【小百合くん】
AA話
>>218の続き
小百合を乗せて車を走らせるウシジマ。特に会話もない車内。小百合がまた質問をする。
小百合「あのどこに行っているんですか?」
ウシジマ「もうすぐ着く」 それだけ言って無言で車を走らせるウシジマ。
車は住宅街に入って行く。そこは小百合の見慣れた景色だった。
しばらくしてウシジマは車を止めた。 着いたところは小百合の通っていた中学校。
小百合は校門前に掲示されいる大きな看板を見てはじめて今日が何の日だったのかを思い出した。今日3月14日は、小百合の通っていた中学校の卒業式。
校門前に止めた車内から校舎の方を見つめる小百合。雲一つないすがすがしい快晴の空の下、校舎のそばで同級生が卒業の余韻に浸っていた。みんな楽しそうだ。
よく見れば小百合が騙して裏ビデオに出演させた女子達もいる。杏奈も自殺未遂をした子も元気そうだ。かつての同級生が卒業で泣いたり笑ったりしている姿を見つめる小百合。申し訳ない気持ちとうらやましい気持でいっぱいだった。
小百合「何であんなことしたんだろ。。」
ウシジマ「‥」
小百合「もうあっちには戻れないよね。。」
今までずっと忘れていた感情が溢れてきた。小百合の目からは大粒の涙がこぼれている。
ウシジマ「じゃあ、そろそろ行くぞ」
満開の桜の下、小百合を乗せた車は走り去っていった。
【終わり】