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プロがワニを捕まえる時は初めに上手く暴れさせるみたい

「高田榮一の爬虫類ウォッチング」P153〜154

しかし、これはワニの一面で、水があってのたくましさである。
陸に上がってしまうと、強いどころか意外にもろいのだ。あの小さい四肢を
見たらそれがわかる。前肢なんか小児の手みたいに小さい。陸では自分の体重を
支えるのに精一杯である。少し動いただけで息切れしてしまう。大きくなった
ワニを移動させるとき箱に入れるのだが、私たちはこの息切れを利用している。
岸に上がっているところをみはからって首にロープをかける。水に戻れないように
していっとき暴れさせると、たちまち息切れがきて「もう動くのは億劫だ」と
動きがにぶくなる。そこで口先をしばってしまう。ワニの武器は大きな口に
ズラリと並んだ歯。これを封殺されたら、もう丸太みたいなもので、
箱に入れるのも容易である。口をしばられても呼吸に困らないのは、気道が
頑丈な頭部の骨の中を通って気管に達していて、口を使うことがないからである。
水陸両用の戦車のようなワニも、見てくれと実像には大きな差があるのだ。