Ｑ. 鬼滅の刃があれだけ騒がれてるのに、それを全く脅威だと思わない理由は？
王道じゃないからというのはあるかな。
手塚治虫、藤子･F･不二雄、鳥山明、尾田栄一郎、時代のトップに立ち 漫画界を牽引してきた者は常にファンタジスタだった。
子供受けするファンタジックな絵・キャラクターを描ける才能が、いつの時代も子供たちの支持を集めて漫画界の中心に君臨していた。
それは選ばれし『王』であり『血統』なんだ。
残念ながら…という言い方が正しいかはわからないが、鬼滅の刃はその王の条件を満たしてない。
僕からすると、SLAM DUNKやるろうに剣心、進撃の巨人や暗殺教室と同じカテゴリーの漫画に見える。
すごく人気はあるが王ではない、王の側近的な感じ…やっぱり王というのは子供心を惹きつけてなんぼだからね。
まあ、ONE PIECEも随分前から子供受けする漫画じゃなくなっているから、現代は王不在の時代かなと僕は思う。
だからね、真に子供心を捉える漫画・漫画家が強く求められているんだ。
『ザ・王道』の漫画がね。
鬼滅の刃は現在、すごく人気があるけども、それでも漫画界が求める本当の救世主じゃない…というのが僕の考え方だ。
Ｑ. 王道系でとてつもない才能が出て来たら脅威だと思う？
まあ、最も現れて欲しくないタイプではあるよね。
ナンバーワンを目指す上で、それはかなりの脅威となる。
でも、現れたら現れたで戦って行かなければいけないし、同時にその才能がどんな事をやって来るのか、アイデアと演出を楽しみにするよ。
僕はナンバーワンに対するこだわりを持っているけれど、同時に漫画の可能性についての探究心もすごく持っているんだ。
とある才能が僕が見つけられなかった理論や法則を見つける事が出来たのだとしたら、僕もまたそこから学んでレベルアップ出来る。
でも…僕はやられそうなアイデアは全部先にやるつもりだ(笑)
宇宙を舞台にした物語だから何でも出来ちゃうし、思いつく最大のアイデアをどんどん投入するつもりさ。
Ｑ. NARUTOの岸本が宇宙モノで失敗したが、どう受け止める？
僕が描こうとしてる宇宙モノと似たものは、これまでの漫画で皆無だ。
だから他の人がその人なりの構想で失敗しようが、僕には何の関係もないし何の問題もない。
Ｑ. サムライ8が失敗した理由は何だと思う？
前作が大成功したから、その悪い方の影響だと思う。
やっぱり読者は作者の実績とか知名度じゃなくて漫画の内容で判断するんだ。
「前作での成功によるボーナスがあるはずだ」って考えで漫画に取り組むのはダメなんだ。
その甘えは漫画のキレをなくすからね。
逆に言うと無名からでも漫画がキレキレで面白ければ人気になるのが、漫画の良い所だと思う。
今は本当に面白いものはクチコミで広がる時代だしね。
そう、漫画は実績や知名度など関係ない実力社会だ。
もちろん、実績や知名度がある方が最初に手をとってもらいやすい利点はあるけど、それだけの漫画は決して人気を維持出来ない。
