なつみ「……ん?何?何?どうなってるの?わたし?」
そう言ってなつみは辺りを見回す。すると殺風景な室内に同じイベント会社の同僚のまりな、みのり、えりなが倒れているのが見えた。なつみは一番近くにいたまりなに近寄り、「ねぇねぇ起きて、まりちゃん」と体を揺さぶる。
まりな「ん?な、何ここ?わたし眠ってたの?ねぇなっちゃん、わたしはなぜ寝てたの?」
なつみ「わたしにそんなこと聞かれたって知らないよ。わたしだって今、目が覚めたばかりなんだ。とにかくあとの2人を起こそう。何か知っているかもしれない。ねぇ、みんな起きて」
みのり「んん……」
えりな「ん?んん……なつみ?いったいどうしたの?」
なつみ「ねぇ、わたしたちさっきまで居酒屋で忘年会してたんだよね」
えりな「えぇ、そうだったわね。で、ここはどこなの?なぜあたしたちはこんなところに閉じ込められてるの?」
みのり「えっ?閉じ込められたってどういうこと?確か居酒屋で毎年恒例の女子だけの忘年会をしてたんだよね」
まりな「んで、みんなでとりあえずのビールを飲んでたら、なんか眠たくなってきたのよね」
えりな「あ、そうだ。そうだった。あのビールを飲んでから、やたらみんながあくびしはじめたんだったよね。で、次に気が付いたらここにいたってわけか」
なつみ「いったい何なのここ?知ってる人いる?」
えりな「いや、全く分からない。とにかくそこにある窓やドアを確かめてみましょう ―ん―ん、やっぱり開かないわ」
みのり「本当だ。窓もドアも全く開かない。いったい何がどうなったの?」
なつみ「どうしてこんな事になったのか整理しましょう。今夜はわたしたち4人の毎年恒例の女子だけ忘年会をやろうって集まったのよね」
まりな「でもどこも忘年会シーズンで満席でさ、たまたまキャンセルが出て入れた居酒屋で会を始めたのよね」
みのり「どこにでもあるような普通の居酒屋さんで店員さんも普通だったと思ったけどな。他のお客さんもたくさん居たし」
えりな「でも、あたしたち何かの事件に巻き込まれちゃったんじゃない?」

なつみ「本当にわたしたち閉じ込められたの?いったい誰に、そしてなぜ?」