【ニューヨーク=大塚節雄】
トルコの通貨リラの急落に端を発した「トルコ・ショック」が世界の市場を揺るがしている。
10日は欧州株安に続いて米株も大幅安となった。
欧州の金融システムに波及するリスクが嫌気された。
市場は来週以降、欧州を軸に「余波」がどこまで広がるのかを注視している。

仮に欧州の金融システムに影響が及べば、問題はトルコ一国ではすまなくなる。
金融機関や企業の損失が生じ、世界規模でリスクを回避する動きが強まる。
欧州債務危機などで繰り返し注目されてきた「コンテイジョン(伝染)リスク」だ。

米モルガン・スタンレーのストラテジスト、ハンス・レデカー氏は「(株価の)相場変動は
グローバル資産市場の弱い部分から中核へと入り込んでいく」と指摘し
米市場の動揺にもつながる可能性があるとみる。
トルコの「危機」が長引くほど
米国株をはじめ世界の市場への影響が大きくなるリスクが蓄積されていく。