(格好いい完璧な先輩だって思ったのに。まさかキスと指だけで簡単に落ちるなんて)

「うぅ…この事は他の誰にも言わないでね、小糸さん」
「ふふ、それは先輩の態度次第ですね」

燈子の心と身体を弄ぶ内に、別の学校の彼氏の事などすっかり忘れてしまう侑。
しかし、燈子の様子がおかしいことに沙弥香が気が付かないはずがなく。

「小糸さん。あの子に何をしたの?もし変なことをしているならただじゃすまさないわよ」
「別に。先輩が私のこと好きだって言ってきたからキスやらHやら相手をしてあげただけですよ」
「なっ!?」
「この画像、他の生徒が見たらどんな顔するでしょうね」

そう言って微笑む侑のスマホの画面には燈子のあられもない画像が映し出されていた。

「今すぐ消しなさい!」
「どうしてですか?佐伯先輩には何も関係ないですよね?」

侑の関心は既に落とした燈子から沙弥香に移っていた。

「でももし佐伯先輩が私のお願いを聞いてくれるなら、データを消してあげてもいいですよ」

(私は『好き』がわからない…。だから佐伯先輩の『好き』を見せてください)


ーやがてクズになるー