―放課後・璃奈の家―
しずく「やったね!」
璃奈「でも、恥ずかしくて璃奈ちゃんボード使っちゃった」
しずく「それは仕方ないよ。好きな人にあーんなんてされたら誰でもそうなるもん」
愛「愛さんも、りなりーにあーんなんてされた日には、その箸を持って帰って永久保存するかもしれないね」
しずく「真面目な顔して冗談言わないでください」
愛「もうさ、告白してもいけそうじゃない?」
しずく「そうですか? 私は、もう少し積んだ方がいいと思いますけど」
璃奈「明日もお弁当作り頑張る(ふんすっ)」
愛「今日は付き添えたけど、明日も付き添った方がいい感じ?」
璃奈「ううん。レシピは全部データ化してある。失敗はない」
しずく「さすが璃奈さんだね」
璃奈「”しゃべる!DSお料理ナビ”も買った」v
しずく「まだ売ってたんだ」
0042名無しで叶える物語(光)2021/01/23(土) 00:03:10.45ID:LUbpax84
侑ちゃんはそんな事言わない
―1週間後・お昼休み 歩夢の教室―
愛「歩夢ーーッ! 一緒にご飯食べよー」
歩夢「・・・・・・」ゴソゴソ
愛「今日は時間無くてさ、焦ってたらもんじゃ詰めてきちゃったよ」アハハ
ガタッ
愛「あれ? お弁当持ってどこ行くの?」
歩夢「愛ちゃんには関係ない」
しずく「あれ? お弁当持ってどこ行かれるんですか?」
歩夢「侑ちゃんの所だよ!」ムスッ
愛「愛さん達は?」
歩夢「ここ最近、毎日毎日一緒に食べてたんだから、たまには侑ちゃんと食べたいの!」
しずく「あ、いえ、でも、今は、ほら、まだ授業中かもしれませんよ?」
歩夢「終わるまで廊下で待ってるからいい」プイッ
愛「えー! せっかく教室まで来てるんだからさー、今日は一緒しよーよ」
歩夢「愛ちゃんとしずくちゃんって、最近すっごく仲良いよね?」ジーッ
しずく「そ、そうですか?」
歩夢「そんなに仲良しなら2人でお昼食べればいいでしょ」
愛「まあまあ、アタシのおかず1つあげるから落ち着いて」
歩夢「もんじゃじゃん!」
愛「たくあんもあるよ?」
歩夢「もういい!」
タッタッタッ
愛「うーん、さすがにまずかったかな」
しずく「一応、璃奈さんに連絡しておきますね」ポチポチ
愛「さすがに教室でたくあんはヒンシュク買うよねー。時間なかったから、ぬか付いたままだし」
しずく「あっ、うっかり。かすみさんと一緒に食べる約束をしていたのを忘れていました」タッタッタッ
0046名無しで叶える物語(えびふりゃー)2021/01/23(土) 00:06:05.74ID:sLC/jV4O
うーんなんだろう
侑ちゃんは歩夢の卵焼きを下げるような言い方はしないと思うし愛さんも歩夢の気持ちわかってて邪魔するようなことはしないと思う
正々堂々やらないと
―廊下―
トボトボトボ
歩夢「はぁー」(侑ちゃん、どこ行ったんだろう)
「歩夢ちゃん? なにか探し物?」
歩夢「ううん。なんでもないよ」
「そう?」
歩夢「うん」ニッコリ
キョロキョロ
(なに探してるんだろう)キョトン
―同じ頃・屋上―
璃奈「あーん」
侑「どう? 美味しいでしょ?」
璃奈「うん。今日は上出来」モグモグ
侑「今日”も”だよ。毎日ありがとう」ニコッ
バッ
璃奈「(テレテレ)」
侑「あははっ。照れる璃奈ちゃんも可愛いよー」
璃奈「ありがと(テレテレ)」ボソッ
0050名無しで叶える物語(もんじゃ)2021/01/23(土) 00:12:49.75ID:/CB7AdoZ
歩夢を当て馬にする顔面ボード信者死ね
璃奈「私のも食べてほしい」
侑「同じお弁当だよね?」
璃奈「少しだけ味付けを変えてある」
侑「でも、璃奈ちゃんのお弁当作るついでに作ってくれてるんだよね?」
璃奈「うん」
侑「味付け変えてるなら余るよ? 卵焼きなんて、1つ作ると4切れくらいできるから」
璃奈「・・・・・・私の家のフライパンは細長いから2切れで丁度いい」
侑「へえ。なんかすごいね」
璃奈「だから、食べてほしい」
スッ
侑「あーっ」
モグモグ
璃奈「・・・・・・」ウツムキ
侑「んっ! こっちはちょっと醤油が強めだね」
璃奈「どう?」
侑「美味しいよ!」
璃奈「どっちが好き?」
侑「うーーーん」
ピピッ
璃奈「・・・・・・」ポチポチ
しずく:歩夢さんの足止めに失敗しました。そちらに向かっているかもしれません。
璃奈「・・・・・・」
侑「どっちも美味しくて選べナイヨー!」
―放課後・部室―
歩夢「侑ちゃん? 今日のお昼、どこで食べてたの?」
愛「!!」
しずく「!!」
璃奈「・・・・・・」
侑「お昼? 屋上で食べてたよ」
歩夢「あっ、そうなんだ」
侑「ごめん。もしかして探してた?」
歩夢「うん、まあ、少しだけ」
侑「それなら連絡してくれれば良かったのに」
歩夢「ううん。そんなに大した用じゃなかったから。それに忙しい時だったら悪いと思って」アセアセ
侑「もう、私達の仲なんだから遠慮なんてしないでよ」ニコニコ
歩夢「ふふっ、そうだったね」
愛(あれ?)
―週末・璃奈の家―
しずく「お弁当作戦は順調だね」
璃奈「うん。今日も食べさせてあげられた」モジモジ
しずく「侑さんからは?」
璃奈「・・・・・・」モジモジ
しずく「もちろん?」
バッ
璃奈「(てれてれ)」
しずく「ふふっ。璃奈さんは相変わらず可愛いですね」チラッ
愛「・・・・・・」
しずく「・・・・・・なにかエッチな事でも考えているんですか?」
愛「いやさー、歩夢の様子おかしくない?」
しずく「そうですか?」
愛「なんて言えばいいのかなー、うーん」
璃奈「落ち着いてる?」
愛「そう、かな? 前はもっと「侑ちゃん、侑ちゃん」って騒いでなかった?」
愛「今日だって、どうして屋上に行ったのか、誰とお弁当食べてたのかも追及してなかったしさ」
しずく「そう言われれば・・・・・・」ウーン
璃奈「侑さん離れ、かもしれない」
しずく「あの歩夢さんがですか?」
愛「考えにくいけど、今までが異常だったと考えれば正常に戻ったとも言えるっしょ?」
しずく「たしかに、先日までは私達の昼食に付き合ってくれていましたしね」
愛「前までの歩夢だったら、私達を殴り倒してでもゆうゆの所に駆けつけてたって」
しずく「それは言い過ぎだと思います」
愛「とにかくチャンスだよ!」
璃奈「告白する」ガタッ
愛「ヨッシャー! サイコーなスパートかけるぞー! 最後(Last)だけに」
璃奈「おー」ニッ
しずく「あっ!」ガタッ
愛「どうしたん?」
しずく「今ッ! 璃奈さんが今ッ!」アワアワ
―翌日・虹ヶ咲学園―
璃奈「・・・・・・」ドキドキ
璃奈『日曜日の朝8時、部室棟の屋上に1人で来て』
しずく『誤字もありませんし、簡潔で分かりやすい。これで問題ないですよね?』
愛『オッケー!』
璃奈『・・・・・・』ドキドキ
ポチッ
愛『終わったら愛さんの家でパーティーやるから絶対に来てね』
しずく『成せば成る。さっきの笑顔を思い出して!』
愛『気合い入れる為に勝負下着にするっていうのは?』
しずく『ばっ! 愛さん! 璃奈さんがそんな猥褻物もってるワケありません!」ガタッ
愛『あの下着の事だからね?』
璃奈『あっ』
しずく『持ってるの!?』
ゴソゴソ
手鏡を取り出し、自分の表情を確認する。今朝から不安になる度に繰り返している事だ。
璃奈「・・・・・・」ニッ
ほんの少しだけ口角が上げられるようになった自分を見ると、告白も上手く出来るように思えた。
手鏡をポケットにしまい、屋上に吹く風を感じる。ゆるやかな風が木々を揺らす音までも聞こえた。
日曜日の朝、平日とは比べ物にならないほど校舎は静かだった。
璃奈「頑張ろう」
そう心に誓う。璃奈ちゃんボードは自宅に置いてきた。
ガチャ
ドキッ
侑「待たせちゃったかな? ごめんね」
「私もいま来たところ」
侑「それなら良かった」
「私の方こそごめんなさい」ペコリ
「忙しい侑さんを呼び出したりして」
侑「ううん。気にしないで」
「どうしても聞いてもらいたい事があって」
侑「うん」
「すぐに終わるから最後まで聞いてほしい」
侑「なんでも話してよ。なんでも」
「私ッ、侑さんのことが好き。愛してるっ」
「表情豊かな侑さんが・・・・・・すき」
「スクールアイドルに夢中になってる侑さんが・・・・すき」
「一緒にお弁当食べてくれる侑さんが・・・すき、私の練習に付き合ってくれる侑さんが好きっ」
「体の固い私を応援してくれる侑さんが好き! もっと侑さんの事が知りたい、私の事も知ってもらいたい」
「だから、私と付き合ってほしい」ペコリ
侑「・・・・・・」
侑「顔、上げて?」
「うん・・・・・・」
侑「ありがとう。とっても嬉しいよ」
「私の方こそ、聞いてくれてありがとう」ニッ
侑「私ね、――――」
―もんじゃ みやした―
愛「りなりー、まだかなー」
しずく「クラッカーまで準備しましたけど、これ鳴らしても大丈夫ですか?」
愛「え? 大丈夫っしょ」
しずく「もしも璃奈さんが泣きながら帰って来たら怒られません?」
愛「絶対に大丈夫だってー」
しずく「そうですよね! 最悪の可能性に備えて、ウィッグと髪留めもありますし」
愛「だからそれは要らないってば」アハハ
ガラッ
璃奈「・・・・・・」
愛「いらっしゃい!」
しずく「あわわっ」
パーン
愛「りなりー! おめおめー!」
しずく「おめでとう!」
璃奈「・・・・・・」
愛「りなりー?」
しずく「ま、まずは座ろっか」
愛「そだねー。こっちだよー」
テクテクテク
ストン
璃奈「・・・・・・」
愛「さーさー、これ付けてね」
璃奈「・・・・・・」(パーティー帽)
しずく「これもどうぞ」パサッ
璃奈「・・・・・・」(”本日の主役”たすき)
愛「よーし! 愛さん気合い入れてもんじゃ焼いちゃうぞー!」バッ
ジューッ
しずく「まだ午前中なので、軽めのでお願いします」
愛「おけまるー」パサパサッ
しずく「いま振りかけてるのは?」
愛「チーズだよ」
しずく「璃奈さんも朝からチーズは厳しいよね?」
璃奈「・・・・・・ごめん、なさい」ボソッ
ジューッ
愛「え? なんて?」
しずく「ちょっと! 焼くの中断してください!」
愛「無理だって! とりあえずこれだけ焼いちゃうからちょい待って」
しずく「璃奈さん、あっちの席に行こう」
トコトコトコ
愛「あっ! もうすぐ終わるから! ホントすぐだから!」
ジューッ
0065名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/23(土) 00:46:36.29ID:lRxa4jX+
しずく「璃奈さん、大丈夫?」
璃奈「ごめんなさい」ウツムキ
しずく「泣いてもいいんだよ? 今日は愛さんのご家族もいないって言ってたから」
璃奈「何があっても侑さんの前じゃ泣かないって決めてた」
しずく「うん・・・・・・」
璃奈「でも、あの時も今も涙が出てこない。不思議」ボーッ
しずく「それはきっと・・・・・・」
愛「へい! チーズもんじゃお待ち!」
しずく「注文してませんけど」
愛「え? 粉チーズかける?」
璃奈「愛さんもごめん。私、フられちゃった」
愛「なんで謝るの?」
しずく「そうだよ」
0066名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/23(土) 00:49:12.75ID:lRxa4jX+
璃奈「だって、私の為にいろいろ協力してくれて、休みの日に家まで来てくれて」
愛「そんなの当たり前っしょ! だってアタシら友達じゃん」
しずく「2人のデートに割り込む作戦会議も、お弁当の献立のアイディアも、璃奈さんの家にお泊りしたのも――」
しずく「全部楽しかったよ」ニッコリ
璃奈「ありがと」ボソッ
愛「そーそー。結果がついて来ない事なんてなんにでもあるからね」
愛「どんなにテスト勉強頑張っても点数とれない時とか、どんなに練習しても本番でシュート決められなかったり」
しずく「愛さんにもそんな事があるんですね」
愛「あるある。いーーーっぱいあるから」
璃奈「そういう時はどうしてるの?」
愛「お腹いっぱい食べる! それからまた練習する!」
しずく「それでよくそのスタイルを保てますね」
愛「食べた分は、ちゃんと消費してるからね」キリッ
0067名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/23(土) 00:51:47.91ID:lRxa4jX+
璃奈「じゃあ、私もそうする」
愛「そーそー! はい、口あけてねー」
スッ
侑『はい、あーん』
璃奈「・・・・・・」
愛「りなりー?」
侑『それ絶対璃奈ちゃんに似合うよ!』
侑『こういうのはどう? お揃いで買う?』
侑『あっ! 私、このおかず好きなんだよねー』
一緒に出掛ける事も、お弁当を食べる事も、もう・・・・・・もう・・・・・・――――。
0068名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/23(土) 00:54:22.46ID:lRxa4jX+
璃奈「ごめん・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」ウルウル
愛「謝らないでよ」
コテを皿に戻し、正面から優しく抱きしめる。
璃奈「わ、たし・・・・・・」
愛「ちゃんと好きって伝えられた?」
璃奈「う、ん」
愛「ちゃんとゆうゆの顔みれた?」
璃奈「う゛、ん」
愛「今まで泣かなかったよね?」
璃奈「ん゛っ」コクン
愛「それなら上出来だって。誰でも初めては失敗するもんっしょ?」
ナデナデ
璃奈「んっ、ん、んぅっ〜〜――ッ」ポロポロ
しずく「あっ、意外と食べられますね」モグモグ
0069名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/23(土) 00:57:36.88ID:lRxa4jX+
―虹ヶ咲学園 部室棟屋上―
侑「・・・・・・」
ガチャ
歩夢「侑ちゃん」
侑「歩夢・・・・・・」
空を仰いだまま答える侑に、歩夢はゆっくりと近づいていく。
歩夢「全然戻って来ないから心配したよ」
侑「私ってさ、酷い女だよね」
歩夢「そんな事ないよ」
侑「ごめん」
歩夢「どうして謝るの?」
侑「私達のこと、璃奈ちゃんに話しちゃったから」
歩夢「侑ちゃんは間違ってないよ」
侑「ねえ、歩夢」クルッ
歩夢「ん?」
侑「少しだけ、抱きしめさせて」
歩夢「学校ではそういう事はし――」
侑「少しだけだから」
歩夢「・・・・・・分かった。おいで」
ギュッ
0070名無しで叶える物語(光)2021/01/23(土) 00:58:36.29ID:rjOTA4JT
見とるぞ
0071名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/23(土) 01:00:51.52ID:lRxa4jX+
―1時間後―
愛「改めて! りなりー慰め会はじめーっ!」
璃奈「わー」パチパチ
しずく「あの、私はもうお腹いっぱいなんですけど」
愛「しずくって意外と食べるよね〜」
しずく「むっ」(2人が抱き合ってる間、もんじゃを食べる事しか出来なかったんですよ!)
璃奈「愛さん、私にも焼いてほしい」
愛「あいよ!」
ジューッ
0074名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/23(土) 01:04:59.87ID:lRxa4jX+
璃奈「愛さん、しずくちゃん」
しずく「うん?」
璃奈「私、これからも頑張る」
ジューッ
愛「え? なんだって?」
しずく「侑さんの事?」
璃奈「うん。1回じゃ諦め切れない」
しずく「その意気だよ! 私も愛さんも何度でも応援するからね」
璃奈「ありがとう」
愛「お待たせ! これで粘り勝てる! 特製モチ入りもんじゃだよ!」
ジュー
おわり
愛さんしずくちゃんとしては侑達二人がみんなに打ち明けないならりなりーの味方をしない理由はないよ、みたいな感じだったのかな
最後までお付き合いいただきありがとうございました
>>1
あらためて代行ありがとうございました 0078名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/23(土) 01:13:50.80ID:7xy4ZHRA
乙 乙女りなりーかわいい
愛さんとしずくちゃんが清涼剤になっててサラッと読めたのがよかった
所々笑わせてくれた愛さんマジ愛さん
良かったよー乙
もんじゃ焼くとうるさくなって毎回声聞こえなくなるのがなんかワロタw
0085名無しで叶える物語(たこやき)2021/01/23(土) 02:25:11.87ID:6J4mt4Fx
フォ━━ヽ@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リノ ━━!!!!
おつ
璃奈ちゃんボード『これで勝ったと思うなよー!!』