梨子「音ノ木坂学院高校から転校してきた……桜内梨子ですっ!」

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0001名無しで叶える物語 警備員[Lv.1][新芽](もんじゃ)2024/05/20(月) 18:36:59.11ID:bJAbJfGO
【第1話 出会い】

梨子「桜内、梨子と申します。果物の『梨』に子供の『子』と書いて、『りこ』と読みます」


むつ「かっわい〜」

いつき「ね〜」


梨子「前は東京の音ノ木坂学院、というところに通っていました。みんなからは……」


千歌「東京だって。すごいね曜ちゃん」

曜「ね〜」


梨子「趣味はピアノを弾くことで、休み時間には友達に弾いて聞かせてあげたりしていました。みなさんとは、たくさん仲良くしたいなって思っています。これからよろしくお願いします」

パチパチパチパチ!

梨子(ふぅ……)

梨子「……」

梨子(……はぅぅ、緊張したぁぁぁぁ〜〜〜!!!)

善子「……」

梨子「えっ……!?あ、いや、これは〜」

善子「……」

梨子(うぅぅ〜……)

善子「……」

梨子「っ……ご、ごめんなさいっ!」

梨子「わざとじゃなかったんですっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」

善子「ん、いいわよ別に。というか多分壊れてないし」

梨子「えっ?」

善子「後から接着しようと仮止めしてただけだからね」

梨子「……」

善子「ほら、どいて。作業途中なの」

梨子「あ、うん……」

善子「よいしょ」

梨子「……」

梨子(……ほっ、良かったぁ。壊してなかったみたい

フラリ

善子「ぐぇっ!」ドシン!

バキッ!

梨子「あっ」

善子「あっ」

よしりこ「……」

よしりこ(………うぎゃぁぁぁ〜〜!!?)

この後二人で新しいのを買いにいきました。

【第4.3話 お昼】

梨子「〜♪」

梨子(今日のお昼はみんなと一緒に食べる約束をしています。えへへ、楽しみだなぁ〜♡)

キーンコーンカーンコーン!

梨子「ん、んん〜っ……!」

梨子(やっと午前中終わった〜!)

梨子「千歌ちゃん曜ちゃん。ねえ、今日のお昼どこで食べる?」

むつ「あ、あの二人ならチャイム鳴った瞬間どこか行ったよ」

梨子「ええっ!?」

梨子「……」

梨子(も、もしかして……私との約束、忘れてる?)

梨子(……ってないないないない。いくら千歌ちゃんと曜ちゃんでも、そんな薄情なことはしないよね)

梨子(先に一年生たちを呼びに行こ〜っと)

ガラガラ

梨子「こんにちは。津島さんと

一年生「あ、ごめんなさい。スクールアイドル部の方ですよね?黒澤さんたちはどこか行っちゃったみたいで……」

梨子(えぇぇ!?一年生も!?)

梨子(みんないないってことは部室かなぁ……?)

ガラガラ

梨子「こんにちは〜、っていないし!」

梨子(む〜〜!!絶対私だけのけものにされてるパターンじゃない!)


千歌『そういえばあの部外者どうする?誘う?』

曜『えー、別にいいんじゃなーい?どうせ余所者だしさー』

花丸『ずら!』

ルビィ『うゆ!』

善子『ヨハ!』

千歌『ねー。じゃあハブろ〜っとw』


梨子「……」

梨子(むぅ……!)

梨子(いいもん!私、一人でも楽しくご飯食べられるもん!)

梨子(はぁ……やっぱり私、ひとりぼっちの運命見たいです)

梨子「……」

梨子(仕方ないから屋上でもいこーっ……屋上ならきっと寂しさも紛れるわよね)

梨子「ん、ん〜っ……眩し……」

千歌「あ、梨子ちゃんやっときた〜!」

梨子「千歌ちゃん!?」

千歌「も〜!遅いよ〜!授業終わったらすぐって言ったじゃん!」

梨子「いや、聞いてないけど」

千歌「言ったよ」

梨子「聞いてないです」

千歌「えっ?」

梨子「聞いてないです」

千歌「あー……言ってなかったっけ?」

梨子「うん。絶対聞いてない」

千歌「あはは、そっか。ごめん〜」

梨子「も〜〜!!」

梨子「お昼みんなで食べようって言ってたのに千歌ちゃん曜ちゃんも先にいなくなっちゃってたんだからね!!?心配したんだからね!!?」

千歌「ごめんごめん。先に場所取りしようと思ってさ〜」

梨子「も〜〜!!!心配したの〜〜!私だけハブられてるんじゃないかって思って〜〜!!」

千歌「ごめんごめん。ごめんってば〜」

梨子「余計な心配かけないでよ〜〜!む〜〜!!」

千歌「まあいいじゃん。みんな集まったんだし。食べよ食べよ〜!」

梨子「あっ、ちょっと!?」

千歌「いただきま〜す!あ、善子ちゃん今日からあげの日なんだ!私にも一個ちょうだ〜い!」

梨子(はぁ……)

梨子(……最近は、千歌ちゃんに振り回されるのに慣れてきている自分がいる)

千歌「からあげにみかんかけちゃうね!」

善子「あ、ちょっと!?」

千歌「ほえ?」

善子「私、みかん嫌いなの!って言うかからあげにみかんとか100パーないでしょ!!?」

千歌「でも静岡の特産だから美味しいよ!食べて食べて!」

善子「だから私のお弁当だって言ってるでしょ!?」

梨子(まあ、こういうのも悪くないかな、とは思うけど……)

千歌「あ、そう言えば梨子ちゃんの水筒のお茶はみかんで割っといてあげたよ」

梨子「えっ?」

千歌「静岡茶のみかんジュース割り!意外と美味しいよ!」

梨子「……」

梨子(えぇぇ〜〜!!!?)

この後半分だけ飲みました。

【第4.4話 美容院】

梨子「はぁ……」

クシクシ

梨子(うぅぅ、なんとか誤魔化せないかなぁ……)

桜内ママ「梨子〜!」

梨子「……」

桜内ママ「遅刻するわよ〜!」

梨子「わかってる〜」

桜内ママ「いつまで鏡見てるのよ!遅刻するって言ってるでしょ!」

梨子(あーもうっ!わかってるってばー!!)

梨子「はぁ……」

梨子(今日も朝から憂鬱です……)

お姉さん『どのような髪型にいたしましょう?』

梨子『え?えっと、い、いつも通りで……』

お姉さん『えっ?えっと……お客様、当店のご利用は?』

梨子『えっ!?あ、いや、初めてです。ごめんなさい……すみません、とりあえず短くお願いします』

お姉さん『はい。短くですね』


梨子「……」

梨子(う、短くしすぎた……というか前髪ヤバいことになってるし〜!)

梨子(どうしよー!絶対おでこのことイジられるっ!あーもう〜〜!!!)

梨子「はぁ……」

梨子(いっそのこと気づかれなければ……って無理よねそんなの。さすがに変わり過ぎだし)

梨子「はぁ……」

梨子(あーもうっ、今すぐお家かえりたい……)

ガラガラ

梨子「おはよ……」

曜「おはよーそろー!」

曜「あれ、どうしたの梨子ちゃん。朝から暗いね」

梨子(曜ちゃんが朝から元気すぎるんだってば……)

曜「ん〜……ね、ねっ!そういえばさ、数学の宿題やってきた?」

梨子「えっ?」

梨子(……触れないんだ。私の髪型明らかに変化してること)

梨子(まあ触れて欲しいわけじゃないしむしろ触れないでほしいからいいんだけど)

梨子「まあ……一応解きはしたよ」

曜「ほんとに!?一生のお願いっ!答え合わせしたいからちょこっと見せて!」

梨子「うん。いいよ」

ガサガサ

梨子(……やっぱ気づかれないのはそれはそれでムカつく。無視されてるみたいで)

梨子「はい、数学のノート」

曜「わーい!梨子ちゃんありがと〜!」

梨子「ね、ねえ。そう言えば……さ。今日の私のことなんだけど」

曜「えっ?」

曜「……?」

梨子「……」

曜「どうしたの、梨子ちゃん?」

梨子(いやわかるでしょ!?『今日の私さ』に続くのは『いつもと変化してるよね〜』以外考えられないでしょ!!?なんでわからないの!!?)

曜「ほへ……?」

梨子「っ……いつもと違うところ、あるでしょ?」

曜「いつもと……あ、わかった!梨子ちゃん今日の朝ごはん食パンだったでしょ!かすかにトーストの匂いがする!」

梨子(えっ!?)

曜「あれ、違ってた?」

梨子「いやまああってるけど……」

梨子(もしかして口元に食べかすとかついてた……!?だ、だとしてもそんな違いには気づいて欲しくないっ!!)

梨子「そうじゃなくって……ほら、頭のところとか」

曜「頭……?おかしくなっちゃったとか」

ペチン!

曜「いてっ!」

梨子「ヒントは髪の毛ですっ」

曜「シャンプー変えたとか?」

梨子「うん。まあ確かに今週から新しいの使ってる。使ってるけど、今気づいて欲しいのはそこじゃないの」

曜「ん〜、そんなこと言われても〜……」

梨子「……」

曜「……ごめん、わからないや。ギブアップで」

梨子(ええっ!?)

梨子「……」

曜「?」

梨子(む〜……!!)

曜「!?」

梨子「わかるでしょ!!?髪型っ!!明らかに短くなってるでしょっ!!」

曜「あ〜、言われてみれば確かに!」

梨子「『言われてみれば確かに!』じゃないわよ!も〜〜!!!」

ムニッ!!

曜「わあっ!?」

梨子(もぉぉぉ〜〜〜!!なんで気づかないの!!?なんで食パンとか細かいところには気づくくせに髪型のことはわからないの〜〜!!!)

曜「ひ、ひほひゃんひっぱらふぁいでよ〜」

この後はちょぴり機嫌が悪かったです

【第4.5話 フルーツ】

梨子「〜♪」

梨子(やった〜。今日はお弁当にぶどう入ってる!果物あるとテンション上がるわよね〜)

梨子「じゃあ……いただきま

千歌「梨子ちゃんあぶな〜い!」

梨子「きゃぁっ!?」

千歌「梨子ちゃん梨子ちゃん!ぶどうには食物繊維が多く含まれてるから食べ過ぎると体に良くないんだよ!」

梨子「そうなの?けど、このくらいの量なら」

千歌「だから半分たべてあげるね!あ〜ん」

梨子「あっ!?」

パクッ!

千歌「ん〜、おいし〜♡」

梨子「そんなぁ……」

〜次の日〜

梨子(やった、今日はリンゴだ!)

梨子「いっただっきま〜

千歌「梨子ちゃんあぶな〜い!」

梨子「きゃあっ!!?」

千歌「実はリンゴの種にはシアン化合物が含まれてるから体に良くないんだよ!」

梨子「そ、そうなの?でも、剥いてあるから

千歌「だから代わりに食べてあげるね。あ〜ん!」

梨子「あっ!?」

パクッ!

千歌「ん〜、おいし〜♡」

梨子「……」

梨子(む〜……!いいもん!だったら私だって仕返ししてやるっ!)

千歌「いっただっきま〜

梨子「千歌ちゃんあぶな〜い!」

千歌「えっ?」

梨子「え、えっと……!そうっ!みかんに含まれるビタミンCって〜、実は

千歌「25,000個」

梨子「えっ?」

千歌「ビタミンCの致死量は、体重が50kgの人で換算してだいたい600g。みかん100gあたりに含まれるビタミンCは32mgだから、みかんを1個75gと仮定すると、みかん25,000個分になるよね」

梨子「そ、そっか。千歌ちゃん物知りだね……」

千歌「うん!だから24,999個なら食べても安心だよね!」

梨子「えっ!?」

千歌「梨子ちゃんもみかん食べたくなったの?そっか〜、嬉しい!じゃあいっぱい食べよっ!24,999個!」

梨子「い、いや、さすがに2万個はいらないっ

千歌「はいどーぞ!西浦の美味しいみかん、たくさん食べてね〜!」ごろごろごろごろ

梨子(うぇぇぇ!?どんだけ持ってるの!!?というかみかんに殺される〜〜!!)

この後少しだけいただきました。

【第4.6話 アイス】

梨子「……」

梨子(うぅ〜、日直のお仕事で部活行くの遅くなっちゃった〜)

ドシン!

梨子「きゃっ!?」

ダイヤ「す、すみません!大丈夫ですか!?」

梨子「あ、はい……って!?」

梨子(生徒会長〜!!?)

ダイヤ「ごめんなさい、急いでいて……完全に私の不注意で

梨子「ご、ごめんなさいっ!!」

ダイヤ「えっ!?」

梨子「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!廊下は前見て歩かないとですもんね、本当にごめんなさいっ!」

ダイヤ「あ、いえ。私の方こそ……」

梨子「ごめんなさいっ!書類いま拾うので許してくださいっ!」

梨子(怒られる怒られる怒られる〜〜!!)

テキパキテキパキ!

梨子(……あれ?)

梨子「この広告って……」

ダイヤ「ご存知なのですか!?」

梨子「わっ!?」

ダイヤ「沼津駅前に期間限定出店している京都宇治抹茶アイス!しかも!その中でも特に30個限定で売られている幻の超高級

梨子「……」

ダイヤ「アイス……こ、こほん。なんでもないですわ」

梨子「へ、へぇ〜。有名なアイスなんですね。……あれ?」

梨子「でも確かこのアイス、この前食べた記憶があるような……」

………
……

◇———◇

ルビィ『うゆ〜……』

梨子『あれ、どうしたの。ルビィちゃん?』

ルビィ『あ、梨子さん。あのねあのね、今日ね、お家からデザートにアイス持ってきたんだけど……すっごく苦くて美味しくなかったの』

ルビィ『あーあ、せっかく保冷バックまで用意したのに……失敗しちゃったなぁ』

梨子『その抹茶アイスのこと?そんなに苦かったの?』

ルビィ『うゆ……梨子さんも一口食べる?』

梨子『え、いいの?』

ルビィ『はい、あーん』

梨子『あ〜』

ぱくっ!

梨子『ん!結構おいしくない?』

ルビィ『え〜、ルビィ絶対美味しくないと思う。せっかくだし梨子さんにあげるね』

梨子『いいの!?ありがとう、ルビィちゃん』

◇———◇

梨子「……ってことがあって」

ダイヤ「……」

梨子「あれ、30個限定のアイスだったんですね。知らなかったです。あ、ごめんなさい変な話しちゃって」

ダイヤ「……ルビィ〜〜!!」

梨子「えっ!?」

ダイヤ「またお姉ちゃんのおやつを勝手に!!そもそも30個限定のアイスが浦の星の関係者にそうたくさん巡っているはずがありませんわ!!私は2時間並んだのですわよ〜〜!!」

梨子「あの、ルビィちゃんのこと何か知って……えっ、お姉ちゃん??」

梨子(もしかして『黒澤』ルビィちゃんと、生徒会長の『黒澤』ダイヤさんって……姉妹ってこと〜!!?)

梨子「うっそ。生徒会長とルビィちゃん、あんまり似てないのに……」

ダイヤ「なんですの、それ。私がルビィと違って可愛げが無いと言いたいんですの?」

梨子「い、いえっ!」

梨子(もしかして声に出ちゃってた!?)

梨子「あ、あのっ!」

ダイヤ「あなたには関係のない話ですわ。これは姉妹の問題ですので」

梨子「あ、ちょっと!?」

カツカツカツカツ…

梨子「……」

梨子(ど、どうしよ。余計なことしていなかったらいいんだけど……)

***

ルビィ「はぁ……ねえ聞いてよ梨子さん」

梨子「えっ、どうかしたの?」

ルビィ「お姉ちゃんがすっごく怒っててさー、ルビィめっちゃ説教された」

梨子「あー……ごめんね、ルビィちゃん。災難だったよね」

ルビィ「うゆ〜……」

梨子「あ、そうだ!さっき購買でピノ買ったんだけどね、良かったらルビィちゃんも食べる?」

ルビィ「いいの!?」

梨子「うん。この前抹茶のアイスくれたお礼」

ルビィ「わ〜い!ルビィアイスだ〜い好き!いっただっきま〜す!」

梨子「えへへ、ルビィちゃん可愛い」

ルビィ「うゅ〜♡」

梨子(はぁ……生徒会長もこのくらい優しかったらいいんだけどなぁ)

私が生徒会長さんと仲良くなるのは、もう少し先の出来事です

【第4.7話 海】

梨子「ぎやぁぁぁぁ〜〜!!」

千歌「えっ、どうしたの!!?」

梨子「ムシっ!ムシいるっ!!なんとかしてっ!!」

千歌「あー……」

カサカサカサカサ

千歌「いるね」

曜「フナムシかな?」

千歌「こんなところにいる?」

曜「風で飛ばされてきたんじゃない?」

梨子「分析いいからー!!求めてない!!」

梨子「無視しないでよ〜〜!!お願いっ!!」

千歌「ムシだけに?」

梨子「そういうのいらないからっ!!怒るわよ!!?」

千歌「え〜、しょうがないな〜。ほいっと」

ササッ!

千歌「はいっ、捕まえたよ」

梨子「ぎゃぁぁ〜〜!!こっ、こっち近づけないでぇぇ〜〜!!」

千歌「じゃあ梨子ちゃん窓開けてよ。外に逃がしちゃうから」

梨子「むっ、無理っ!!足すくんで動けないのっ!!」

千歌「えぇ……」

曜「ほいっと!」

千歌「ナイス曜ちゃん!」

パサッ!

千歌「ほら、海へおかえり〜」

梨子「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

梨子「あぁぁぁ〜〜……!!はぁ〜……」

千歌「梨子ちゃんさすがにおおげさじゃない?」

梨子「お、大げさじゃないもんっ!!」

千歌「でもただの虫じゃん。あんなのどこにでもいるよ?」

梨子「ただのじゃないもんっ!!虫は虫なのっ!!」

千歌「んー、さすがに虫が出る度にこんなに騒がれるとうるさいし……あ、私いいこと思いついた!」

梨子(えっ!?)

千歌「じゃじゃーん!淡島マリンパーク!」

梨子「!?」

千歌「ここではね、海の生き物たちと直接触れ合う体験ができるんだよ!」

梨子「だ、だから何……?」

千歌「はい!見て梨子ちゃん!ヒトデ!」

梨子(うぇぇぇ!!?)

梨子「ちょっ、かわいそうだから元に戻してきて!!」

千歌「えー、そんなことないよ。ねー、ヒトデマン?」

梨子(名前つけなくていいからぁ〜〜!!)

千歌「でもでもー、ここの生き物は触ったりしても大丈夫なんだよ?誰も毒なんて持ってないし!」

梨子「そういう問題じゃないの〜〜!!なんかキモい!!」

果南「こらこら千歌〜。他人の嫌がることしちゃダメだよ〜」

千歌「あっ、果南ちゃん!」

梨子「えっ、誰……?」

千歌「紹介するね!この子は松浦果南ちゃん。私の幼馴染で、ここの館長をしてるんだよ!」

果南「バイトだけどね」

梨子「あ、うん。えっと……」

千歌「この子は桜内梨子ちゃん。千歌の新しく出来た同級生」

果南「あー、噂の転校生さんね。よろしくね、梨子ちゃん」

梨子「あっ、はい。よろしくお願いします……」

千歌「でさでさー、果南ちゃん。せっかく内浦に引っ越してきたんだからさ、このまま海の生き物に触れずに終わるなんてもったいないと思わない?」

果南「……確かに」

梨子「えっ!?」

果南「ふむ……」

梨子「えっ、もしかしてあなたも千歌ちゃん側の味方なんですか!?」

果南「ん〜……あ、そうだ!だったらさ〜」

梨子「う……////」

千歌「梨子ちゃ〜ん!はやくおいでよ〜!」

梨子「ま、待って!!まだ潜るとは決めてないんだけどっ!!」

千歌「ウエットスーツ着てるのに??」

梨子「これはっ……!!/////」


千歌『梨子ちゃん絶対ウエットスーツ可愛い!似合うと思う!』

曜『私も梨子ちゃんのナイスバディが見たいであります!』

梨子『う、うぅぅ〜〜!!/////』


梨子(千歌ちゃんと曜ちゃんが乗せてくるからでしょ〜〜!!////)

0104名無しで叶える物語 警備員[Lv.6](えびふりゃー)2024/05/20(月) 20:26:11.35ID:4nNExpSG
読むのが追いつかんけど読んでます

曜「大丈夫だよ梨子ちゃーん!怖くないよー!」

梨子「そ、そう言われても〜!!」

果南「大丈夫?もしイヤだったら辞める?」

梨子(うぅぅ、でも仲間はずれにはされたくないし〜……!!)

梨子「はぅぅ……」

果南「ん〜……まあ、怖いよね。最初は」

果南「『知らない』って、それだけで恐怖の対象になるんじゃないかと、私も思うなぁ」

梨子「はい……」

果南「よし!」

梨子「?」

果南「さて問題です!この子の名前はなんでしょう?」

梨子「えっ……?」

果南「この子はオクトパスって言って、レギュレーターが壊れた時に使う子なの。例えば〜……はい!」

梨子「んっ!?」

果南「咥えてみて」

梨子「ん……?」

果南「で、息を吐いて、吸う」

梨子「ん……」

シュコー、シュコー

梨子「……」

果南「ごくごくごくごく稀にだけど、レギュレーターが壊れて使えなくなっちゃうかもしれないよね。だから、そんな時に誰かに空気を分けてあげるためにある装置なの」

果南「私たち人間は魚と違って水の中じゃ息は出来ないし、水の中では生きられない。だから命を守るための装置が何重にも用意されてるの」

梨子「……」

果南「大丈夫。ここはそんなに深くないし、装置は何回も点検してある。何より私がついている!だから、ねっ?」

果南「飛び込みたいってその気持ちだけで、私と一緒にダイブしよっ♡」

梨子「……」

千歌「梨子ちゃ〜ん!」

梨子「いっ、今行くから待ってて〜!」

梨子(怖いけど……えいっ!)

チャポン!

果南『水の中で息を吸いたいときは、まずは息を吐くことを心掛ける。あとは自然と肺の中に新鮮な空気が入ってくるはずだよ』

梨子(息を、吐く……)

カポポポポ…

梨子(……んっ!)

梨子(出来た!水の中で、呼吸———)

梨子「……!」

梨子(きれい……)

梨子「……」

梨子(水の中に差し込んだ光が、柱みたいになっていて……まるで空への階段になってるみたい)

梨子「……」

梨子(……そっか、私。知らなかったんだ。海の中にこんなに綺麗な世界があるんだなんてこと)

梨子(海って、こんなにも落ち着ける。耳を澄ましても私の音だけが海中に響く———素敵な場所だってこと)

***

梨子「……ぷはっ!」

果南「おー、おつかれー。どうだった?」

梨子「はぁ、はぁ、はぁ……すごく綺麗でした」

果南「そっか。それは何よりだよ」

梨子「はい。ありがとうございます、こんな貴重な体験をさせてくれて」

果南「そっか。私ね、知らないことって……通じ合えないことって、物凄く怖いことだと思う。だからお互い少しづつ理解し合って、知ってるところが増えていったら、もっともっと好きになっていくんじゃないかと思う」

梨子「……」

果南「海にはね、私たちの知らないことがまだまだたくさん待ってくれているんだよ?」

梨子(確かに……。海の中がこんなに綺麗だなんてこと、私はずーっと知らなかったです。ううん、もしかしたら一生知らなかったのかもしれません)

梨子(それが千歌ちゃんや曜ちゃんとの出会いを経て、花んるちゃんルビィちゃん善子ちゃん、それから理事長の鞠莉さんや生徒会長のダイヤさん、そして果南さんと、新しく出会って)

梨子(陰気でキラキラしてないなって思ってた私の高校生活も、少しづつ変わっていくのかな……?)

梨子「私……良かったです。この町に引っ越せて来られて」

果南「それは良かった〜。海ってね、こんなにも綺麗で神秘的なんだよ。そう考えると海の生き物にも触れそうな気がしない?」

梨子「いえ、全く」

果南「えぇ〜?」

梨子「それとこれとは別問題なんです!」

果南「そっかぁ〜。残念」

私が本当の意味で海に慣れるのは、まだまだ先のことみたいです

【第5話 それから】

前回の!ラブライブ!サンシャイン!!

体育館のファーストライブを、見事満員で成功させた私たち三人

そして、ついに迎えたラブライブ!東海予選の日

千歌「梨子ちゃん梨子ちゃん」

梨子「なあに?」

千歌「緊張してる?」

梨子「ううん。不思議とね、いまはそんなに」

千歌「……そっか」

梨子「?」

千歌「いやー、梨子ちゃんもすっかり私たちに染まっちゃったな〜って思って」

曜「ねー。最初はあんなにも初々しかったのにね〜」

梨子「なっ……!?い、いいでしょ!!出会ったばっかりの頃は忘れてよ〜!!/////」

ルビィちゃんと花丸ちゃん、それから善子ちゃんも加わって、私たちAqoursは6人になりました。そして

鞠莉「ふふっ、やっぱりマリーの見立て通りあの三人はベストパートナーになったみたいね」

ダイヤ「そうですわね。どこかの金髪お嬢様みたいなワガママお姫様もいないことですし」

果南「脳までお堅い頑固生徒会長もね」

かなダイまり(………)

かなダイまり「………ぷっ」

鞠莉ちゃんとダイヤさんと果南ちゃんも加わり、今のAqoursは9人です

千歌「よし、そろそろ行こっか」

梨子(うん!)

千歌「いち!」

曜「にっ!」

梨子「さん!」

花丸「よん!」

ルビィ「ご!」

善子「ろく!」

ダイヤ「なな!」

果南「はち!」

鞠莉「きゅう!」

私たちの音楽は———まだ始まったばかりなんだから!

0114名無しで叶える物語 警備員[Lv.2][新芽警](らっかせい)2024/05/20(月) 20:39:40.49ID:JEJG5RWh
終わりです。長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
ちょっぴり残念系美少女梨子ちゃんでした

0115名無しで叶える物語 警備員[Lv.6][新芽](SB-Android)2024/05/20(月) 20:42:40.63ID:3F6205RY
大作乙です
小ネタもあってよかった
何より陰キャ梨子ちゃんがかわいい

0116名無しで叶える物語 警備員[Lv.1][新芽](みかん)2024/05/21(火) 00:27:07.70ID:Q1bP+ISn
おつおつ

0117名無しで叶える物語 警備員[Lv.7][新芽](SIM)2024/05/21(火) 00:43:47.06ID:NBQhUCh5
すごく良かったです!頭の中にG's版の曜千歌梨子ちゃんの絵が蘇ってきました🍊⛵🌸
(逢田さんのフィギュアやらかしシーンも最高でしたw)
続編も期待してます!!

0118名無しで叶える物語 警備員[Lv.6](しうまい)2024/05/21(火) 07:55:23.51ID:J97UNUNm

良かった

0119名無しで叶える物語 警備員[Lv.16](しうまい)2024/05/21(火) 18:42:45.73ID:GsQj9L8l
こういうのでいいんだよ

0120名無しで叶える物語 警備員[Lv.8][新](SIM)2024/05/21(火) 18:45:25.27ID:NBQhUCh5
曜ちゃんの告白を応援する梨子ちゃん書いてる作者さんと同じですか?

0121名無しで叶える物語 警備員[Lv.10][芽](もんじゃ)2024/05/22(水) 07:23:01.66ID:O5pcQV/M
良かった!乙!

0122名無しで叶える物語 警備員[Lv.3](茸)2024/05/23(木) 00:31:46.76ID:XIEb9gpP
読む用保守

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