「次の方どうぞ」
「水野由結、20歳です」
「えーと、さくら学院てアイドルを15歳までやってたの。
そのあとの5年は?」
「はい。別の音楽ユニット、あ、ダンスをやってたんですが、
そこに少し所属してたんですが、体調不良で辞めました。」

「ふーん。まあいいか。今回はね、
「成田空港23時の殺意」っていうサスペンスドラマの、
ま、いってみたら汚れ役で、部下のOLが、
ある会社の社長の愛人なんだけど、邪魔になって海外出張の時に
毒を盛られて殺される役なんだけど、そういう演技できる?」
「あ、はい。少し前ですが子役でドラマは出てますし、
ミュージカルもCMもやってますので。
倒れたりするのもダンスで慣れてます。」

「そんなダンスあんの?まぁじゃあ、ちょっとここのマーカー
引いてある部分の本読みやってくれる?」

「はい、、、、社長!話が違うじゃないですか?
毎月50万くれるから愛人になったのに、
それに周りにばれないように、同僚にも秘密にして。
でも出張に同行ばかりさせられて周りにも怪しまれてます。」
「だいたい、海外の長時間の移動ばかりで疲れるし、誰にも喋っちゃいけないばっかりで、
他の仕事を一切させないのはおかしいと思うんです。
秘密ばかりで息が詰まりそう。もう我慢できません!」

「カット!うまいね、真に迫ってたよ!
でも後半アドリブ?そんなこと台本に書いてないんだけど?」