あれからというもの 山田は芸能活動が輪をかけて忙しくなりテレビ電話をする暇も無くなっていった
山田は…山田は芸能活動を楽しんでいるようだ 日を追うごとに僕のことを次第に忘れていくように
僕は忙しい身である山田に気を使って 僕から連絡する事は減ってゆき 山田から僕へ連絡する事も減っていった
高校1年生の秋になる頃には僕らの仲は自然消滅していた

あの日々は幻だったのだろうか?山田と過ごした日々の記憶も次第に薄れてゆき僕の中に残されたのは淋しさだけ

山田の隣に並び立つに相応しい人間になりたい
勿論その為だけにここまで来たわけではなかったが僕は大きな目標を失い、必然的に色々な物事への意欲も失せていった
最高峰の高校である修岳館の勉強にはついていけずあれよあれよという内に僕の成績は落ちていった

大学受験も…
結局は名だたる学校に行くこともなく 浪人を1年した後に秋田の大学へ進学し、ひとりそっちへ移り住むこととなった

最早僕にはやりたい事なんて特になかった
高校を出て働いてもよかったのだが、それはおねぇと母が猛反対した

秋田へ移り住んだこともあり月に2回程度祖父母の家に顔を出し手伝いをしている
京ちゃん大きく…なってないね とも昔言われたこともあったかな
あの時山田に雪景色を見せようと骨折したんだっけ

山田…

山田は今ではテレビで引っ張りだこの一流の芸能人だ
とても幸せそうに仕事をしている

昔は僕もこんな凄い人間と付き合っていたんだな
だが半ば両親公認と言えども、所詮は中学生 子供同士の恋愛…ままごとに過ぎなかったのだ

それでも、こんなちっぽけで平凡なぼくの心のなかにいつも居て、あそこまで奮い立たせ、突き動かしてきた山田はヤバイやつだ
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こんな感じで