0001名無しで叶える物語(あら)2022/03/19(土) 18:01:38.24ID:O1EqmZth
かのん「スクールアイドル王に、私はなるっ!」ドンッ!
可可「いきなり何を言ってるデスか?」
恋「何か悪いものでも食べました?」
千砂都「かのんちゃん? 大丈夫?」
かのん「もうっ! みんな、ノリが悪いよ!」
すみれ「そんなこと急に言われても、こういう反応になるに決まってるでしょうが!」
恋「倒すだなんて、穏やかじゃありませんね」
可可「かのん、争いはできるだけ避けるべきデス」
千砂都「どうしたの? かのんちゃんらしくないよ?」
かのん「えー」
すみれ「えーじゃないのよ」
0036名無しで叶える物語(あら)2022/03/19(土) 19:36:41.90ID:O1EqmZth
千歌「かのんちゃん、いらっしゃい! 元気してた?」
かのん「うん、絶好調だよ! 千歌ちゃんも元気そうだね!」
恋「あの、千歌さん! この子をなでても大丈夫ですか?」ソワソワ
千歌「もちろんいいよ! しいたけも喜ぶのだ」
恋「ありがとうございます。うわあ、やっぱり犬って可愛いですねえ」ナデナデモフモフ
しいたけ「バウッ!」ナデラレモフラレ
千歌「窓から見えたから迎えに来ちゃった。Liella!のみんなで来てくれたんだね!」
可可「今日はよろしくお願いしマス。Aqoursは千歌さんだけデスか?」
曜「私もいるよー」
千砂都「あっ、曜先輩! 今日はよろしくお願いします!」ウイーッス!
曜「うん、よろしくね」
かのん「あれ、千歌ちゃん? Aqoursから出す審査員って、曜さんだけなの?」
千歌「うん、ごめんね。みんな色々と用事があるみたいでさ」
千歌「でも、Liella!はみんなで来てくれてるし、全部で5人もいれば大丈夫でしょ?」
かのん「うーん、まあそうだね。奇数だと引き分けもないし、ちょうどいいかも」
千歌「そう言ってくれてよかったよ!」ホッ
千歌「せっかくLiella!のみんなが来てくれるから、Aqoursのみんなも会いたがってたんだけどねえ」
千歌「こんなにメンバーの予定が重なるのって珍しくてさ。ごめんね、わざわざ沼津まで来てもらったのに」
かのん「いいよ、いいよ! 別に千歌ちゃんが謝ることじゃないって!」
千歌「へへっ、よかったのだ! みんながいない分、チカがおもてなしするね?」
千歌「勝負の前に温泉に入ろ? それに、お父さんに食事も用意してもらったんだ!」
かのん「ホント? やったー!」ワーイ!
すみれ「……なんか、審査員の人数比がどうとか言ってた自分が情けなくなるわね」
千砂都「千歌先輩、いい人だねえ」
可可「クク、日本の温泉って初めてデス!」ウキウキ
〜間〜
かのん「あ〜、最高だよ〜」
恋「温泉も食事も素晴らしかったですね」
かのん「ちょっと眠たくなってきちゃったかも〜」ダラー
可可「まだ昼過ぎデスよ?」
すみれ「これから勝負して、今日中に帰る予定でしょうが。泊まりの準備なんてしてないわよ」
かのん「ん〜、そうだね。千歌ちゃん、やろっか?」
千歌「うん! ルールとかはどんなふうにするの?」
かのん「完全に自由に作るのもあれだから、何か適当にテーマとか決めて……」
かのん「30秒くらいの短い曲を作るってことでさ。制限時間は1時間くらいでいいよね」
かのん「それで終わったらみんなに投票してもらうって感じでいいんじゃない? どう?」
千歌「うん、チカもそれでいいと思う!」
千歌「あっ、前に梨子ちゃんと曲作りしたときに使ったお題ボックスがあるんだ」
千歌「探してくるから、ちょっと待っててね!」
かのん「そんなのあるの? お願いね〜」
かのん「温泉も食事もよかったよね〜。今なら最高の曲が作れそうかも〜」グデー
千砂都「かのんちゃん、すっかり蕩けちゃってるね」
かのん「途中で寝ないようにだけ注意しないとね〜。千歌ちゃ〜ん、あったあ〜?」
千歌「ちょっと待ってー! うーん、ここら辺にあるはずなんだけどなあ」ゴソゴソ
かのん「あ〜い、早くね〜」
曜「曲作りで勝負か、楽しみだよ。衣装を作るときの参考になるかもね」
可可「Aqoursの衣装は、曜さんが作ってるデスか?」
曜「うん、そうだよ。ルビィちゃんと一緒にね」
0041名無しで叶える物語(あら)2022/03/19(土) 19:49:45.11ID:O1EqmZth
千歌「よ、よーちゃん! 同じ作詞担当の仲間だし、タメ口でいいってチカが言ったんだよ!」アセアセ
曜「あっ、そうなんだ。知らなかったよぉ」
曜「かのんちゃん、ごめんねぇ。ちょっと千歌ちゃんへの態度があれかなぁって思っちゃってさぁ」
かのん「あ、いえ……」
千歌「それより、ほら! お題ボックス、あったよ!」つ📦ハイ!
かのん「あ、ありがとうございます……」ボソボソ
千歌「かのんちゃん、大丈夫だから! いつもみたいに話して?」ネ?
かのん「ぅ、うん……」ボソッ
千歌「チカもよーちゃんも怒ってないから、大きな声で元気を出していこ?」ナデナデ
かのん「……うん」ナデラレナデラレ
千歌「よーし、じゃあ曲のお題を決めるよ! 何が出るかな、何が出るかな〜♪」ゴソゴソ
〜間〜
すみれ「ボロ負けだったわね」
かのん「ううぅ、みんなが誰も私の曲に投票してくれないからあ」ウルウル
恋「あまり言いたくはないですが、かのんさんの作った曲は酷かったですもの」
可可「あれならカフェオレ焼きりんごの歌の方が100倍はよかったデス」
千砂都「かのんちゃんは、メンタルの調子がパフォーマンスにもろに影響するタイプだから」
かのん「だってえ、曜さんが怖くてえ」メソメソ
すみれ「あのときは私も怖かったけど、あの後は普通に優しくしてくれてたじゃない」
かのん「でも、あの後も私を見る目があ」ベソベソ
可可「でも、千砂都はかのんをかばったりしませんでしたね」
すみれ「そうね。歩夢さんのときみたいに、千砂都が間に入るかと思ったのに」
千砂都「いや、かのんちゃんの千歌先輩への態度については、私としても思うところがあったからね」
千砂都「本人が許してるからタメ口は構わないけど、一定の敬意は必要だよ」
千砂都「かのんちゃん、上級生だよ?」ネ?
可可「長幼の序というやつデスね」
千砂都「そうそう。こういうところは、ちゃんとしないとね」
かのん「うー、ちぃちゃんの体育会系!」
恋「それは悪口なんですか?」
すみれ「さすがは主人公を千尋の谷に突き落とす系の幼馴染ね」
かのん「もうっ、帰ったら寝る! カフェオレ飲んで寝るの!」
恋「寝る前にカフェインを摂るのは、控えた方がいいんじゃないですか?」
かのん「それがね。コーヒーと違って、カフェオレは飲むと眠りやすくなるんだ」
かのん「香りとかミルクとかのおかげなんだって。さすがはカフェオレだね!」ドヤァ
すみれ「どうしてかのんは、この状況でドヤ顔ができるの?」
千砂都「かのんちゃんが元気になってよかったよ」
かのん「じゃあ私は夢の中で反省会するから、新幹線が品川に着いたら起こしてね」スヤァ
可可「帰ったらじゃなくて、今から寝るデスか?」
恋「色々と疲れてるんですよ。そっとしておきましょう」
すみれ「結局、歩夢さんにも千歌さんにも勝てなかったわね」ヤレヤレ
すみれ「これで、かのんのラブライブ界の神となる計画とやらも終わりかしら?」
可可「初めに言ってた2人の両方と戦ったのだから、そうなんじゃないデスか?」
すみれ「そうね。そうであって欲しいわ」
千砂都「かのんちゃん、ゆっくり休んでね」ナデナデ
かのん「……すやぁ」ナデラレナデラレ
0046名無しで叶える物語(あら)2022/03/19(土) 20:06:29.60ID:O1EqmZth
さらに翌日 音ノ木坂学院
かのん「さあ、みんな! それじゃあ、今日の勝負だよ!」
すみれ「かのん、もうやめましょう?」
恋「そうですよ。これ以上の醜態を晒す必要はありません」
かのん「醜態なんか晒さないもん! みんなには、リーダーたる私の勇姿を見せてあげる!」
かのん「それに、Liella!のリーダーが負けっぱなしってわけにはいかないでしょ?」
千砂都「でも、勝算はあるの? 今日の相手は……」
かのん「もちろんだよ! 結ヶ丘の賢者と呼ばれた、この澁谷かのんが考えた作戦があるからね!」
すみれ「誰がそんな大層な呼び方してるのよ? 初耳なんだけど」
恋「学校の評判に関わりそうなので、結ヶ丘と名乗るのはやめてもらっていいですか?」
可可「そんな作戦に従うくらいなら、何も考えずに突撃した方がいいと思いマス」
かのん「酷いっ! 可可ちゃんまでっ!?」ガーン!
かのん「何を言われても、今日の勝負はやめないよ!」
かのん「これで勝てば、勝ち越しだもん。そうすれば、全体としては大成功ってことになるよね」ウンウン
可可「いえ、勝ったとしても1勝2敗で負け越しでは?」
かのん「可可ちゃん、よく考えてみて? これから戦うのは、あの高坂穂乃果さんだよ?」
かのん「伝説のμ'sのリーダーなんだから、勝てば少なくとも3勝にはなるでしょ!」
すみれ「また、この子は無茶苦茶なことを……」
恋「まあ、穂乃果さんに勝てれば大金星なのは確かでしょうが……」
千砂都「うん、まったく勝てそうな気がしないよね……」
かのん「もう、ちぃちゃんまでそんなこと言うの?」
かのん「穂乃果さんは今年でデビューして12周年だよ? 全盛期からは確実に衰えてる」
かのん「今の穂乃果さんが相手なら、私にだってワンチャンあるよ!」
可可「3年間しかできないはずのスクールアイドルで、デビュー12周年とは?」
すみれ「不思議ね」
千砂都「かのんちゃんのことは信じたいけど、それでも相手は穂乃果先輩だし……」
すみれ「そもそも、あんたはいいところなく連敗してるでしょうが」
かのん「今度こそ大丈夫だよ! 私はみんなのリーダーだから!」
可可「かのん、ホントに信じてもいいのデスか?」
かのん「もちろんだよ! 希望を示すのが、リーダーたる私の務めだもん!」
かのん「すべてのメンバーの希望を束ね、そのセンターに立つ者こそがリーダー!」
かのん「敵はラブライブ界の天に立つスクールアイドル王! 届かぬからこそ挑むんだ!」
かのん「見てて、みんなのリーダーのあり方を! この澁谷かのんの疾走を!」
かのん「うおおおおおおおお!!! 穂乃果さーん、私が来ました!」ダダダッ
穂乃果「あっ、かのんちゃん!」オーイ!
千砂都「かのんちゃん、春休みに漫画だけじゃなくてアニメも楽しんでるみたいだね」フフッ
すみれ「心配ったら心配ねえ」
0050名無しで叶える物語(あら)2022/03/19(土) 20:21:09.36ID:O1EqmZth
かのん「穂乃果さん、今日はよろしくお願いします!」
穂乃果「うん、よろしくね! へへっ、なんか勝負って面白そうだよね」
穂乃果「かのんちゃんから連絡が来たときから、ずっとワクワクしてたんだ!」
かのん「私もですっ! 穂乃果さん、覚悟してください! これから私は、穂乃果さんを超えます!」
穂乃果「穂乃果だって簡単には負けないよ! まだまだ穂乃果には勝てないって思い知らせてあげる!」
すみれ「穂乃果さん、すみません。うちのリーダーが失礼なことを……」
穂乃果「ううん、気にしないで。若い子はこれくらい元気がないとね」
千砂都「こちら、差し入れのたこ焼きです。後で召し上がってください」つ🐙ハイ
穂乃果「わあ、ありがとう! いい匂いだねー」
恋「私はイチゴを持ってきました」つ🍓ドウゾ
恋「同じイチゴ好きのスクールアイドルとして、仲良くしていただけると嬉しいです」
穂乃果「イチゴもくれるの? ありがと、嬉しい!」
可可「ククは何も持ってきてません……。まずかったデスか?」オロオロ
かのん「可可ちゃん、大丈夫だよ。賄賂なんて必要ないから!」
かのん「さあ、始めましょう! 勝負です、穂乃果さん!」
穂乃果「いいけど、何の勝負をするの? そこから決めなきゃだよね?」
かのん「大丈夫です。それはもう決めてありますから」
かのん「ところで穂乃果さん、穂乃果さんの家って古くからある和菓子屋さんなんですよね?」
穂乃果「そうだよ。穂むらっていうんだ!」
かのん「私の家もカフェをやってるんです。青山にあるんですけどね?」
かのん「ホットケーキとかナポリタンが人気で、アイリッシュコーヒーなんかもあったりして……」
かのん「やっぱり今をときめくスクールアイドルとしては、そういう青山のカフェみたいなおしゃれな――」
穂乃果「ねえ」
かのん「はい?」
穂乃果「かのんちゃん、まさかとは思うんだけどさ……」
穂乃果「もしかして、穂むらのことバカにしてる?」ギロッ
かのん「う゛え゛っ゛!? ……い、いやいや、そんな。まさか、そんなこと……」キョドキョド
かのん「ほ、穂乃果さんの家のことをバカにするだなんて、そんなのあるわけないじゃないですか」アセアセ
穂乃果「そうなの?」
かのん「そ、そうですよお。いやだなあ、あはは……」
穂乃果「……」ジー
かのん「いや、餡子に飽きたって言ってたから、ホットケーキとかの方が好きなんじゃないかなあって……」
かのん「そういうの作れる私の勝ちにならないかなって思っただけで、まさかバカにするなんて……」ボソボソ
穂乃果「かのんちゃん」
かのん「は、はいっ!」ビクッ!
穂乃果「そっか、ごめんね。勘違いしちゃった」
かのん「あ、いえ……」ホッ
穂乃果「それで、どうするの?」
かのん「え?」
穂乃果「いや、だから勝負の内容はどうするのかなって」
かのん「えっと、それは……」
穂乃果「もう決めてるんでしょ? 教えてよ」
かのん「あっと、その……」
穂乃果「それとも、やっぱりバカにしてる?」
穂乃果「古臭い和菓子屋の娘が相手なら、しゃれたホットケーキでも作ってやれば勝てるって?」
かのん「いえ、そんなことは……」
0055名無しで叶える物語(もんじゃ)2022/03/19(土) 20:31:25.07ID:Sn9dMi9x
メンタルよわよわかのんちゃん
かのん「だから、それは違うんです……」
穂乃果「だったら教えてよ。違うんなら言えるでしょ? もう決めてあるんだよね?」
かのん「……あの、あれです。その、あれなんですよ。あれ!」
穂乃果「あれ? それじゃ分かんないな。……やっぱり、穂むらのこと――」
かのん「ま、待ってください! 殴り合いです!」
穂乃果「……え?」
かのん「そうです、強い方の勝ちです! 最後まで頭の位置をより高きに置く者が勝者です!」
かのん「シンプルでいいでしょう!?」ネ? ネ?
すみれ「あのバカ! 追い込まれると、どうしてああなっちゃうのよ」ヒソヒソ
千砂都「テンパってるにしても、もうちょっと他にあったでしょ!?」ヒソヒソ
穂乃果「へえ、面白いね。いいと思うよ」ウンウン
穂乃果「やっぱり敗者は、地面に無様に這いつくばってるべきだもんね!」
かのん「は、はい……」
穂乃果「じゃあ、やろっか」ガシッ
かのん「え、穂乃果さん? えっと、試合前の握手ですか?」
穂乃果「海未ちゃんが言ってたんだけど、握手って右手でやらないとダメなんだって」
穂乃果「利き手の右手に武器を持ってませんって意味だから、今みたいに左手だと失礼なの」
穂乃果「だから、これは握手なんかじゃないよ」
かのん「だったら、これは……」
穂乃果「かのんちゃんは、ルーザールーズって知ってる?」
穂乃果「2人でハンカチの両端を握りながら殴り合って、ハンカチを離した方が負けってやつ」
かのん「じゃあ、まさか……」
穂乃果「うん、そうだよ。このまま右手で殴り合うの! 先に立てなくなった方が負けね!」
0058名無しで叶える物語(たまごやき)2022/03/19(土) 20:38:47.45ID:LQefo9ax
穂乃果「Fightだよ!」
かのん「や、やっぱり殴り合いはやめましょう! もっと平和な勝負に――」グイッ!
かのん「あ、あれ? 手が離れない? 力、強いっ! 強すぎっ!」グイグイ
かのん「なんで!? 穂乃果さんは、もう衰えてるはずでしょ!?」
穂乃果「確かに穂乃果は、あの頃より衰えたよ。今じゃライブも後輩たちに任せてる。……でもさァ」
穂乃果「穂乃果が弱くなったところで、別にかのンちゃンが強くなったわけじゃあないよねェ!」
かのん「ひいっ!」
穂乃果「あはっ! じゃあ、始めるよ!」グワッ!
かのん「ひいいいいいぃぃぃっ!」バタッ
穂乃果「なーんて、冗談だよ。可愛い後輩をボコボコにしたりするわけないじゃん」
かのん「……え?」
穂乃果「ごめんね。穂むらをバカにされてるのかなって思ったら、ちょっとイラッとしちゃって……」
穂乃果「怖かったよね? ごめんなさい」ペコッ
かのん「あ、いえ……。その、こちらこそ、すみませんでした……」
穂乃果「大丈夫かな? 立てる?」
かのん「は、はい。……えっと、あれ? ごめんなさい、腰が抜けたみたいで……」
穂乃果「そっか、本気で怖がらせちゃったみたいだね」
穂乃果「ごめんね。穂乃果が運ぶよ」ヒョイ
かのん「ほ、穂乃果さん!? お姫様抱っこなんて、恥ずかしいですよ!」アセアセ
穂乃果「大丈夫だよ。よくやってるから」
かのん「よくやってるんですか!?」ガーン!
穂乃果「かのんちゃん、軽いね。ちゃんと食べてる?」
かのん「は、はい」
千砂都「あの、穂乃果先輩。かのんちゃんを運ぶって、どこに運ぶんですか?」
可可「これからどこかに行くデスか?」
穂乃果「うん、穂むらに行くつもりだよ! ほむまんを食べさせてあげるね!」
恋「ほむまん? 穂むらの名物のお饅頭でしたっけ?」
穂乃果「そうだよ! 毎日ずっと食べてるとさすがに飽きちゃうけど、たまに食べると美味しいんだ」
穂乃果「μ'sのみんなも美味しいって言ってくれるし、Liella!のみんなにもご馳走するね!」
すみれ「私たちまで頂いていいんですか?」
穂乃果「もちろんだよ! さあ、行こっか」
穂乃果「あ、勝負は穂乃果の勝ちでいいかな? かのんちゃんは立てないみたいだしさ」
かのん「……はい、私の負けでいいです。あ、いや、私の負けです」
穂乃果「また勝負しようね! 今度は歌とかダンスとかがいいな!」
穂乃果「じゃあ、行くよ。みんなもついてきてね!」
かのん「はい、ありがとうございます」
チクレス「「「「ありがとうございまーす」」」」
0067名無しで叶える物語(茸)2022/03/19(土) 20:52:03.32ID:QdtwXMuG
>>26
しれっと流してるけど10人に1人て…人喰わせてるやんけ さらにさらに翌日 結ヶ丘女子高等学校 部室
可可「ほむまん、美味しかったデスね」
恋「お土産に頂いたものが、まだありますよ。召し上がりますか?」
可可「はい、食べたいデス!」
すみれ「私も食べようかしら」
恋「でしたら、お茶でも淹れましょうかね」ゴソゴソ
可可「レンレン、ありがとうございマス!」
千砂都「かのんちゃんも食べよう?」
かのん「……うん」
すみれ「でも、勝負も無事に終わってよかったわよね」
恋「そうですね。途中で何度か、どうなることかと心配になりましたけど」カチャカチャ
すみれ「まあ、無事って言っていいのかは微妙な気もするけどね」
可可「ククたちはみんな生きているのだから、無事に決まってマス」
すみれ「どうしてそんな過酷なことになってるんだか」ハァ
千砂都「でも、どうしてかのんちゃんは先輩たちと勝負しようなんて思ったの?」
千砂都「なんかテンションもおかしかったし、焦ってるみたいで心配だよ……」
かのん「……そうだね、確かに焦ってるのかもしれない」
すみれ「なんでよ? 何か焦るようなことでもあった?」
かのん「春休みだから、なんとなくテレビを見てたんだけどね」
かのん「そこで言ってたんだ。リーダーとは希望を配る人のことを言うって」
恋「ナポレオンの言葉ですね。……はい、緑茶が入りましたよ」カチャ
かのん「ありがとう」
0070名無しで叶える物語(あら)2022/03/19(土) 20:59:46.10ID:O1EqmZth
すみれ「それで、ナポレオンがどうしたのよ?」
かのん「それを聞いて思ったんだ。私はリーダーなのに、みんなに希望を配れてないんじゃないかって」
可可「かのん……」
かのん「ラブライブの新しいプロジェクトも始まるんだし、こんな体たらくじゃダメだ」
かのん「リーダーの私が、Liella!の希望にならなくちゃいけないんだから!」
千砂都「それで先輩たちとの勝負に勝って、私たちに希望を配りたいって思ったんだね」
かのん「うん、まあ結局のところ誰にも勝てなかったんだけどさ……」
かのん「自分で勝手に勝負の内容を決めておいて3連敗とか笑っちゃうよね」アハハ
恋「かのんさん……」
かのん「考え方が卑怯なくせにいいところなく負けて、負けても何も学ばずに醜態を晒してばかり……」
かのん「やっぱり、そもそも私なんかがリーダーなのが間違ってたんだよ」エヘヘ
千砂都「そ、そんなことっ!」
かのん「今まで、ごめん。バカなリーダーが、ずっと迷惑かけて――」
すみれ「かのん、あんたホントにバカね」
かのん「うぐっ! ……うん、だから、これからはすみれちゃんが――」
すみれ「かのんがリーダーなのが間違ってた? 勝手にそんなこと言ってんじゃないわよ!」バンッ!
かのん「す、すみれちゃん!?」
すみれ「あんたにスカウトされたとき、私がどれだけ嬉しかったか……」
すみれ「あのときもらった名刺を大事に取っておいてる私が、ただのバカみたいじゃない!」
恋「ええ、すみれさんの言う通りですよ」
恋「バカな思い込みで暴走した私を救ってくれたあなたに、私がどれほど感謝してると思ってるんですか?」
恋「それに、あなたがいなければ音楽科と普通科の溝が深まって、学校だってどうなっていたか……」
恋「かのんさん、あなたはすでに私の希望なんです」
かのん「れ、恋ちゃんまで……」
可可「そんなこと言ったらククだって、かのんにはたくさん感謝してマス!」
可可「スクールアイドルになりたくて日本に来て、かのんの歌声に心を奪われて……」
可可「クーカーでTiny Starsを歌った初めてのライブで、かのんは震えるククの手を握ってくれました」
可可「あのとき感じたあの気持ちが希望じゃないなら、いったい何だって言うデスか!?」
千砂都「かのんちゃん、そうやってネガティブになっちゃう繊細なところも嫌いじゃないけどさ」
千砂都「でも、もっと自分を信じてあげて?」ネ?
千砂都「少なくとも私は信じてるよ。かのんちゃんは誰にも負けないって、銀河一にだってなれるって」
かのん「可可ちゃん……。ちぃちゃんも……」
すみれ「この私をスカウトしたのだから、胸を張りなさい」
すみれ「リーダーはあんたよ。やめるだなんて、そんなの私が許さない」
恋「私も生徒会長ですから、失敗してしまったときに責任を取ってやめたくなる気持ちは分かります」
恋「でも、それは勘違いなんですよ。責任を取る道は、そんな身投げのような行為の中にはありません」
恋「責任を取るという道は、もっとずっと地味で全うな道なんです」
可可「そうデスよ! ククもかのんにリーダーをやめて欲しくありません!」
可可「それに、あんまり自分のことを悪く言わないでください」
可可「かのんをリーダーと認めた、私たちも可哀想になっちゃいマス」
千砂都「私もかのんちゃんにリーダーを続けて欲しい。これからもかのんちゃんについて行きたい」
千砂都「かのんちゃんこそ、私のリーダーだよ。かのんちゃんに仕える。かのんちゃんに尽くす」
千砂都「どうか私を導いて欲しい。同じ夢を見させて欲しい」
かのん「みんな!」ペカー
かのん「そっか、そうだよね。やっぱり私がリーダーじゃなきゃダメだよね!」
かのん「私みたいにハイスペックなリーダーがいた方が、Liella!にとってもいいよね!」ネ!
恋「あ、はい」
かのん「えへへ! みんなに励ましてもらえたおかげで、なんか自信が出てきたよ」ドヤァ!
かのん「あっ、いいこと思いついた! みんな、私についてきて!」
かのん「バーチャルスクールアイドルのリーダーを探して勝負しよう! 後輩になら、きっと勝てる!」キリッ
すみれ「さっきまで死にそうな顔でへこんでたのは何だったのよ……」
千砂都「かのんちゃんって、スポンジみたいなメンタルしてるから」
すみれ「すぐにへこむけど、あっさり元通りってわけ?」
すみれ「もう少しへこませといた方がよかったかしら」ヤレヤレ
可可「そんなこと言って、嬉しそうな顔してマスよ。すみれ」ヘヘッ
すみれ「あんたもね。可可」フフッ
恋「まあ、今は我らがリーダーの復活を喜びましょうか」
かのん「よーし、みんな行くよ! えい、えい、おー!」オー!
チクレス「「「「おー!!!!」」」」オー!!!!
0076名無しで叶える物語(あら)2022/03/19(土) 21:13:19.30ID:O1EqmZth
終わりです
0080名無しで叶える物語(かぶらずし)2022/03/19(土) 22:57:38.83ID:zAPj704l
乙、急なエモへの路線変更好き
0081名無しで叶える物語(もんじゃ)2022/03/19(土) 23:59:08.09ID:U1c1V5k0
これは良作
0083名無しで叶える物語(光)2022/03/20(日) 08:45:11.34ID:BbXD5g5p
ルーザールーズで草。刃牙に影響された穂乃果ちゃんは字面だけで面白い。
0084名無しで叶える物語(英彦山)2022/03/21(月) 08:36:01.63ID:dyowwxKD
乙
調子に乗ったメスガキかのん好き
0086名無しで叶える物語(くさや)2022/03/22(火) 12:00:37.14ID:LMRAQwZY
マンマルのエサが怖いかのんは解釈一致すぎる