生命保険経営 第86巻(平成30 [2018] 年1月)P139
<米ジェネラル再保と英ブロックチェーン企業が提携>

 英国のロンドンに拠点を置きブロックチェーンを活用して保険のソリューションを提供する企業である
アイエックスレジャー(iXledger)は、世界有数の再保険会社の1つである米国のジェネラル再保(ブラ
ンド名ジェン・リー)と提携したと発表した。ジェン・リーは、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が
率いる世界最大の持ち株会社バークシャー・ハサウェイ傘下の再保険会社である。
 2017年8月29日付iXledgerのプレスリリース"iXledger and Gen ReAnnounce Strategic Collaboration"
によれば、今回の提携の目的は、ジェン・リーの顧客である生命保険会社・医療保険会社におけるiXledg
erの技術を用いた魅力的な使用事例を開発し、その斬新な処理方法を顧客に提供することである。今後、
iXledgerとジェン・リーは初期段階では、協力してブロックチェーンやその他の先進技術を使って生命保
険・医療保険のソリューションを開発していく。
 iXledgerのブロックチェーンを使ったソリューションの早期採用企業として、ジェン・リーは金融ソフ
トウェアの開発や、次世代市場創造のための先進技術の活用で、同社の専門知識から恩恵を受けることに
なる。このプロジェクトは、初めは英国に重点を置くものの、欧州やアジア、米国など他の地域へ拡大さ
せていく可能性がある。
 iXledgerのCEOインゲマー・スペンセン氏は「私達がいる時代は、技術がデータと接続性の力をよりよい
社会貢献に結び付けることのできる時代である。情報の豊富な規制産業において、ブロックチェーンは透明
性と信頼性を提案することができる」とコメントしている。
 ジェン・リーは今回の提携についてプレスリリースを発表していないが、ツイッターの公式アカウントに
おいて「当社の顧客の役に立つ斬新なソリューションを開発するためのiXledgerとの協力を喜ばしく思って
いる」とコメントしている。
 2017年9月5日付 Digital Insurance の記事"Gen Re, iXledger partner on blockchain venture"によれば、
損害保険会社も顧客とするジェン・リーは、直近にもドイツのケルンに新しいイノベーション・ラボ(研究所)
を立ち上げるために、他の保険会社4社とパートナーになっている。ラボは、データ・サイエンスとその他の
デジタル技術を用いる保険会社の新しいソリューションを開発することに重点が置かれている。