>>579
まず前提として、プライベートチェーン単体で動作する場合、ETHは不要です。Hyperledger Besu や Quorum などの企業向け EVMチェーンは、単独で運用可能であり、Ethereum L1 に状態をアンカーしたり、ETHでガスを支払うことは必須ではありません。したがって、これだけではEthereum L1 への価値還元は発生せず、ETHの需要に寄与することもありません。多くの企業が「自前の permissioned EVMチェーン」で完結しているのはそのためです。

しかし、状況は変わります。プライベートチェーンであっても、他のシステムやパブリックチェーンと接続し、ステーブルコインや資産のやり取りを行う場合は、Ethereum L1 上でのトランザクション実行のためにETHが必要になります。つまり、プライベートチェーン単独ではETH不要でも、パブリックチェーンとの相互運用が絡む場合には、自然にL1に価値が流れる構造が生まれるわけです。

さらに、世界的にEVM互換チェーンが広がり、SWIFTのような大規模金融ネットワークの周辺でAgglayerやEILといった相互運用レイヤーが整備されると、Ethereum L1 への価値還元の機会は増えます。ここで重要なのは、「ETHが全世界の送金に直接紐づく」という極端な話ではなく、EVM互換技術圏が拡大する中で、L1やETHに価値が還元される構造的可能性が高まってくる、という現実的な話であるという点です。

要するに、プライベートチェーンだけならL1に価値は流れませんが、パブリックチェーンとの接続や大規模ネットワークでの相互運用を考えると、EVM互換技術圏の拡大はEthereum L1への価値還元の機会を増やす方向に作用します。これこそが、私が指摘している「技術的潮流の現実的な延長線」です。