会社を改革しようとする場合、
現場の事情も組織上層部の権力闘争も
両方見えていて、
しかも権力地位に付随する制約に縛られない
【中間管理職」が最も有利な立場である、
という見方には一理あると思います。

問題は、冨山氏が例としてあげている
明治維新の際の勝海舟や西郷隆盛のように、
自らリスクを取ってまで
国や会社を変えようとするための
「中間管理職にとってのインセンティブ」です。

勝海舟や西郷隆盛は日本を何とかせねば
という思いに突き動かされて
行動を起こせたのかもしれませんが、
今の閉塞した大企業では将棋の盤面を
俯瞰することができるほどの優秀な中間管理職が、
敢えてリスクを取って変革のチャレンジをするに足る
“インセンティブ”が見当たらないように感じます。

それほど優秀な人材が
リスクを取ってチャレンジするのであれば、
大企業を飛び出して転職や
ベンチャーでの活躍を選ぶだろうし、
賢く手堅く果実を採りに行くのなら、
チャレンジャーの演出をしながら
順当な出世ルートを選ぶような気がします。