アメリカの伝統的な戦争ドクトリンが総力戦、即ち民間生産施設の破壊だからな。
次いでに敵より大幅に優位な物量を持って戦争に臨むこともそう。基本は、まず物量で勝て。戦争の前に勝てだからな。

南北戦争時にグラント将軍が開発したドクトリンに由来する。グラント将軍は近代戦争の創始者と呼ばれる。
超人的な戦術能力を誇り、会戦で無敵だった、いわゆる古典的名将であった南軍のリー将軍を破るために編み出した戦法で、以後アメリカの伝統となった。
南軍に数倍する兵力と物資を用意し、リー将軍に兵力の一部を当てて拘束すると、本命部隊をリー将軍のいない方に振り向けて民間の工業施設を徹底的に破壊し、戦争の帰巣を決めた。

民間施設を攻撃の主目標にすることは、それまでの戦争ではまず考えられなかった戦法だった。後の全面戦争、総力戦のはしり。
敵より優位な兵力を有しながら会戦に向かわせなかったというのもそう。
いわゆる兵力集中の常識を覆すもので、南北戦争以後、アメリカの戦争は変わった。