃川崎のボロアパートからDVパパの手の中から夜逃げしたのをちょっと思い出した。
0032名無し百物語垢版2020/08/27(木) 11:00:28.84ID:kzQi/g+M
変わった事。
スマホが変わった、いや変えさせられたんだよね。
元々芸能界に知り合いも仲の良い友達も少ないから気にはしてないが、それでも自由に、自
分が好きな時に繋がれないって苦痛だね。
そう監視が付いたんだ、今も目の前にその人(女性)は座っている。もと防犯会社社員で、
この人も不倫で会社を辞めたって話だった。その人と一緒に住んでたウィークリーマンショ
ンで灯りも着けずに暗闇の中で荷物をまとめた。
0033名無し百物語垢版2020/08/27(木) 11:14:26.94ID:kzQi/g+M
現在、私の住所は実家の住所になってはいるが、実家にはもう2年以上も戻っていないんだ
なあ私、笑。あとは素朴で、気さくで、気弱な友達みたいなY形出身の専属担当の女子マネ
のクビは2月半ばにはぶっ飛んだ。
(「まゆちゃん。ホントごめんねー」)
騒動後すぐにチーフマネ(男)は余所の事務所に逃げた。50代の統括マネージャーは先輩
女優の蓑田りかさんの担当を外れもらい事態の収拾に務めてはもらったがマスコミの対応ま
では手が回らなかったのは事実だった。
0034名無し百物語垢版2020/08/27(木) 11:15:56.85ID:kzQi/g+M
なので一番上の姉が、ネチネチとカマをかけてきた雑誌記者に対して、余計でアホな事を言
ってしまい、累積で私も統括に怒られた。
姉のバーカ(後日、またこの姉の何気ない発言でネットが軽く炎上したが)
また速報がスマホに速報入ってきた、私の復帰についての半分以上憶測の記事だった。
「ちっ、バカじゃね。違げぇよ」と小さく嘯いた。
監視の人…板垣さんと言う、彼女の眉が上がって下がった。
0035名無し百物語垢版2020/08/27(木) 11:24:29.24ID:kzQi/g+M
JK時代のギャル語は簡単に抜けるもんではない。顔や肌は美白出来ても心の底や、頭の
中までは美白出来ないもんだと、22才で実感したわ。
が今の私は売れない時代に覚えた得意の化粧で化けている。ヴァンサンカン越えのOLの
休日風っての装っているのだ。
で施設を抜け出してカフェの片隅で深海魚の様にこっそりと息ぬきをしている。
そうでもしないとマスコミの取材、借金関係、AVの誘い。そして施設では毎日、毎日公
園の清掃作業と植物の種とかを袋詰めする作業とかばかりで息がつまりそうなのだ。
0036名無し百物語垢版2020/08/27(木) 11:27:18.18ID:kzQi/g+M
「で、(この後)どうする?」と板垣さんは飲んでたアイスコーヒーを置き、私に聞いて
きた。私は首を横に振って両手でバツを作った「(とくに無いよー)」という意味だ。
声に特徴がある私が、簡単に声を出すとどこでバレるか解らないからだった。
特に予定は無いのだがすぐに戻る気にもなれない。
施設に戻れば幼稚、保育園用のベゴニアの種の袋詰め、小学校配布用のひまわりの種の袋
詰めから逃げてきたのだから。
0037名無し百物語垢版2020/08/27(木) 11:31:48.08ID:kzQi/g+M
しっかしこの現状には参っている。
復帰の目途が立つまでの間とは解っていても事務所からの連絡も途切れ、途切れに
なりつつあるのは事実だったし、ほぼ同期のあいつ…松金風香の仕事が順調なのも
正直、面白くは無かった。
心根では参ってはいるのだが、あの週刊誌にあの人との3年もの不倫のネタをばら
したのは、この私だったのだ。

この壮大な復讐計画のまず始まりは、昨年の暑い夏の夜から…だった。
0038名無し百物語垢版2020/09/16(水) 18:34:35.90ID:L0QDABYe
5月26日
私は中学生の頃からFMと深夜ラジオにハマっていた。
今とは違い、日に焼けていたJK時代にも何か所経験したバイト先の海の家やスタンドでも、
よくFMは流れていた。地元千葉のFM局のあるパーソナリティーの渋めの声も好きだった。
多分、父の記憶が姉らに比べ少ない私にとっては大事な仮父の声だったのだと思う。
同級生らには黙ってその人への応援メールを送った事もあった。…でもそのメールは読み上げ
られなくなくて、今はほっとしている。勿論恥ずかしいから…だ。

…彼からの連絡が少し遅れただけで、ちょっぴり不安になった。
深夜の明日になる少し前になって彼が部屋に来てくれた。今日は泊っていけるみたいだ。
明日は私も休みだし少し甘えてもいいだろう…
0039名無し百物語垢版2020/09/16(水) 18:42:53.71ID:L0QDABYe
6月6日
姉2人がいるのに訳あってシングルマザーとなった我が家ではTVは2台しかない。
ご飯を食べるLDKに1つと。祖父、祖母の寝室の2台だった。
体格差の結果として私が多少諦める事の方が多かった、あともう一つが祖母の指導もあったか
らである。なぜか祖母は私だけに色々と小言という傾向にあり。芸能界入りも最後まで反対し
たのは祖母だった。
ラジオは買ってもらったミニCDコンポなどで聞けるので、夜遅くまでも聞いていた。
最初はAM局のアイドル系番組からスタートし、半年ほど経つとFM放送へと変わっていった。
企業提供の日曜夕方のラジオドラマは好きで、当時はいつかこんな仕事をしてみたいと思った
ものだった。

〈今日、彼が「来る」と言っていてて突然のキャンセル。少し悲しかった、夜空に浮かぶ月が、
悲しげに見えた〉
0040名無し百物語垢版2020/09/16(水) 18:43:30.72ID:L0QDABYe
6月17日
そんなこんなで私は中学生の頃からラジオが耳に馴染んでいたものだから、学年が上がるとつ
いに、こっそりと投稿職人になっていた。
最初は読まれなかったが、やがて読まれ始めるとRN(ラジオネーム)“カリノタカラ”からの
投稿って聞こえるだけでも刺激的だった。
そんな思い出もあるFMを聞きながら、今の私はあの人の男性の部分を口と手を使ってせっせ
とご奉仕を続けていた。
それから数十秒程後には私の口の中で精を弾き出し、私は枕下にあるティッシュを手に取り、
それを見えないよう、そっとゴミ箱へと捨てると曖昧に笑ってみせた。
〈今日、本当なら彼が「来る」と言っていた。来られなくなった、少し悲しかった〉
0041名無し百物語垢版2020/09/16(水) 18:43:54.48ID:L0QDABYe
6月19日
最初はあの人が喜んでくれるのが嬉しかった。
ただそれだけなのに、今は辛い気持ちが出てきているのも事実だった…
最近だと態度も悪くなってきている。ご奉仕プレイ中突然、下から突き上げる様な動き出した
ので「んぐ」と少しむせそうになったのを、私は必至になってガマンして堪えた。
二人とも背中を向けて眠る事が当たり前になってきていた。
「…明日、早いから起さないで帰る」とぼそりと言った。
「うん」としか私は言わなかった。
〈明日から泊りがけでドラマロケが入っていたので、それからの私は素っ気なく背を向けて眠
りについた〉
0042名無し百物語垢版2020/09/16(水) 18:45:01.71ID:L0QDABYe
6月26日
その時の私の部屋では、もうすぐ始まるラグビーワールドカップ試合の日程などがFMラジオ
から流れていた。
今日もまた私はあの人のを口と手を使い、せっせとご奉仕を続けていた。
咥えている時、突然下から突き上げる様な動き出したので「んぐ」と少しむせそうになったの
を、私は必至になってまたガマンした。
それから二十秒程後には私の口の中で精を弾き出した。その日のあの人は一方的に性欲処理の
ようなエッチが終わると「じゃもう行くわ、あとで連絡するから」と言い残し、シャワーも浴
びずに出て行った。
0043名無し百物語垢版2020/09/16(水) 18:53:07.82ID:L0QDABYe
7月9日
その日はあの人が酷く酔っ払っていて、連絡も無しに夜遅く私の部屋にやって来たの
だった。
「…あの…ね明日、ロケ…えっと栃木の那須塩原なんで早いんだけど」
「いいから出る前には帰るから」と言い押し切る様に部屋に入って来た。お酒の匂い
が部屋の中に充満しそうだった。
「シャワー浴びさせてくれ」というと服とTシャツを1度に脱ぎ、わずか数歩でバス
ルームの前までには全裸になっていた。

先に寝ている私の上にあの人は押しかかって来た。力を込めているのか抵抗すら許さ
ないって感じだった。20cm程ある身長差がこうもキツいとはと頭の中で思った。
〈正直、レイ○されるってこんな感じなのか?〉って思った。
いつもだと私の胸を軽くいじる事から始まるのだが、今日は先にパンツの方から手を
かけ、一気に下げた。
あの人の要望でアンダーヘアは処理してある。押し込むように指が私を触れる
「んん…ごめん、そこ今日は痛いです」と私は切ない声を出した。
「大丈夫、もう少しで濡れてくるから…」というとあの人は覆いかぶさる様に口づけ
をしてきた、口腔いっぱいにお酒の匂いとすっぱい味が広がった。

それから十数分後には中に出された…
…あの人とは初めてでもないから驚かないが、私の気持ちも考えて欲しいと思った。
真夜中に目覚めた時、隣で鼾をかいて眠るあの人の顔を、ついひっぱたきたい気持ち
になった。
0044名無し百物語垢版2020/09/16(水) 18:56:08.37ID:L0QDABYe
7月23日
(久しぶりの投稿だった。即、読み上げられ、嬉しかった。
祖父の仕事が農業なので自宅脇の小屋に併設された1坪ほど事務所には回線別のFAX
があり、ネタが出来た場合にはこっそりとそこから送った。
やがては場数を踏むと読み上げられた事も何度かあった。。。)

だが、そんな思い出もあるFM放送を聞きながら、今という現実に引き戻されると今日
もまた私は彼のを口に入れ、手を使いせっせとご奉仕を続けていた。
その日の彼は、その後エッチが終わると「じゃもう行くわ」と言い残すと泊らずに出て
行った。切なくて、悲しくなり冷蔵庫から冷えた缶チューハイを取り出して、生理痛の
痛み止と飲み干した、そして泥の様に眠った。
0045名無し百物語垢版2020/09/16(水) 19:00:32.51ID:L0QDABYe
8月5日
今日はあの人の機嫌がめっちゃ良かった。
お土産も買ってきてくれたし、いつにもなく優しくタッチしてくれた。
あの映画の後で秘かなお付き合いを初めてからすぐの頃にフェラの最中に我慢しきれずに
咽た所、顔には手を出されはしなかったが、頭を両手で持たれグラグラとゆらされ気持ち
悪くなってつい吐いてしまった。
それが更にあの人の怒りに油を注いだ結果になった。

「…おい、どうした気持ちよくなったのか?」
と言いつつも横に寝たままで左手で私の胸を触り、続いて性器をいじり始めていた。
缶酎ハイの度数の高いのを5本ほど入れているので顔は赤く、語気は荒かった。
(本音は力加減が少し痛かった)
「うん気持ちいいよ」とその場は答えておいた。
ゆっくりとあの人は肉食獣が獲物の内臓を食うように体を乗せてくると、まだまだ準備不
足の私の隙間に強引に入れ、自分勝手に、そして長くは持たずに果てたのだった
0046名無し百物語垢版2020/09/18(金) 17:28:34.65ID:y09bJRMO
8月18日
お盆の間、休息も兼ねて一時的に実家に戻っていた。
故郷の海を見るのが心には一番の栄養になる。それと来ない月のモノへ対しての不安予防にも
なった。防波堤の際を歩いてるとスマホが鳴った、彼からだった。
「なにしてる?」
「え、いいえ…別に。お姉ちゃんと散歩中でーす」(嘘だが)
「ん…じゃあ切ろうか?」
「もう少しの間なら大丈夫だよ」
「あ、ごめん。こっちにお客さんが来たみたい」
〈その後の無音のスマホに一抹の寂しさを感じた〉


8月19日
「なにしてるんだ?」
夜の海を見ながら防波堤の際を歩いてるとスマホが鳴った、あの人からだった。
「え、いいえ…別に。はい姉と散歩中です」
つい敬語になる。あの映画で出会った頃は「敬語じゃなくても、もっとフランクに」と言って
いたのだが関係を持ち、更に一度間を置いて距離を取った後再び体を重ねる様になると、
「…もっとさ敬う言葉って大事だと思うんだよね」と言い、なるべくは敬語の様な言葉を使う
ように指示された。
「何っこんな時間に?」
「うん、コンビニまでアイス買いに行こうって事で…姉と…」
「あ、あそう。じゃあ切るからな」
「………あ、はい」
〈正直な気持ちとしては、ほっとした〉


8月29日 遅れてはいたが、アレが来た〈正直、ほっとした〉
0047名無し百物語垢版2020/09/18(金) 17:33:32.44ID:y09bJRMO
9月4日
彼が海外(欧州方面の某映画祭)に仕事行く前に寄ってくれた。
彼が私の部屋に居れたのは正味30分間程度だったのでエッチな事は無った。
「あの時(映画祭)以来のヨーロッパなんだね」と言ったら「お土産いるか?」って聞かれた
ので「うん」と素直に頷いた。
3日後に彼から小包郵便が来た。
開けてみたらカメラだった。嬉しかった。カメラを携帯のカメラで撮った。
ずっと大事にしよう…と思った。
〈よし!今度のマネさんとの小旅行にも持って行こう!〉
0048名無し百物語垢版2020/09/18(金) 17:36:00.15ID:y09bJRMO
9月17日
彼が私の誕生日を祝ってくれた!
家族と一緒に行ってるというちょっとリーズナブルでお洒落な鉄板焼き屋さんでだ!!
その時プレゼントももらった。
シルバーのピアスセットだった。耳、鼻、舌、へそ、そして性器…
それは内心はちょっとはひいた…
「冗談だよ。それは友達のだ。じゃあ返して。この前のカメラとこれお前の誕生日のプレゼ
ントな」と言われて出て来たのが、アンティークのチェーンリングだった。
その場で付けてみようとは思わなかった。一応、芸能人だ。他人の目は気にしていたから…
「ありがとう…」って素直に言った。
小声で彼に聞いた。
「…今日はするの?」
「逆にお前からもらわないとフェアじゃないだろ?」
「…い言われたとおり、ぴ、ピルはずっと飲んでるよ」
「うふふ!」と互いに笑った。
〈明日の単発ドラマロケの際には生理用ナプキンは必須だなあと内心思った〉
0049名無し百物語垢版2020/09/18(金) 17:37:50.22ID:y09bJRMO
9月30日
あの人とは4週間ぶりに会った。
「…また私の部屋でぇ!?」
「あ、お前の部屋居心地いいのかも?」
またも、いやいつも通りに私の部屋の中でした。一度、着信があり。あの人が奥さんに連絡
していた。ラジオのボリュームを小さくした。
…最近はあの人とはご無沙汰だったのでなんとく(下半身に)違和感が残った。
でもあの人は「今日のお前締まってていい感じだわ」と言った。何も答えたくなくて、うん
としか言わなかった。
ダルさと、厭さが残ったのだが、明日のドラマのバーター役の際には生理用ナプキンは必須
だなあと内心思つつも、これまでの女優業で身に付けた〈ペルソナ笑顔〉を貼り付けた。
0050名無し百物語垢版2020/09/18(金) 17:45:33.03ID:y09bJRMO
10月9日
なぜだろう…彼と連絡が取りづらくなって来た。
「事務所がねえ」とか「うん、今仕事がさあ」とか言ってくる様になった。
(前はそんな事言わなかったのに…)
日を重ねる毎に気分がブルーを越えてブラックになっていった。
でも明日は、お笑いの大物司会者さんのAさんと初めて一緒にお仕事するバラティの仕事だ。
緊張もしてるが、ここでチャンスを掴みたい!!よし、がんばろー!!!
〈あれぇアレが遅れてるのかなあ?〉
0051名無し百物語垢版2020/09/18(金) 17:50:08.39ID:y09bJRMO
10月17日
お婆ちゃんが倒れたって連絡が母から来た。
でマネさんに送ってもらい実家に一旦戻った。急いで地元の総合病院に行った所、夏疲れによ
る過労との事だった。
上の姉の結婚式以来の家族全員集合だった。しばらく病室にみんなで残っていた。じじが背伸
びして個室を取ったのが良かったんだと思う。
お婆ちゃんの顔に明るい色が戻った感じがしたので泊らずに戻った(下の姉が残った)
実家に寄り、荷物を取ると高速バスの最終便に飛び乗った。
〈明日は前々から予定していた彼とのズーラシ〇デートの日だ。いっぱい楽しむぞぉ!!!〉
0052名無し百物語垢版2020/09/18(金) 17:51:59.25ID:y09bJRMO
10月31日
アレが来てない、遅れてる。
この前のデートは彼の方から突然、行けないって言われ「ごめん」って言われた後は彼からの
返事も少なくなって、そして来なくもなった。
あの人は以前、同じ様に連絡を寄越すが正直、うざい…消えて欲しい…
〈打合せ中です〉って返している。
マジでアレが来ないのがキツいわい、、、わしゃ来月頭からはドラマの打合せと撮影が始まるの
にと思った。
0053名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:06:10.20ID:y09bJRMO
11月4日
彼との連絡がつかなくなった。あの番組が放送されたから…
「もう、またほら!浮気するぅぅ!!」
なんで「あんな事言うの?」って私は思ったけれど…相手が大物芸能人すぎた…
チーフマネさんも「気にするなよ」っては言ってくれてはいるが…内心どうだろう?
私の心としては憎い!という一点しか無い!
私に関しての何か悪い噂でも、あの大物司会者の耳には入っているのだろか?
こんな時に限ってまた、あの人から連絡が来てた…
無視していたら1時間に4件も入れてて正直、困った。他に女の人とも遊んでいるのも解
っているのに…〈今、撮影中です〉と返信を送り返した。
やっと来なくなった…
0054名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:24:41.17ID:y09bJRMO
11月12日
彼と大喧嘩をした。
>事務所に、バレて反対されたからとかさ。今は仕事が大事だからとかさ。
>そんなのって私だって同じだし、私だって同じ芸能人なんだよ!
>そんな事よりも好きだから!!!
>好きになっちゃったんだから…
>嫌な事も、変なクセも全部ひっくるめて付き合いたかった!!
>めちゃくそに愛情注いでくれないって…ムリって解り切ってる。
>だから…

あの放送以来、互いに連絡しあう事も、会う事も出来ない状況下だったので、色々と心の
澱が溜まっていた、それと同時に復讐って言葉が心の底のどこかから浮かび上がって来て
いた。あと彼の事は〈きれいさっぱりにする為〉にも彼と会おうと決心した。

11月13日
その言葉を言われた時は私の部屋の中ではラグビーワールドカップ試合中継がFMから流
れていた。
それがその突然の予想外の言葉の暴力で私の頭の中では「キーン」と耳鳴りの様な音が鳴
り響いた。
が途切れそうな意識の中で、あと数日でワールドカップがフィナーレになるのだけはなん
とか解った。
気がつくと、あの人が私の部屋から出ていったのですら解らなかった。
もう何度目の大ゲンカだろう…と冷めた頭で思った。
それと同時に〈復讐〉って言葉が心の底から浮かび上がって来ていた。
そしてしっかりと証拠と資料を用意しようと思った。
0055名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:26:33.70ID:y09bJRMO
11月25日
彼が私の部屋から出ていったのですら、解らなかった。
『この子は、この子は…またやっぱり死んでしまうんだ』ってと思うと、ただただ涙が流れた。
泣き終わってから気が付いたが未使用のピンクのゴムがベッドのそばに落ちていた。
「もう別れよう」って心の底から決めていたから、切なくなった。
ワールドカップのテーマ曲を歌う歌手の別のヒット曲がラジオから流れてきた。人気ドラマの
主題歌だった、あとは涙が後から後から出て来るだけだった・・・
0056名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:31:34.66ID:y09bJRMO
12月3日
正式に彼に別れを告げた…彼も解ってくれた…あの指輪とカメラはファンのフリをして事務所
宛に送り返した。
・・・だったけれどカメラは返された「お前の写真好きだから、これだけ持っててくれ」
って連絡が来た。涙が出た、振り向かずにそっと別々に歩き出し、今までの事、二人の思い出
は無かった事にした。
私の吐いた息が白くなっていき、あぁ…もう冬なんだなぁと感じた。
ソシテ、ワタシハワタシノオナカヲサスッタノダッタ………
0057名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:34:32.20ID:y09bJRMO
12月11日
色々な話を聞いた、ネットでも調べた。
そしてやっと見つけた芸能人でも特別の方御用達の某産婦人科に「宿泊」の方で手術をしてもらっ
た。勿論、全部一人で準備・段取をした上でだ。
相手は…あの人って事にしたので、著名な有名人でも、推し推されのタレントでもなかったのに。
隠さなきゃならない秘密を持った若手タレントとして、気をつかいこっそりと病院側が処理をして
くれた事だった。
あの人は今頃は見た目だけの安心家族…子供たちへのプレゼントの事を考えるので、精一杯みたい
だったと。奥様がラジオから言っていた。

12月24日(火)
たった一人のクリスマス…サイレントナイト、ホーリーナイト…部屋の灯りは暗く、またたく星の光も
弱いように感じた…
0058名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:41:10.15ID:y09bJRMO
2019年の12月25日は水曜日だった…
その日、私は始めてあの人の奥さんの携帯に電話を入れた。
というか奥様=異性の配偶者っていう社会的な役割の人に初めて電話をした事になる。
その日は休みを取るというの彼から聞いており、知っていたからだった。コール音が続く、
7度目で出た。
先日ラジオで聞き、TVのビールのCMでも聞いた事のある、あの声だった。
「あの…お世話になって…」
と私は重い声で言つつ身構えた。
「ええ、大体の事は…解ってるわよ」
思っていた以上に優しい声だった。
「えっとなんて言えばいいのか…ごめんなさい」
素直に「ごめんなさい」の言葉が出た。
「そうね、そんな謝罪をって柄でもないし彼は来ないわ。どうよこれから鍋パーティするの
よ、うち来ない?」
その大胆さにあっけに取られて声も出なかった。
0059名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:46:59.50ID:y09bJRMO
〈で運命の2020年1月30日を迎えた…〉
…しっかし、この現状には参っている。
とは2019年年末の時点での私は少しも思わなかった。なぜってこの復讐計画はX‘Masの時
から大きく動いたから、がそこが彼女と私の甘さの違いなのだろうか…?
0060名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:57:06.45ID:y09bJRMO
2月11日
まず変装用に髪の毛を切った。
その部屋には裁ちばさみしか無くて、ずっと宣材用のロングの髪をボブぐらいしかならなかっ
たけれど自分で髪型を決めれて、嬉しかった。
買ってきてもらってた髪染め(ベージュ系)を使って髪を染めた。鏡に写った姿を見て高一の
頃を思い出した。コロナの影響でマスクを着けるのが当たり前になってきたので、益々一人で
出歩ける機会が増えてる気がする。
新人のAちゃん担当のマネが何か持って来たみたいだった…

2月14日
事務所が用意してくれてた部屋がネットの噂のせいでダメになり、こっそりと彼女に助けをお
願いした。で一日後には彼女から連絡が来た。
都内近郊のある街にあるファミリー向けの物件を用意しておくので使ってとの事だった。
こっそりとホテルから移動し、そこに入った。その手早さに手伝いにきてた新人のAちゃん担
当のマネも驚いていたが気にしてはいられなかった。
0061名無し百物語垢版2020/09/18(金) 18:57:56.84ID:y09bJRMO
2月17日
彼女から連絡が来た。
お金も同封されてて、助かった。
お小遣いがなくなって来た頃だったから、助かった。あと家族とLINEでちょっとだけ会話した。

2月29日
4年1度の2月の29日。わたしは少しだけこの日が好きだ。
あぶれもんっていうか、半端な感じなのにでも日としては認められている。
ちょっとうれしくなり、こっそりと近くのコンビニに行った。
髪の毛切り、眼鏡とマスクしていれば解らないものなのかって思うとバレなかったのが嬉しい。
がでも悲しくなった…
出版社が私をキャラに推しててくれたバッグが売っていた、でもチープに見えてきた………
0062名無し百物語垢版2020/09/18(金) 19:00:59.85ID:y09bJRMO
3月5日
彼女から連絡が来た。
お金も同封されてて、助かった。
あと上の姉とLINEでちょっとだけ会話した。祖母が心労が溜まり入院したって事を言ってた。
下の姉が急性腸炎で入院したのも、その時初めて知った。
それと上の…が離婚したのを、その時初めて知った。〈…ごめんなさい…〉と心の中で謝った。

3月10日
心ない書き込みに胸が痛んだ。なぜって姉がそれを書き込んだんだろうって予想出来たから………

3月12日
あと家族とLINEでちょっとだけ会話した、すぐ上の姉が、「あの記事、捏造だからね。
そんな事言ってないよ」って言っていたのがおかしかったが笑い堪えた。
大丈夫だよ、あんたの事信じてないからさあ…って思ったが「うん、わかったよ。お姉ちゃん」
と返事をした。〈私まだまだ女優としてイケれんじゃん!〉って思った。
0063名無し百物語垢版2020/09/18(金) 19:06:03.30ID:y09bJRMO
3月14日
変装ってレベルにする為(?)にボブからショートにした。
色もベージュから「ミントアッシュ」染め変えた。鏡に写る私の姿を見ると別の伊達メガネ
の事もあって、もう昔の私だと思う人はいない?って思えた。
借りてたこの部屋を掃除しようと思いたった。そうしたら手荷物の中から彼から、もらった
あのカメラが出てきた。こっそりと出て〈女子カメラ〉して来た。

3月16日
またカメラを持ち、女子カメラしてきた。
なぜだかここ2,3日は事務所からはマネさんも、連絡も来なくて不思議だった。同時に気
持ちも楽になってるのも事実だった。
戻ったら彼女から連絡が来ていた。集合の場所と日時が連絡されていた。
破ってからトイレで流した。
0064名無し百物語垢版2020/09/18(金) 19:11:50.62ID:y09bJRMO
2020年3月、
寒の戻り、真冬のような寒い日…。「へっ」と我ながら間抜けな声だった。
そう声を出したあと、何かで後頭部を2度殴られ意識を失った。それが私という女の
人生劇場の最後のセリフとなった。
私は二度と意識が戻る事はなかった…
「…ごめんねぇ、お口がいっぱいあるとねぇ、後々で色々と面倒になるの」
と言って彼女は私の首にロープをかけぐぃと引っ張った(もうとっくに意識は無いのに)
「色々と役に立ってくれてありがとう、でもここでお別れねえ」
と言って彼女は私の首にロープをかけ、「そして、さようなら」と言いつつしっかりと
また私にトドメをさした。
「さてと」といい小さなハサミを取り出した。それで私が着て来たコート、ジャケット
ブラウス、下着類、パンツ、パンストを切り裂き私を真っ裸にした。
そこからは別に呼び出されていたあの人の出番だった。
0065名無し百物語垢版2020/09/18(金) 19:12:14.00ID:y09bJRMO
「ねえ、あんたがちょっとでも好きになって、熱心に愛撫した体だし。最後ぐらいは…
手だししたいでしょ」
あの人はただ黙っているだけだった…
「まったくバカよ、大バカ!こんな小娘に二股かけられて、気が付いてなくって証拠の
資料取られて、脅されて、挙句どっちの子供か解らないのに堕胎の費用の借用書!」
またうなだれた。
「この金額!!!どこのハリウッドスターが行く病院よ!ここ日本だからね!!」
「これ!誰が代りに払ってあげたの?あんたの母親!?」
「違うでしょ!!!」
「ほら、とっととやってしまいなよ」
続いてキャンプ用の小型のバーナーで小型のフライパンを熱すると、私の両手の指紋と
掌紋を焼き始めた。焦げた匂いが当りに漂い始めるが、振り出した雪によって消し去ら
れていった…
0066名無し百物語垢版2020/09/18(金) 19:15:01.52ID:y09bJRMO
左手の人差し指から始まり、最後は右手の親指だった。
「…事務所には〈失踪〉でケリつけてとくから」
まだうなだれたままだった。
「…互いに一生言えないよね、この件は…」とあの人がぼそりっと言ったが、彼女の耳
には届いてはいなかった。
あの人は私の顔に毛布をかけると、金属ではない固いゴムのハンマーを使い歯を折り始
めた。私の顔は金属製のハンマーで潰された。
次にあの人がナイフとピックを使い胸骨の下辺りに5cm程の孔が2つ、おへその辺り
に3cm程の孔が3つ開けられた。
腐敗が始まった時そこからガスが抜ける様にする為なんだと言っていた。
0067名無し百物語垢版2020/09/18(金) 19:20:56.96ID:y09bJRMO
なんだぁバレてたのか私が二股かけてった事。
そしてあのインスタ裏垢も、画像も、みんな彼との思い出写真を加工したものだって事も
「…重要なのは、その存在がこっちの手の中にあるんだって事を信じさせる事。こいつの
生死は…たいして問題にはならない!」
って彼女はそれが私だったモノを指さして言ったんだ。
シロイユキガ、ワタシト、カノジョト、アノヒトノ上に重ねて降り続いていく…
「…とにかく、互いの事務所にはケリつけてとくからね」
そう彼女は怒った声を出した。それからの私はシートに厳重にグルグルにくるまれ、しっ
かりとロープを何重にも巻かれ、重石をつけられて…あの人とあの人の元奥さんの手で、
農業用貯水池の一番深い所へと〈ドボン〉と落とされた。
もう体も無い幽霊なのに直感でこの水は寒いなあと思った。雪は次の日まで降っていた。

(彼女の23回目の誕生日に捧ぐ *これはフィクションです)
0068名無し百物語垢版2020/10/06(火) 11:29:38.80ID:/rJMlPXc
次回鋭意準備中  COMING SOON
0069名無し百物語垢版2020/10/23(金) 16:48:24.32ID:hWngUlZ8
1《独白》
僕の独白はクリスマス前の数日前までには終わる予定にしています…
でも全てを書き上げる事は出来ないのです
あと僕の正体については深く詮索しないで下さい。
基本、僕と彼女の2人だけで進みますがイニシャルで表記されますし、また同じイニシャ
ルになった場合は【K2】、【Ab】などで区別出来る所は努力していきます。

彼女との事を結婚に疲れたから…火遊びだから…だとか思われていますが…
実の所は年の差を利用した【理想の女性】に仕上げる事を目的にしていました。
そうまるで横溝の短編「百日紅の下」の主人公、佐伯一郎の様にです。
実際は違いました。
谷崎の小説、刺青の中に出て来た清吉の後日譚の様になってしまったのです。
…10ほどの年齢の違う為、最初の頃は彼女の奔放さに振り回された所もありましたが、
次第に時間の経過と共に距離が埋まってくると、僕の方が彼女を制御下における様になり
ました。出会い、交わり…2年程経過した頃…僕らは一旦、別れました。
彼女【K】からの裏切りによってです。
影で僕以外の男性と付き合っていたみたいでした。丁度、僕も妻との間にある一件を切っ
掛けからか愛情が少し、ほんの少しだけ生まれたので、彼女を手放す事にしました。
ですが連絡先と、ある動画、画像などは手元には残しておいたのです…
0070名無し百物語垢版2020/10/23(金) 16:50:45.14ID:hWngUlZ8

彼女と初めて出会ったのは…2015年のまだ寒さの抜けない頃の事だった。
映画の関係者が集まる某レセプションの会場でだ。そこで次回作の件で僕のマネージャー
と僕はある監督の元を訪れていた。
チーフマネからは関西出の新たな形の映画を撮る人だと紹介された。
少し小太りの口ひげのある、関西弁の抜けない人だが悪そうな感じはしなかったし、参考
に見てきた映画を撮った人と同じ人なのかと思ったぐらいギャップがあった。
「じきに資金面が都合がつくはずなので…」と監督【H】さんは切り出して来た。
次回の予定作では大阪と東京を2つの街を舞台とする、すこし年上の大人達のメルヘンを
撮る予定だ。「それの主役を演じて欲しい」と言われた。
「ありがとうございます」と言い頭を下げた。ちょっとワクワクドキドキした。
その後で、その監督の師匠すじに当たる大御所ではあるが、まだメジャータイトルを、持
っていない老齢の監督に挨拶をする為テーブルを後にした。


その監督は喧噪の中に佇むようにイスに腰を下ろしていた…
「はじめまして……です、よろしくお願いします」
「こちらこそ、縁ありましたらよろしくお願いしますよ」
始めて逢ったのだがそんな感じにも思えず。会話はたどたどしいながらも妙に弾ん
だ所もあった。
「君があの〇×君の噂の彼氏かあ…」僕は軽く笑みを浮かべつつ右手を振った。
「(背が)大きいなあ…どれくらいあるの?」
僕を気にいって使ってくれている女性監督の【O】さんの名前が出た。
「約190㎠です」と答えた。
「そうか撮るとなれば、ティルトや広角を上手に使わないと…ダメかなあ?」
「ズームやパンも場面展開によっては使い分けないといけないかも?ですが…」
そこに監督の長年の助手みたいな事をしている方も会話に参加してきた。
その方を簡単に紹介されて僕は軽く驚いた。
あの有名なチーフ助監督さんだった。
0071名無し百物語垢版2020/10/23(金) 16:55:58.70ID:hWngUlZ8

と脇に居た別の人がこう囁くように言う。
「でも……監督好みの背の高い女優さんなんかも使えますよ」
監督は僕の方を見ながらこう話かけてきた。
「最近の女の子は大きくなったからなあ…」
「そうですねえ」と僕も賛同した。後ろではマネージャーの吹き出すのが聞こえた。
きっと僕の今の彼女の事を思い出して…だろう?
話の最後には二人で笑い合った。
そんなちょっと女の人が聞いたらつまんないだろうなあって会話をしてから僕らは、
大御所の老齢監督から離れ、また別のテーブルへとミツバチの様に移動していった。


その後あるテーブルに行き、某大手制作会社のプロデューサーらと話をしている時
に僕は左手の袖を引かれた感じがしたので、振り向くと彼女【K】がそこに居た。
…というか紹介された。
彼女は女優のみが専属する事務所【F】の新進の女優との事で、丁度壇上に立って
いた女優【T】の後輩にあたるとの事だった。
来週テレビドラマでデビューするとの事だった。なんでも彼女が僕のファンらしく
姿を見かけたので、お近づきの挨拶に来たとの事だった。
「…初めましてKです。いつも映画とか見させてもらっています」と言った。
その声に…特徴があるなあと思った。
そう風邪声の様な感じが一番解り易いかも?ただ僕は嫌いな感じでは無かった。
それでもファンって言われて、この商売をやっていて嬉しくない訳ではなかったので、
彼女が差し出した白いハンカチに僕はサインをしてあげたのだった。
その時交わした一言、二言の言葉は覚えてはいなかったけれど彼女は覚えていた。
男と女の感覚の違いなんだろうなあってのちに思った。
0072名無し百物語垢版2020/10/23(金) 17:02:26.96ID:hWngUlZ8

運命の女神様とは面白いいたずらを時に仕掛けるものだなあ…
って思ってしまった。
あの関西出の監督が温めいたという映画脚本をベースにし、小説の賞レースを勝ち上
がりたいという女性作家の意欲作を加えた映画「夢かうつつか」のヒロイン役になぜ
かKが残っていた…
いや、ほぼKに決まりかけていた。(正直、事務所パワーってヤツだろ?)
だが監督の【Hg】は愚痴っていた。
「ヒロインの夢架はさあ、26才の女なんだよなあ…」
「あの子、二十歳前だよ…」
「23〜26にかけての女の時間の彩り、色の濃さ…だせる訳ないよなあ…」
そこで僕が提案した「…監督、僕が彼女の演技指導をしてあげたいと思いますが」
「そ、そうかぁ頼む、助かるよ」
僕には別の目的もあり、彼女Kに近づく事は好都合だったのだ…。

8《独白》
正直驚きだった。こんなにも早く〈誘い〉乗ってくるとは…と思ってはいなかった。
僕の内心では
「こいつはすごいアホか、それともパパ活の延長か、それらの何かと思ってはいない
だろうなあ」と疑ったりもした。
が取り敢えず「…ファンなんです」と言ったKの言葉を信じてみようと思った。
東京湾岸のとある町の片田舎から18で出て来たとはいえ、高校は卒業し今では横浜
の2DKに住み。都内の同年代の女子ら行く所は網羅しているだろうし…
ましてや情報や感覚だっても、然程変りばえしない…?
そんな年頃の女の子が全く危機感が無くやって来るなんて…と軽く恐怖も覚えたが、
あの監督との映画撮影が始まってから現場でのKの事を見てると理解った。
何度か僕の名義だけで芝居の稽古部屋として借りている都内の2LDKマンションで
僕らは身体を重ねあった。
そしてやがて…彼らと【K】を始めてマンションで出合わせたのだった。
0073名無し百物語垢版2020/10/24(土) 22:43:10.63ID:zRtKodKu

最初のメンバーは若手イケメン俳優の【M】、中堅お笑い芸人で声に特徴がある【Y】、
背の小さいベテランの芸人の【O】の3人だった。
最初は僕とYの飲み会にKが合流って形で、そこにMが加わり、最後にOがゲストと
してやって来るという僕の考えた演出だった。
秘密のパーティでは最も若いMが隠して持って来てた【アッシュ】と【カップ】と言
うトランキライザーの一種らが実にキイた。
が以外にもKは薬(アッシュ)にも抵抗が無く受け入れたのだった。
「…あっち(K国)に行ってた時に一緒になった…女優さんからもらって」と答えた。
その直後にOが「またまたあっちイケメン俳優さんからと違うん?」
と酔って赤い顔で言うものだから、益々猿っぽく見えた。言われたKも少し頬を膨ら
ませてる様にも見えた。
みんなでヘロヘロの一歩手前まで行った、でそこからがパーティの本番だった…。

10
次のパーティは3週間後にセットし準備・用意した。
Kの方は脇のモブ役の単発のドラマの撮影が終わった後、緑山の方から戻らせた。
だが、この前参加のMは主演のドラマ撮影の都合で調整がつかず欠席。
Oも番組のロケで九州地方に行ってるので欠席だった。Yは番組の撮りが遅れ気味な
ので「遅刻するね」という連絡があった。
で次に選んだのがドラマで競演した事もある、太目の体だが声に特徴のある俳優の
【Kd】、同じくドラマ共演の空手の道場主の息子でイケメン系やんちゃ役者の【N】
という面子だった。
二人ともKとは初めて顔を合わせる。
以外とKの事がタイプだったのかKdが熱心にKの事を口説いていたが、とうのK本
人は気もそぞろだった。
0074名無し百物語垢版2020/10/24(土) 22:54:55.34ID:zRtKodKu
11
今回は気分を高揚させてくれる秘密のお薬も、媚薬も、優しいイケメンMも、笑わせ
ながらリードしてくれるOもいない。
(Kは乗り気ではなかったが)Yもまだ着いてはいない。
それでもパーティは僕の掛け声で始まった。
Kには始まる前に渡しておいたゆったり目の薄いグレーのワンピースを着させてある、
勿論、その下はもちろん真っ裸だ。
ワンピース自体はアメヨコで買った中古の安物で、すぐに破れる様に出来ていた。
それをNとKdが引っ張るとKのまだ若い肉体肌が見え、その体と肉が弾ける。Kd
がKの体にむしゃぶり付く、それを脇から見つつも美人妻(某女優)が身重で、フラ
ストレーションが溜まりに溜まってるNが力でねじ伏せ、強引に事を推し進める。
Kdもここでは負けじとKの腕を取り自身のモノを握らせ咥えさせた。

12
Nは力任せで強引過ぎたし。太目の体で圧迫感と供に、にじり寄ってくるKdでは、
まだ精神が子供、子供してて割り切れないでいるKでは、相手を感じさせる事も自分
自身が乱れ感じる事ですら出来なかったのかもしれない。
だがそれでも…僕はただそれを黙って見ていた………
額にはじんわりと汗が浮かんで来ていた。

「…なあ…あんたはしないのか」とNやKdが動きを止めてまで聞いてきたが、僕は
首を横に振っただけだった。
やがてKを下にしていたKdが適当なところで果てると、逃げる様に部屋から出て汗
を流しに行った。
Nがその後Kの事ををAVの男優の様に攻めたてた、それでぐったりしたのかKも人
形の様に体を横たえた。そんなKで、Nは義務的に果てると体を離し、即シャワーに
行った。
ふと気づくと僕のスマホのライトが点滅しており、Yからラインが入っていた。
〈本日、収録にてトラブル発生。不参加。すまぬ〉という内容だった。
そのトラブルの原因が、司会者の所属する事務所のお家騒動だと知ったのは数ヶ月も
後の話だった。
横たわるKを見ながらNとKdを送る準備をしなければならないと…僕は思った。
0075名無し百物語垢版2020/10/24(土) 22:58:38.68ID:zRtKodKu
13《独白》
NとKdを帰らせてから、彼らとKの行為を隠し撮りしたのをKに見せつけつつ、僕
はKを抱いた。
何度も何度も強く抱きしめキスをした。その人形のようになったKの体と心を鷲掴み
にし、抱いた…まるで今までの僕じゃないかの様な動きと、ヒトケモノの様な声が迸
った。
そして、初めて彼女の中に僕の精を迸らせたのであった。
僕の下でKは声を抑えて泣いていたかもしれないが記憶が曖昧で思い出せずにいる。
やがて体を起こしたKは、足を引きずる様に風呂場に行った。
僕も少し間を置いて行った。
「ねえ入るよ」と一言だけ言って入るとKは滝に打たれる修行僧の様に冷水のシャワ
ーに打たれていた。
僕は後ろからそっと抱いた。少し震えてる感じもしたし泣いている様にも思えた。
その強めのシャワーの音だけが真夜中の東京に響いてる気がした。

14
あの夜…僕が初めてKの内で果てて以降、Kの中で何かが変わったように思えた。
それからは月に1,2回ほど定期的にKも交えたり、呼んだりして積極的に〈パーテ
ィ〉を開いた。
メンバーについてはその時々で若干の変更もあったが、大抵はなるべく独身の芸能人
を選び、口が堅い事、業界内に友人、知人が少なく、パーティに参加すると後ろめた
さが残る様な男性らを中心に選らんでいた。
回数を重ね、その度にKの中にあった〈蠱惑的な魅力〉や〈魔性の女〉は少しづつ上
がっていった気がした。
メンバーを1、2人づつ替えつつもパーティを数回経た後には、彼女は上着を脱ぎ、
下着姿になっただけでも、一部の参加者らを熱狂的に喜ばせる迄に〈蠱惑的、小悪魔
的に〉仕上がっていったのだった。
「…この娘、いいな」
「まったくいい娘を仕込んだもんだな」
「また、アッシュキメてやろうなあ」
などとKの夜の顔には賞賛の嵐が吹付けていたのだった。
事務所側が目指す表の顔である〈清純派女優〉を目指して奮闘中の若手駆け出し女優
と。裏の顔である原始の娼婦〈リリス〉の様な魅惑的な私娼とのギャップの差が男ら
を蕩けさせたのだった。
「まったく最高の女の子だよ、Kちゃんは…」
0076名無し百物語垢版2020/10/24(土) 23:05:34.72ID:zRtKodKu
15
僕とKがそういう関係になり、もう2年近くが経っていた。
妻にはなんとかバレずにKと続いていた。その間に、いつの間にかKは21才になっ
ていたのだが仕事の方はまだまだ、駆け出しの…女優とも呼べないレベルの仕事しか
来なかった。
彼女の誕生日を…遅れてしまったのだが、僕とKの二人だけ祝った。大っぴらにどこ
かへは行けないので、家族単位の予約だと優先して個室を用意してくれる鉄板焼き屋
を僕が若手のマネを使って予約した。

(連絡方法は、某掲示板を使い暗号化し連絡した)
夜の7時前に店に到着し、店内に入ると店員が案内をしてくれた。個室、家族別の部
屋は4部屋あったが、その日は僕らだけであった。
「酒は飲めるようになった?」とKに聞くと、声を出さずに頷いたので、生ビールを
グラスと僕の分は中ジョッキで頼んだ。
「K?何食べる?食べたいのある??」
「…初めてなんで、お任せします」
「じゃあ、〈季節のお任せコース〉とアラカルトで、ホタテと、牛肉のフィレを…」
と僕が積極的に頼んだ。(Kはとくに好き嫌いが無いのが助かる)
飲み物が来たので二人でグラスを合わせ、乾杯をした。
ほどよく赤くなったKを見て僕は素直にカワイイと思った。

プレゼントも渡し終え、頼んた食事もほぼなく終り、あとはデザートぐらいになった
時にKがバックの中から取り出したのは少し古いカメラだった。
「記念に一枚いいですか?」とKが聞いてくるので、僕の事を撮るのかと思ったらば
自分の事を撮って欲しいとの事だった。
「変だぞ?」と言ったらば
「好きな人の事は…私が撮りたいんです」と返して来た。
「(わかったよ)」の意味で首を縦に振ると僕は彼女愛用のカメラで彼女を撮った。
この1枚の写真が、後々にやがては大きなトラブルへと変貌していくとは…その時は
まだ思ってもみなかった。
0077名無し百物語垢版2020/10/24(土) 23:14:35.29ID:zRtKodKu
16《独白》 
Kと体を重ね始め、彼女の話を寝物語に聞いた。
が幼い頃に別れたという父親の事では多少ながら驚いた。以前、ある著名な芸事務
所の外部役員だとKから教えてもらってはいたのだが…
(*本業はまた別会社(外資系企業)の役員とのこと)
でその名前を聞いて驚いた。なので現在Kが所属する事務所FでKが新人レベルな
のに待遇が妙によい訳が解った気がした。
「…ねえ、私を怒らせると実は…怖いんだよ」
と笑いながらいうKの顔がまじまじと見た後で、まだ子供の様な笑顔のはずなのに
背中では悪寒が起こったのを覚えている。
また彼女は家族…姉らの事をこう評している…一番上の姉はKの芸能活動にはどち
らかと言えば批判的であり。独善家。
二番目の姉は好意的ではあるが嫉妬心は大きい…だったと覚えている。
0078名無し百物語垢版2020/10/24(土) 23:22:49.30ID:zRtKodKu
17
彼女がポツポツと話した中には…
母親は、自分の父親が遊興業(パチンコ)で作りだした資産でKらには大学に行って
もらいたかったみたいな素振りを見せていたのだが…
結果、姉らもKも進学をしなかった、末子のKですらも母や祖父らの希望を叶える事
は出来なかったという事になる。
女ばかりの家の中は賑やかだった事だろうと頑なに想像される。彼女の祖父は地元で
3店舗のパチンコ店を経営しているとの事だった。
昭和の時代の暗黒部…オイルショック後すぐに川崎から妻と二人の子を連れ、今の街
…対岸の街へと流れ流れてやって来て、その後、東京湾工業地帯の発展と共に興行…
遊興業として財を成していった。
「…なあ大学に通ってたらどうなってたの?」
と例の…あの映画の撮影の合間に聞いた事がある、Kはこう答えた。
「多分、普通の大学生やって。普通の恋して普通に過ごす。でもお金がなくなったら
もしかした援交しちゃうかもね」とあっけらかんと言い、ちょっと驚いた。
その後のシーンで僕らはカメラの前で情熱的なキスを何度もした…。
それから数日後に僕らは初めて体を重ねた事になる。
彼女がまだ18才と何ヶ月…って頃だったと思った。

18
彼女の家庭事情はかなり複雑で、姉らとKは全員父親が違うのだという。
なので、一番上の姉と彼女Kが並んで歩いていても事情を解っていないと姉妹だとは
思われないらしい。
それらの話は彼女の地元では通った話だった。
一番上の姉は地元の高校から専門学校に行き、卒業し都内のカメラスタジオでアシス
タント兼事務として働いているとの事だった。
スタジオの名前を聞いて誰かピンと来たくらいの長身の美女で…確かにKとは似ても
似つかないタイプの女性だと思った。
すぐ上の姉(2番目)はいわゆるヤンキーで、中坊上がった頃から色々とやんちゃし
ていたらしく、折角の高専も中退したみたいだった。
今は実家から隣の街のホームセンターの準社員として通っており、実家住みの姉とは
彼女の事を指すらしいとKから聞いていた。
彼女の画像をKから見せてもらったが三姉妹の中では、もっとも二人には似ていない
と思えた。まず身長が低く155cm程度、可愛らしいヤンキーって感じがした。
東京湾の東側から出てきて一番最初のアパート…
川崎のアパートに住んだ時、その二番目の姉が免許取り立てだったので高速を渡って
遊びに来る事があったと聞いている。
Kにとっては悩みを相談出来る相手だったのだろう…か?
0079名無し百物語垢版2020/10/25(日) 12:24:22.99ID:sZo2PHmi
19
「僕の本音じゃ…Kと合わせるが事自体が嫌で、辛い」のだが。
僕の個人パーティの事をどこかから聞き、俳優【I】が向こうの方からすり寄って来
たのだった。
俳優Iがサドっ気の強い男だというのは話を聞いていたが、ここまでだったとは思わ
なかった「…秘蔵のビデオだよ」と言って見せられた中には、共演した事もある女優
【Nm】がIとくんずほぐれつの痴態を見せているだけでなく。
直接見えないトコには青あざがあったりした。
「オシリを適度に叩くといい声を聞かせてくれるの」
「顔はダメだよ、ボディだよボディ…」というとIは瓶ウォッカを呷った。
場面が変わりNmが下になり、Iが上で腰を振っているとまたこう彼は囁く…
「…首を絞めてあげるとアソコの締まりがぐっと良くなるだけじゃなくて、本人も気
持ちがいいみたいなんだよね」
と僕の耳元で囁くのでセリフが飛びそうになった事もあった。
「…俺の羞恥の…恥部をここまで見せたんだ、なあ今度はキミの作っているという…
ドールちゃんを俺に見せてくれるのが…フェアってもんだろう!?」
とギラギラした目で言われ、僕は…イヤイヤ頷いた。
0080名無し百物語垢版2020/10/25(日) 12:34:03.85ID:sZo2PHmi
20
「ねぇここへ行ってくれないか?」
と僕はKにあっさりとした感じの芝居で電話をした。
電話を受け取ったKも、ただ何も言わずに「うん」とだけ言って電話を切った。
それから数時間後に…あっちの国から来た葉っぱなどが出ス〈むさく甘い匂い〉のす
る部屋でだけ会う、そんな奇妙な二人の関係がバチっと断ち切られた時だった。

《独白》
妻が僕の芝居練習部屋へとやって来たのは1年ぶりぐらいになるのだろうかな?
勿論、その手には子供達もいるのだが。
「ここがパーパのお仕事の部屋ですよ」
と妻が娘達に説明し、話しかけていきつつも僕の浮気の痕跡がないかとチェックをし
ていく抜け目のない女だ。
逆にまるで千鳥が鳴くような声で、あれやこれやと語りあう二人の双子らは見てても
また耳も楽しませる。
僕は彼女らを抱く時もKの水滴をはじく柔肌を抱く時も、同じように傷付けない様に
注意して抱くのだ。
その傍らで物色するような妻の腕の中では、この前生まれたばかりの、たった一人の
息子が抱かれ眠っている。

がさつで、むらっ気と気質的に雑多な所のあるKは片付けをしない。
いや語弊がある片付けを得意とはしていない。
お陰で妻が疑うような変なモノや証拠が出て来ない。普通は疑われるだろう…長い髪
の毛だってもイヤリング類であっても、芝居の練習部屋であれば…誰か女優らが他の
人と一緒に練習に来てたから…って事で済ます事が出来るから、有難い事だと思って
いる。
妻が昔の台本や、いたずらで書いた脚本。趣味で読んでる本、誰かが持ち込んだ本…
そしてKも読む雑誌などを詰め込んだ本棚の前で立ち止まりこう言った。
「あ、懐かしい…毎朝のドラマの脚本じゃない」
「…それは捨てる事は出来ないよ」
と僕はすぐに返事をする。そこへ千鳥が鳴くような声がユニゾンで聞こえて来る。
「パパーこれ何―」と台本の束の脇にあった、Kが以前持ってきた猫のおもちゃを手
に取り娘達が駆け寄って来る。
彼女達を見ながら僕は、今頃都内のシティホテルの高層階で逢っているだろうIとK
の事に一瞬思いをはせた。
その邪まな思いを払拭する様に、かぶりを振ると二人の娘にはKにもまだ見せた事の
ない、とびっきりの甘い笑顔を見せたのてこう言ったのだった。
「さあさあお姫様達…お昼ご飯は何を食べたいんだい?」
0081名無し百物語垢版2020/10/25(日) 12:45:25.73ID:sZo2PHmi
21
渋谷、六本木、新宿、池袋…などはマスコミらの目が厳しい。
かと言って他の繁華街とて市井の目がしっかりと行き届いているしネットの目もある。
正直、都内…古い言い回しならば…コンクリートジャングルってヤツだ。
それらをツアーするのにも…僕の様な多少でも名の知れた既婚芸能人が、まして若い
女の子を連れ回して簡単にする訳が無かった。
〈「はい、上手に撮ってねパパラッチさん」〉って感じである。
が僕が隠れ蓑にしつつ、行動を可能だと提唱した街がある…それがある街であった。

この街が最初は嫌いだったのだが…足掛け数年…で好きになっていった。
大きな公園、歴史ある食べ物屋、雑多な繁華街…そして路地裏の墓地群…ここからな
らば必要であれば別の街へも移動は可能だし、下町特有の路地裏に身を潜めパパラッ
チらの襲撃の眼から逃れる事も出来る。
海外へは一本の路線でも行ける!し、なによりも土地柄年齢層が高く、あまり僕らの
世代の事を気にも止めないというのが…実にゆるいリスキーさでもあった。

「ねぇここ(〇〇地内某ホテル)へ行ってくれない?」
と僕はKに執着心も無く、実にあっさりとした感じの芝居で電話をした。
単発の電話を受けたKも、ただ何も言わずに「うん」とだけ言って電話を切った。
それが二日前にKに頼んだ事だった。
そして僕は何食わぬ顔で〈家族〉っていう単位グループと僕とKが疑似愛を囁く部屋
で会ったのだった。
0082名無し百物語垢版2020/10/25(日) 12:58:04.96ID:sZo2PHmi
22 Asaid
Kは部屋をノックした。
黙ってドアが開かれ。そしてその部屋の中に招き入れられた時に初めてその人=顔=
俳優【I】だと知ったのだった。
その部屋で初めてIと出会ったKは最初は戸惑ったみたいだった。
「Iさんですか?は、初めまして…Kです」
がIの方から積極的にいったみたいだったとKは後日、僕に教えてくれた。
「…ふ〜んキミが【僕ちゃん】の大事にしているお人形さんかあ…」
その言葉にKは違和感を覚えたみたいだったよ、とIが僕に教えてくれた、僕は余計
な事を…と思った。
「本当にIさんですか?」
「この顔、他にいると思う?」
「…確かに」
「ま、立ってないでキミの為に高いシャンパンを用意してあるから、まあそこにでも
座って飲みなよ」
「はい…じゃあ戴きます」
やがて…KとIは熱烈なキスをした。で長い時間をかけて抱き合い、絡み合い、そし
て互いに果てて…眠った。

22 Bsaid
数時間程、深く眠った後で先に起きたのはIの方だった。
KはIの性交に深いオーガズムを感じ、目覚るのが後になった様だ。
IはKの財布から免許書を勝手に抜き出し、見ていた。そして彼女にこう言ったのだ
った…「へえキミ、9月生まれなんだ…どれどれ占ってあげようか?」と。
Iが占星術に懲り、それを習得したのは二十歳を過ぎてすぐの事だったようだ。
「そ、それがどうかした」
自身のバッグの中身を勝手に触れられたKの声には怒気が含まれていた。
「時間、生まれた時間は聞いた事ある?」
「…生まれは時は夕方だったと…」
「で血液型がA…」
「それも関係あるんですか?」
「…ま俺の占いの仕方じゃね。…今の所、芸能活動は…万事悪くは無いと思うが……
ん?1年…いや2年後は気を付けた方がいいのかもね?」
「何にですか?」
「…ちょっと大きなトラブルが出そうってある」
「…はい、他にはありますか?」
「おっ乗ってきたねえ…ふ〜ん為る程。これ大事だ、キミはアイツ(僕)の奥さんと
は相性が良くないかもね?近づかない事、構わない事、そして何かあったら逃げる事」
Kは、はだけた胸を隠すように毛布を手繰り寄せた。
「そ、そうなんですか?」
「彼女は怖いよー、人型の雌ライオン…って感じかな?ただ普通に出会いに行った
らば頭からガブリ!だね」
Iはベッドから降りるとLDの真ん中にあるソファーへと行き、腰を下ろした。
「ダンナさんと浮気…してるんだし、と当然ですよね」
「んん!それだけじゃないんだなあ…キミがある女の子と同じ誕生日だからねえ…」
「ある人って?」
「一応、女優かな?オルガって老舗の芸能事務所に…まだ居るのかな?その子、今
しばらくの間、干されてるけれどね昔は人気女優だったんだよねえ…」
(Kは無言になった)
「ま、九州の田舎の方から出てきて、煽てられて、持ち上げられて処世術も知らな
い顔面だけのバカな子だったけどさ」
Iはソファーに置いてあったジャケットの中から巻タバコを取り出すと火を点けた。
それはなんとも言えない甘い匂いのするものだった。
「…あの…やっぱりついで聞いちゃいますが、やっちゃんたんですか?」
「はい、美味しくいただきましたよ」
とIがおどけて言うのでKは屈託の無い顔で笑った、その顔は僕には見せた事の無
い顔だったよ…とIは後日僕に語った。
0083名無し百物語垢版2020/10/25(日) 13:09:02.53ID:sZo2PHmi
23《独白》
【I】とのSex&彼から勧められるドラッグ類の味を覚えたKの中の〈戯女の血〉
は覚醒を増々加速化していった。
とにかく…残念な事なのだがIとKは身体の相性が抜群に合うようだった。
元来Sっ気が強いIと。受け身のM気質もあるKのカプはエッチだけでなくプライ
ベートでの付き合いも不思議と馬が合っていった。
夜の街をIと共にKは流していった、と同時にKの仕事も格段に減っていった。
Iが売れっ子のバイプレーヤーなので仕事の切れ間が無いし、ロケによってはだが
全国どこへでも行くからだった。
やがてはKはIの高級マンションの部屋へと転がりこむ様になっていった。
で僕らの…僕とKとの芝居の部屋での事…関係は少しづつ疎遠になっていった。
がモテモテ年中発情期俳優のIの異性関係の派手なのが、K一人で簡単には収まる
訳ではなく。
KとてIが手の内に置いているガールズの一人ではあるのだが。
他の女達らとは違うのが【I】の部屋(寝室)に入る事を許された者だという事だ
けだったが…それで、なんとか、Kは自身の矜持(精神のマウント状態)を辛うじ
て維持していたのだった…

その頃の僕と言えば、Mは売れに売れ、Oも仕事に復帰し、YはM以上に売れっ子
となり…あの部屋での〈パーティ〉を一時的に封印し、子育てイクメン仮面の真っ
最中だった。
上の子達はインタースクール系の幼稚園に行き、朝から片言の英語を話すし。
少し病弱な下の男の子の世話の為、妻は手がかかりっきりになっていた。僕は彼女
の手伝いを齧る程度にしていただけだが。
丁度その頃は主演の映画なども決まり、ドラマも好調だったので落ち着いてきてお
り、生活に余裕もあった。
0084名無し百物語垢版2020/10/25(日) 13:28:38.49ID:sZo2PHmi
24
「…なあK…?」
「K?」
「おい!!Kっ!返事をしろよ!」とIは怒鳴った。
地方ロケも長期ロケも無く、日曜日の昼下がりでIしては珍しく3日間程自宅の周
りでゆっくりと過ごしていた。
その時KはIに買ってもらったヘッドホンをし、大好きなK-POPを大音量で聞
いており、Iの声が届かなかったのだった。
がIのその大きな怒鳴り声に気づいたKは、ソファの上で紙巻マリファナを吸う彼
に近寄り、その筋肉質な首すじを抱きつきつつ甘える声で聞いた。
「へ?ごめんね…カン・ジャムーの新曲聞いてたから。でなあに?何か用事」
マリファナを灰皿に置くと、手放しIはKにこう言った。
「…なあ俺と…一緒にタトゥー入れるか?」
「へっ…なぜに?」
KはIに対して不思議そうな顔を見せた。
「だって俺達は似た者同士の仲だろ?…キズナの証って欲しくね?」
Kは一瞬、躊躇と戸惑いに近いのを見せたが、そのIのキズナの証って言葉が彼女
の琴線にダイレクトに触れたみたいで数秒後には「うん」と頷き彼の顔にキスをし
たのだった。
「よし、じゃあ今度の日曜日に俺馴染みの行こう…」とIはKの頭をぐしゃぐしゃ
に撫でながら言った。
「うれしぃー」とKはぽそっと呟いた。

25
実はKは以前、Mにも似たような事…タトゥーを一緒に入れないかと言われた事が
あったのだった。
MとKの環境…生まれや今までの生き方とかが、なんとなく似てるって気が付いた
のは、事務所で一人確定申告の為に深夜までPC作業してる時にだった。
僕の給与は妻のAとは違う、母の名義を経由してある個人設定の法人口座なので、
Aにバレるとまずい事(主な経費には〈あの芝居部屋など〉)になるからだった。
仲間、事務所の連中とも飲みにも行かずに、いそいそと領収書の取りまとめなどの
作業をしていた時にふと頭の中に浮かんだのだった。

Mの家庭も複雑であったと聞いていた。
「…たいした努力家だな」と以前Mに言ったらば彼はこう返してきた
「家…実家には帰りたくないから…しがみつくしかないんだ」と。
海が近い町で生まれ、母親の再婚などの都合で引っ越し、その後で複雑に入り組ん
だ少年時代を経て、某有名劇団への推薦枠をゲットし、その後も努力を重ねた上で
現在の地位まで登りつめている。
Mの父(亡父)、母、Mの父(義父)、そして謎のオジさんという存在は谷崎潤一郎
作品の様な…甘美な匂いが感じられて僕は大いに、彼と彼の環境に興味を持った事
は事実だった。

Kは一応、とある場所でマネージャーがスカウトの形式で…と事務所内外では通っ
てはいるのだが………実際には彼女の父親の影響力も、大きいのは前にも言った通
りだった。
なのでHPに載ってる経歴などは練って考えられたストーリーであり。
それは現実には存在しない話だ。
彼女の…関係、いや所属事務所にとって彼女という存在は、事務所の発展、利殖と
契約延長上の為にある。
彼女は《預かりモノ》なのだ。
「…ねえ、私を怒らせると実は…怖いんだよ」
がK自体の家庭環境はMと似て複雑なものであった…
それもお話した事があると思った…
それらは彼女の祖父の影響も強いからもあると僕は思っている。
女系家族の中で唯一の男性による強烈な支配…その祖父には谷崎の小説の中の日本
の古い強烈な個性の男が発する様な匂いが感じられると思った。
「…ネエ、ネエ聞イテルノ?私ヲ怒ラセルト本当ニ…怖インダヨ」
0085名無し百物語垢版2020/10/25(日) 13:43:35.16ID:sZo2PHmi
26 A side
IとKはお揃いのタトゥーを彫った。
Iは左脚のふくらはぎに、Kは左の腰の辺りにだった…
「…これで水着の仕事、特にビキニの仕事はNGだね」とKはIに向かい言った。
「…俺以外にその肌を見せる必要が…お前はあるのか?」
とIからは言い返されたとMから聞いた。
「うんん、そうだね…事務所の仕事は〈清純派だもんね〉…Iさん大好きだよ。
もちろん、私の事も…だよね?」
「当たり前だろう?」
「ご飯…食べて帰る?」
「ああ、いつもの所がいいが?いいだろ?
「うん、あそこの焼き魚定食好き。それに他人目も気にならないから」
「じゃ決まりだな」
この時がこの二人にとっての一番のギジ恋愛のピークだったんだろうと僕は思って
いる。この頃からIはKに寄りそうな事はせず、ちょっとした距離を取っていたと
Kは僕にぼやいていたなあ…と思い出す。

22 B side
その話をYから聞いたのがついさっきの話で。
でMがIに喰ってかかったのは数日前の事であった…
原因は勿論、Kの事であるらしかった。
「…お前には関係ねえだろ」
「そうでも…ないですよ」
「セックスの回数で…アイツとの経験値決めるなよ、優男…」
「いくら先輩でも、それって言ってていいと思ってんのか」
「子供のケンカじゃねえんだ…もう止めろ、時間だ」
「顔に何か付くとマズいっすもんね」
「お互い様だろ…もう、近づくなよな…ベビーフェイス」
MもIの知人の一人であるし、演じる者として先輩、後輩の仲でもあった。
だがIばかりが当時のKを独占し始めた事に嫉妬という訳ではなく、Kが情緒不安
定に陥りそうだった事が複雑な家庭環境にあるMにとっては…琴線を引いた所なの
だろうと僕は思っていた。

それだけの理由でもなかった。
Kの魔性がそれをK自身が望んで発動を開始し、周囲を狂わせ始めていたと後で思
ったのだった。
後日、Kが僕の下に戻って来てから、その件のソレを風呂場で見せてもらった。
ハート図案化したモノだった。
シャワーをかけた、洗い流そうとした…「…ねえそこばっかりかけないでね?」と
Kから言われた。でそれを僕は高い治療費を出して消させた。
Iが残したキツい残り香みたいで…気持ち悪かったカラダ………だった。
0086名無し百物語垢版2020/10/25(日) 14:01:27.73ID:sZo2PHmi
27 A side
そんなこんなではあったが、やがては…そんな蜜月にも満つる月が来て、ゆくっり
と欠けていったのだった。
IはKに飽きた…
激辛料理は味に奥行きが無いと…やがてその味に飽きが来るものである…
KもIに飽きた…
見た目がよくても、味にしっかりとしたコクない料理を女は飽きるものである…
ある日。ふときっかけでIもKも互いに到達した=満足しあったの感じた。
「(辛い料理ってこんなもんだったのかあ…)」
何か満ち足りてしまったと思えた…
最後の場所はIの自宅ではなくて、渋谷の裏手にある芸能人お忍びのラブホだった。
「じゃ、この先は互いにNGだな」と言った。
「うん。知らないふりの人の…ままでね」ってと返した。
二人は自然とその渋谷の繁華街裏のラブホを早朝6:45頃に出ると、どちらから
とも無くそう言いあった。
で互いに別々の方角へと歩いていき…プライベートでは二度とは会う事は無いだろ
うと思った。
別れたその日のうちにIがした事とは。
Kと一緒に彫ったというキズナタトゥーに手を加え、別のモノにしした事と。前か
ら声をかけていた新たな女と暮らし始めた事だった。
新しい女はモデル…のある有名一族の血の流れを組む著名なモデルだった。
しかしこの女性がIの俳優人生を狂わせる事なったのは又、別の話だ。

27 B side
でKの方はというと。。。
突然、僕の後ろで「にゃあ」と彼女が言い、その後、ネコが舌を出すような仕草を
した様な気がした
いけしゃあしゃあと…Kはまた僕の所へと戻って来たのだった…
でもなぜだか、僕は「別に…あぁ…そう」ってな感じがした
家で飼ってるネコが勝手に出て行き、また勝手に戻って来た
…そんな感じがした
またはゴロゴロと喉を鳴らす、世間の蜜の味を覚えたズルいノラ猫みたいな感じで
ある意味で大きくなって戻って来たのだった…

Mが怒って興奮した様に電話を寄越してきた…
そのトラブルの事の原因は、Kがある映画に出たいと言い出した事からの様だった
無論、当然と言わんばかりに僕にも彼女は声をかけて来てる。
「確かに後輩はエントリーはしてますが、実際は実力勝負です」
「なる程、彼女の考えも聞いてみないと…」
「困ります…」
「…すまない…気を使わせてしまって」
僕はまずMをなだめた後、その後でKを叱った…
Kが膨れ面をするかと思ったが、そのKはペロりと下を出してきた。
彼女の中の魔性の彼女に魅かれてる僕は、挑発的な彼女と熱っぽい口づけを交わし
てしまっていた。

その「十三人の死にたいこども等」という映画には、監督・制作サイド推薦の実力
演技派という若手俳優が数人。
オーディションによって計13人の出演俳優を決め、群馬の外れにある地方都市に
指定されたロケ現場で約3ヶ月間寝食を共にし、その映画をびっしりと撮影すると
の事だった。
原作は有名作家、監督はあの【T】という個性派監督、脚本はTとタッグを組む有
名女性脚本家…と面子もさる事ながら、その映画に出られるという事は20代らの
実力派役者らが集結する=2010年代の代表とさせるオベリスク作品になる可能
性があった。
そしてKが恋して止まない俳優【Tr】の彼女と目される若手女優【Ks】も参加して
いたのだった…
0087名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:16:45.41ID:Ckjt8zKo
28 A side
IもMもOもKdも…彼女は彼女自身と関係のある(見えない紐に繋がった相手)者
には皆に声をかけていた。
そして僕のあの部屋を使って彼らから真面目に演技指導を受けていた。Yからは面接
に対する相手との気の引き方、駆け引きなど習っていた。
今迄見た事のない必死な顔、姿も僕は見せられた。
彼女は…へぇ役者だったんだなあとその時は僕も思わされたのも、また事実だった。
が…結果は残念な…いや惨敗な結果に終わったのだった。
まずは他の参加者のレベルが違い過ぎた。
事務所の後輩【Ki】も受けていたので関係者に都合をつけ、合格者を名簿を見せても
らったのだが…ざっと見ただけでも確かに女子で、Kが演技で叶う相手は(後輩含め)
いないなあと思った。
だが勿論の事、その知り合いの情報によるとあのKsは、しっかりとある役柄の合格を
射止めていた。
会場で発表されたという推薦枠の5人の俳優、女優らはみな、放送・公開済みのドラ
マ、映画などの主役、準主役クラスを経験した者達…錚々たるメンバーであった。
ほかオーディションの参加者も各事務所から、その年代に合わせた実力のある役者ら
を出して来ており、オーディション組からの合格者にはKのように事務所のパワーで
役を取った者は一人としていなかったのだった。

28 B side
後輩Kiはこの先売っていこうと思われてる、演技派の女優だ。
美人ではない、またKや妻のようなスタイルももちあわせてもいない…が天性の演技
力というのは現在の事務所の女優部門トップの【Km】に匹敵するだろうという見方を
されている…そんな女の子だった…
そんなKiが言っていた「…まず芝居のレベルが違う…中には憑依かよ」って思うレベ
ルの子も居たらしい…と。
バレない様、まずは演技指導を含めての…という事でKiをカフェまで呼び出した。
KとKsとKiの3人がエントリーしたのが「マイコ」という役だった。
それで「マイコ」という役の話から始めてもらった、どうやらKが彼らと創り出した
マイコ像は監督ら制作サイドが思う、マイコ像とはかけ離れておりKiは全くマイコを
演じきれずに終わったとKiは言っていた。
(なるべく)さらりと…Kの事を聞いてみると…
「ああ…その子は演技自体が当初からマイナスでしたね」とバッサリだった。
「…マイコのズル賢さが出て来てないんですよ、マイコって見た目は普通のJKなんだ
けれど、父性の渇望…父に対しての愛情に狂ってて…」
「とにかく(Kさんって)女から見ても微妙な色気はあったけれど…なんか違うネって
脚本家の方には言われてたのを覚えてます」との事だった。
0088名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:25:13.15ID:Ckjt8zKo
28 C side
次の話ではまた別の芝居から始まって…KiとKと【Ya】という古参事務所の一つ研演
所属の女優が対決した「ミカ」の方では、Yaの自然体のイメージが役である「ミカ」
に、ぴったりだったとKiは言っていた。
「でこの子は?」とまたKの事を(なるべく)さらりと聞いてみたが。
「最初のからもう既にギャルっぽくない演技だったんで、1回目のリハでもうアウトが
決まっていましたね」
「終わってから(監督からは)キミの演技はギャルじゃなくてキャバ嬢みたいだなって」
「(監督いわく)JKギャルのイメージが古いって、前の世代のエンコーJKだなって」と
言われていたとの事だった。
40分程彼女に指導という御礼を言った後、見送ってその場を離れた。
そして…最後にMが聞いてきた話だと。
Mの後輩がオーディション組で一番気になったのが、背格好も姿も少しKと似ている…
【Ts】という若手の子らしかった。
が彼女は与えられた「ユキホ」という役の設定を見事にこなし、同じような恰好のKら
とは違った演技を見せたとの事だった。

28 D side
「〈…只今、電話にはでられません。ご用件の方はピーと…〉」
「また…なの?」
もう何回目のコールなんだか数えられなくなってきたし、解らなかったし、数える
気も無くなっていった。Mくんは完全に私の事をシャットアウトしてるんだ。

「〈…只今、電話にはでられません。ご用件の方はピーと…〉」
「また…かよ…何よ!」
もう何回目のコールなんだか数えられなくなってきたし、解らなかったし、数える
気も無くなっていった。Yくんは私の事をシャットアウトしていたと思った。

「〈…只今、電話にはでられません。ご用件の方はピーと…〉」
「また…どうして、ねえどうして?」
もう何回目のコールなんだか数えられなくなってきたし、解らなかったし、数える
気も無くなっていった。僕さんは完全に私の事をシャットアウトしてるんだね。
「〈…只今、電話にはでられません。ご用件の方はピーと…〉」
夕暮れ前から降ってきた雨が激しさを増していった。

28 E side
Kは荒れた。
その荒れ方は今迄の彼女の姿を知ってる人らだったば完全にヒいていた程だった。
配慮した…いや手を余らせた事務所側は…Kをしばらくは休み扱いにし…いや元々
Kに仕事らしい仕事などは無かったみたいだったが。
休暇を与えたみたいだった。
そんな経緯や、細かい事などは僕はよくは知らない。
だってその頃の僕はと言えば…
準主役の位置で時代劇が2本だとか、妻の歴史好きが切っ掛けで歴史番組のナビゲ
ーター役だとか、今までに無い仕事が舞い込んで来て、とても彼女の事を構ってや
れる程の時間は無かったし…
それに何よりも、僕には新しい女トモダチが出来たのだった。
0089名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:28:26.93ID:Ckjt8zKo
29 A said
それからも…僕らはたびたびは会ったし、お互いの部屋を行き来きもした。
したけれども以前のような二人には戻れなかった。
そして…11月のある日…彼女が突然キレたのだった…
>事務所に、バレて反対されたからとかさ。今は仕事が大事だからとかさ。
>そんなのって私だって同じだし、私だって同じ芸能人なんだよ!
>そんな事よりも好きだから!!!
>好きになっちゃったんだから…
>嫌な事も、変なクセも全部ひっくるめて付き合いたかった!!
>めちゃくそに愛情注いでくれないって…ムリって解り切ってる。
>だから…

29 B side
私Kは【僕】の秘密を売った
彼と私の過ごした私達の時間って以外に…安かったのには驚いた
「…大丈夫、しっかりと記事にするから」とか
「…気持ちは…しっかりと持ってね」とか
「これで生まれ変われるから」とか
安っぽい言葉が私の周りを埋め尽くし、それがフワフワと浮かんでいるのが私だけ
には見えるんだなあ…
マネージャーだけには「…売ったよ」と話をした…そうしたら軟禁されそうになっ
たから逃げ出した
0090名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:31:39.38ID:Ckjt8zKo
30
Nの事は家…どころか事務所すらも知らなかった。ま、はなからあんな美人妻に勝
てるとは思えなかったし頼るつもりも無かったが…
Kdは「これは人目から隠す為のビジホ代だよ」って封筒に入ったお金を…十万円
程?はくれたが、自宅マンションには上げてはくれなかった。
彼も既婚者だったのだけど、独身と偽って別の女性と交際していたと後日スクープ
記事で知って幻滅した。
Iの部屋には別の女の人が居た。
私が噂で聞いてた人…(一応、国内では)トップモデルの【Mh】さんではなか
った…相手はキョトンとした顔で私の事を見つめていた。
訳を…説明出来る範囲で彼女に話ししてみた。が「Iは…撮影で東北の方へ行った
まま、来週まで戻って来ない…」としか言わなかった。
「…失礼します」って言って自分からその場を下がった。お休みの間で知った事な
のだが、とあるスポーツ選手の奥さんだった…
Oは元々あった精神疾患の症状が加速し、休業中だった。
で故郷から家族が来てて彼の世話をしている為、彼のマンションには行けなかった
し。気持ちの純粋な人だから…迷惑をかけたくなかったから…彼の所には行くつも
りも無かった。
Yは…某TV局近くの喫茶店で会い、20万ほど入った封筒を渡された。
「…これで最後だね」と言われ、私はきょとんとした顔になった。
「じゃここのお代は払っておくから僕が出た後で…ゆっくりとしてから…店を出て
行ってね」って言い、彼はコーヒーを一口すすると喫茶店を出て行った。
彼も後である女優さんと結婚した事をスクープ記事で知った。
最後に…Mさんの家に行った…
もう既に、そこはからっぽだった…どこかに引っ越していたのだった。彼の携帯に
電話をしてみた
「…Mさん、Kですが…げ、」
「…あのぉ…すみませんが、どちらさんですか?」
という聞いた事の無い女性の声が聞こえたので、「ごめんなさい」して即切った。
番号も変えてたなんて…知らなかった。
私の頭の上に降る雨は…ただ濡らしていくんじゃなくて…私との繋がりですら、寸
断させていくんだな…って思ったんだ。
0091名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:32:35.30ID:Ckjt8zKo
31
トボトボと歩いた。。。
コンビニの透明傘を差して何駅も、何駅も。。。
(ワタシが)どこに居る、(ワタシが)どこへ立っているのかも分からない。。。
あの記事で話題になった。。。
例の私。不倫、不貞女、泥棒ネコ、ズルい女、魔性の女、淫〇女、淫〇…とかと
言われてる、例の私。
「私はここに居るんだよ」って、、、声は出なかったけど。。。
私だと思っている人は何人いたのだろう?

私は…そのうちの事務所の先輩であり、若手の女優の中でも売れっ子の一人
【Ak】のマネージャーさんらによって保護(確保)された。
私のマネージャーさんら…親しい人らは、みな解雇されていたみたいだった…
保護された直後には事務所の偉い人らからは、
〈なあお前…ちょっと間、ここ(韓国)に行って来いよ〉って言われたけれど……
コロナ蔓延の影響で行けなかった…みたい…(?)
その時の事とか、それから先の事とか、関係・関連する記憶はあまり思い出したく
はない…ま、とにかく色々あったんだよ…短い間にだけどさ
0092名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:36:10.96ID:Ckjt8zKo
32 A said
実家の…
姉さんら、お祖父さん、そしてお母さんには…今まで生きてきた中で最もいっぱい
の文句言われた。お祖母さんに至っては【もう帰って来なくてもいい…】
とまで言われた。。。
ま元々あんな家に帰るつもりも無いが。。。
だから〈オ父サン。。。ガ用意シテクレタホテルヘ逃ゲコンダ〉

32 B side
正直、売ったお金で…
これであの人とか、別のあの人とか…と海外旅行に行けるかなあって思ってたネ。
・・・思ってたらコロナ流行と即日バッシングの波に飲まれてもうたネ。。。。。。
〈ワタシハ、被害者ナノニ…奪ワレタンダヨ…ワタシノ時間〉
〈カエシテ欲シイノハ…ワタシノ方ナンダヨオ。。。〉
〈ワタシノ、貴重ナ…3年間…失ッタ。アンナ人ニ。。。ダッタ…出会ウノガ遅スギ
タンダヨ…〉
って思ってたよ
…えっ贖罪とか?
あぁ…そんな気持ちはないし。。。あの人との事はもう遠い思い出話。。。
そうオモイデだよ、オモイデだったんだよ…ワハハハッ
0093名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:37:07.51ID:Ckjt8zKo
32 C said
〈今現在では事務員みたいな事をしなさい〉
って偉い人、新マネさんら言われながらも…時折別の事もさせられているけどね…
それもカメラがいじれるから。
うへっ、ちょっと気分的に愉しくなって来たのは事実だよ。
またね、来週にはロケの取材って事で長野、軽井沢ってトコに行けるの、初めてな
んですよぉ〜

32 D side
よく晴れた冬間近の日に…今住まわせてもらってるマンションのLDKの掃き出し
窓を大きく開けた。
そのマンションからだと海…東京湾までは、そう遠くはないので風向きによっては
だけれど…湿気を少し含んだ風が、ゴウって音を立てて入ってくる時もある…
生まれた町の汐の匂いが感じられる気がしていたが…
今日はそうかな?と思って窓を開けてみたが違っていた。
ベランダに出て外の景色を見ると…晩秋ってのが終り、初冬が、冬の気配が本格的
に感じられると思ったんだなあ…
0094名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:43:19.07ID:Ckjt8zKo
33《独白》A said
よく晴れた冬間近の日の事だった。もう少ししたら冬の気配が本格的になるんだろ
うなって思った。
僕は僕が現在迄に持っている中でもKに関与する最大クラスの秘密を売った。
時とKサイドが、それらを勝手に熟成させてくれたのか…
思っていた以上に…随分と高い売り物になった。
内容は…Kが未成年時(18才なりたての頃)当時のマネと部屋の中で飲酒をして
いる姿のが2枚。
同じマネと18才の時の都内カラオケBOX内での喫煙姿、顔がばっちり写ってる
のが2枚。それと同じく18才時の…ラブホらしき所でベッド上で制服のまま喫煙
しているのを写したのが1枚。
これにあの国に行ってた間…私は女優なんだよって面していた時の…あっちの国の
俳優Pと半裸姿で一緒にベッドの上で何かを吸ってる2つ動画だった。
…我ながら豪華なラインナップだと思った。
0095名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:46:33.52ID:Ckjt8zKo
33《独白》B said
「…2週間後には載せます、単独です」とその記者(A出版)は嬉しそうに言った。
A出版のタブロイド誌は、とくに薬関連においてはすっぱ抜き、貫き通す雑誌とし
て、ある意味では有名な雑誌だった。
「じゃあさ…あとこれは、あんたに任せるよ」
と僕は言うと、Kの父親の情報について入っているUSBを彼に渡した。
同じ内容を別の記者(こっちはBスポーツ新聞社)にも売った…こっちはA社より
も僅かだが高く買ってくれた。
「…A社の月間タブロイド誌と、同じタイミングで載せてよ」と依頼した。
「はい…OKっすよ」と(Bスポーツ新聞社記者)は言った。
(A出版)記者の名前と名刺のコピーを渡し、あとは直接でのやり取りをしてもら
う事にした。
「…他には(情報売ってないよね)?」
「ないない、俺の事を比較的、中立的に書いててくれた2社だけ…独占だよ」
「…失礼かな?まず謝っておくね、ごめん」
「一体何を謝るの?」
「(この情報を出すっていう)切っ掛けって何?」
「…裏事情。…あとこれの使い道は、あんたに任せるよ」
と僕は言うとKの父親の情報について入っているUSBを彼に渡した。
そして僕は人生で初の超々長期休暇ってヤツに入る事にし、その場を後にした。
0096名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:50:32.11ID:Ckjt8zKo
34《独白》A said
あれから数週間程が経過した…
事務所ごとのガサ入れは回避されたみたいだったが、ネット、マスコミ、他の人間
らからは彼女個人はかばい切れずに…いた模様。
まあどっかに隠したみたいだった。あとは知ったこっちゃない。先に裏切ったのは
…かつ3社協定を破ったのはあっちの方が先だ。

……朝から僕のスマホは鳴ってるみたいだが…電源自体を消してるのでどうなって
いるのか解らないんだ。
数日前から3番目の避難先として選んだ…この伯父名義のマンションには、寝具と
冷蔵庫などしか入れてない、だからテレビもラジオも、無論ネットも無いから……
世の中の状況は疎いとういうか、解らない。
が、それでもよくぞ短期間で調べたものだと感心する。マンションの周りには人だ
かりが出来ている。
0097名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:55:44.25ID:Ckjt8zKo
33《独白》B said
「…さ〜ん、さん?ね、居るんでしょ?」
「Kさんが亡くなったって知ってますか?」
「…あの…Kさんが今朝方…事務所の近くのビルから飛び降り自殺をしたって」
「遺書とか…は見つかってないそうですよ」
「なにか?知ってる事有りますかぁ?」
「何か連絡とかは取りましたか?…ありましたか?」
「お答えくださいよぉ〜」
「お願いしますよぉ〜」
〈さあ…?なんの事、全く知らないよ〉と言ってインターホンを切った。
〈…復讐スルハ我ニアリ…ってやつだ〉
僕も、ようやく出来た別の新しい彼女がベッドのある部屋待ってるし、で手招き
をし始めてんだ…
さてと…アレは僕の事を待っているだろうか…?
いいや待ってなんかいないさ、誰か別のヤツを祟る事だろう…
まいい…考えたってムダ。食べ物、飲み物はたっぷり10日間分以上は運びこん
であるのだから…消えてくれる迄、待つとするさ…
0098名無し百物語垢版2020/10/26(月) 10:58:37.28ID:Ckjt8zKo
35
…おれは、それぎり永久に中有の闇へ沈んでしまった…
私はその最後に彼が読んでくれていた、あの本の中にあった短編の最後の一行が、
なぜだか思い出された。
…そしてワタシもそれっきり永久の闇の中へと沈んでいった…
0099名無し百物語垢版2020/10/28(水) 15:29:35.86ID:b9q0k/X6
2020年10月28日 東京都コロナ感染者数 171人
彼女の事、彼女の思い出を早く忘れないといけないのに
0100名無し百物語垢版2021/06/10(木) 15:37:06.97ID:3bnr/cUx
いろいろな意味で。。。
現在の芸能界に〈唐田英里佳〉っていらんやろ
本人が望まんでも強引にでも普通の人として人生送らせろや
レスを投稿する


ニューススポーツなんでも実況