星「響さん!! XRPが30%も下がっちゃいました!! しかも円高でダブルでやられて……もう本当に終わりです……!!」
一条「へぇ、で?」
星「で…じゃなくて!! 30%も下がったんですよ!? どうすればいいんですか!!」
一条「知らない。好きにすれば?」
星「助けてください!! 私、全財産入れてるんです!! 追証まできてて……どうしたらいいか分からない……」
一条「だから?」
星「だから……って、もう本当にヤバいんですよ!! こんなの誰も予想できないじゃないですか!!」
一条「そんなの自己責任でしょ。嫌ならやめれば?」
星「でも…これから上がりますよね!? YouTubeで『XRPは年末に500円いく』って言ってました!!」
一条「……知らない。自分で考えなよ。」
星「だ、だって……みんな買ってたし……」
一条「“みんな”って誰?」
星「え……?」
一条「その“みんな”、今どうしてるの? あなたみたいに破産してる?」
星「そ、それは……」
一条「で、なんでXRP買ったの?」
星「……儲かると思って……」
一条「儲かると思ったのに、損したら『こんなの予想できなかった』? あんた、都合のいいことしか考えてないんじゃない?」
星「そ、そんなこと……」
一条「ねぇ、私が歌舞伎町でNo.1になった理由、知ってる?」
星「……え?」
一条「毎年、数億円売り上げるのに、ただ座ってるだけだと思ってる?」
星「……違うのは分かるけど……」
一条「じゃあ分かるでしょ。私が何をやってきたか。」
星「……」
一条「キャバクラの世界は、投資と同じ。毎晩、売上が保証されてるわけじゃないの。昨日まで太客だった人が、急に来なくなることもある。指名が途切れたら、売上がゼロになる。だから、常に先を読んで動くのよ。」
星「……」
一条「でも、あんたは何? XRPが上がるって信じて、リスクのことなんて何も考えずに飛びついて、下がったら『終わった』って泣く。そんなの、ただのギャンブルじゃない?」
星「……でも、XRPって……」
一条「そもそも、XRPがどういうコインか、ちゃんと調べた?」
星「……なんか、海外送金に強いとか……」
一条「SEC(米証券取引委員会)との訴訟リスクは?」
星「……なんか揉めてるって聞いたけど……」
一条「ちゃんと調べもせずに、全財産突っ込んだの?」
星「……」
一条「キャバ嬢が、お客さんのことも知らずに『この人は絶対金払いがいいはず!』って思い込んで、適当に接客してたらどうなると思う?」
星「……指名、取れない……?」
一条「そう。でも、本当に売れる子は、事前にリサーチする。どんな仕事してるか、家族構成はどうか、何が好きか、何が嫌いか。ちゃんと情報を集めて、どう口説くかを考える。それで、確実に売上につなげるのよ。」
星「……」
一条「XRPに全財産入れる前に、なんでそのくらいのリサーチができなかったの?」
星「……」
一条「それに、これだけ負けたのに、まだ『上がるかも』とか期待してるんでしょ?」
星「……」
一条「ダイエットのときと同じ。『今度こそ痩せる』って言ってたのに、ちょっとお腹すいたら『今日は特別』とか言ってコンビニでスイーツ買ってたよね?」
星「……」
一条「自分に甘いんだよ。楽して成功したいって気持ちが強すぎる。成功する人間は、地道に努力してるの。投資も、ダイエットも、キャバ嬢も全部同じ。」
星「……でも、もうお金が……」
一条「だったら、稼ぎなよ。」
星「……え?」
一条「地下アイドルなら、やれることあるでしょ? チェキ売る、ライブ増やす、グッズ作る。やれること全部やりなよ。」
星「……そんな……」
一条「そんな、じゃない。何もせずに座ってても、お金は湧いてこないの。私がナンバーワンになれたのは、地道に積み重ねてきたから。あんたもやるしかないでしょ。」
星「……私、やり直せるかな……?」
一条「やり直すしかないの。地下アイドルがステージ降りたら、もう終わり。でも立ち続けるなら、まだチャンスはある。投資も同じ。辞めたら、もう勝てない。でも、続けるなら、まだ未来はある。」
星「……」
一条「甘えんのも、もうやめなよ。負けたなら、這い上がるしかない。自分に甘いままじゃ、一生負け組のままよ。」
星「……はい……」