「もういい!アタシが直接テンチョーにかけあうから!」
こうなったときの彼女の行動力は凄まじいものがある。そのときはヘソ曲げただけかなって思っていたのが甘かった―

数日後―

「ねー、見て見て。凄いでしょ〜」
いや、凄いなんてものじゃなく―
店に大きな横断幕に文字がデカデカと。
『第1回 ドヤラー バトル コンテスト』
ど、ドヤラーバトル?頭の中にたくさんの『?』が跳び回る。

そして彼女が視線を向けた先には何やら一癖二癖ありそうな面々が―
インテリヒョロガリ「ドヤる元祖としてMacbookは負けられない。意識の高さの違いを見せつけてやりますよ。」
「店でノートPC広げてる身としては参加させてもらいます。社蓄パワーなめてもらっては困ります。」リーマン氏。
その奥からツンとしたニオイを漂わせる巨体。「古参モバイラーとして拙者も参加でござるよデュフフ」
彼女の顔の広さはどんだけなんだ?!いつも驚かされる。

この場に似付かわしくないくらい全身ロリファッションのこの娘は?
「んー、このコは無ロなんだけど、iPhoneでのフリックの速さスゴいよー、ついたあだ名が『フリックデビル』」
いやいや主旨が違ってないか?
「もちろんアタシも参加ね。iPad Pro12.9でね」
えっ持ってないでしょと言おうとしたところで「いいの、いいの大丈夫」
この後、彼女に『当然アンタが買ってくるの、もちろん最上の1TBモデル』とボクが奔走するハメになるが、このときはまだわからず。

そして最後に立派なカイゼル髭をたくわえた凛とした老紳士が。
「私めですかな?この場を取り仕切らせていただきます。」
やたらダンディなとても良い声が響く。
「ドヤリングファイト、レディーGO!」
いやもう名前が違ってますってー、眩暈がしてきて突っ込むこともできずに彼女のペースに呑まれた。

こうして第1回ドヤラーバトルコンテストは開催になった―