アショラ……
紀元前三世紀のインド・マウリヤ朝の王であるアショカ王は、
インド亜大陸を統一するとともに仏教の保護に努めた偉大な王であった。
しかしその一方でアショカ王は政権掌握までに99人の兄弟と500人の大臣を殺し、
容赦のない戦争で漁業と交易で栄えた沿岸部のカリンガ王国を征服し屍の山を築いたとされる。
その二面性をもって阿修羅に例えられた王はいつしかアショラと呼ばれるようになったという。
現代日本においても「アショラァッ!」のかけ声は伝わっているが、
これは殺された漁師たちへの鎮魂句であるという説が有力である。

民明書房刊『漁師よK2マンを目指せ〜印度ハッテンバ紀行〜』