赤西仁応援スレPart 2【整形短足豚亀梨和也のヲタ出禁止】

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/19(火) 09:24:54.23

基地外亀婆が大発狂して悉くスレ潰しまくるから新たに立てました！！！

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/19(火) 12:18:29.13

こちらは純邦楽板です。板違いですのでお引き取り下さい。

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/19(火) 12:27:50.10

　
キチガイの集まりの創価の公明が政治活動

殺人鬼の人殺しの池田大作の創価の公明が政治活動

キチガイの集まりの創価の公明が政治活動

殺人鬼の人殺しの池田大作の創価の公明が政治活動

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/19(火) 13:36:20.27

基地外亀婆さんお前こそ亀梨アンチスレに速やかに移動願いますw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/20(水) 06:06:05.16

純邦楽ですか？

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/20(水) 08:17:41.28

基地外亀婆速やかに適切なスレに移動願いますw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/20(水) 08:55:47.82

この赤西ナニガシとやらは純邦楽なのかい？名前聞いたことないが。

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/20(水) 13:32:53.28

亀梨婆は白々しいのうw
赤西さんのストーカー死ぬまでやる勢いだなww

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/20(水) 15:36:25.19

>>6
嫌われ者亀梨のことだけみてればいいのにね。
ここは赤西スレだよ。

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/21(木) 04:35:50.52

純邦楽ではないのですから聞いたことないのも不思議ではありません。

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/21(木) 10:33:15.08

ここは赤西さんスレですよw
亀婆は亀梨アンチスレに速やかに移動願いますwww

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/21(木) 19:11:10.33

純邦楽板にスレ立ててしまったら来訪者は基本的に純邦楽板の住人になるってもんだ。

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/21(木) 21:14:22.30

>>11
いい加減亀婆は理解しろ！
ここは赤西さんスレですよw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/22(金) 07:39:21.07

この板は純邦楽板ですよ

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/22(金) 11:11:09.86

ここは赤西くんスレですよw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/22(金) 19:39:05.92

そうですね、板違いのスレですね。

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/23(土) 05:29:15.35

そうですね、赤西スレだね。亀婆スレ違いw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/23(土) 10:53:49.88

ここは赤西さんスレですよ
亀婆は亀梨アンチスレに速やかに移動願いますw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/23(土) 16:42:22.51

純邦楽とは以下のような分類に準ずるものを指します。
---
雅楽
　国風歌舞（御神楽など）
　唐楽
　高麗楽
　謡物　催馬楽、朗詠、今様
　現代雅楽
　近代に作られた神楽（広義の雅楽として）

能楽
　能　謡曲、能楽囃子
　狂言

仏教音楽
　念仏　和讃、踊念仏、曲題目、ご詠歌
　声明

浄瑠璃
　義太夫節　人形浄瑠璃の義太夫節、歌舞伎における竹本（チョボ）、素浄瑠璃としての義太夫節
　常磐津節
　清元節
　新内節
　河東節
　一中節
　宮薗節

唄もの
　地歌（地唄）
　長唄　長唄鳴物（長唄囃子、邦楽囃子）
　荻江節
　大和楽
　東明流
俗謡、民謡
　歌沢
　小唄
　端唄
　うた沢
　俗曲
　さのさ
　都々逸
　各地の民謡・民舞「何々節」　「何々甚句」、「何々馬子唄」、「何々追分」、「何々音頭」
　吟詠　詩吟
　器楽
　　箏曲（琴）　筑紫箏、八橋流、生田流、山田流、琴歌
　　尺八
　　胡弓
　　一弦琴
　　二弦琴　八雲琴、東流二弦琴
　　琵琶楽　平曲（平家琵琶）、盲僧琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶
　　和太鼓
祭礼音楽
　祭囃子　祭太鼓
　神楽（御神楽を除く）
　田楽
　獅子舞
その他
　落語の出囃子

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/23(土) 22:07:42.40

>>18
亀婆頭沸いてるのかw
あちこちで大発狂してますねwww

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/23(土) 22:51:25.39

↑自分自身を発狂扱い

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/23(土) 23:20:11.71

↑亀婆さんは措置入院させないと何しでかすか恐ろしいよねw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/24(日) 07:06:06.07

>>19のいずれかに相当しますか？

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/24(日) 08:01:30.03

>>22
だよね
亀婆怖いです！

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/24(日) 09:39:57.71

このスレの話題は>>3のいずれかに相当しますか？

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/24(日) 09:40:21.85

このスレの話題は>>19のいずれかに相当しますか？

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/24(日) 11:00:42.64

亀梨の粘着性質とソックリな亀梨婆w
ここは赤西くんスレですww

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/24(日) 11:01:22.09

>>27

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/24(日) 12:59:39.66

ぐぐってみたが赤西某とやらは純邦楽ではないようだね。

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/24(日) 17:27:33.63

>>27
亀婆は速やかに亀梨アンチスレに移動願います！だよねw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/25(月) 06:05:09.69

このスレの話題は>>19のいずれかに相当しますか？

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/25(月) 09:05:46.16

>>30
その通り！
ごもっともw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/25(月) 09:14:50.33

亀の話題のようだが、それ純邦楽なの？

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/25(月) 11:03:26.71

整形短足豚の亀梨和也ヲタさんw
ここは赤西さんスレですよw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/25(月) 15:15:26.26

亀梨和也でぐぐったが純邦楽に関係なさそうだねぇ。

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/25(月) 16:02:42.19

>>34

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/25(月) 16:03:37.35

亀婆は亀梨アンチスレに逝けww

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/25(月) 18:02:08.10

赤やら亀やら純邦楽に関係無いのであればご退場願いたいのだが

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/26(火) 05:04:20.55

亀梨婆が白々しいのうw
速やかに亀梨アンチスレに逝け！！！！！

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/26(火) 06:03:22.91

この人亀の話しかしてない

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/26(火) 14:35:51.12

亀婆白々しいのうw
亀梨に似て粘着性質がキモイ婆
速やかに亀梨アンチスレに移動願いますw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/26(火) 18:01:57.02

独り言の記録を邪魔されるのを嫌うのであれば鍵付きのブログ等を活用されることをお奨めします

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 13:31:57.96

>>41
ほんにな！
亀婆には呆れるよw

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 17:42:14.06

そのアンカー意味あるの？

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:12:09.50

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:12:21.79

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:12:31.98

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:12:40.92

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:12:49.84

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:13:18.72

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:13:27.80

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:13:36.86

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:13:47.64

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:13:57.46

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:14:06.24

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:14:16.59

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:14:27.35

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:14:40.71

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:14:52.12

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:15:07.01

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:15:17.48

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:16:02.64

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:16:12.15

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:16:37.74

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:16:46.08

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:17:12.17

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:17:25.41

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:18:28.85

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:18:40.84

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:21:26.86

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:21:48.83

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:21:58.32

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:22:11.28

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:22:24.36

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:22:35.11

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:22:55.26

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:23:44.19

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:24:02.86

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:24:46.74

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:25:00.07

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:25:41.47

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:26:05.22

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:26:17.32

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:26:35.11

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:26:59.29

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:27:11.17

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:27:37.82

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:27:49.21

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:28:02.55

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:28:11.76

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:28:24.76

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:28:35.36

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:28:52.23

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:29:01.39

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:29:11.42

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:29:23.15

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:29:32.74

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:29:42.08

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:29:51.86

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:30:00.28

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:30:09.08

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:30:21.34

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:30:31.57

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:30:47.22

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:30:56.30

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:31:08.64

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:31:20.35

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:31:29.19

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:31:45.30

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:31:55.81

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:32:05.45

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:32:13.27

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:32:36.94

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:32:44.84

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:32:54.22

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:33:01.64

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:33:11.01

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:33:18.44

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:33:26.82

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:33:36.02

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:33:51.09

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:33:59.89

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:34:08.62

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:34:17.03

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:34:26.43

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:34:34.90

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:34:44.27

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:34:52.38

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:35:00.26

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:35:09.49

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:35:17.97

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:35:25.98

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:35:46.22

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:35:55.75

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:36:04.81

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:36:13.25

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:36:23.43

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:36:30.97

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:36:44.28

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:36:54.48

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:37:06.13

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:37:16.24

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:37:34.49

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:37:41.83

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:37:57.93

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:38:08.27

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:38:42.39

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:38:51.49

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:39:01.46

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:39:13.03

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:39:23.27

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:39:34.83

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:39:50.92

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:40:01.31

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:40:15.42

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:40:26.12

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:40:35.14

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:40:51.35

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:41:03.51

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:41:14.54

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:41:25.80

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:41:36.34

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:41:59.01

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:42:10.25

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:42:21.75

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:42:30.17

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:42:45.18

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:42:55.16

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:43:05.13

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:43:17.45

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:43:30.66

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:43:39.11

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:43:52.41

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:44:01.94

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:44:35.84

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:44:49.24

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:45:04.21

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:45:14.10

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:45:36.23

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:45:44.77

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:46:00.88

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:46:10.88

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:46:44.44

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:46:52.68

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:47:07.96

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:47:16.63

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:47:29.01

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:47:38.11

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:48:00.54

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:48:14.39

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:48:22.99

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:48:34.78

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:48:46.76

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:48:56.13

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:49:20.80

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:49:29.85

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:49:42.07

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:49:52.77

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:50:05.63

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音

**名無しさん＠純邦楽** · 2019/02/27(水) 20:50:28.73

１．我が国の学校教育における伝統音楽の扱い
日本の学校の音楽教育においては，明治５年の「学制」公布以降は，西洋音楽ま
たは西洋様式に基づいた日本人の作品を教材にして，教育が展開されてきました。
戦後においても教材の一部に伝統音楽が取り上げられましたが，実際には伝統音楽
が児童・生徒の学習として定着をみることはなかったのです。
漸く平成10年告示の中学校音楽科の学習指導要領において，演奏表現として「和
楽器」を指導するようになりました。これに伴い教員免許法も改正され，音楽の免
許取得においては，「和楽器」や「伝統的な歌唱法」が必修になりました。そして，
平成18年に「教育基本法」が改正され，この中に「伝統文化を尊重する」態度を養
うことが新しく規定されました。これを受け，平成20年の小学校音楽科学習指導要
領では，鑑賞としてわらべうたや民謡を，器楽として和楽器を，中学校音楽科の学
習指導要領の中では演奏表現としての｢和楽器｣の他，「民謡，長唄などの伝統的な
歌唱」を指導するようになりました。高等学校音楽科の学習指導要領の表現（歌唱
・器楽・創作）の指導に当たっては「我が国の伝統的な歌唱及び和楽器を含めて扱
うようにする。」と改訂されました。このような学習指導要領や教員免許法，及び
「教育基本法」の改正から学校において伝統音楽を教材として指導することが本格
的となりつつあります。
２．伝統音楽を学校で指導するための教材開発の考え方
以上で示したような我が国の学校教育における伝統音楽の扱いから，その教材や
指導方法もまだ十分に研究されていません。小学校から中学校までの伝統音楽の教
材として，学校現場で実践をしながら開発したというものが少ないのです。あって
も，部分的です。過去には，音楽学者の小泉文夫氏も，学校の音楽教育としてわら
べうたや民謡を中心に日本の伝統音楽を指導する教科書をつくりました。しかし，
これは学校教育において実際に実践するまでには至りませんでした。それは，本事
業のように現場の先生と実演者が実践・検証しながら子どもの学習として成立する
ように教材や指導方法を開発するようにしなかったこと，また，その時期はまだ伝
統音楽を学校で指導するための環境が整っていなかったこと，推進する勢いがなか
ったということが背景にあったと推察されます。現在は，学習指導要領に伝統音楽
を指導する内容が記述されたことを含め，学校教育で伝統音楽を指導することの重
要性を日本人が気づき，学校の音楽教育を変えなければいけないという考え方を日
本人が持ち始めたと言えます。
では，どのような考え方で教材を開発したらよいのでしょうか。これについては，
まず，音色を指導することが大事だと思います。日本人の音に関する美意識は，箏
・尺八・三味線などの和楽器に凝縮されています。従って，現代の子ども達もこれ
らの伝統的な楽器の音色にふれると，親しみを覚え，日本人としての自分を自覚し
ます。また，世界がグローバル化されるなかで，他の国と異なる日本文化の特色を
発信する必要があります。我々は，和楽器の音の響きを通して，日本文化の特色を
知ることができます。この音色の特質を感じ取れるような教材の開発が必要です。
次に，「かりかりわたれ」「なべなべそこぬけ」などの２音，３音，4音，5音から
なる「わらべうた」を教材とし，それを歌えるようにして，そのうえで箏や尺八，
三味線で演奏として指導するようにします。日本の伝統的なわらべうたは，日本人
が誰もが話す日本語に節が付いたもので，音と言葉と動きが一体となっています。
従って，わらべうたは，誰もがその節を自分の感覚に持っているので，誰もが直ぐ
に歌えるようになります。
わらべうたを教材にして，これを箏で演奏させるとき，調弦をしておけば，すぐ
に子どもたちは弾けるようになります。子どもが一人で箏の演奏ができるのです。
その日のうちにできることで，子ども達は箏を演奏するのは楽しいという満足感を
得，次の学習意欲につなげます。そして，箏や尺八や三味線の実演家が実際に音を
出しながら教えれば，音色や奏法から本物の表現の美しさに触れることで，学習が
進みます。このように，子ども達が財産として持っているわらべうたを教材にし，
これを伝統的な楽器で表現していくことで，子ども達は感覚として持っている音楽
を形にすることができるようになると思います。それを学校の教員と実演家が協働
しながら展開するのです。
それと，学校で伝統音楽を指導する際に音楽用語などの問題があります。中学校
音楽科学習指導要領でも「間」や「序・破・急」などの伝統音