>>335
結論から言えば、日本・韓国・シンガポールなどがXRP(正確にはRipple社)と関わってきたことは「騙された」でも「無能」でもありませんし、当時はむしろ合理的でした。ただし、それが将来の金融インフラの中心になるかどうかは別問題です。

まずマクロで見ると、アジア太平洋地域がRippleと距離を縮めた背景には、明確な事情があります。これらの地域は、貿易・出稼ぎ・企業活動に伴う国際送金量が非常に多く、かつ銀行インフラが欧米ほど一体化していない。そのため、「既存のSWIFT網を大きく壊さずに、送金を速く・安くする」というRippleの提案は、政策当局や金融機関にとって現実的な解だったのです。

重要なのは、彼らが採用したのはXRPそのものというより、Ripple社のメッセージングや決済ソリューションである点です。多くのケースで、XRPは必須ではなく、実証や選択肢の一つに留まっていました。つまり、「XRPに賭けた」のではなく、「当時有望だった送金技術を取り込んだ」だけです。

一方で、Ethereumが現在担っている役割は、当時の文脈ではまだ成立していませんでした。スマートコントラクトを前提としたRWAのトークン化、条件付き決済、オンチェーン清算といった構想は、技術面・規制面ともに未成熟で、金融当局が本格導入を検討できる段階ではなかった。だから「最初から全部Ethereumにすべきだった」というのは、結果論に近い。

そして今、世界の金融は次のフェーズに入っています。単なる送金効率ではなく、資産そのものをプログラム可能にし、複数の台帳を統合する金融OSが求められるようになった。この段階で、欧米の金融機関、SWIFT、VISA、マスターカードがEVM互換基盤に軸足を移している、という構造変化が起きているのです。

要するに、

アジア太平洋地域がRippleと組んだのは「その時点では合理的」

それはXRPを世界標準にするという賭けではなかった

金融の主戦場が変わった結果、Ethereum互換基盤が中心に浮上した

という話です。

したがって、「彼らは騙されたアホなのか」「あなたより劣っていたのか」という問い自体が適切ではありません。時代ごとに最適解が違っただけであり、今起きているのは判断の誤りではなく、金融インフラのフェーズ転換です。この視点で見れば、過去の選択も、現在の流れも、一本の線で理解できます。