0001名無しで叶える物語(えびふりゃー)2022/04/05(火) 20:09:22.45ID:cyT9yKpo
恋「ふわぁ…おはようございます、サヤさん」
サヤ「おはようございます。お嬢様」ニコッ
突然ですが私、葉月恋はとある病気にかかっています。
恋「うぅ、やはり寝起きだと少々クラクラしますね…」
サヤ「どうやらそうのようですね…ではお嬢様。早速“今朝の分”を」
その病気とは…
千砂都「よしよし。じゃあ恋ちゃん、行くよー?」
グッと、千砂都さんが背伸びをした気配がすると。
千砂都「ちゅっ…」
その勢いのまま、お互いの唇が触れ合います。
千砂都「よしっ。じゃあ恋ちゃん、今日も練習頑張ろっか!!」
恋「…はいっ!」
…千砂都さんのキスは、いつも瞬きの間に済んでしまうような短さ。でも、その一瞬に爆発的なパワーを感じるのです。
可可「千砂都―!レンレンー!」
千砂都「あれ、可可ちゃんとすみれちゃんじゃん。先に部室に行ったんじゃなかったの?」
すみれ「飲み物だけ買いにね。にしてもあんた達…するのはいいけど、もうちょっと場所を選んだら?誰かに見られたらどうするのよ…」
恋「えっ!?もももも、もしかして今のも見て!?」
可可「バッチリ見えてマシタよ〜♡レンレ〜ン♡」スリスリ
恋「あああぁ…恥ずかしいですぅ…///」
千砂都「…なんだか今日の可可ちゃん、恋ちゃんに甘えたさんだね?」
可可「むっふふ〜ん。可可はなんと、初めてレンレンからキスを貰ったのデスよ!」
すみれ「あら。恋が?想像もつかないわね…見られてこれじゃあ、自分からするのなんて沸騰しちゃわない?」
可可「した後のレンレン、可愛かったデスよ〜。お口を押さえて、顔も真っ赤っかで…」
恋「ちょ、ちょっと可可さん!言わないでくださいっ!!」
かのん「みんな〜、おまたせ〜!」
千砂都「あ、かのんちゃん!やっほー!」
かのん「ごめんね〜、日直の用事で先生に呼ばれてて…みんなで何の話してたの?」
可可「レンレンが、可可にキスしてくれたって話デス!」
恋「可可さん!!これ以上広めないでください!」
かのん「あ、あはは〜…キス、の話かぁ…」
すみれ「…ねぇ、かのんって」
かのん「あ、さっき思いついた歌詞があったんだった!忘れないうちに書かなきゃな〜、先部室行ってるね!」ピュー
恋「かのんさん…」
可可「…かのんって、レンレンと一度でもキスした事ありましたっけ?」
恋「…いえ、一度も」
すみれ「みんなで恋の状態を確かめるときも、頑なにしようとしなかった物ね、キス」
千砂都「う〜ん…何か事情があるのかな?」
恋「…」
今日はここまで。
これ以降は更新が遅くなるかもしれないです。
0031名無しで叶える物語(茸)2022/04/06(水) 01:21:51.06ID:xBDGVfq9
神作の予感
0036名無しで叶える物語(えびふりゃー)2022/04/08(金) 21:03:41.17ID:OPUQruid
―――――
千砂都「はーいっ、じゃあ今日の練習はこれまで!!」
可可「ダハーッ!疲れたデス…パタリ…」
すみれ「いい加減倒れないようになって欲しいものね」
かのん「あはは…あ、恋ちゃん!約束の本、今日ウチに取りに来るんだよね!」
恋「はい!一度お話を聞いて、是非お借りしたいと…!」
千砂都「学校に持って来れないって事は…あっ」
すみれ「あんた達…そういうのはまだ2年ぐらい早いんじゃないかしら」
かのん・恋「「違いますぅ〜!!」」
可可「じゃあ、レンレン♡気をつけて行ってきてクダサイね、ちゅー♡」チュッ
恋「ひゃわわわわ…///」
千砂都「あはは、ホントに今日の可可ちゃんは恋ちゃんにベッタリだねぇ」
恋「ほ、ほっぺにやっても意味は無いですから!可可さん!!!」グイーッ
すみれ「あんまり恋を困らせちゃダメで…しょっ!」ベシッ
可可「あイタッ」
千砂都「それじゃかのんちゃん、また明日!」
可可「レンレンの事、よろしくお願いしマスね!」
かのん「…うん!それじゃあ恋ちゃん、行こっか」
恋「はいっ」
―――――
かのん「ほら恋ちゃん、上がって上がって」
恋「はい、お邪魔します」
かのん「えぇっと、確かここら辺に…あった!はいこれ、約束の本!恋ちゃんもこの作家さん、好きだったんだね」
恋「わぁ…ありがとうございます!この方の描く人物描写が素敵でして…」
かのん「あ、私もそれわかるかも!特に主人公と親友がさ…」
恋「そうそう、それです!後はですね…」
カッチ…カッチ…
かのん「っととと、結構話し込んじゃったね」
恋「はい…そうです…ね…」ドサッ
かのん「うわっ、れ、恋ちゃん!?」アタフタ
恋「ぜぇっ…はぁ…れ、練習後にしておかなかったのが、マズかったようです、ね…不覚、です…」
かのん「そ、そんな…」
恋「だ、大丈夫です…すぐに、サヤさんに連絡を…」
かのん「ま、待って恋ちゃん!私が、私がしてあげるから…」
恋「…無理を、なさらなくても、よいので、すよ」
かのん「無理してるのはどっちなの!!」
恋「確かに、キスは…今の私に必要な事ですが、それはかのんさんの気持ちを、蔑ろにしていい理由には、なりま、せん、から…」
かのん「っ…そんな事言ったって…」
恋「なにか、あるのですよね?私に、キスしたくない、理由…差し支えなければ、教えて、くださいますか…?」
かのん「…好きな人が、いるの」
恋「それは、リエラのメンバー、でしょうか?」
かのん「…」コクリ
恋「どなたかは…」
かのん「ごめん…そこまでは言えないかな」
恋「そういう、事…だったの…で、すね…」
かのん「で、でも!これは私のワガママだから…恋ちゃんの事、助けなくっちゃ!」
恋「よいの、ですよ…私のせいで、かのんさんがっ…」
かのん「恋ちゃん、恋ちゃん!!!」
誰かが、私を呼んで…だめ、ですね。もう、動けそうにありません…
恋「…」
死ぬ、というのはこういう事なのでしょうか。体がなんだか、温かい物に包まれて…瞼の裏まで焼くような明かりが…
恋「…あれ?」
目を開けて、まず視界に入ってきたのは…三途の川でも、天国への門でもなく。誰かの家の、天井でした。
恋「私、気絶して…」
私に被さっていた布団をめくり体を起こすと、そこには…そっぽを向いたかのんさんが。
恋「かのん、さん…」
かのん「…サヤさんに連絡したから。もうすぐ迎えに来ると思うよ」
そこにかのんさんがいて、私が目覚めた。と言う事は…
>>42 最後だけ訂正
×そこにかのんさんがいて、私が目覚めた。
↓
○私が目覚めて、そこにかのんさんがいた。 かのん「別に、人工呼吸だから。ノーカン、だよ…」
恋「…ごめんなさい、かのんさん」
かのん「恋ちゃんが謝ることじゃないよ。気にしないで?」
恋「ですが…」
サヤ「お嬢様っ!!」バタンッ
恋「サ、サヤさん!?」
サヤ「あぁ、澁谷さんから連絡があって、何かあったんじゃないかと…どこも体の具合はおかしくありませんか?」
恋「はい、特段おかしいところは」
サヤ「よかった…!澁谷さんが助けてくださったのですか?」
かのん「っ…は、はい。恋ちゃん、困ってたので」
サヤ「ありがとうございます。さ、お嬢様。帰ってお食事にしましょう」
恋「はい…それではかのんさん。お邪魔しました」
かのん「うん。またね、恋ちゃん」
そう言って手を振るかのんさんの目は…どこか、寂しそうな光を湛えていました。
0047名無しで叶える物語(らっかせい)2022/04/09(土) 00:37:00.52ID:PX0S1zX7
あまりにも辛すぎます
0051名無しで叶える物語(えびふりゃー)2022/04/10(日) 22:47:53.79ID:iW+vRSVU
―――――
サヤ「では、お嬢様。お休みのキスを」
恋「はい…ん…」
夕飯とお風呂を済ませ、眠る前にサヤさんからお休みのキス…これもすっかり習慣になりました。寝ている間に何かあってもいけないので、普通よりも長く、長く…
恋(…かのんさん)
サヤさんとしている間も、頭によぎるのはかのんさんの悲しそうな顔…
サヤ「ぷは…それではお嬢様、お休みなさいませ」
恋「…あの、サヤさん」
サヤ「どうかなさいましたか?」
恋「サヤさんは…無理していませんか?私と、キスすること…迷惑になってたり…」
サヤ「とんでもない。私の使命は、葉月家に仕える事でございますから。それがお嬢様にとって必要な事なら、私は喜んでこの身を捧げます」
恋「そうですか…変な事を聞いてしまってすみません。サヤさんもお休みなさい」
恋(…可可さん、すみれさん、千砂都さんも、迷惑がってる素振りはありませんし、きっと…でもかのんさんだけは)
恋(明日から、かのんさんに会う時は体力が残っている時のみにしなくてはなりませんね。それから…)
―――――
チュンチュン…
サヤ「ではお嬢様、行ってらっしゃいませ」
恋「はい。それで、サヤさん…あの…」
サヤ「はい?」
恋(うぅ…自分からお願いするのは恥ずかしいです。でも…)
恋「い、行ってきますのキス、というのもしていただけないかと///」
サヤ「まぁ…ふふっ、お安い御用です。では目を閉じてください…」
恋「………」スタスタ
恋(おはようの分と、行ってきますの分。これなら余程の事が無い限り大丈夫でしょう)
かのん「あ…」バッタリ
恋「あ…おはようございます、かのんさん」
かのん「うん、おはよ…」
恋「あの、これ…お借りした本です。とても面白かったです」
かのん「ん、ありがと…」
恋「…あ、あのっ!昨日は」
かのん「…もうやめよ。その話は」
恋「え…」
かのん「恋ちゃんが言ってた事と一緒。私のワガママで、恋ちゃんを蔑ろにしていいわけじゃないでしょ?恋ちゃんの方が大変なんだし」
恋「ですが…」
かのん「初めては好きな人とー、だなんてロマンスなワガママ。私には不相応だったんだよ…ね?」ニコッ
恋「あのっ…私は、かのんさんの事、応援してますから!」
かのん「…―――ちゃんとキスしてるくせに」ボソッ
恋「…?何かおっしゃいましたか?」
かのん「うぅん、なんにも!ありがとね。ほら、学校行こ?」
恋「では、かのんさん。また練習の時に」
かのん「うん…あ、そうだ。今、必要じゃない?キス」
恋「えっ…で、ですがかのんさんには」
かのん「1回したんだもん、2回も3回も変わらないって。私もこれからはするよ。恋ちゃんの助けになりたいから」ニコッ
恋「…で、では生徒会室に」
―――――
恋「では、かのんさん。お願いします…」
かのん「うん」
腰をかけ、目を閉じた私の肩をガシッと掴む。そのまま、グイッと引き寄せて。
かのん「んむ…」
昨日は気絶していたのでわかりませんでしたが、これが、かのんさんのキス…
恋(…?)
可可さんや、すみれさん。それに千砂都さんにあった温かみのような、何かが。足りないような…
恋(考えすぎ、ですよね)
かのんさんは、私の助けになりたいと言ってくれてるのですし。
かのん「ふぅ…こ、こんな感じでいいのかな?」
恋「えぇ…えっと、ありがとうございました」
かのん「うん。じゃ、またお昼にね」フリフリ
恋「………」
かのんさんが去った後も、私は彼女とのキスの間にあった違和感について、考えていました。
可可「しっつれいしマース!レンレン、今日も可可がしてあげるデスよ〜」
恋「あ、可可さん…先程、かのんさんにしていただいたので大丈夫です」
可可「おや、かのんが?今までしたことなかったのにどういう事でショー?」
―――――
かのん「れーんちゃん。お昼食べた?」
恋「いえ、まだですけど…」
かのん「よかったぁ。でさ、お昼一緒に食べるついでにさ…」ヒソヒソ
恋「あ、あの…かのんさん?朝もしていただいたのですし、昼は他の人でも…」
かのん「いいのっ。今までしなかった分、恋ちゃんにしてあげたいから」グイッ
恋「ふぇ!?ちょ、ちょっとかのんさーん!引っ張らなくても大丈夫ですから〜!!」
すみれ「失礼しまーす…恋いるかしら?」
音楽科生徒「葉月さんなら、さっき澁谷さんとどこか行ったよ?」
すみれ「かのんが…?朝可可が言ってた事は本当だったのね…」
音楽科生徒「?」
すみれ「それにしても、朝昼二連続だなんて…一体どういうつもりかしら?」
かのん「はむっ…んぅ…ちゅぅ…」
かのんさんとキスする時の…違和感。
かのんさんが…私に何かを求めている…?でも、一体何を…
かのん「ふぅ…えへへ。今更だけどさ、結構恥ずかしいね」
恋「お互い様ですよ。私だって、未だに皆さんにリードさせられっぱなしです」
かのん「あー…うん、そうなんだ。あはは…」
恋「では、お昼ご飯にしましょうか。一緒に食べましょう」
かのん「うんっ。今日のお弁当、ハンバーグなんだぁ」
…キスする時以外のかのんさんは、いつものかのんさんなのですが。
恋「…今日はサヤさんとかのんさんとしかしてませんね。べっ、別に他の方ともしたいというわけではありませんが」
千砂都「したいってー?」ヒョコッ
恋「きゃっ!?ち、千砂都さん!?」
千砂都「うぃっすー。あはは、きゃっだって。可愛い〜」クスクス
恋「もぉ〜、ち〜さ〜と〜さ〜ん?」ゴゴゴ
千砂都「あはは、ごめんごめん。で、なになに?恋ちゃんも欲しがりさんになっちゃったのかな?」
恋「そ、そういうわけでは…///」
千砂都「いいよ、ほらほら屈んで。してあげるから♪」
恋「ふぅ…これで練習の分は大丈夫ですね」
かのん「あ、恋ちゃーん。この後練習でしょ?してあげるからさ」ニコニコ
恋「あ、かのんさん…さっきしていただいたので」
かのん「…誰に」ズイッ
恋「え、えぇっと…」
かのん「……」ガシッ
恋「ひっ、か、かのん…さん?」
かのん「…んっ」
恋「…!?」
恋(む、無理矢理!?な、なんとかした方がよいのですか、これは!?///)
かのん「んっ…ちゅぅ…んむ…んぅ…」グイッ
恋(力、強い…少し、苦しいかもしれません…)
かのん「ぷはっ…はあ…はぁ…」
恋「か、かのんさん…どうして、この様なことを…?」
かのん「…ごめん」スタスタ
恋「…?」
ますます、かのんさんの意図がわからなくなってしまいました…
かのん「………」スタスタ
かのん(はぁ…我ながらイヤな考えだなぁ…恋ちゃんは何も悪くないのに…)
かのん(でも、私が恋ちゃんとキスし続ければ…)
かのん「恋ちゃんは…―――ちゃんとキスしなくて済む」
かのん(それに、恋ちゃんとキスすれば…今まで恋ちゃんがあの子としてきた分、恋ちゃんを通じてあの子を感じられる…)
恋ちゃんが好きだからちゃんとした形でやりたいんだろ?と思ってたら違った
続き楽しみにしてます
0068名無しで叶える物語(もんじゃ)2022/04/10(日) 23:57:24.80ID:+zHvW8dt
おっほー
Liellaの真面目な恋愛SS初めて見た気がする
0071名無しで叶える物語(しうまい)2022/04/11(月) 19:33:43.46ID:T5Li5k2I
つ・な・げ・て・い・れ・た・い