バレ

脳天を撃ち抜かれたウシジマの死体。
冷たく見下ろす滑皮。
(なんでこんな奴に執着してたんだっけな……)
グラノーラバーを食いながらどうでも良さそうに考えた後、包みの袋をウシジマの上に捨てて去って行く。

「最後は悲惨だったみたい、社長」
「俺らの知ってた社長は完璧超人だった。でもこの街に戻って来てからおかしくなってた。そもそも、前の社長ならこの街に戻ってくるはずがなかった」
橋の上で、夕日を見ながら不思議がっている小百合と高田。

「元格闘家の闇金業者・柄崎貴明は当時を振り返る」とナレーションが入る。
「ええ、台湾に行った時ですね。日本人……の顔立ちなんですが、日本人離れしてましたね。場数を踏んでいると言うか……纏っている空気が」
「とは言っても、当時の社長はスーパーマンみたいなものでしたから……またウシジマ伝説が増えるな、くらいに思ってたんです」
「それがわざと武器は捨てるわ、あえて一発打たせるわ……普段の社長じゃ考えられない挙動。知能が下げられたみたいでしたね。最後は金的食らってダウン。そりゃあんだけ舐めプしてりゃ……って、思わず目を塞ぎましたよ」
「それからです。ありとあらゆる面での社長の劣化が始まったのは。弱体化ビーム?ええ、実際そんなの浴びせられたらああなっちまうんですかね……」
ウシジマの死に顔を最後に映してインタビュー終了。

次回、ヤクザ以上の巨悪、相撲業界の秘密に切り込む!