最大の被害者だと言われながら自分を責めない兄と、兄に泥を塗ったと自分を否定する父母の間で子供の益子は混乱してたんじゃないかな
贖罪意識から「兄は本当はこう思って(自分を嫌って)いるはず」っていう自責のロールプレイングが密かに始まった
バドで勝つたびにそれは繰り返されてやがて歪な攻撃的性質として「攻撃的な兄の演技」から独立して益子に定着した
試合と結びついてるからプレイヤーとしての闘争心やプレッシャーとも紐付けされて外部にも攻撃性が発揮されていた

今回全力で負けたことや王者を降りたこと、敗戦後の兄の態度から「兄には被害者意識は無かったこと(だけじゃなくあの兄との会話はもっと複雑で繊細だったとは思うけど)」等が分かったことが重なり人格の攻撃的性質の根幹が失われたので俺益子が消滅した
二重人格の消滅ってよりは極端に振れ幅が大きかった性格が本来の状態にかなり戻った
自分と重ねていた綾乃が相手だったのも一因かな

細部はともかく兄絡みの大筋はこんなとこかなと推測
もう一方で「どう振る舞えば良いのか」に悩んでいたことが「他人を省みず無神経に勝ち続ける粗暴な人間」としての俺益子を形成した部分もあると思う
諸々は先月号の「どう接したらいいか分からなかった」の独白に集約されてそう

益子の心理や環境が特殊なのに描写は最小限だったのもあってかなり解釈が難しい領域に入っちゃった感があるね
こっからはもう少し分かりやすいドラマになってほしい