簡単にバレ

決して舐めていたわけではなかったが、達人芝原の実力を痛感する上杉
自分の中にあった情を消し喧嘩王の顔つきとなる
芝原「喧嘩王なんて大したことねーな……あの名護の爺の足元にも」
上杉は芝原の挑発を最後まで聞かずに動きはじめる
挑発した者の虚をつく動き
幾度も繰り返し、幾度も打ち込み、極限まで研ぎ澄まされた
神速の──
正 拳 突 き
その動きの完成度に、美しさに、誰もがその一撃の直撃を思った
が── 達 人
合気の極意、それは後の先
上杉の体から放たれるあらゆる情報を読み取り──上杉が動きはじめるより僅かに先に達人は動き始めていた
迫る正拳突きを両手で掬い上げ、コンマ数秒間で脇固めに極め、制圧する
──はずだった
喧 嘩 王
上杉は芝原の上を更に読み、必殺の正拳突きをブラフに使った
正拳突きを両手に絡め取られる前に引き、拳を引く動きを真に虚をつく一手に繋ぐ
左 鉤 突 き
上杉の一撃が両手を上げてしまった芝原にヒットする
芝原、苦悶の表情
橋口「よしっ!!」ゆうちゃん「親父!!」
そして繋いだその一手は更に次の一手へと繋がり
道がなくとも切り開き最強の道を進み続ける
紅潮する進道塾の面々のコマ
これこそが真なる──煉獄

次号は29号掲載
作者コメント:ジャーナリズムに対する不当な圧力を私は許しません