Rippleはなぜ「中立性」を捨てたのか?
本来、Rippleだって最初からRLUSDを出したかったわけではないはずです。

理想は、市場で実績のあるUSDTやUSDCをXRPLに誘致し、
それをODLで活用する──
これが一番手っ取り早く、楽な道だったはずです。

しかし、現実はそう甘くなかった。

なぜなら、
だれも「中央集権的なネットワーク」に取り込まれたくなかったからです。

Rippleという一企業がガバナンスを強く握るXRPLに、
USDC発行元のCircleや、Tether社が"乗りたがる"はずがない。
本当に分散的なネットワークならまだしも、
Rippleの意向で左右されるリスクを考えれば、当然の反応です。

結果──Rippleは仕方なく自社発行に踏み切った。
そして、中立性を捨て去った。

でも、ここで新たな矛盾が生まれます。
「中立性のないネットワークで、他社がわざわざステーブルを発行するメリットはあるのか?」

答えは明白です。
ない。

なぜなら、
リップル社自身がRLUSDを発行している以上、
他社が後からXRPL上でステーブルを発行しても、
Rippleと競争して勝てる見込みが極めて低いからです。

これでは、XRPLに多様なステーブルが集まる未来は見えてきません。
ますますRippleの"自社依存"は深まっていくでしょう。

──これは、Rippleが抱えた新たな「構造的な袋小路」だと、私は考えています。