だからこそ、RippleNetもまた、XRPを使うODL(On-Demand Liquidity)とは次第に一緒に語られなくなっていったのだろう。
かつては「RippleNet × ODL × XRP」が一体の成長物語として語られていたが、商品としてのXRPがマーケティングの表舞台に立てなくなった以上、その物語自体が成立しなくなった。

現実的に考えても、1,000社以上の企業をオンチェーン化するという大目標を掲げる中で、国際送金インフラに引き続き巨額の資金とリソースを投じる余裕はない。国際送金は規制対応、金融機関との調整、流動性確保と、極めてコストのかかる分野だ。一方で、企業オンボーディングやステーブルコイン、カストディ、EVM互換エコシステムへの統合は、より広範なユースケースと資本流入を見込める。

結果として、RippleNetは企業向けインフラとして再定義され、ODLとXRPはその中心的物語から静かに外れていく。これは方針転換というよりも、商品としてのXRPを前面に出せないという制約と、限られた資源をどこに集中させるかという現実的判断が生んだ必然だろう。

Ripple社の成長戦略は前進している。しかしその推進力となっているのは、もはやXRPではない。
XRPは使われる可能性を残しつつも、語られず、主張されず、戦略の中心から距離を置かれている。この静かな後退こそが、今のRippleを最も正確に表しているのかもしれない。