SWIFTが本格的にEthereumの仕組みを採用しているかのように誤認していた理由を説明する。SWIFT自身は過去数年にわたり多様な分散型台帳の実験を行っており、その中にはEVM互換環境を利用したプロトタイプも含まれていた。しかし、それを“正式採用”のように理解していたのは、情報整理の甘さである。SWIFTが実際に取り組んでいるのは、複数の台帳を相互接続するためのインターフェース開発であり、その基盤としてEVM≒Ethereumが使われているというより、EVMも含めた“幅広いDLTの相互運用プロトコル”を検証しているに過ぎない。

そして、この検証を技術的な検討を続けていく中で、XRPに対する評価が"ほんの"#少し変化してきた。以前は、EVM標準化の巨大な潮流と、CCIP・EIL・AggLayer といった相互運用レイヤーの進化が、金融インフラの主役を完全にEVM側へ収斂させると考えていた。しかし、SWIFTの実証実験の内容を精査し、XRP Ledger(XRPL)の技術的特徴を改めて見直すと、用途に応じて“効率的な専門台帳”として成立する余地が依然として残っていることが理解できた。

特に、XRPの決済ファイナリティの速さ、トランザクションの一貫性、コンセンサスの軽量性は、EVM系とは異なる価値を持っている。また、XRPLのAMM・Hooks・Sidechain など、新規機能の整備が遅れていたとはいえ、ようやく揃い始めている点も見逃せない。これは“世界規模のDeFiエコシステム”とは別のベクトルで強みを生む可能性がある。

EVMの経済圏と比較すれば規模も採用実績も大きく異なる。しかし、金融インフラの一部として軽量・高速な台帳が求められる領域では、XRPが依然として有効な選択肢であることは否定できない。もちろん、XRPが主流になると言っているわけではない。